純「季節は初夏、ジューンブライド日和です。
  やって参りました! 第1回軽音部ベストカップル選手権~」

\モフモフモフモフ/

純「司会はわたくし、鈴木純! 解説は斉藤菫がお送りします」

菫「よろしくお願いします」ペコリ

直「わたしは記録係です」カタカタ

純「今日はなんと! 結婚式場を貸しきってお送りします」ジャーン

\ワーワー/\キャー/
\すごーい/\ひろーい/

純「ルールは簡単。2組のカップルが出場、投票により勝負を付けます。
  まず持ち点1の一般投票者が30名、
  そして持ち点10の審査員が3名。
  投票の合計が高かったカップルが勝利というわけです」

菫「楽しみですね」

純「なお、勝利したカップルには温泉旅行が進呈されます」

\モフモフモフモフ/

直「」カタカタ

純「まずは審査員の紹介と行きましょう。
  頼れる元生徒会長、真鍋和さんです」ドウゾ

和「呼んで頂いて光栄だわ」

純「今日はその彗眼で審査をお願いします」

純「続きまして、
  家事なら誰にも負けない、平沢憂さんです」ドウゾ

憂「楽しみだね、純ちゃん」

純「よろしくお願いします」

純「最後に主催者でもある、琴吹紬さんです」ドウゾ

紬「この日を待ち望んでたの~」

純「紬さんには会場の準備から手配、その他諸々を引き受けて頂きました。
  皆さん、盛大な拍手をお願いします!」

\パチパチパチパチ/\ムギちゃーん/\琴吹さーん/

紬「今日の写真は式場のカタログに使わせてもらうわ。
  ここをカップルの聖地にするのよ♪」シャランラシャランラ

純「ではカップルの紹介と行きましょう。
  軽音部のおしどり夫婦と言えばこの二人、
  田井中律さんアーンド秋山澪さんです!」

純「お二方、入場お願いします」ドウゾ

\ワーワー/\キャー/
\りっちゃーん/\秋山さーん/
\ワイワイガヤガヤ/

純「どうですか、解説の斎藤さん?」

菫「そうですね。田井中先輩はタキシード、秋山先輩はウェディングドレス。
  基本に忠実、それゆえにポイント高いですよ」

律「どうかな? 澪」

澪「似合ってると思うぞ、律」

直「今日はカチューシャを外していますね、田井中先輩」

純「これもポイント高そうですね」

純「対するはこちらのお二人。軽音部の天使こと、
  平沢唯さんアーンド中野梓さんです!」

純「お二方、入場お願いします」ドウゾ

\ワーワー/\キャー/
\唯ちゃーん/\あずにゃーん/
\ワイワイガヤガヤ/

純「どうでしょう、解説の斎藤さん?」

菫「平沢先輩と中野先輩、二人ともウェディングドレスですね。
  これは攻めてきましたね」

唯「かわいいよ、あずにゃん」

梓「ゆ、唯先輩こそ……かわいい、です」///

直「とってもお似合いですね」

純「さあ、二組出揃いました」

純「それでは早速投票に移りましょう。
  まずは一般投票者の方から」

\どっちにするー?/\唯ちゃんたちかな/
\ワイワイ/\わたしは絶対秋山さん!/
\ガヤガヤ/\りっちゃんかっこいい/
\あずさちゃんいいよねー/

純「田井中秋山コンビに投票する方は左の席へ、
  平沢中野コンビに投票する方は右の席へお願いします」ドウゾ

\ゾロゾロ/

純「ひいふうみい……おーっと、これは綺麗に分かれました。
  奥田さん、集計を」

直「15対15、同点です」ビックリ

菫「先輩方が魅力的とはいえ、これは驚きましたね」ドキドキ

純「ここで投票者の方にインタビューしてみます。
  まずは田井中秋山コンビに投票した方から話を聞きましょう」

純「決め手はなんでしょうか?」

曜子「秋山さん! ウェディングドレス姿……ああ、幸せ!」ウットリ

純「な、なるほど……。ありがとうございました。
  もう一人聞いてみましょう」

純「決め手は何でしょうか?」

エリ「そうだねー、りっちゃんと澪ちゃんてお似合いじゃない?
  幼馴染だし、学園祭の演劇でもピッタリだったもんね」

純「ありがとうございます」

純「続いては、平沢中野コンビに投票した方に話を聞きましょう」

純「決め手は何だったでしょうか?」

風子「そうだね、唯ちゃんかな。
  幸せいっぱいの花嫁さんって感じだったよ」

純「なるほど、ではもうひと方」

純「何が決め手でしょう?」

しずか「えっと、梓ちゃんかな。
  あんなに小さくてもウエディングドレス似合うんだなって。
  あ、わたしが小さいって意味じゃなくてね」アタフタ

純「ありがとうございました。
  一般投票者からは以上です」

純「続いて審査員の投票に移ります。
  まずは真鍋和さん」

和「幼馴染の欲目で唯たちに投票したいけど、律と澪にするわ」

純「決め手はなんでしょう?」

和「そうね、律かしら。
  普段はいい加減だけど決めるときは決める、って感じね。
  ああ、もちろん澪もすごく綺麗よ」

菫「なるほど。王道を極めてるということですね」

純「コメントありがとうございます」

\パチパチパチパチ/

直「田井中秋山コンビ、25点、
  平沢中野コンビ、15点です」

純「さあ、続きまして平沢憂さんの投票です」

憂「わたしはお姉ちゃんと梓ちゃんに一票かな」

純「どこが決め手でしたか?」

憂「ええー、だって二人共かわいいよ。
  律さんと澪さんも素敵だけど、ここはお姉ちゃんたちに、ね」

菫「なるほど、決め手はかわいさということでした」

純「コメントありがとうございました」

\パチパチパチパチ/

直「田井中秋山コンビ、25点、
  平沢中野コンビ、25点。同点です」

純「さあ、結果は琴吹紬さんの投票に委ねられました!」

紬「その前にちょっといいかしら、さっきから気になってたんだけど」

純「はい、なんでしょう?」

紬「唯ちゃん、りっちゃんと並んでみてくれる?」

唯「こう?」ススス

紬「ああっ! いいわ。かっこいいりっちゃんにかわいい唯ちゃん、
  素晴らしい組み合わせね!」

律「唯、一生大事にするからな」キリッ

唯「は、はい。よろしくお願いします」///

紬「きたわぁぁぁ」パアアア

紬「次は澪ちゃん、梓ちゃんの隣に」

澪「こうか?」ススス

紬「素晴らしいわ! 二人とも綺麗な黒髪、本当にお似合いよ」

澪「梓、一緒に幸せになろうな」キリッ

梓「もう、特別ですよ」///

紬「高まってきたわぁぁぁ」キラキラキラ

純「紬さん、少し落ち着いたほうが……」

律「ムギ、大丈夫か?」

菫「お姉ちゃん、顔色良くないよ?」

紬「」パタリ

\ムギちゃーん!/\えっ、どうしたの?/
\大丈夫?/\ザワザワ/

……

……

……

……

……

……

紬「んん……」ムクリ

律「お、ムギ。起きたか」

菫「お姉ちゃん大丈夫?」

律「聞いたぞ、今日の準備で疲れてたんだってな」

澪「でも大したことないみたいでよかったよ」

紬「みんな心配かけてごめんね」

唯「そんな、ムギちゃんが無事でよかったよ」

紬「あ、投票の途中だったわね……」

梓「あの、みんなで話し合ったんですけど……」

律「……ムギが温泉旅行に行ったらどうだ?
  疲れも取れるしな」

紬「そんな、悪いわ。せっかくみんなのために用意したのに」

唯「みんなの中にムギちゃんも入ってるんだよ」

憂「そうですよ紬さん」

澪「卒業旅行の行き先決めるとき、ムギは温泉って言ってたよな。
  ちょうどいいから行くといいぞ」

菫「お姉ちゃん、わたしも行くことになったから。
  最近二人でいること少なくなったし、いいよね?」

紬「菫……。そうね、じゃあ行くことにするわ」

直「一件落着ですね」

紬「みんな……ありがとう」

純「で、ベストカップルなんですけど……」

律「あ、そういや決めてなかったな」

唯「二人で温泉行くんだし、ムギちゃんと菫ちゃんでいいんじゃないかな?」

菫「そんな、わたしたちは部外者ですし」

和「そもそも優劣を付けようというのが間違ってたのかもね」

唯「そうだね、みんな違ってみんないいんだよ」

純「では、第1回軽音部ベストカップル選手権は引き分けということで、
  締めさせていただきます」

純「みなさん、今日はありがとうございました!」ペコリ

\ヒューヒュー/\ワーワー/

さわ子「ちょっとぉ! 何でわたしが呼ばれてないの?」


おしまい



最終更新:2013年07月13日 14:50