〜ある街中
梓「ちょっと早く来過ぎたかな……待ち合わせの時間は六時なのに」
梓「二十分も前に着いちゃうなんて私、せっかちというかなんというか……」
そう一人で呟いていると、急に目の前が真っ暗になり目元には柔らかくてあたたかな手の感触が。
「だーれだ?」
梓「ひゃ!?」
「ふふっ、可愛い反応だな」
梓「も、もうっ! この手の感触は間違いようがありませんよっ!」パッ
梓「澪先輩っ!」
澪「間違えられても困るぞ?」
梓「こ、こういうのは律先輩辺りがやるようなことじゃないんですか?」
澪「いや、あいつはこんな生優しいもんじゃない」
梓「え?」
澪「あいつは待ってる後ろから人のおっぱい触ってきたりしかねないからな、気をつけろよ」
梓「ああ……確かに律先輩ならそんなことやりかねないですね……」
澪「この間デートの待ち合わせでムギにそれやったら、ムギが感じちゃってやばかったとか言ってたし……」
梓「えっ、じゃあ律先輩とムギ先輩」
澪「と、ここで立ち話も何だしまずは夕飯食べに行こっか」
梓「は、はい」
……
〜レストラン〜
澪「ここ私が出すから梓は好きなもの頼んでいいよ」
梓「そんな、悪いですよ」
澪「いいからいいから。甘えてくれると嬉しいな」ニコッ
梓「はっ、はい、ではお言葉に甘えて///」
梓(この笑顔にはやっぱ勝てないです……///)
澪「うん、ありがとうな」
梓「いえっ、お礼を言うのはこっちですし……それにしても」
澪「ん?」
梓「やっぱり澪先輩、大人っぽくなりました。大学に入って一年経ってグッと」
澪「そうかな」
梓「はい、私も大学に入って、寮で一緒に生活していても前より物腰が柔らかくなったっていうか……」
梓「それにあまり物怖じしなくなったような、そんな感じがします」
澪「うーん……自分じゃよく分からないけど、もしそうなら……」
梓「?」
オマタセイタシマシタ-
澪「お、きたきた。梓、半分食べたら私のと交換しないか?」
梓「あっはい、いいですよ」
澪「ん、ありがと。じゃあ食べよっか」
梓「は、はい、ではいただきます」
澪「いただきます」
……
アリガトウゴザイマシタ-
澪「夕飯も食べたし、行こっか」
梓「はい」
澪「梓、寮の方に今日は外に泊まるってこと言った?」
梓「はい、今日は実家で過ごすって言ってきたので大丈夫です」
澪「そっか、流石に私とホテルで一夜を過ごすとは……」
梓「い、言えるわけないですよ!///」ポカポカ
澪「わわっ、ごめんごめん」
梓「澪先輩だって同じように実家に泊まるってごまかしたんでしょう?」
澪「ま、まあな、流石にね///」
梓「もうっ」
澪「寮だとあまりその……イチャついたり出来ないからな」
梓「ムギ先輩や唯先輩や律先輩、憂や純には分かってもらえてますけど……」
澪「他の子達に私達のこと知れて、梓が気持ち悪がられたりしたら嫌だからな」
梓「私だって澪先輩が私とのこと、他の人達に知れて気持ち悪がられたら嫌です」
澪「……いつか堂々とこういう仲だってこと、見せられる日が来ればいいな」
梓「はい……そうですね」キュッ
澪「梓……?」
梓「ホテルに着くまで手、握っていたいです」
澪「うん、わかった」
梓「ありがとうございますっ」
……
〜ホテル
ガチャ
澪「ふう、ようやく部屋に着いたな」
梓「はい、これで二人きりですね」
澪「梓……」グイッ
梓「あっ、澪せんぱ……」
チュッ
梓「ちゅ……ん……」
澪「んむ……はあ」
梓「もう、澪先輩……せっかちです」
澪「ふふっ、まず一緒にお風呂入ろっか」
梓「はい、私背中流してあげますね」
……
ザァ-・・・
澪「梓、前は自分で洗うよ」
梓「ダメですよ、じっとしててください」
澪「仕方ないなあ」
梓「えへへ……澪先輩のおっぱい、お久しぶりです」
澪「寮のお風呂でも見れるじゃないか///」
梓「寮ではこうして近くでまじまじとは見れませんよ」
澪「もう」
梓「谷間もきちんと泡いっぱいで洗ってあげますね」フニュフニュ
澪「んんっ……」
梓「ちょっと気持ちいいですか?」フニフニ
澪「う……うん///」
梓「なんだか嬉しいです、感じてくれて」ムニムニ
澪「……なんか普通に人のおっぱい揉んでるだけにしか見えないんだけど?」
梓「す、すいませんつい///」
澪「まったく……次は私が洗ってあげるよ」
梓「お、おねがいします」カチコチ
澪(自分が洗われる番になると途端にカタくなっちゃって……)
澪「ふふっ、後ろも前も泡いっぱいで洗ってあげるからな」コシコシ
梓「あ、ありがとうございます」
澪「ん? この前の二つの突起は……」クニュ
梓「にゃあ! 乳首いじっちゃダメです!」
澪「おっとごめん」
梓「わ、私が乳首弱いこと知ってるでしょう?」
澪「だからちょっと触りたくなったんだよ」
梓「もう、澪先輩のえっち……くしゅんっ!」
澪「とと、風邪引いちゃうな。湯舟つかろっか」
梓「はい」
ザプンッ
梓「んーっ、あったかい……」
澪「ああ、ちょうどいいお湯加減で気持ちいいな」
梓「あの、澪先輩?」
澪「ん?」
梓「ぎゅってしていただいていいですか?」
澪「ああ、お安いごようだ」ギュッ
梓「ふあ……」
澪「こんな感じでいい?」
梓「はい……すごくあったかくて柔らかくて、気持ちいいです」
澪「私もだよ、梓。しばらくこうしていたいな」
梓「澪先輩……んっ」
澪「んっ? ……ん、ちゅる、ちゅむ……」
梓「ちゅる、ちゅぷ……ちゅ……ん」
澪「ぷはっ、はあ……梓からたっぷりキスされちゃった」
梓「さっき部屋に入った時にキスしていただいたお返しです」
澪「ふふっ、お返しされちゃったな」ナデナデ
梓「えへへ……」
澪「おかげで十分あったまったし……ベッド行こっか」
梓「はいっ」
……
澪「ん……ちゅ……ちゅむ……」
梓「ちゅぷ……ん……はむ……」
梓「はあ……澪先輩?」
澪「ん……?」
梓「もう私、何度も澪先輩とこうしてキスしたり、体を重ねてますけど……」
澪「うん」
梓「そのたびに澪先輩から伝わってくるあったかさというか、柔らかさというか」
梓「澪先輩の優しさが、私の中にある不安をかき消してくれるように感じて……」
梓「安心して、そしてすごく幸せな気持ちになるんです」
澪「梓」
梓「あ……すいません、一度言っておきたかったというか」
澪「……いいや、私もだよ梓」ギュッ
梓「ふあ……ん」
澪「けど……少し違う気持ちもあるかな」
梓「えっ?」
澪「私も梓をこうして抱きしめてると、不安とか恐れとか……」
澪「そういったのが、溶けて消えていくように感じて……でも」
澪「幸せな気持ちだけじゃなくて、この大事な恋人をずっと守っていきたいって……そういう気持ちにもなるんだ」
梓「澪先輩……」
澪「私はずっと、自分を守ることばかり考えてたけど」
澪「梓が恋人になってから私、やっと大事な人を守るために弱い自分を変えようって……」
澪「怯えて勝手に作っていた自分の心の限界を壊して、もっと強くなろうって……そう思えるようになったんだ」
梓「…………」
澪「まあ……まだ大した成果は出てないだろうけどさ、それでも」
梓「……いいえ、そんなことないです」ギュッ
澪「梓?」
梓「それに澪先輩は臆病な所があってもいつも私のことを気遣かってくれて、守ってくれて……」
梓「だから私澪先輩のこと、こんなにも好きになったんですよ?」
澪「梓……///」
梓「澪先輩、今夜は……んっ」
澪「ん……ちゅふ、んん……」
梓「ちゅる、ちゅっ、ん……」
澪「はあ、梓……」
梓「……今夜は寝かさないで下さいね、澪先輩」
澪「……ああ、今夜は今まで以上に梓と一つにならないと満足出来ない、かな」
梓「私もです」
澪「梓……大好きだよ」ギュッ
梓「澪先輩……」ギュッ
……
〜翌日〜
澪「ふう、寮に帰ってきたな」
梓「はい」
澪「ちょっと足元おぼついてないけど大丈夫か梓?」
梓「む、おぼつかなくしたのは澪先輩ですよ」
澪「ごめんごめん……ん、あっちの道から来るのは」
律「おっ、澪に梓じゃないか」
紬「おはよう、澪ちゃん梓ちゃん」
澪「よっ、律とムギも今帰り?」
紬「うん、昨日はりっちゃんと楽しい一夜を過ごしてきたわ〜」キラキラ
律「私としてはそっち方面ではあんまりエスコート出来なかったけどな……」
紬「大丈夫よ、りっちゃんはかっこよくて可愛いかったから、ね?」ニコニコ
律「ぐ……まったくそんな顔で言われちゃ返しようがないぜ」
梓「こちらの仲も深まったみたいで何よりですね」
澪「ああ」
紬「それで、澪ちゃんと梓ちゃんの仲はまた一段と深まった?」ズイッ
澪「え、ああそれは……///」
梓「深まらないはずは……///」
律「ほほう、もうすっかりいい感じの百合姉妹に出来上がったみたいだな。ふっふっふ……」
澪「なんだよその嫌な笑いは……」
澪「それに梓はもう妹のような存在じゃなくて、私の大事な恋人だぞ」
梓「澪先輩っ///」
律「い、言った! さりげなく恋人って言った!」
澪「声が大きい!」ポコン
律「おふっ」
紬「澪ちゃんっ、ファイナルアズサー?」
澪「ファイナルアズサー……ってそれを言うならファイナルアンサーだろ」
紬「うふふ、ばれちゃった」
梓「なんですか、最後の私って……ん?」
唯「おかえりみんな〜!」ダダッ
梓「わわっ、唯先輩今日は早起きですね」
唯「さっきまで寝ぼけてたんだけど、窓からみんなが帰ってきたの見えたから目が覚めたよ〜」
澪「そ、それは光栄だな……けどさ」
梓「そのぼさぼさの寝ぐせ、直してから来てくださいよ」
唯「ありゃ」
憂「お姉ちゃんっ、寝ぐせ直してる最中に飛び出しちゃ、めっ!だよー」パタパタ
唯「おおう、ごめんようい〜」ダキッ
憂「んも〜」ホワ-ン
律「
平沢姉妹はまた朝から元気で微笑ましいな、いやはや」
紬「良いことだわ、うんっ」
純「ふわあ……朝から玄関前で何してるんですか?」トコトコ
澪「わわっ、鈴木さんはもっと寝ぐせすごいな」
純「……って、わああ! こんな頭澪先輩にだけは見られたくないのにー!」バタバタ
梓「なら無理に出てこなくていいから……」
おしまいっ!
最終更新:2013年06月14日 03:00