純「あー、今日も雨だー」
憂「梅雨だもんねえ」
梓「この時期はギター持ってくるのも一苦労だよ」
憂「お姉ちゃんの苦労がようやくわかったよ」
純「確かに楽器も大変だけど髪の毛の方が大変なんだって」
梓「髪?ああ、修学旅行の時も言ってたね」
憂「うちに泊まった時もだよね」
純「私にとって毎朝洗面所は戦場なのだよ、梓君!」
梓「何そのノリ…」
憂「じゃあ百戦錬磨だね、純ちゃん!」
純「えっへん」
梓「え、そこ威張るトコなの?」
純「しっかし、ホントこの時期はゆーうつだよ。祝日もないから学校の休みも増えないし」
憂「でもほら、6月の花嫁はジューンブライドでおめでたいんじゃなかったっけ」
梓「純だけにね、ぷっ」
純「はぁ、梓…。あんたまでそんな事言うなんて…」
梓「え」
純「もう何回『ジューンブライドだね!』って言われてきたと思ってんの?!
いい加減耳にタコが出来てんのよ!」
梓「…ご、ごめんなさい」
純「だいたい、日本の気候じゃあジューンブライドは向いてないのよ。
だから梓と憂がこの時期に結婚式挙げるのも禁止という事で」
梓「け、け結婚って?!なんでそこまで話が飛ぶのよ!
それにそれは純の都合でしょうが!」
純「え。梓は憂と結婚したくないの?…はっ。まさか浮気?!」
梓「なっ?!」
憂「梓ちゃん、私とは遊びだったの…?」
梓「ちょ、憂まで悪乗りしないでよ」
憂「…でも、私は女神さまに祝福して貰えた方がいいなあ」
梓「憂?」
憂「だって今の法律じゃ同性婚は認められてないし。せめて、ね」
梓「…憂」
純「それでも、別にジューンブライドじゃなくてもいいじゃん」
憂「どうして?」
純「だって日本には八百万の神様がいるんだよ!」
梓「んん?」
憂「そ、それはそうだけど」
純「ほら、なんだっけ、神有月とかいうのがあるのは何処だっけ」
梓「それって、神無月の時はそこに全国の神様が集まってくるって話?どこだったかな…」
純「それそれ!えーと…」
憂「確か出雲地方に集まるんじゃなかった?」
純「そうそこ!えっと神無月だから…そう、10月にそこ行けばいいじゃない!
季節的にもちょうどいいし」
梓「純にとってはね」
純「ま、式とか挙げられるのかどうかは知らないけど」
梓「適当だ!」
憂「ふふっ」
憂「でも純ちゃんはすごいね、そっかって納得しちゃった」
梓「そうだね。ちょっと調べてみよっか、神有月の事」
純「っていうかさ、だいたいこの純ちゃんが味方なんだからとりあえず百人力だって」
梓「…純」
憂「…純ちゃん」
純「ちょ、誰かツッコんでよ!その反応は逆に恥ずかしい!」
憂「えへへー、純ちゃん」
純「なんで抱き着くの?!」
梓「くっ。うっかり感動しちゃったよ…」
純「うっかりかい!」
直「こんにちはー」
菫「遅くなりましたー」
直「はっ。平沢先輩が鈴木先輩に抱き着いて…!」
菫「しゅ、修羅場ですか?!」
梓「違うから。菫も奥田さんも落ち着いて。
奥田さんパソコン閉じて」
憂「純ちゃん、修羅場だって!」
純「なんで憂は楽しそうなのよ」
憂「えへへ。あ、奥田さんとスミーレちゃんのお茶入れなきゃね」
菫「お手伝いします」
梓「…梅雨だねって話してただけのはずだったんだけど」
直「どうしてこんな事になっているのでしょうか」
純「さあ?」
直「あ、六月と言えばジューンブライドじゃないですか、鈴木先輩」
菫「純先輩だけに?」
純「…」
梓「ぷっ」
純「もうそれはいいってばっ!」
おしまい!
最終更新:2013年07月13日 15:23