唯「りっちゃん…」

律「ん…?」

さっき、床に横たわらせておいた唯が水揚げされたマグロみたいに
口だけパクパクさせていた。


律「どうした」

唯「私の体も洗ってよう」

律「そりゃ背中くらい洗ってやるが基本的には自分で洗えよう」

唯「パクパク」

律「なんだ」

唯「めんどい…」

律「しょうがないヤツだなあ」


アタシは寝そべったままの唯の裸体にシャンプーを全部ぶちまけ
シャワーを浴びせかける。


唯「アワアアアアアアア!?」


すると唯の体から山のような泡がブクブク噴き出し
唯は泡の中へと埋もれてゆく。


ムクムクムク


と、泡の中から泡の固まりマンが起き上がってアタシに殴りかかってきた。


律「破ァ!!」


アタシはギース・ハワードみたいな当て身投げでソイツを浴槽に叩き落とす!!


ドバッシャアァアン


律「あっ」


浴槽の中で泡が剥がれおち、中から出てきたのはムギだった。


白桃みたいなムギケツがぷかぷか揺れている。


律「唯はっ!?」

澪「律、アソコだ!」

澪の声に反応して振り向くとババアがブリッジしつつ
アソコをぐぱぁと拡げながらコチラを威嚇していた。


律「アソコだ」

澪「な?」

アタシと澪は失神した。


律「ハッ」


目が覚めると銭湯のロビーでアタシは正座させられていた。


バスタオル一丁なので脚のスネがカーペットでチクチクする。


隣には澪やムギ、唯、さわちゃんも正座していた。


そんなアタシらを梓が偉そうに腕組みしながら見下ろしている。


梓「お前たちは今から下ネタ禁止です」

澪「えっ」

梓「お前たちは女の子が下ネタ言ってりゃ面白いとか思ってるクズ人間です!!」

唯「そんな事いったって55月病だから仕方ないもん」

律「55月って何月だよ」

唯「55月」

澪「なんて適当なヤツなんだろう」

梓「黙るです!下ネタをやめるです!」

さわ子「55月って下ネタなの?」

梓「知らんです」

紬「大体、下ネタがどうとか貴様にそんな事を言う資格あるの?」

梓「うるさいです!」


梓はイライラした様子でバク宙した。

律「おお、すげえ。お前、バク宙できんの?」

梓「もっと出来ますよ!」


アタシにおだてられて嬉しそうな顔でバク宙した所に合わせて、澪が蹴りをかますと梓はバカだから5メートル先のドクターフィッシュの水槽の中へと吹っ飛ばされてった。


ドバッシャアァアン


ドクターフィッシュとは人間の皮膚の悪い所だけを食べてくれる賢い魚だ。

梓「うわあああああ!?体が喰われるです!?」


邪悪な固まりの梓は全身を食べられそうになって死にもの狂いで水槽から脱出した。


梓「危うく食べられるトコでした!怖かった~…」


さわ子「あら、心なしかキレイな梓ちゃんに」

紬「ドクターフィッシュに悪しき部分を食べられたんですね」

唯「じゃあ、あのままだったら、あずにゃん全部食べられたのかなあ」


メダカくらいの小ささのドクターフィッシュに殺されかけた人類は

後にも先にもアイツだけだろう。


そんなヤツが放課後ティータイムの一員だなんて嫌な話だな…。


アタシの頬を一筋の涙がキラリした。


純「ちょ…なにしてんのぉ!?」

アタシがゲンナリしていると従業員たる純ちゃんがモジャモジャ走ってきて

梓にまとわりついていたドクターフィッシュを丁寧に外して水槽に優しく戻してあげた。
ぽちゃんっ


梓「ぜえぜぇ」

純「大丈夫?」

梓「うん…ありがと、純」

純「いや、今の『大丈夫?』はお魚ちゃんに言ったんだけど…」

梓「またまた~。純は私の事が心配でタマらないんでしょ?」

純「う~ん…」


純「別にそうでもないね!」


唯「さわやかな笑顔だなぁ」

梓「うぉおぉお!?」


梓は突如、奇声をあげ下半身丸出しで
純ちゃんの頭に脚を絡ませ組み付いた。


純「あっ、なにすんの!?」

梓「ほら、純のモジャモジャと私のモジャモジャがモジャモジャ交じりあって今一つに!!」

澪「アイツ、下ネタ禁止みたいなこと言ってなかったか」

紬「入部してきた頃は可愛らしい子だったのに」

純「いい加減にしろ!!」

ぶちっ

純ちゃんは梓のモジャモジャを全部抜いた。


さわ子「しかし純ちゃんって元気ねえ」

純「あれ、みなさんは元気じゃないんですか?」

律「やー、なんだか5月病気味で…」

唯「やる気を出そうと思って遊びに来たんだけれど効果はいまいちだったね」

純「ははぁ」

澪「純ちゃん、何か元気の秘訣はあるのかい?」

純「あっ、ハイ。まぁ、秘訣ってほどでもないけど、憂が元気を分けてくれるんです」

唯「もぇ?」

律「憂ちゃんが?」

純「憂が特別に何かをしてくれるってワケじゃないんですけど
いつもテキパキてしてるじゃないですか、あの子」

澪「うんうん」

律「確かにあのコがダラけてるイメージはないなあ」

純「そんな友達が身近にいると私も何かがんばらなきゃ~って!」

純「それがまあ元気のヒケツというか、まあ、ハイ」

紬「素晴らしいわ」パチパチパチ

さわ子「素晴らしいわねえ」パチパチパチ

律「でもさ、それ、ちょっとだけ妙な話じゃね?」

純「アハハ、やっぱり変ですかね」

律「いやいや、純ちゃんは全然いいんだけれど」

澪「憂ちゃんと一緒にいて元気モリモリなら
何故、一緒に住んでる姉はこのザマなんだろう」

唯「あぃ?」ポケ~ッ

紬「ハッ、唯ちゃんがポケ~ッとモンスターに」

純「ああ…お姉さんのなまけパワーが過ごすぎるんで
憂のテキパキパワーが中和されてしまうと言ってましたっけ」

純「だから今日はもっとテキパキしてる人の家に泊まって
パワーを充電してくる~って…」

澪「へえ」

紬「憂ちゃんよりテキパキしてる子がいるのね~」

梓「じゅ、純!!ソイツの名前知ってる!?」

純「おっ?どしたの梓」

唯「あずにゃん、憂が自分の知らない友達とお泊まりしてるのが気にいらないんだって」

純「器ちっちゃ」

梓「私のケツ穴が小さい方が締まり良くて純は気持ちいいでしょ!?」

純「この人なに言ってるのかなあ」

純「ああ、そうそう」

純「そいえば、そのお友達ってノドカさんとか言ってましたかね~」

唯「ああ?」

澪「どうした唯」

唯「ノドカさんって和ちゃんの事?」

純「さあ…昔からの知り合いの赤メガネっ娘生徒会長みたいに言ってましたけど…」

律「そんな人類、1人しかいねえ」

唯「私きいてない」

澪「ん?」

唯「私、憂が和ちゃん家に私抜きで泊まるなんて聞いてない」

梓「そりゃ憂にだって唯先輩の知らない付き合いもありますよ」

唯「ない!」

ガボーン

梓「ボバッ!?」

唯は梓の頭をひっつかんでドクターフィッシュの水槽にぶち込んだ

梓「ゴボゴボゴボ」

律「お、おい、梓がドクターフィッシュに喰われるぞ!」

澪「その前に溺れ死ぬよw」

純「お、お姉さん!やめてあげてください!」

唯「もうちょっと、もうちょっと…!」ググ

梓「ガバゴボゲベガベ」ジタバタ

さわ子「ちょ、本当に殺る気!?」

澪「な、なんかワクワクしてきた-3」

律「いや、こりゃいくらなんでもヤバいだろっ!!」

紬「あっ、待って!梓ちゃんが…!!」

梓「∧<。><。>∧」ピクピク

澪「なんだこりゃ」

さわ子「白目剥いてアヘ顔ダブルピース…」

律「!?」


梓「^^」びくんっびくんっ


澪「イッたあああぁあぁあ!?」




その時、アタシはふと気が付いた。



手に汗握りしめ、声を張り上げ、大歓喜している自分に。



いや、アタシだけじゃない。



唯も、澪も、ムギも、さわちゃんも


そこらに寝そべってた銭湯の客たちも


体に気力が…

活力がみなぎっている!!!


澪「おい、コレって…」


さわ子「ええ!!」


時計を見ると時刻は6月1日、AM0:00を過ぎていた。



唯「私たちは、5月病を乗りこえたんだね…!」



こうしてアタシたちは梓が絶頂を迎えた件とは別に関係なく
6月になり5月病が治ってよかったぜ



お~わりっ!