唯『もちろん知ってるよ!』フンス

梓『じゃあ試してみましょうよ』ガバッ


唯『えっ、なにそれ?』

梓『じゃあ教えてあげますよ』ガバッ


唯『聞いたことはあるけど……』

梓『充分です』ガバッ



唯「というわけで、何も答えることができない 『沈黙』 が正解だね」

梓「後輩をイジメるのがそんなに楽しいですか」

唯「イジメどころか性的嫌がらせを受ける寸前だったんだけど」

梓「話をそらさないで下さい」

唯「そらしてないよ、むしろガチで対処法を考え抜いてたよ」

梓「誰がガチレズですか」

唯「言ってないよそんなこと」

唯「うすうす感づいてはいたけど」

梓「唯先輩、リボンが曲がってますよ」

唯「ウソだよ、絶対に気のせいだよ」

梓「直してあげますから胸元をもっとよく見せて下さいお願いします」グググ

唯「そんな気を使わなくて結構です 顔が、顔が近 い」グググ

梓「タイくらいちゃんと結べ」キリッ

澪「おい」

澪「また梓に襲われかけてたのか」

梓「あっ、その他先輩たちいつの間に」

律「誰がその他だ」

梓「何しにきたんですか、いいところだったのに」チッ

律「部活にきたらこの有様だったんだよ」

梓「ちょっとじゃれ合ってただけじゃないですか、卑猥な勘違いしないで下さいよ」

唯「えっ、この馬乗りの体勢でもシラを切り通すの? 」

梓「普段は天然ぶってるくせにガードが堅いなぁ」

紬「まったくだわ」

唯「えっ」

梓「不可抗力でした」

律「大問題だよ」

唯「セクハラあずにゃん」

澪「この間も陰毛を見せろとか腋の匂いを嗅ぎ比べたいとか言ってたしな」

紬「気持ちはわかるけど、所構わず襲いかかっちゃダメよ」

梓「話は変わりますけど、胸は揉まれるほど大きくなるそうですよ唯先輩」

唯「このままで充分だよ」

梓「もう少しサイズアップしてみてもいいんじゃないですかね」

唯「いやもうホント間に合ってますので」

梓「どれどれ」

唯「注意されたそばからこれだよ」

紬「貧乳仲間のりっちゃんと揉み合いっこしてたらいいのに」

梓「これだから金持ちは……餓死寸前の状況で高級ステーキを目の前にして、
  安い薄切りベーコンを与えられて満足できると思いますか?」

律「おい」

梓「どうしてもと言うのならせめてカチューシャは外してくださいよ、
  見ようによっては唯先輩に見えなくもないので」

唯「気持ち悪いなぁ」

唯「まあいいか、りっちゃんだし 」

澪「おいやめろ」

梓「あっ、でも唯先輩のダミーならせめて憂に頼めませんかね?」

唯「実の妹になんて事を頼ませようとするのさ」

梓「だってこれじゃあまりにも……」

律「中野」

梓「澪先輩、胸元にゴミがついてますよ」スッ

澪「いいか、それ以上近付くな」サッ

梓「いやマジでなんか変な虫かもしれないですよ、これはもっと近くで確認しなくては」ススッ

澪「今まさに悪い虫がつきそうになってるんだけど」

梓「誰がGですか」クンクン

澪「嗅ぐな! 顔が近い!」グググ

梓「じゃあ触っていいんですか!?」パァッ

澪「なんでだよ」

梓「いくら払えばいいんですか?」

澪「なんか別な意味でダメだろそれは」

梓「私も触らせますから」

澪「対価が見合っていない」

梓「舐めるのは?」

澪「なんで妥協するどころかエスカレートしていくんだ」

梓「あっわかった、律先輩の前じゃ恥ずかしいからダメなんですね?」

梓「見せつけてやればいいんですよ !」

澪「私の声はお前に届いているのか」

澪「練習を始めよう」

梓「えっちな練習ですか!?」パァッ

律「だまれ」

梓「もう今日は気分転換に手押し相撲大会でもおっぱじめましょうよ」

梓「おっぱいだけに」

紬「ハプニングを装って胸を触りまくるつもりだわ」

梓「なんでもかんでもいやらしい意味に捉えないで下さい、欲求不満なんですか?」

澪「お前が言うな」

律「ぱふぱふ とかかなり直球で攻めてくるくせに」

梓「田井中先輩は ぱふぱふ に無縁だから怒っていらっしゃる」

律「お前、敬語さえ使ってれば何を言っても許されると思うなよ?」

紬「胸どころか心まで貧しいのね」

梓「あ?」

梓「先輩たちの胸の温もりと感触を焼き付けておく事のどこが淫らな行為なんですか!
  ちょっと顔をうずめて揉みまくったっていいじゃないですか!減るもんじゃないでしょう!?」

律「もはや性犯罪者の言い分だ」

梓「みんないなくなっちゃうくせに! 取り残される私の気持ちなんてわかんないくせに!」

唯「あずにゃん……」

澪「おい待て騙されるな」ガシッ

梓「ちっ じゃあお触りなしで我慢しますから脱いで下さい」

律「何様なんだよこのガキは」ゲシッ

紬「発情期なのかしら」ゲシッ ゲシッ

梓「痛い! やめて下さい! やめないで下さい!」

唯「気持ち悪いなぁ」

梓「そういうわけなんだけど、どうやったら唯先輩をウチに連れ込めるかな」

憂「えっ なに、どうしちゃったの梓ちゃん」

憂「溺死と焼死、どっちがいいの?」

梓「お菓子とかアイスで釣ればホイホイついてくるよね?
  既成事実さえ作っちゃえばもうこっちのもんだよね?」

憂「このツインテール、左右に思い切り引っ張ったら顔面ごと引き裂けるかなぁ」

純「お昼食べてる時に血生臭い話はやめてもらえないかな」

梓「憂、ちょっと唯先輩の真似してみてよ」

憂「でも梓ちゃんが発情して襲いかかってきそうだし」

梓「憂さえ我慢すれば唯先輩は私の毒牙にかからずに済むのに」

純「加害者の自覚はあったんだ」

憂「純ちゃんで我慢しなよ」

純「歪んだ愛憎劇に私を巻き込まないで」

梓「誰でもいいと思わないでよ! 私は唯先輩の胸をメチャクチャに揉みたいの!!」

純「おっきい声でなんて事を言い出すんだ」

憂「度胸あるなぁ、胸はないくせに」

梓「それで一晩中考えたんですけど、『小生意気な後輩に無理矢理イかされる先輩』
  というシチュエーションこそが最高に興奮するという結論に達したんですよ、それで

唯「あれ、りっちゃん達はまだ来てないの?」

澪「ああ、よりによってこの変態しか来てないんだ」

梓「ところで唯先輩、とびきり美味しいアイスがあるんですけど今晩私の家に

唯「今日はウチでテレビでも見ながらゴロゴロしないといけないから絶対無理」

梓「ウソだっっ!!」

唯「ウソだよ」

梓「なんで唯先輩から抱きついて胸を押し当ててくるのは黙認されてるのに、
  私が唯先輩の胸に顔をうずめようとしたら変質者呼ばわりされるんですか!?」

澪「下心丸出しだからだよ」

唯「あずにゃんは私が抱きついても本当は嫌がってなかったし」

梓「そうなんですよね」

唯「隙あらば押し倒そうとしてくるし」

梓「その通りですけど」

澪「開き直った変態ほど厄介なものはないな」

梓「それより今日のあずにゃん分の補給がまだでしたよね?」

唯「そんなもん二度と補給するもんか」

梓「マズイですよそれ、定期的に摂取しないと禁断症状が出てきますよ?」

梓「私が」

唯「もう許容量を越えてアレルギーを起こしそうなんだよ、スギ花粉みたいに」

澪「おっ、唯にしては上手く例えたな」

唯「だから澪ちゃんで我慢して」

澪「変態の相手まで上手く押し付けられた」

梓「で、揉まれると大きくなるって本当なんですか?」ムニュッ

澪「しるかバカ、はなせっ! 唯、なんとかしてくれ!」

唯「明日でもいい?」

澪「今だよ! 事態は一刻を争うんだよ!」

唯「あずにゃん、澪ちゃんがこんなところでされるのはイヤだって」

澪「違う!」

唯「あっ、やっぱり強引にそういう事されたい願望があった んだ?」

梓「女心は複雑ですね」モミモミ

唯「めんどくさいタイプの女だね」ヘラヘラ

澪「お前らのほうがめんどくさいんだよ!」

梓「澪先輩、胸をさわってもいいですか?」モミモミ

澪「えっ 今さら?」

梓「だって形だけでも同意を得て和姦にしないと」グニグニ

澪「最初から断ってるだろ、もうわかったから離せよ」

梓「それはちょっと難しい相談ですね」スッ

澪「じゃあ何で聞いたんだよ! 服の中に手を入れるな!」

梓「いくら言ってもきかないから強行手段に出たんじゃないですか」ムニュムニュ

澪「このままでは野獣と化した後輩に犯されてしまう」

唯「ちょっと目を離したらエロ同人みたいになってる」ワクワク

澪「ちょっ、おい、下はマジでやめろっ!」

梓「性的な刺激を受けて興奮すると女性ホルモンの分泌がいい感じになって、
  胸も大きくなるそうなんですよ」モミモミ

澪「知らないよ、自分の貧乳を揉んでろよ!」

梓「興奮してますから大丈夫です!」グニグニ

律「さ~て、今日は真面目に練習……うおぉっ!?」

紬「澪ちゃんが梓ちゃんに胸を揉ませている」

澪「逆だ!!」

紬「つまり梓ちゃんと澪ちゃんの肉体と精神が入れ替わったと」

唯「そうなんだよ~、それより今日のおやつは?」

紬「オカズなら目の前にあるわ」

澪「適当な返事をするな! 襲われてるんだよ!!」

律「同意の上か」

梓「見ての通りです」キリッ

律「見ての通りはレイプ寸前なんだけど」

梓「勘違いしないで下さい、これは唯先輩にけしかけられて」コリコリ

澪「乳首をつまむなっ!」

律「勘違いも何も現行犯だろこれ」

梓「嫌がる女をムリヤリ、って最高に興奮するシチュエーションじゃないですか」

梓「だから絶対にやめません!!」モミモミ

澪「もうコイツに人の心は残っていないのか」

梓「法にふれたよ!」ムニュムニュ

律「離れろっ!!」

澪「はー、はー……」

梓「濡れました?」

律「お前さ、何で正座させられてるかわかってる?」

梓「指は入れてないですよ」

律「そこまでしてたら問答無用で叩き殺してるところだよ」

梓「元はといえば唯先輩が日常的に抱きついて誘惑してくるのが悪いんですよ」

唯「えっ、全部人のせい?」

梓「澪先輩が挑発的な乳を見せ付けてくるのも悪いし」

梓「律先輩にいたっては揉めるだけの乳すら無いし」

紬「私は?」

梓「眼中にありませんでした」

紬「早くコイツを叩き殺しましょう」

唯「あずにゃんはムギちゃんのどこが嫌いなの?」

紬「自分があまりにも貧乳なものだから嫉妬しているのね、可哀想に」

梓「違うんですよ、私は嫌がる女をムリヤリ落とすというシチュエーションを求めているので
  ムギ先輩はもともとガチだから必然的に対象外になってしまうわけですよ」

澪「胸を張って性癖を披露するなよ」

澪「おっと、張れるほどの胸がないんだった」

梓「あんまり うまくないですね!!」



『この時間も録音しておかない?』 悪戯に笑う声で、そのテープは始まる。
二度と戻らない、だからこそ美しく輝く宝物を、私はきっと忘れない。

テープの中に閉じ込められた声を聞くたびに、私は思い出すのだろう。

必死に涙をこらえた最後の学園祭を。 涙があふれて止まらなかった卒業式を。
『永遠に一緒だよ』 と歌いかけてくれた、優しい笑顔を。

やがて「あの頃」と呼ばれてしまう、青春の日々。
いつまでも終わらないで欲しいと願った、あの放課後を。



梓「で、そのあと唯先輩を襲おうとしたのがバレて憂に思いっきりぶん殴られたの」

直「はぁ」

憂「後輩に変な話を吹き込まないでよ」

梓「話は変わるんだけど、ぱふぱふって知ってる?」

菫「得意です!」

純「えっ」




おわれ



最終更新:2013年06月17日 03:26