4番手 6月 ◆wOtZXstEn6さんの感想
0番手 ※企画者
澪「いくよ? ・・・せーのっ!」
台本調:視点 後輩(梓?)
初めにふさわしいSS。
次の人にもつながるようにセリフが工夫されている。
1番手
梓「アガパンサスの花言葉知ってる?」
台本調:梓純
1でアガパンサスに触れていたためとても話の繋がり、SSタイトルと合っていてよかった。
内容は梓と純の話。
純はやはり「純ブライド」とか冗談を言わせやすいキャラだな、と。
特に今回は「ジューンブライド」との言葉遊びも含めて。
終わり方が1とかぶり気味だけど、テーマに沿ったSSだと思う。
2番手
憂「6月の天気雨」
台本調:視点(憂→紬→梓)
♢♢♢でわけてあったり、sideとして視点を変更したりと、読む側に優しい書き方をしている。
話全体のテーマとしては「吸血鬼」がテーマであり、「結婚」というテーマからは脱線しているが、
紬と梓をカップルにすることにより物語の終盤でなんとか「結婚」を物語に組み込むことに成功している。
最後の一文で「私たちの放課後ティータイムはこれからだ」と述べるならば、
もう少し澪と律の登場も増やすべきか、とも思う。
それだけでも最後の一文の意味合いも、
そのセリフがその場所に書かれるという重さも変わってくると思う。
3番手
紬「第1回軽音部ベストカップル選手権」
台本調:司会役として純、菫 書記として直
初期のけいおんSSを思い出すようなノリのSS。
観客(生徒?不明)の合いの手で読む側は見て楽しめる。
誰かが結婚をするという1、2,3とは異なり「結婚」それ自体をテーマとした選手権を部員内で決行。
さわ子先生がオチなのはもう定番よね。
4番手
唯「6月の憂鬱」※自作
プロットどまり、もう少し肉付けの余地がある。
結婚というテーマをむりやり入れた感がはんぱない。
憂のセリフをもう少し増やして表情の描写を入れればよかった。
5番手
和「人が夢を見るといふ事」
小説調:一人称…和
「近所のお姉さん」というオリキャラの結婚式が舞台
→そこから和と由比、それぞれの結婚についての話へ
「結婚」=「唯」というパブロフ犬状態に陥った和、
幼稚園の頃からそれとなくアピールされていたのならそりゃ無意識下に
「結婚」=「唯」という式が当たり前になっているのだろう。
唯は「結果オーライ」と言っているけれど、本当にそれ。
唯が「お嫁さん」になることをあきらめるのは、
成長し、常識を知ってではなく、
和が「お嫁さんになりたい」という夢を持っているため。
そして、その悩みの解決策として
「お嫁さんではなく、和ちゃんのお婿さんになる」という考え方に難なくシフト。
一切常識的な考えを持ち出してこない和にモヤっとするけど、
和も唯と一緒にいたいのだ、というこちらの読み取りや
和のパブロフ犬状態により、「結果オーライ」
6番手
「ヴァージンロードはつづく」
小説調:一人称…澪
林幸との会話からテーマに触れる謎解き型のSS
「何故六月の結婚が幸せで、最善なのか」と澪に幸はクイズを出す
→賞品はランチのカップケーキ
紙に問題文を書き出し、単語の1つ1つを吟味していく
→氷菓で見たことあるやつや!
ジューンブライドの意味として考えられている気候・季節説と絡んでいるような話でよかったと思う。
こういう話は、たいてい序盤で降っていた雨は終盤で降り止む。
謎解きSSってのは、自分で問題を作って、その問題を自分で解きながら苦しむっていうようなものだと思っている。
問題の製作者も解答者も同一人物のはずなのに、解答者は悩むってのはなんだかおもしろい。
ただ、問題も解答も本当に読む側の興味をひくものでないと、
その解答(意味づけ)に「ふーん、そんなもんか」で終わってしまう恐れがある。
氷菓の場合、「なーんてね、こんな謎解き終わってるわけがないだろ」
→「あれ…当たってたのかよ…」っていうオチがついていたってのが
ホータローの「謎解きの才」を際立たせるエピソードになるという、いい短編だったんだけど、
これは澪が謎を解いたというか、勝手に意味づけをしたところで終わっていて本当のところはどうかわからない。
だから、まだ雨は上がってはいけないのだと思う。
7番手
紬「ホー・チー・ミン市のミラーボール」
台本調:律澪の2人の会話基本
舞台:紬の結婚式
調べたら元ネタになっているであろう曲を発見。
律の性格の改ざんはこの曲の雰囲気からだろうか。
「結婚」というテーマを1〜7までのSSとは違った角度でとらえたSSのように思う。
8番手
パパとママ
小説調:視点 唯
「結婚」というテーマで「結婚のその後」という期間に平沢家をあてはめたSS。
しっくりときてる。
9番手
澪「『私と梓』」
台本調:視点 梓
ただ梓がレズとして書かれているのではなく、男子を好きになった経験もあるという。
その経験やこれまでの体験を総合したところ澪へ対する自分の気持ちを「恋心」だと認識したところから
はじまる。百合として(あるいは女の子の恋愛話として)持っていくにはなかなか珍しい冒頭でいいと思った。
付き合ってもいない相手との結婚を意識しているあずにゃんは意識高い系女子と認定してもいいと思う。
途中、ムギに方向転換するのかと思いきや、澪本人が登場したところからやや話の方向が怪しくなってくる。
「自分をだますことはいけない」と澪は梓を諭すけど、
そこからの流れは梓にとっては不公平とも思えるような理論でうまく澪にまるめこまれてしまっている。
澪:梓に対して恋愛感情はない、家族のような存在、『
中野梓』とは離れたくない
梓:「なんで私は澪先輩と結婚ができない女なのだろうか」
澪:「関係」とか後から意味づけいくらでもできるから、『私と梓』という関係を作って一緒にいようよ
梓:正式な「結婚」ができないなら幸せになれないじゃん、さっき言ってたじゃん、結婚したいとかなんとか
澪:結婚したいんじゃなくて幸せになりたいの。結婚できなくても、幸せになれればいいの
澪が梓に対して恋心を抱いていたらと形だけの関係になりそうだけど、
そもそもこの澪、梓が恋愛対象ではないため、イマイチなにがしたいのかわからない
好きな相手ができたらすぐそっちへ行ってしまいそうだ。
10番手
淳司「兄妹心と雨の空」
小説調:第三者視点
けいおんSSまれな男が主人公のSS.
漫画のキャラとしては登場しているものの、こうなるとオリジナルの感が強くなる。
ラノベチックな書き方やセリフ運びにならずにうまく登場人物の心情をかけていると思った。
唯一の男兄のいる純の結婚式という場面設定はなかなかこのテーマでは書きやすいと思うが
11まで出てこなかった。そのため、とても異質なSSとして斬新性を帯びることとなるSSだった。
11番手
特訓!!!
小説調:律視点
律視点であるが新の主人公はさわこ先生。
散々あげといて突き落とす。いいオチだった。
12番手
告白
小説調:梓視点 澪梓
貴方→貴女のがいいと思ったけど、厳密な決まりとか知らないから好きに書けばいいと思う。
おそらく3年前とかで「結婚」というテーマで企画をしたら、このようなSSばかりになったのではなかろうかという
けいおんSSらしいといえば、けいおんSSらしいSS。
13にして初めてこのノリのSSが投下されたということに
百合やガチレズ妄想の掃き溜め目的でのSSからストーリー性を重視するようになった、けいおんSSの歴史を感じる
1〜13とはそういった意味で対照的なSSだったと思う。
13番手
「もし軽音部のギタリストが民法第二章『婚姻』を読んだら」
台本調
律がスラスラ752条とか言い出してワラタ。梓の切り替えの早さにパンツ吹っ飛んだ。
あずにゃんお酒買ってたけど、きっと合法にゃん。
14番手
梓「ある梅雨の晴れ間の昼下がり」
台本調 律澪、唯梓
律と澪が付き合っているのかどうか
「ほらお前らだって似たような感じじゃん」という律のセリフから「付き合っている」とみなす
(同時に唯梓が成立)
BAでのできごと、つまり律澪でのできごとが対比で唯梓で繰り返される
構成もBAとの会話から徐々に律澪が浮き上がって来て、最後に唯梓につながっていくので読みやすくていいと思う。
15番手
和「6月の天気雨」
このSSのおかげで3のSSのラスト1行の意味がうまく強まったのではないかと思う。
いい補完SSだと思う。
16番手
純「多分『左利きなんだね!』って言われたときの澪先輩みたいな気分」
台本調:純主役 やや憂梓
スレタイがSS全体のオチ(まとめ)になっている
17番手
梓「ブーケ・トス?」
台本調
1レスだけど、1レスだからこそのまとまりのよさと流れのよさがある。
梓に言われたセリフをそのまま純が梓に言い返したりとかのやり取りがいい。
18番手
律澪「いし」
台本調
内容がわからない。
もう少しヒントとか出してくれないと意味合いがつかめない。
19番手
「インタビュー」
インタビュー調:HTTとして唯と梓がインタビューを受けている
インタビューの流れに乗って高校時代からの唯と梓の様子を垣間見る。
唯梓してましたわ。唯梓すっごいしてましたわ。
20番手
唯「ずっと三人で!」
台本調
こういうのを平和っていうのだろうか、だろうね。
唯と憂、和のやりとりが好きな人にとっては
ほのぼのできるSSになっている。
21番手
「けっこん!」「たんぺん!」
台本調:律澪?
「はにゃ〜ん!」の内容から律澪と推測。
ただ1スレごとに全く新しい話ととらえるなら推測不可能。
自分の知識不足だろうけど、「あんぜるせん!「さんぜん!」の最後の一文が理解不能。
「きゃらそん!」は流れがとてもいいのだけど、
もう少し匂わせておかないと最後の一行で澪が律に言いたいことを推測することができない。
22番手
梓「ジューンブラインド」
台本調: 梓純
うわーダジャレの話でノリツッコミでうわー…
からの実は結婚式の余興でした、という流れはとてもうまい。
ただ、会話と思わせて実は余興でした、を2回連続でやられると飽きる。
23番手
企画者(2本目)
聡「あのさ、姉ちゃん」
小説調:視点聡
話全体を見たあとにもう一度、冒頭のマザー・テレサの引用を見返すと少々違和感。
この話の流れだと
「過ちを犯す」=「同性愛者の結婚を認める」
「愛が原因で間違う」=「聡が姉、律に対しての家族愛ゆえに澪との結婚を認めるという間違いを犯す」
という風に読めてしまう。
この引用文がなければ
「あぁ、同性愛者を妹と姉に持つ者同士の男の語り合いなんだね」でいい感じに終われたSSだったと思われる。
締め方も聡の律に対する電話での会話で終わっているし、
書いた人もいい感じの余韻を残す効果目的でこの終わり方にしたのだろうけど。
小説でも冒頭に引用文を載せる小説がある。
言葉の印象の良さだけでそういうのは載せることを決めているわけではなく、
その小説の内容を暗示していたり、話の主軸としての役割を果たしているから
引用文はもう少し丁寧に扱わなければいけないよな、と自戒も含めてこのSSを読んで思った。
以上です。
参加者の方、お疲れ様でした。
14番手 ◆3AyQ2RIUhcさんの感想
感想、というかほぼ一言コメントです
おふざけで失礼な内容になってますがご容赦を
1.梓「アガパンサスの花言葉知ってる?」
淡々とした会話と内容 何かアクセントが欲しかった
2.憂「6月の天気雨」
もしかして元々あったネタに前後(雨、結婚)を付け足してこの企画用に仕立てあげた?
3.紬「第1回軽音部ベストカップル選手権」
モフモフモフモフ
4.唯「6月の憂鬱」
そっくり
平沢姉妹設定を変えちゃった勇気に脱毛
5.和「人が夢を見るといふ事」
お姉さんにスポットあたり過ぎ
6.「ヴァージンロードはつづく」
空気が重い、この雰囲気だとすでに二人くらい殺されてるはず
7.紬「ホー・チ・ミン市のミラーボール」
転がり流れるように繋がっていく会話がいい
9.澪「『私と梓』」
おせっかい焼きムギちゃん
10.淳司「兄妹心と雨の空」
さてお相手は誰でしょう? さw
11.特訓!!!
オチがいい
12.告白
きっとこいつら毎晩これを繰り返してる
15.和「6月の天気雨」
これはノーコメント
17.梓「ブーケ・トス?」
えぅっ!!?/////
18.律澪「いし」
深い意味がありそでなさそで これ10分くらいで書いた?
19.「インタビュー」
甘々
20.唯「ずっと三人で!」
やれやれ和ちゃん
21.「けっこん!」「たんぺん!」
えっと……「わかりません!」
22.梓「ジューンブラインド」
さわちゃんが結婚出来る日が来るなんて
23.聡「あのさ、姉ちゃん」
シスコンって言われて切れる奴はシスコン
以上です
いい加減なこと書いてますが、「違うわボケッ」というツッコミ待ってます
お疲れ様でした
6番手 無名 ◆4xyA15XiqQさんの感想
感想いきます
「DJ.ムギちゃんの
MUGI★MUGI!?RADIO!!」
紬「みなさんこんにちは~」
紬「“DJ.ムギちゃんのMUGI★MUGI!?RADIO!!”のお時間です」
紬「この番組は、様々なゲストをお呼びし、
なにか適当な話題を取り上げて、盛り上がろうというものです」
紬「それでは早速、本日のゲストをお呼びしま~す!
こちらの方です!」
?「……」
紬「……」
?「……はあー……」
紬「……ほら、純ちゃん!
ちゃんと喋らないと、リスナーのみなさんに声が届かないわ!」
純「私の心の叫びは伝わってることかと思いますが」
紬「純ちゃんは今なにか悩んでることがあるのかしら?」
純「ええ……どうすれば私の悩みが目の前の人に伝わるのかと……」
紬「大変そうね……」
紬「……えっと、このように湿気のせいで、
ちょっとアンニュイな純ちゃんですが」
純「原因は他にもありますけどね」
紬「そんな気分も吹き飛ばすお話が、こちらにいくつも届いていま~す!」
純「おおー」
紬「そんなお話を紹介する今回の番組企画! 名付けて!」
紬「“次のラジオDJは誰の手に”!」
純「こ、これはまさか……!」
紬「そう。ついに、純ちゃんの番組が始まるかもしれないの!」
純「元々これは私の番組ですよ!」
紬「私の番組でもあるわ!」
純「公共の電波でよくそんなこと言えますね……」
紬「まあまあまあまあ。ともかく、始めましょ!」
純「それもそうですね。では、一番手……の前に」
純「まずは企画者さんのプレSSである、
“澪「いくよ? …せーのっ!」”に一言だけでも言ってみましょう」
紬「企画のスタートを飾る作品として、良く出来た作品だったと思うわ」
純「ブーケトスは、これから投稿される作品たちへのバトンパスってわけですね!」
純「そして、そのバトンパスを受けたのが、
一番手・熊太朗 ◆Bh1mHqKkPsさんの、
“梓「アガパンサスの花言葉知ってる?」”です!」
紬「熊太朗さんは企画者さんの作品を見てから書いたのかしら?
それとも、偶然同じ花になってしまったのかしら」
純「どちらにせよ、見事ブーケをキャッチしてくれたみたいですね」
紬「幸せそうでなによりよ、純ちゃん」
純「やめてください、恥ずかしい……」
純「……ただ、花の種類だけでなく、
終わり方が企画者さんのものと被ってしまったのは惜しかったです」
純「悪くはないのですが、
印象の弱い作品になってしまったと思います」
紬「次は二番手・◆AzMg4Bi4U6さんの作品、
“憂「6月の天気雨」”ね」
純「結婚も取り込んではいますが、どうも弱い。
他の設定が強く、そして大きいせいですね」
紬「確かに結婚と少し離れている気がしたわ」
紬「……それでも、面白かったけれど~」
純「はい。設定も内容も面白く、楽しく読ませてもらいました」
純「ただ一つ言うのなら、最後に放課後ティータイムの名前を出したのは、
唐突に思いました」
純「正直、余分だったかもしれません」
紬「うぐっ……」
純「どうしたんですか、ムギ先輩?」
紬「……じ、実は私も、吸血鬼なの~……」
純「はあ」
紬「血が足りないわ……。純ちゃん、ちょっとでいいから!」
純「次いきましょう!」
紬「純ちゃんの血は冷たいのね……!」
純「ええと、次は三番手・◆I38.07w0MYさんの、
“紬「第1回軽音部ベストカップル選手権」”ですか」
紬「こ、ここが楽園!」
純「はい?」
紬「……なんでもないわ~」
純「……えっ?」
紬「要約すると、みんながベストってことよ」
純「今のムギ先輩のどこを要約したのか、見当つきません」
純「まあそれはともかく、ムギ先輩の暴走っぷりは面白かったですね」
紬「ふふっ」
純「ただ、少し単調に感じました。
特にムギ先輩が倒れてからの展開が弱いですし、オチも弱かったと思います」
紬「純ちゃんがもっとモフモフされれば良かったのよ!」
純「はっきり言っておきますね」
純「違います!」
紬「次に四番手・6月 ◆wOtZXstEn6さんの作品、
“唯「六月の憂鬱」”で~す」
純「重いですねー」
紬「唯ちゃんが憂ちゃんを“うい”と呼ぶのは、
“「憂」という名前には父のささやかな抵抗が隠されている”からかしらね」
純「そうかもしれません」
純「私はこの作品のように、
設定を変えたものを今までにいくつか読んできました」
純「それでいて、原作の設定に理由付けをしているところは、
この作品の良い点だと思います」
紬「両親が一緒に海外出張に行く、というところ?」
純「はい」
純「ただどうも色々な点が不釣合いで、
お父さんの“憂は僕の娘ではないよ”は言い方がちょっと軽い気がしますし」
純「話全体の裏側にある暗い設定と比較して、
この終わり方はどうなのだろうと思いました」
紬「読んでる人の気持ちが、作品について行ききれてないのね」
純「お次は五番手・◆MANVrzhS2Mさんの作品、
“和「人が夢を見るといふ事」”です!」
紬「和ちゃんの悩みと、唯ちゃんの悩みが良い意味ですれ違ったわね」
純「はい。唯先輩の悩みは“そこかよっ”と、読みながらツッコんでました」
純「というわけで、取り上げるべきは和先輩の悩みでしょう。
和先輩は頭の中で結婚を思い浮かべると、同時に唯先輩の顔が浮かぶようですね」
紬「“しかも同姓の顔が思い浮かぶなんて妙な事この上ない”と言っているから、
和ちゃん自身は同姓愛がマイノリティであることはわかっているのよ」
紬「それでいて“嫌というわけじゃない”わけだから、この点は解決している。
悩みは次で言われるように、浮かぶ原因がわからないこと、なのよね……」
純「それに加えて、和先輩の夢である“幸せな花嫁さんになること”を
聞いてから唯先輩の様子がおかしいこと、ですね」
紬「もちろん和ちゃんは頭のいい子よ。
だからこそ、唯ちゃんの悩みが想像できちゃうのよね」
紬「……自分といたら、花嫁にはなれないって」
純「明確に書かれていませんが、絶対それを和先輩は思いついていると思います。
もっとも、それは思い違いであったんですけど。
唯先輩の言葉を借りるなら、“結果オーライ”!」
紬「男女の結婚式を前にして、色々な不安や悩みが襲う……。
その心情の運びが見事に書かれていた作品だと思うわ!」
純「もう一つ、最初にムギ先輩が言っていた悩みも、
すぐに解決されましたね」
紬「そんな冗談みたいな話に、自分が踊らされてたと気付いたとき、
和ちゃんはなにを思ったのかしら?」
純「きっと……首筋についたブーケの欠片にも想いを託してみようかと、
これまた冗談っぽく思ったんでしょう!」
紬「ふふっ、そうね!」
純「唯先輩と和先輩の頭文字、合わせたら“ユノー”だって、you know?」
紬「えっ?」
純「……思いついただけです。流してください」
紬「続いて六番手・無名 ◆4xyA15XiqQの、
“「ヴァージンロードはつづく」”。つまり自作ね」
純「作者はまず六月、雨ということで思いついたのが、
ハリイ・ケメルマンの“九マイルは遠すぎる”だったそうですよ」
紬「それに沿った部分もあるものね。
ただ、それはミステリにひたすら重点を置いているけれど、
この作品は違うのよね?」
純「はい。一応ミステリっぽくしていますが、
それだけを追求したわけではなく、人物の心情に重きを置いたようです」
純「あと最近大学編を読んだため、
どうしてもあの子を活躍させたかった……という思いもあったそうで」
紬「それなら、一応書きたいところは書けたの?」
純「そうみたいです。一応、ですが」
純「さてお次は七番手・◆Dqq4mUt36さんの作品、
“紬「ホー・チ・ミン市のミラーボール」”です!」
純「ムギ先輩、おめでとうございます」
紬「ありがと~」
純「ただ……うーん。読みにくいですね。
台詞と台詞の間が詰まっていることが原因でしょうか」
純「とはいえ、ムギ先輩の粋な計らいには好感が持てます。
律先輩と澪先輩の、お酒を介して語られる言葉も、
どこか時の流れを感じさせますね」
紬「大人ね~」
純「ところでどうしてホーチミンなのでしょう。
元ネタがあるのでしょうか。すっごい気になります」
純「そしてホーチミンと聞くと、どうも水曜どうでしょうを思い出します。
これまたすっごい個人的な話で申し訳ないんですが」
紬「ねえ純ちゃん、原付の免許は持ってるかしら?」
純「えっ?」
紬「なんだったら援助もするから、ね?」
純「……ベトナム縦断なんか絶対しませんよ!?」
紬「残念……」
紬「次の作品は八番手・◆CQDDPJeh8kさんの“パパとママ”で~す」
純「可愛い、温かい、やわらかい!
そんな言葉たちが似合う作品ですね」
紬「結婚というテーマを既婚者である両親に当て嵌めたのも、
良い視点だったと思います」
純「特に強調して言う点も、とくにないでしょう。
読めばわかるやさしさ、それを全体に帯びているんですから」
紬「そういえば、純ちゃんの両親はどんな方なの?」
純「自由な人、ですかね。私に見事遺伝しましたよ。
それより気になるのは、ムギ先輩の両親なんですが……」
純「……これって、生放送で聞いてもいい内容なんですか?
実はトップシークレット事項だったりします?」
紬「ふふふふふ……」
純「うわあ、とっても怖い!」
純「続いての作品は九番手・◆NEz87FEsYIさんの“澪「『私と梓』」”ですね」
純「この作品の良いところは、地の文でしょう。
極めて丁寧に書かれていて、なおかつ読みやすい」
紬「私も、ずんずん読み進んじゃった!」
純「ただ後半部分、澪先輩の説得は無理があると思います。
新しい“私と梓”という関係を作りたい。それはわかります」
純「しかし、どうしてそれで梓は納得したのでしょう?」
紬「一緒にいれることが、幸せだからじゃないのかしら?」
純「そうですね、“危うい関係”であることを感じている、
それを上手く乗り切っていこうと決心している梓がいるというのは、
読んでいてわかります」
純「でも、梓は“女性として彼女のことを愛して”いるんです。
それは本当に、ただ一緒にいることだけで片付く感情でしょうか」
紬「つまり純ちゃんは“女性を愛すること”と“家族を愛すること”は
全くの別物だから、それが交錯することで双方が納得するとは考えにくい。
そう言いたいのね?」
純「まあ、そんなところですね」
純「もっとも澪先輩側は、結婚願望自体が“幸せになりたかった”という
願望を根っこに持っているものですから、
“私と梓”という関係で落ち着く……というのは、納得できるんですけどね」
紬「次に、十番手◆W5vxGyA9zcさんの作品、
“淳司「兄妹心と雨の空」”です!」
紬「おめでとう、純ちゃん!」
純「はい! そして、あっちゃん主役で嬉しい限りです!」
紬「お兄さんのこと、本当に好きなのね~」
紬「この作品の兄妹の言葉を選ばない冗談の言い合い、
とっても微笑ましかったわ~」
純「普段からこうであると、読む方にも想像させますね」
紬「読んでて自然と笑顔になる作品ね!」
紬「それに、結婚式ではよく家族にお礼を言うシーンがあるけれど、
純ちゃんはベースを弾くことで、お兄さんにもお礼を言っているのよね。
そういう細かい芸も光っていると思うわ」
紬「……ところで、相手の方は誰なのかしら?」
純「それは読む側が各々に決めていい……ということですよ」
紬「……」
純「なにちょっと困った顔してるんですか」
紬「あっ、なんでもないの。
ちょっと純ちゃんの相手候補が絞れないとか、そういうことじゃないの」
純「私そんなたくさんの人に愛されてるんですか?」
紬「決して、ハードルが低いから跳べる人が多いとか、
そんなことじゃないの!」
純「ムギ先輩は私になにを言いたいんでしょうね」
純「続いての作品は……いえ、まとめて紹介しましょう」
純「十一、及び十二番手を務めた◆b6z6BxvPQ.さんの作品、
“特訓!!!”と“告白”です!」
紬「二作連続投稿ね。両者とも色の違う作品で、楽しめたわ~」
純「私が好きなのは、前者ですね。
話の展開のさせ方が良く、オチもしっかりついてて面白いと思います」
純「特に“溺れる者は藁をも掴む”の、
さわ子先生バージョンには笑ってしまいました」
紬「私は突然現れた純ちゃんに笑ったわ」
純「私の出番はモフモフだけかー! ってツッコみました」
紬「ただ、ちょっと誤字が多いのよね……」
純「そうですね……。普段はあまり気にならないのですが、
ちょっと気になるレベルの量でした」
純「誤字は途中途中で読んでる側の意識を途切れさせてしまいます。
そこだけが惜しかったです!」
紬「一方後者は、静かに語られる、二人の幸せ……」
紬「これといった特徴はないけれど、
落ち着いてて良い作品だったと思うわ」
紬「……さて純ちゃん。理由なんていらないわ」
紬「今すぐ髪を結んで! そしてモフモフさせて!」
純「今すぐワックスでこの髪を固めまーす」
紬「えー……」
純「さて、続いての作品は十三番手・◆ym58RP.VtEさんの、
“「もし軽音部のギタリストが民法 第二章『婚姻』を読んだら」”ですね」
純「どうして憂は六法全書を読んだのだろう」
純「という疑問は、さておきましょう」
紬「なにか深遠なる理由があったのね」
純「まずこのタイトルを見て、
どっかの無名の作者は色々なことを思ったそうです」
純「実はそのどっかの無名の作者は、各国の法を取り上げて比較、
同性婚について様々な見地から論じるような作品を書こうと、
計画していたこともあったそうです」
純「結局それは流れたのですが、このタイトルを見て、
“おや、自分以外にも物好きな人がいるものだ”と思ったそうです」
純「内容は全然思ったのと違いましたけどね!」
紬「それでも、法律を導入に使ったというのは目新しくて、
なかなか面白い作品だったと思うの~」
純「そうですね。梓には爆発してもらいたいところです」
紬「それと、あのりっちゃんが753条を知っていたというのも、
実はポイントなのよ」
純「と、いいますと?」
紬「それはね、りっちゃんは前に、
唯ちゃんと同じことを試した可能性があるということよ!」
純「なるほど! これは律先輩恥ずかしい!」
紬「そんな具合に、想像の膨らむ作品でした~」
紬「次は、十四番手・◆3AyQ2RIUhcさんの作品、
“梓「ある梅雨の晴れ間の昼下がり」”ね」
純「律先輩が自分たちのことをわざわざ知り合いの話に擦りかえる、
これがなんともらしくて良かったです」
紬「とっても微笑ましい!
梓ちゃんの顔が綻んでしまうように、読んでる私も顔を綻ばせちゃった!」
純「これから来るであろう未来の幸せを、感じることが出来ますね」
純「さらにそれだけでなく、唯先輩と梓の幸せも、
読んでいるうちに少しだけ垣間見ることが出来ます」
紬「幸せ一杯の作品ね。
オチも締まっていて、とっても読みやすく、面白かったわ~!」
純「ところでムギ先輩、私の知り合いの話を聞いてください」
純「Jという子が、ラジオDJをやっていたんですよ。
ところが突如現れたTさんという人に、その座を奪われたんです」
純「なんとしても取り返したいそうですが、
一体どのようにすれば、Jの願いは叶いますかね?」
紬「うーん、ごめんなさい。わからないわ」
紬「私は当事者じゃないから」
純「今の流れで本当にとぼけられると思ってるんですか、Tさん?」
純「続いて十五番手・◆igw0opgTmMさんの作品、
“和「6月の天気雨」”です!」
純「企画に出た作品に、企画で補完する……。
今までで初めてのケースなのではないでしょうか」
紬「そうね。その出来も、補完として十分なものだったわ」
純「相変わらず結婚とは少し離れていますが、
面白いことには面白いですね」
純「さらに最後の台詞に関しては、
こちらは伏線を張った上での台詞だったので、
私は補完先より好きな終わり方でした」
紬「ある意味、二つの作品が結婚して、
一つの作品が完成したとみてもいいのかも!」
純「うぐっ……」
紬「はっ、実は純ちゃんは吸血鬼だったのね!
そうね、わかったわ。さあ、私の血を吸ってみて!」
純「……私の台詞を奪わないでください!!」
紬「え~?」
紬「続いては、十六番手・◆DYQpDxTGE2さんの作品、
“純「多分『左利きなんだね!』って言われた時の澪先輩みたいな気分」”で~す」
純「純ブライド!」
純「……はあ」
紬「どうしたの、純ちゃん」
純「いえ、このネタはどうせ何度も使われるだろう、
そうなんだろうと覚悟していましたが、本当にそこかしこで使われていましたね」
紬「そうね~」
純「その気持ちを代弁してくれる、この作品。
そして、私がなにやら凝ったことを言う、この作品!」
紬「結婚の神様だけでなく、あらゆる神様がいるところで祝う。
とっても純ちゃんらしい、お茶目な発想が良かったわ~」
純「それにしても直は一体、なにを記録しているのでしょう……」
紬「わたし、気になります!」
純「……わたしも、気になります!」
紬「次は十七番手・◆qMe11ofhRcさんの作品、
“梓「ブーケ・トス?」”ね」
純「私と梓がメインの、短編ですね」
純「そして梓、突然どうしたとツッコミたくなる短編でもあります」
紬「純ちゃんは突然のボールにも反応して、しっかりとキャッチしたみたいね」
純「まあ、私ほどの人間になりますと、そのようなことも……」
紬「……」
純「……せめて真顔で聞くのは止めてください」
紬「ともかく、小さく綺麗にまとまっている作品でした!」
純「お次の作品は十八番手・◆ywLV/X/JUIさんの、
“律澪「いし」”です!」
紬「こっちも、一個前ほどではないけれど、短編ね」
純「ただちょっと内容がわかりにくかった、というかわからなかったですね」
純「つまり、どういうこと? と、思ってしまいました」
紬「“捧げた”という言葉に、意味はあるのかしら……」
純「どうなんでしょうかね」
紬「女の子が結婚相手に捧げるもの……」
純「先に言っておきますが、この番組は全年齢対象の健全な番組ですからね」
紬「今は私の番組よ!」
純「……私が戻るはずの席を、ムギ先輩はいつかぶっ壊すんじゃなかろうか」
紬「続いての作品は十九番手・◆CeitU0zV9.さんの、
“「インタビュー」”です!」
純「あずばく!」
紬「えっ?」
純「梓爆発しろ、の略です。あずばく!」
紬「それぐらいのイチャつきっぷりだったってことね」
純「まあそんな事情はともかくとして、
ラジオというのは非常に親近感が湧きますね」
純「質問に答えるという簡単な形式で、
読む人の興味をぐいぐい引いていく作品でした」
紬「同性婚が認められている世界、というのも注目ね。
いつそんな日が訪れるのかわからないけれど、
これを法的に認めるには相当な時間が必要になるはずよ」
純「そうですね。きっと裏側で、壮絶な活動があったことでしょう」
紬「いつかこんな未来が来るといいわね」
純「私としては、自分の番組が自分の手元に戻る未来が来ることを、
ずーっと待ち望んでいるんですけどね」
紬「さあ、次の感想にいきましょ~」
純「早速のこの対応で、お先真っ暗です」
純「次に、二十番手・◆I6QOKDj/2さんの作品、
“唯「ずっと三人で!」”です!」
紬「あったかな日常が詰まってるわね~」
純「三人の掛け合いがとっても可愛いです。
今回の企画で一番ほのぼのでした」
純「それに加え、結婚というテーマを三人の日常に
ぴったりな形に収めていて、それも良いと思います」
紬「それにしても、和ちゃんずるい!
私も、二人に抱き付かれてみたい!」
純「えーっと……。
頼んでみれば、意外となんとかなるかもしれませんよ?」
紬「……確かにそうかも」
紬「続いての作品は、二十一番手・◆3I/hPeNwlさんの、
“「けっこん!」「たんぺん!」”です」
紬「これは……ちょっと私には難しいわ」
純「残念ですが、私にもわからない部分が多いですね」
純「まず一つ目は前半部分と後半部分の関わりがよくわかりません。
最後の台詞も、どういうことなのか……」
純「二つ目は律先輩と澪先輩が付き合ってる、
またはそれ以上の関係なのでしょうね。これはわかりました」
純「三つ目もわかることにはわかるのですが、
最後の澪先輩の台詞がまるで想像つきませんでした」
紬「最後をあえてぼかす話って確かにあるけれど、
それにしてもちょっと微妙な出来ってことね?」
純「はい。そして、四つ目はなにがなにやら……。
二組のカップルが結婚したこと以外、わかりませんでした」
純「わかる、わからないで作品の感想を言うのも
どうかとは思いますが、すみません」
純「これ以上のことは、なにも言えないんです」
純「……続いて、二十二番手・◆ND9SKcNM/oさんの作品、
“梓「ジューンブラインド」”です!」
紬「……」
純「……どうして生暖かい目をこちらに向けるんですか」
紬「……ふふっ」
純「笑われた!」
紬「でも、三人の漫才のしょうもなさも素敵よ!」
純「全然フォローされた気がしない!!」
紬「だけど、二回目の漫才はいきなり終わって、
ほぼ同時に作品も終わっちゃって……ちょっと物足りなかったわ」
純「確かに、ただの漫才の終わり方ではなく、
作品全体から見た漫才の終わり方に変化を加えた方が
良かったかもしれませんね」
純「……それにしても、さわ子先生が結婚してるのは珍しい」
紬「それってどうなのかしら……」
紬「……ところで、ジューンちゃん」
純「なんですかムギー先輩」
紬「これから純たんって呼んでもいい?」
純「嫌です」
紬「けち!」
紬「さて、最後は二十三番手・企画者 ◆S2hgjVzBnEさん、
つまり企画者さんの作品、“聡「あのさ、姉ちゃん」”です!」
純「企画の最初と最後を企画者さんが飾る、
なかなか趣きのあることですね」
紬「その内容も、とても良いものだったわ~」
紬「家族が同性愛者のとき、どう世間と関わっていけばいいのか。
職場の先輩、人生の先輩が、そういう意味での先輩しても、
公園で後輩にアドバイスをする」
紬「さらにそこにお酒が交わされている……。
なんだかとっても素敵な絵になってるわね!」
純「はい。とても引き込まれました」
純「というわけで、今回の企画で一番好きな作品はこちらです!
まさかの男同士の語らい、しかし結婚企画ならではの語らいで、
目新しいかつ興味深い、面白い作品でした!」
紬「そうそう、それと引用文についてなんだけど……」
“「いずれにせよ、もし過ちを犯すとしたら、愛が原因で間違った方が素敵ね。」”
紬「これについて、少し検証してみるわ」
純「この文章では二種類の“過ち”が登場していますね」
紬「“過ち”と、“間違った”ことね。
言葉は違っても、どちらも過ちと捉えていいはずよ」
紬「それで、この文章で私たちに伝えたいことは簡単。
この世に存在するあらゆる“過ち”の中でも、
それは“愛が原因”であった方が素敵である、ということね」
紬「とすれば、この文章における“過ち”は、
すなわち抽象的な過ちを言っているのであって、特定のものを指していないわ」
純「あくまで過ち全体を指しているわけですからね。
この文章の“過ち”を作中の過ちと同一視、または何か他のものに意味付けすることは、
ナンセンスといってもいいかもしれません」
紬「だから、引用文の意味を作中に当て嵌めて解釈するためには、
“愛が原因で間違った”ことに、作中のどれかを当て嵌めればいいのね」
紬「もちろん、それはわかってるわよね、純ちゃん?」
純「はい。いわば“同性婚”ですね」
紬「そう。つまり、この引用文を作品に当て嵌めて言うと」
紬「この世の中に存在するあらゆる過ちの中でも、
“同性婚”は愛を持っているのだから、素敵なことではないか」
紬「……こういうことなのね」
純「なるほど……」
紬「もう一つ付け加えておくと、ここでいう過ちは、
あくまで法的な範囲に限られていると、私は思っているわ」
純「ふう……終わりましたね」
紬「お疲れ様、純ちゃん」
紬「色々言ってきましたが、まずは企画者さんと参加者さん、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました!」
純「ありがとうございました!」
紬「今回の企画は二十三個もの作品が集まったわけだけど、
どうだったかしら純ちゃん?」
純「そうですね……」
純「まだこれだけ多くの人が、作品を書いている。
それがわかった良い機会だったと思います」
純「それに、個性溢れる作品を多く見られたので、
これからの未来にも可能性を感じましたね」
紬「そうね!」
紬「また、誰かが作品を書いていくことで、
他の誰かが“自分も書いてみようかな”と思ってくれて……。
作品が充実していく」
紬「その第一歩が、ここに集まった人たちなのかもしれないわ」
純「受け取った人が、次々と作品を書いていく……。
まるでブーケトスですね」
紬「きっとどちらも、受け取った人に気持ちが芽生えるのね。
前に進もうとするような、強い気持ちが」
純「そうかもしれませんね」
紬「……純ちゃん」
純「はい」
紬「モフモフさせてください!」
純「嫌です」
紬「え~、今の流れならいけると思ったのに~!」
純「そういう流れじゃなかったはずですが……」
紬「……仕方ないわね。もう時間だし、終わったあと存分に楽しみましょう」
純「時よ、止まれ!」
紬「というわけで、今日のゲストは
鈴木純ちゃんでした~」
純「あっ、そういえば私ゲストだったのか……」
紬「“DJ.ムギちゃんのMUGI★MUGI!?RADIO!!”は、いかがでしたか?
みなさんに楽しい時間を提供できたのなら、幸いです!」
紬「……ですがここで、悲しいお知らせがあります」
純「えっ……?」
紬「“DJ.ムギちゃんのMUGI★MUGI!?RADIO!!”、
本日で最終回を迎えることとなってしまいました……」
純「えっと、それはつまり……」
純「……はっ! つまり、そういうことですね!」
紬「わかったの、純ちゃん?」
純「つ、ついに! ついになんですね!」
紬「ええ、そうよ!」
紬「来週からは私たち放課後ティータイムの番組、
“HTTの放課後トークタイム!”が始まります!」
純「えっ」
純「えっ」
紬「毎週私たち五人のうちの誰かが出ます!
誰が出て、何人出るかは毎回変わるので……お楽しみに!」
純「えっ」
紬「それではお時間です。
“DJ.ムギちゃんのMUGI★MUGI!?RADIO!!”は、
これにて終了とさせていただきます」
紬「ではみなさん、また来週、新しいステージで会いましょ~!
さようなら~!」
「DJ.ムギちゃんの
MUGI★MUGI!?RADIO!!
‐完‐」
純「……えっ?」
‐ お し ま い ‐
2番手 ◆AzMg4Bi4U6さんの感想
では私も軽く感想を
多少批判めいたことも書きましたが率直な感想ということで
1.梓「アガパンサスの花言葉知ってる?」
アガパンサスという花の名前そのものを知りませんでした
リズム感のあるやり取りが良かったです
2. 憂「6月の天気雨」
自分のSSです
憂ちゃん編は読み手の予想する犯人が唯、憂、和の間でゆれた後、紬になるように書いてみました
サスペンス風のSSは初めてなので楽しかったです
後から読みなおしてみると色々粗いところもあります……が、
自作を貶すのは好きじゃないので、これくらいで
3. 紬「第1回軽音部ベストカップル選手権」
オチ要員のさわちゃんが少しかわいそうでした
内容は
コメディチックなほのぼので安心して読めました
4. 唯「6月の憂鬱」
ガチ強姦が含まれてる話は苦手です
少なくともけいおんでは読みたくない
終盤の唯ちゃんの思考も強引過ぎて不自然に感じられました
ただ、文章そのものは素晴らしいと思います
5.和「人が夢を見るといふ事」
これ、すごく好きです
お話の内容も、台詞の言葉選びのセンスも、実にいい
6.無名 ◆4xyA15XiqQさん 「ヴァージンロードはつづく」
いつも高品質なSS、楽しませてもらってます
無名さんのSSは独自の文脈(作風?)をけいおんの空気と混ぜるのがとても上手だと思います
これからも楽しいSSを沢山書いてください
7. 紬「ホー・チ・ミン市のミラーボール」
大人な雰囲気のお話でした
8.◆CQDDPJeh8kさん パパとママ
みじかいけどあったかでいろんなものが詰まったお話
好きです
9. 澪「『私と梓』」
私は基本的に安易なハッピーエンドしか書けません
こういう切なさの残る話は基本的に書けない
だけど、だからこそ、こういう話を作れる人は凄いと思います
10. 淳司「兄妹心と雨の空」
兄妹愛を真面目に描いたお話でした
ほんのり切なくて暖かくなれるこういう話、好きです
11.特訓!!!
これはいいコメディ!!
純粋に楽しいこういう話は大好きです
今回の企画で一番好きかも
12.告白
特訓!!!とは打って変わってしんみりした恋愛ものでした
13.「もし軽音部のギタリストが民法 第二章『婚姻』を読んだら」
正統派唯梓でした
14. 梓「ある梅雨の晴れ間の昼下がり」
第三者と相談する系のSSは嫌いじゃないです
15. 和「6月の天気雨」
優しい話で補完していただきありがとうございます
少し硬質な文体が和ちゃんにぴったりあっていたと思います
16. 純「多分『左利きなんだね!』って言われた時の澪先輩みたいな気分」
もう少し続いて欲しい後輩組のほのぼのとしたやりとり
そんな感じのSSでした
17. 梓「ブーケ・トス?」
オチで声を出して笑いましたwww
書いた人の頭のなかを見てみたいと思えるSSです
18. 律澪「いし」
シンプルでいいと思います
19. 「インタビュー」
いい切り口の正統派唯梓でした
20. 唯「ずっと三人で!」
ほのぼの平和というとあの方のイメージが強いですが、同棲さんの平和も相当なものですね
まったりほのぼのいいものです
21.「けっこん!」「たんぺん!」
企画に1レス多作で参加。そういうのもあるのか……
楽しませてもらいました
22. 梓「ジューンブラインド」
^^;
嫌いじゃないです
23. 聡「あのさ、姉ちゃん」
おつかれさまです
今回の企画の成功は企画者さんによるところが大きいと思います。ご苦労様でした
一つ不満を言わせてもらうと、ムギちゃんの誕生日と被せるのはやめて欲しかったと思います
できれば今後の企画者さんには誕生日を避けて日程を決めてほしいです
SSは変わった組み合わせで新鮮でした
けいおんで男キャラ同士の絡みもいいものですね
感想は以上です
みなさん、お疲れ様でした
10番手 ◆W5vxGyA9zcさんの感想
うすっぺらい感想
0.澪「いくよ? …せーのっ!」
・・・【プレSS】と題されているだけあって次の人を強く意識してくれている理想的な最初の作品。ブーケ2つってことは百合でいいんだよね、これ
1.梓「アガパンサスの花言葉知ってる?」
・・・毎日がアガパンサス。純ちゃんカッコつけすぎ。だがそれがいい、そんな作品
2. 憂「6月の天気雨」
・・・吸血鬼姉妹の話である以上仕方ないが、紬梓が付き合ってからの話がほとんどなくて結婚に跳んだので少し唐突。ブーケトスで再会というのはロマンチックでいいから結婚要素を否定するわけじゃないけど、恋愛要素を全部無くして武道館ライブで再会とかしたほうがけいおんSSらしかったかもしれない。しかし物語としての完成度は非常に高く、読んでいてとても面白かった
3.紬「第1回軽音部ベストカップル選手権」
・・・モブに詳しくない俺でもギリギリわかるラインの人選は見事。\モフモフモフモフ/が何の音かはわからないが、最後まで使ってあげてほしかった。\モフモフモフモフ/
4.唯「6月の憂鬱」
・・・平沢姉妹が全然似ていないと評されている事からパラレルワールド路線なのだろう。唯の視点では常に「うい」呼びなのも何か意味があるのだろう。あとこれ、6月の出来事自体を思い出すのではなくて6月は雨が多いから思い出す、って話なんだよね?多分
5.和「人が夢を見るといふ事」
・・・オリキャラのお姉さんとオリジナルな関係を築いている唯憂和。まず我々はそこを把握しないといけないのだが、よりによってそのオリジナル部分の主張が非常に激しく読者を置いてけぼりにしかねない。しかし、まるでリアルタイムのようにひたすら感情を吐露する地の文が俺達読者を上手く繋ぎ止め、オリジナル要素の薄くなる終盤はちゃんと引き込んでくれる。設定と書き方が上手く噛み合っていると思った
6.「ヴァージンロードはつづく」
・・・登場人物が完全に傍観者視点で結婚絡みの謎を解く、結婚企画としては異質な作品。異質でこそあるが内容はわかりやすくまとまっている。しかし皮肉にもジューンブライド企画でこのオチ(澪の出した答え)は読者からすればすぐに読めてしまうのではなかろうか。あと澪ちゃん、ながら食いは太るよ
7.紬「ホー・チ・ミン市のミラーボール」
・・・この二人はなんとなく酒入るとこんな風に緩急の激しい会話しそう。たまたま俺のイメージと波長が合ったに過ぎないのかもしれないが、光景が容易に想像できてよかった
8.「パパとママ」
・・・平沢姉妹が両親みたいな夫婦に憧れている、というのはこうして改めて目にしてみてまったく違和感がない。常に笑顔を絶やさない、幸せの体現者。そんな両親があってこそのあの平沢姉妹だよね。実に良い
9.澪「『私と梓』」
・・・一見澪が都合のいいことを言っているように見えて、実は結婚自体が通過儀礼でしかないという人生の本質を突いたような作品にも見える。澪の言葉もずっと前から温めていたのではないかというくらい一本筋が通っているように見えて、彼女の中になにかしらの思想か信念があるのだろう
10.淳司「兄妹心と雨の空」
・・・俺のらしいよ。へー
11.特訓
・・・読点が無駄に多くて読みにくい。しかし、ありがちなさわちゃんネタから丁寧に話が広がり、最終的にはクラスメイトまで巻き込む展開は実に見事だった。ギャグも笑えた
12.告白
・・・思いに気づいて一切の連絡を絶つという意味わからないヘタレ方した過去から一転、別れ話を切り出そうとした梓にプロポーズする澪。成長が感じられていいね
13. 「もし軽音部のギタリストが民法 第二章『婚姻』を読んだら」
・・・ツッコミたい点は既に他の人に言われてしまった。全体的に変に諍いとかも無くハッピーエンド一直線でよかった
14. 梓「ある梅雨の晴れ間の昼下がり」
・・・ソツなく癖も無く、綺麗にまとまっている作品だった
15. 和「6月の天気雨」
・・・2番手さんの補足的な視点のお話。少々あちらとの違和感を感じる点があるようなないような気もするけど、それはこちらがより絆を強調しているように見えたからかも。あとこの2本、澪和に未来を感じる
16. 純「多分『左利きなんだね!』って言われた時の澪先輩みたいな気分」 >>296-300
・・・これもまた容易に光景が想像できる、丁寧に優しく書かれた作品。わかばガールズみんな可愛くてよろしい
17. 梓「ブーケ・トス?」
・・・急にどうした!?からの速攻オチ!と思ったら三人にちゃんと見守られているオチ。これもわかばらしく可愛い。お上手
18. 律澪「いし」
・・・澪の誕生日に律が誕生石のガーネットを送ったということだろうか? しかしそれほどのことを律が忘れているとも考えにくいし、なにかの暗喩と考えるほうが自然か。よくわからない
19.「インタビュー」
・・・周囲の人に恵まれているというのは何よりも喜ばしいこと。作中のいろんな光景を想像して、そう思わせてくれるいい作品だった
20. 唯「ずっと三人で!」
・・・結婚をテーマにしつつも、「あくまで真似事」とほどよく距離を取った結果、この三人なら普通にやりかねない光景が繰り広げられている。個人的には和が赤面するくだりも無くして平凡な日常一辺倒にしてほしかったが、些細な点だろう
21.「けっこん!」「たんぺん!」
・・・解説を頼む
22. 梓「ジューンブラインド」
・・・スレタイ通り、結婚要素よりジューンブライド要素のほうが強い作品。さわちゃんはヤバい顔してたらしいけど俺は正直笑ったので、もっと続いて欲しかった
23. 聡「あのさ、姉ちゃん」
・・・淳司と聡をあえて「同性愛者を近くに持つ者」という同じ境遇に置いた上であの結論を出す事で、「結局は同じ悩みを持つ者同士でしか理解しあえない」「世の中の偏見に対して出来ることはない(≒偏見はなくならない)」という現実に対する諦観が透けて見える、ような気がする。考えすぎだろうか。でもそれくらいいろいろ考えさせられる作品だった
みなさんお疲れ様でした!
15番手 ◆igw0opgTmMさんの感想
0.【プレSS】澪「いくよ? ・・・せーのっ!」
企画者さんによるこの企画のプロローグSS。
毎回、企画の1番手さんはみんなから注目されてなかなか書きにくいものだと思います。
この粋な演出によって、参加を考えていた方は気持ちを軽くして、楽しく参加できたと
思います。明るく華やかに企画の幕を告げる、素敵なプレSSです。
1.梓「アガパンサスの花言葉知ってる?」
プレSSからまさに「ブーケを受け取った」幸せな1番手さんです。
爽やかさで言えば屈指の梓純。花言葉、少しツンデレ、純ブライドと定型句が並べられて
それもまた安心感を覚えます。トップを飾るにふさわしい、可愛いSSでした。
2.憂「6月の天気雨」
ヴァンパイアの唯憂(+和ちゃん)のお話は、ともすれば猟奇SSになりかねないお話が、
初々しい紬梓の恋と、軽音部や後輩3人組のいつもと変わらないかわいいやりとりで
包まれてとても柔らかく、読みやすい印象のSSになりました。
読者の一人として願望を言えば、後半の事件の真相部分についても、ムギちゃんから
梓ちゃんへの語りではなく、物語として読んでみたかったです。
3.紬「第1回軽音部ベストカップル選手権」
企画でもよく見かける軽音部○○選手権!
シリーズ?
中にはシリアスなSSもありますが、これはいつもの軽音部のいつものノリの楽しいお話。
律澪、唯梓の定番カップルから律唯、澪梓への変化も自然で、軽音部の組み合わせは
結局誰と誰を合わせても可愛い、という事実をみごとに証明してくれました。
でも、ムギちゃんも参加していいんだよ!
4.唯「6月の憂鬱」
少し大人になったアンニュイな唯ちゃんの独白。
なのですが、「似ていない姉妹」「暗い過去を持つ両親」という設定が原作の印象と
離れていて、すぐには受け入れにくい世界観です。
この設定を活かすなら、そんな環境を受け入れて本当の家族になろうとする平沢家を
描いてほしいと思うのですが、唯ちゃんは唐突にういちゃんとの結婚を望みます。
そんな唯ちゃんの中には「ういを失いたくない」という願望しか見えません。
幸せな結婚とは、自分があって、相手があって、その上で家族を築いていくものだと
思うので、この自分しか見えていない唯ちゃんには、ういちゃんを幸せには出来そうに
ありません。ういちゃんの返事も、それを見越したものだと思います。
後半の「姉妹としてではなく、1人の人として
平沢憂という人物と生き始めようと
している自分を実感した。 」「この1歩からはじまるのかな。」
という文章に、この唯ちゃんへの救いを見た気がします。
5.和「人が夢を見るといふ事」
あこがれの「近所のお姉さん」に花嫁役を任せることで、唯ちゃんと和ちゃんにとっての
「結婚」観が浮き彫りにされていきます。
唯ちゃんを意識する和ちゃんにとって、唯「だってねー」の続きの台詞は大きな意味が
あります。
お姉さんのキャラクターもしっかりと描かれているのに、アンダーリムの赤いメガネを
かけているので、どうしても将来の和ちゃんを暗示した存在のように感じてしまいます。
象徴としての「お姉さん」で良かったんじゃないかな、とも思うのですが、旦那さんの
職業まで具体的に描かれているところをみると、モチーフになっているキャラクターが
あるのでしょうか。
その後は唯和の甘い告白タイムなのですが、私自身は、少し冗長に感じました。
この2人ならもっと最初から理解し合って、甘え合ってほしかったなと思います。
6.「ヴァージンロードはつづく」
毎回、無名さんの「読者を裏切る」たくさんの仕掛けを楽しみにしてます。
今回は、大学生になった澪ちゃんと原作の大学編で登場した幸ちゃんのお話。
いかにも文学部の学生さん同士の会話らしくもあり、2人のやりとりは「物合わせ」の
ようでもありました。
澪ちゃんたちの行く場所はまだまだこれから、どんなだかも分からない。
それでも不安に怯えずしっかりと前に歩を進める澪ちゃんに、頼もしさと安心、
ほんの少しの寂しさを感じるエッセイのようなSSでした。
7.紬「ホー・チ・ミン市のミラーボール」
ムギちゃんの結婚式に参列した律澪の会話。
明かされていく琴吹家のセレブな交友関係や、大人になっても相変わらずの平沢姉妹。
律澪の軽妙な掛け合いも、クラスメイトが誰一人結婚していないと言う事実にも
変わらない関係を感じて何となくほっとするのも束の間、澪ちゃんは明日婚姻届を
出すと聞いて、否応なく時の流れを感じてしまいます。
タイトルの「ホー・チ・ミン市」からは日常からの途方もない距離を、「ミラーボール」からは
多面性を感じます。これ以上裏読みすると寂しくなりそうなので、何も考えずに律澪のトークを
ただ楽しみたいです。
8.「パパとママ」
このSSは、今回の23本の中で最も「結婚」というテーマに真正面から向き合ったSSだと思います。
「恋愛」なら相手を求める強い思いや不安など、揺れ動く感情に支配されます。
「結婚」では、共に過ごす長い時間、変わる思いと変わらない思い、そんな静かな感情がそこに
あることが多いです。でも、平沢姉妹の両親は、恋人時代と変わらないラブラブカップルです。
そこがこのSSの楽しさであり、「結婚」を表現するには難しい部分でもあったと思います。
恋人時代のような熱々っぷりはないけれど、静かに、穏やかに相手を愛おしむ両親を見て、
「結婚っていいな」と感じる唯ちゃんであれば、キレイにまとまっていたと思います。
でもこの唯ちゃんはラブラブな両親を見て「こんな結婚してみたいなぁ」と言ってるし、
私も、そんな唯ちゃんの方がずっと唯ちゃんらしくて好きです。
そして何より、両親みたいな夫婦に憧れる平沢姉妹が、両親みたいな姉妹になったことに
とても幸せを感じます。ただこれは、「結婚」というより「家族」かな?
9.澪「『私と梓』」
恋愛小説や漫画でよく見かける台詞に、「友達としての『好き』じゃなくて、一人の女の子として
『好き』なんです!」という台詞があります。
この台詞をみる度に、「友達としての好き、と、女の子としての好き、ってどう違うの?」と
意地悪な質問をしてみたくなります。
私自身がそれに答えるとすれば、「君が存在してくれることが幸せ」なのか、「君が自分のものに
なれば幸せ」と感じるかの違いです。一見前者の方が尊いもので、後者はエゴに思えますが、実際には
優劣はありません。他人も自分も1人の人間でその幸せの価値に違いは無いと思うからです。
梓ちゃんの幸せは叶わなかったけれど、澪ちゃんの幸せを澪ちゃんと一緒に共有してくれるといいな、
と思いました。
10.淳司「兄妹心と雨の空」
純ちゃんの結婚式、ブライズルーム(支度室)での兄妹の会話。
式場によっては父親の立入りさえも許されないブライズルームに兄のあっちゃんがいるということ
そのものが、この兄妹の関係性を示しているのでしょう。
純ちゃんは周囲にどうみられるかよりも、誰の前に立つか、を最重要視する、というくだりから、
純ちゃんならではの魅力が伝わってきます。原作でその純ちゃんはあっちゃんの前で髪を下ろして
飾らない姿を見せていたけれど、今度はあっちゃんの言葉よりも結婚相手の一言を尊重して癖毛との
格闘をやめる、その流れがとてもきれいで、結婚相手の純ちゃんへの労り、あっちゃんの寂しさ、
純ちゃんの信頼すべてを表していると思います。
明示されていない結婚相手を詮索するのは野暮だけど、こんなにも純ちゃんへの細やかな気配りを
自然体で出来る人、そして純ちゃんが素直にその言葉に従える優しさと強さを持つ人は、軽音部の
あの人しか思い当たりません。おめでとう、純ちゃん!
11.特訓!!!
いかず後家となってしまいそうなさわちゃんが、友人の結婚式でブーケ・トスを受け取るべく特訓する
お話。最初から最後まで楽しく、気楽に読むことができました。
軽妙なコメディで、台本形式でないSSはちょっと珍しいかも?
勢いのあるSSなので、誤字脱字も気にせず、勢いよく読んでしまうのがいいと思います。
ただ、「奥からウイチャンが飛び出した。」の一文を読んだときには、原作に登場した
「憂ロボ」をイメージして絶望感に包まれましたが、そんなことなくて良かったです。
純ちゃんのモフの正しい使用方法、ブーケトスそのものがなかったという落ちも楽しく、勢いだけ
じゃない、きちんと練り上げられたSSだと思います。
12.告白
澪先輩との同居生活を送る梓ちゃんによる回想。
華やかな結婚式やお祝いとは少し離れた、静かな結婚生活。
実際に同性同士で恋愛関係になると、こんな生活なのかもしれません。
「雨音だけが聞こえるほの暗い部屋の中」にいる梓ちゃんにはまだ少し不安がありそう。
澪先輩はそんな不安から梓ちゃんを守るように優しく抱きしめてくれます。
最後の回想シーンに、「みんなに祝福されて」という言葉を見つけて安心しました。
唯ちゃんたちも共に喜んで、憂ちゃんや純ちゃんも応援してくれている関係。
描かれてはいないけど、この2人は周囲の祝福された、幸せな結婚生活なのだと思います。
13.「もし軽音部のギタリストが民法 第二章『婚姻』を読んだら」
この作者さんは企画のために「結婚とは何か」を考えて、悩んで、調べたんじゃないかと
思います。その過程で民法の婚姻が目にとまったのかな。
安心して読めるほのぼのSSですが、憂ちゃんの台詞(お姉ちゃん本当にエアコン苦手
なのかな...)や、漫画の代わりに六法全書を差し出すところに不穏な要素を感じました。
その辺りの謎は解明されないまま、勘違いした梓ちゃんが暴走して唯ちゃんもなんとなく
流されてしまう展開にハラハラしましたが、最後は幸せそうなので結果オーライ?
14.梓「ある梅雨の晴れ間の昼下がり」
りっちゃんから澪ちゃんとの惚気話のような愚痴を聞かされる役割の梓ちゃん。
律梓特有の、歯に衣着せぬ遠慮のない会話が楽しいです。
ただ、その数日後の喫茶店での唯和は、少し唐突に感じました。
梓ちゃんとの惚気話のような泣き言を聞かされる役割の和ちゃんもいいのですが、
この流れなら、梓ちゃんから唯ちゃんとの惚気話のような愚痴を聞かされる
純ちゃんのほうが、対照的でわかりやすかったんじゃないかと思いました。
15.和「6月の天気雨」
萩尾望都さんの漫画で、「吸血鬼の悲しみは永遠の命」(永遠に命が続くと
いうことは、出会った人々の死を永遠に見届け続けるということ)という一節が
ずっと印象に残っています。平沢姉妹のような絆があれば、永遠に続く命も楽しく
過ごせるのでしょうか。
このラストでは「吸血鬼の悲しみ」そのものは解決していないのですが、それでも
ハッピーエンドの方が好きです。
16.純「多分『左利きなんだね!』って言われた時の澪先輩みたいな気分」
後輩組の会話は役割分担がしっかり出来ているのと、親友感の強さでHTTをも凌ぐと思います。
それだけに、会話を聞いているだけで楽しめます。ちょっと生意気な素の梓ちゃん、自由な発想で
時々真理を突く純ちゃん、姉譲りの天然ぶりを発揮する憂ちゃん、それぞれのカラーがしっかり
描かれていて、可愛すぎる後輩組です。
17.梓「ブーケ・トス?」
「ブーケ・トス」について語る梓純の会話。
梓ちゃんはこの話を切り出したくて前振りしてたのかな?
小気味のいい会話で楽しいけれど、それだけだと食べ足りません。
最後に出演したニコニコ憂ちゃん、カタカタ直ちゃん、テレテレスミーレの3人の様子が、
このわかばの日常を物語ります。練習はしてなさそう。
18.律澪「いし」
澪ちゃんの言う「イシは明示されていた」の意味が分からず、感想を諦めかけていましたが、
他の人からヒントを頂いてやっと、理解できた気がします。
キーワードは「イシ=石=意思」「ガーネット=血」「初夜」でしょうか・・・。
全く分からなかった私に対して、軽音部のみんなが鋭すぎて嫉妬します。
ムギちゃんはまだしも、唯ちゃんのくせに、唯ちゃんのくせに!
19.「インタビュー」
HTTがデビューしたif未来で、結婚した唯ちゃんと梓ちゃんへのインタビュー。
インタビューを受ける2人、唯ちゃんは高校時代のまま。梓ちゃんは少しおとなっぽく、受け答えも
堂に入ったもの、と見えて唯ちゃんにペースを崩される辺りはやっぱり相変わらずのあずにゃんで
ニヤニヤします。
結婚式をライブでというのはHTTらしくて楽しそうです。
20.唯「ずっと三人で!」
好きすぎてまともにコメントできないので割愛します。
21.「けっこん!」「たんぺん!」
元ネタが分かると楽しく読めるのかも? 勿体ないと思います。
22.梓「ジューンブラインド」
後輩3人組が大好きなので、楽しく読めました。
暴走する憂ちゃんを唯ちゃんが心配してオロオロする姿も新鮮でおもしろいです。
わかばトリオに続いてHTTの漫才もみたかったです。梓ちゃんは掛け持ちで大変!
23.聡「あのさ、姉ちゃん」
けいおんキャラたちは恋愛したとしても「同性婚」について悩んだりはしないと思います。
(好きなら好きで勝手にいちゃついてるので)
でも、聡くんとあっちゃんを主役に持ってくることで、けいおんSSの読み手の立場を
うまく投影できていると思います。同性愛が好きな訳ではなくて、幸せそうなけいおんの
キャラたちが好きなんだろうと。
もしもそうじゃないと言う人がいたら、このあっちゃんが撮った写真の2人を見ても、
微笑まずにいられるでしょうか。
今回は「結婚」がテーマだけに、好きなカップルの組み合わせ等で採点が偏ることも
あったと思います。(私も、あるSSへの投票権を100枚買いたい勢いでした。)
それくらい、順位に関わらず楽しいSSが多かったです。
参加された書き手のみなさん、ありがとうございました。
企画者さん、楽しい企画に参加の機会を与えて頂いて、ありがとうございました。
428さんの感想
企画感想
1.梓「アガパンサスの花言葉知ってる?」
梓のネガティブ発言に対しての返答が純っぽいというかあったかいなぁ。照れ表現の「///」。個人的にはない方がよかったかな。台本形式における表現の難しさを感じた。
唯がボロボロと泣いて梓も泣いているのは良い。なんかイメージしやすい。最後の一文もかっこよく決まっていてサクッと読める。
2.憂「6月の天気雨」
「結婚」のキーワードにとらわれてしまって何も書けなかった自分と違い、珍しい方向で攻めてきた印象。視点が変わるってのがまずおもしろい。
吸血鬼騒動、既に暗雲立ち込める怪しい空気。こういった話は好きなので読んでいてワクワクした。血云々はゾンビの平沢思い出した。唯がやたらとかっこいい。人間と吸血鬼の矛盾はおもしろい。
記憶を失ってからのメモ。ここの場面が一番好きだ。メモ取っとけば思い出すのでは、とか捻くれながら考えていると本当に出てきた。やはり思い出せないムギ。どうでもいいけど、平沢姉妹の名前がひらがな表記だったことと、梓が泣き出す所にグッと来た。
結婚式後はどうなったのかね。気になる。
一番好きだった。
3.紬「第1回軽音部ベストカップル選手権」
いきなり、\モフモフモフモフ/でワロタ。会場の明るさや雰囲気が想像しやすい。スミーレちゃんの“斉藤”と“斎藤”が混ざってたのが少し残念。クラスのみんなもいい感じにしゃべってていいと思う。
ムギが最後をもっていってるのが何かおもしろい。澪も意外とノリノリだ。もっともな理由でのオチにも満足
4.唯「6月の憂鬱」
まず綺麗な印象が。そして、重い。ぱっぱと読める。両親の設定をこういう風に持ってくるのはすごいと思う。本編とはまた違った雰囲気の唯がどんな風にお菓子につられたのか。そこは原作通りかな。
手厳しい言葉のはずなのに、私の耳にその言葉はとても心地よく響いた。
この二人の間柄がわかれば納得だな。
5.和「人が夢を見るといふ事」
オリジナルキャラを出して進めて行くのは珍しいかも。唯憂が目を輝かせるってのが二人らしくてかわいい。和ちゃんは相変わらず大人な視点というか物の見方ですごい。幼馴染三人組のドレス姿も見てみたいひ。
最後の唯和の会話は本当に仲の良さを感じる。
6.「ヴァージンロードは続く」
まずは地の文。地の文書けないのでこういったのは羨ましい。澪幸のお約束もあって安心。そして、まさかの澪ちゃん探偵。謎解きの合間にもご飯の描写があってそっちも気になった。確かに幸の言い方は解答者っぽかったね。
何となく、広々とした未来ある終わりだった。
7.紬「ホー・チ・ミン市のミラーボール」
改行がないのは何か意味があるのだろうか。
律澪オンリーの会話でしかも大人。こういうのはほとんど読んだことがない設定だ。会話内容も大人っぽい。唯の行動について二人が言及しているのがなんとなく仲の良さがうかがえる。
大人になってもこの二人は特別なのかな。ぽんぽんと読めた。
8.パパとママ
落ち着いた感じの出だし。真っ黒憂も見てみたい。「お外」って言葉が目に留まった。みんなは「お」をつけてるのかな。急に両親が出てきたような気がして少し驚いたけど、会話がスラスラと続いていてその情景がイメージしやすかった。
9.澪「『私と梓』」
梓の心情がうまく出ていると思った。ジューンブライドはやっぱり海外なのね。梓のポーカーフェイスはやっぱりすぐに見破られるんだな。こういうところは、澪たちが先輩なんだと再認識できる。セリフからも梓の幼さっぽいところがあってよかった。
10.淳司「兄妹心と雨の空」
これはかなりレアなSSだな。原作では少ししか出てなかったからあれだけど、この純とのやり取りで合ってると思う。純も純らしさが出ていてよかった。きっかけ一つで決意を固める純とか。
淳司は妹の事を熟知していて仲がいいんだな。
11.特訓!!!
やはり犯人はさわちゃん。ブーケトスの答えになかなか気づかないのが唯らしいというのはともかく、梓も気づかないのは納得した。澪がスパッと答えを言うのも良い流れ。クラスのみんなでブーケ取り合戦を行うというのは、キャラを既に捨てていたのか。
誤字がたまにあるのが気になった。
12.告白
なぜか、一番最初は和、次は唯が相手だと思ってしまった。大学の時点で見合い話って来るのかね。実際に澪が告白されたら、どんなリアクションをとるのかが気になるな。
13.「もし軽音部のギタリストが民法 第二章『婚姻』を読んだら」
唯がクーラー苦手設定は有名だけど、パスポート取りにいった時の施設にもクーラーついてたっけか。直接当たるのが駄目なのかな。
勘違いする唯梓。やはり、梓はそのまんま受け取ってしまうのか。ここら辺りが見所だったかな。
14.梓「ある梅雨の晴れ間の昼下がり」
ABの会話でああと思った。呼び出される梓と律の会話がおもしろい。普段よりもさらにキレが増してる気がする。例のお約束もおもしろい。
オチもそれぞれがそういう繋がりがあることがわかって安心。ムギー!
15.和「6月の天気雨」
まさかの視点別。梓がバンド結成を憂に言う場面がいい。和憂が制止するも、構わず続ける梓が印象深い。「!」が使われずに淡々と続いたからかも。
いい具合にもう一つの方と合致した。
16.純「多分『左利きなんだね!』って言われた時の澪先輩みたいな気分」
まずタイトルに惹かれるな。後輩組なので、タメ口梓が見ることができるのが少し新鮮。純にも遠慮なく突っ込むからコントみたいでおもしろい。個人的に、直のことを「奥田さん」と呼ぶのは悲しいけど、6月なら仕方ないか。この企画における鉄板ネタのオチにも安心。
17.梓「ブーケ・トス?」
純のボケがいきなり華麗に炸裂するとは。梓の鋭いツッコミも強烈。純の頭の中は割と気になるな。後半の調子が狂った梓と憂菫直かわいい。もう少し続けられたような気もするけどな。
18.律澪「いし」
唐突にプロポーズしても全員の抑揚のない会話が続いてワロタ。梓までもがこのペースにのまれるとは。どことなくぶっきらぼうな澪すげえ。
後半は私の読解力の無さが出てしまったのかよくわからなかった。しかし、この会話は好き。
19.「インタビュー」
最初テレビか何かかと勘違いしたけど、タイトル思い出して納得。小説みたいだね。タメにゃんかわいい。インタビューの合間にどれだけ惚気るんだよっと思った。そこが素晴らしいんだけどね。唯の衝撃的なプロポーズはすごいな。激甘注意。
インタビューアーも良い仕事(会話の流れ)してくれたね。
20.唯「ずっと三人で!」
唯はまだしも、憂までもノリノリなのが良い。幼馴染は強し。
和を巡って争う唯憂……ほのぼのだな。サクッと二人をまとめる和も適役だ。しかし、最終的に譲る憂も優しいな。
和曰く、いつも通りだそうだけど、そこがいいんだね。
21.「けっこん!」「たんぺん!」
なんという
短編集。
最初のは律澪が凝縮されてるんじゃないかな。一番好きなのは、澪「必ず返せよ、三万円」だった。ここで、あの一桁多いネタを使えるのはすごい発想だと思う。
22.梓「ジューンブラインド」
タイトルで
シリアス系かと思ってたらそんな事もなかったぜ。
唯のやらかした発言は少し珍しいと思った。澪が漫才に加わるのも珍しいけど、ムギの漫才も見てみたい……。さわちゃんの顔文字かわいい。(^o^)
23.聡「あのさ、姉ちゃん」
この組み合わせを誰が予想しただろうか。純梓はこの企画のゴールデンペアですな。聡の悩みもわかる。しかし、それを吹き飛ばす淳司かっこいい。真剣に話せば伝わるかもしれないのか。淳司には色々な意味の先輩として活躍してほしい。
おもしろいの多かった。いつもは締め切り間際に駆け込み多かったけど、今回は前半にも投下が集中してたね。
次もこのくらい盛り上がるといいね。乙です。
22番手 ◆ND9SLcNM/oさんの感想
軽くですけど感想を
1.梓「アガパンサスの花言葉知ってる?」
アガパンサスがアスパラガスに見えて、ギャグSSかと思ったけど
いい梓純でした
梓の結婚式で泣いてる唯が可愛かった。単なる百合じゃなく、こういう唯梓もいいね
2.憂「6月の天気雨」
単体SSとしても成り立つような作り込み用
世界観に引き込まれた
犬を可愛がる澪ちゃんな澪和がツボだった
3.紬「第1回軽音部ベストカップル選手権」
\モフモフモフモフ/
このSSの面白さは↑みたいな遊び心に尽きると思う
4.唯「6月の憂鬱」
お、重い……でも最終的にテーマの結婚につながって、説得力のあるSSだった
5.和「人が夢を見るといふ事」
お姉さんがオリキャラすぎるなとは思ったけど、最後の唯の結論が唯らしくて非常に良かった
唯和最高
6.「ヴァージンロードはつづく」
読んでて楽しい推理物、だった
結婚というテーマじゃなくて別の命題でも成立する話のようにも思えるが、
澪と幸の会話が知的で彼女たちでしか、他の組み合わせでは出来なそうな感じで良かった
7.紬「ホー・チ・ミン市のミラーボール」
元ネタがあるのかな?
オチの切なさがぐっときた。妙にリアル
8.「パパとママ」
一般的には普通だけど、けいおんSSとしてはめずらしい形で結婚を描いてるね
安易に百合につなげないのは良いよ思う。百合好きだけど
9.澪「『私と梓』」
なんか澪がずるいように感じるけど、お互いが納得してるならいいか
澪の頬が染まってるあたりが、実は澪も梓に惚れかけてるんじゃにゃないかという希望的観測もできたし
10.淳司「兄妹心と雨の空」
なんだ男かよとか思って読み飛ばして最後に呼んじゃったけど、
淳司(というか中の人)が作中の純の描写をよく見てて、ほぼオリキャラだけどあまり違和感なかった
けいおんSSで、男を不快感無く描写できる人はスゴイと思う
11.特訓
個人的には今回のナンバーワン
まとまってるし読みやすいしオチもベタだけど面白かった
純が犠牲になるところの文章の書き方が面白すぎて笑った
12.告白
甘い甘い。梓澪は好きだけど、個人的に先輩後輩の関係が好きなので
実際付き合ったらそりゃため口のほうが自然なんだろうけど勝手に違和感を覚えてしまった
SSとしては文句ないです
13.「もし軽音部のギタリストが民法 第二章『婚姻』を読んだら」
タイトルの勝利。今回の企画の中では一番読みたくなるタイトルだった
とんでもない本を平然と貸す憂と、平然と借りる唯が面白い
14.「ある梅雨の晴れ間の昼下がり」
唯梓はどんな原因で喧嘩したのかね。たぶんしょうもないことなんだろうけど
王道な澪律でいい感じ。意外と澪律が今回の企画で少なかったよね
15.和「6月の天気雨」
2番手のSSの後に読んだから、単体での評価が難しいけど
二つ合わせて楽しめた
ただ、2番手で自分が気に入ってた澪和成分が足りない!それが残念
16. 純「多分『左利きなんだね!』って言われた時の澪先輩みたいな気分」
純らしい。珍しい形だけど、梓憂の関係を茶化しながらしっかりサポートする純はいい子
17.梓「ブーケ・トス?」
シンプルで楽しい梓純でした。ごち
18.律澪「いし」
これもシンプルな澪律。だけどなんか律が責められすぎかも、澪をもっと攻めたらいいと思う
19.「インタビュー」
20.唯「ずっと三人で!」
平梓のお手本なSS。結婚というテーマじゃなくても普通にありそうだなと思ったけど、
最後に和もそのことを言ってて、ああ、それこそがこのSSのテーマかと納得した
お見事
21.「けっこん!」「たんぺん!」
他作品のネタに頼らず、この雰囲気で律澪をやってほしかったのが正直なところ
でも、短編が複数合わさって大きな流れになるというのは好き
22.梓「ジューンブラインド」
自作(^o^)なんとか企画に参加しようと書いた
23.聡「あのさ、姉ちゃん」
男SSその2。最初はホモネタかと思った私を許してください
男同士の友情をけいおんSSとして不自然じゃない形で見られるとは思わなかった
総括
参加数はもしかして企画史上最多なのでは?
やはりというか、百合的な結婚も多かった
だけど思っていた以上に、普通の結婚をけいおんSSとして描いている作品もあり書き手さんの多様性を再認識
あと、百合的な結婚についても、開き直って平然と結婚するパターンと、法律とか色々現実的なパターンの2つに分かれていたのは面白かった
どうでもいいけど純梓好きな自分としては美味しい企画でした
企画者さん、参加者の皆さん、感想採点くれた人、読んでくれた人
みんなおつかれさまでした!
11&12番手 ◆b6z6BxvPQ.さんの感想 ※結果に関するネタバレあり
1.梓「アガパンサスの花言葉知ってる?」
会話のテンポが小気味良く、読んでて気持ちいいので好きです。
ただ、タイトル決めの時のネタを盛り込んだだけのような感じがして、もうちょっと
なにか欲しかったです。
2.憂「6月の天気雨」
世界観も話も、大好きです。
多くの人が指摘してるので、もう分かったって!と思われそうで恐縮ですが、
やはり、律と澪が出てくるのが少なすぎる上、澪が和と少し絡んだぐらいで、律は澪意外とまったく辛味がなく、
放課後ティータイムでいる描写もなかったので、まとめに放課後ティータイムの
名が出てきた時、唐突間がありました。
いっそのこと、律澪を出さずに、4人+1の関係だけにとどめておいた方が、綺麗に
まとまったのではと思います。
まあ、企画者さんと同じく、和を知らずに撫でて喜んでいた澪のシーンがすごく
好きなんですけどねw
あと、これは、梓が先輩に対してタメでしゃべると違和感があるという、読み手への
配慮だとは思うんですが、個人的には、結婚するまでになり、紬と呼びながら
敬語というのにすごく違和感を感じました。
長々批判めいたことを書きましたが、かなり好きな作品故ですので、ご容赦ください。
3.紬「第1回軽音部ベストカップル選手権」
アイディア、ムギの振る舞い、さわちゃんの扱いなど、すべて、けいおんSSらしい
作品で安心して読めました。
カップリング組み換えで、他カプファンへの配慮があったのも、作者さんの優しさを
感じます。
じゃあ、唯澪、律梓はどうなるんだとかの突込みを受けそうですが、そこまでやってると
ただグダグダになってしまいますから、いいさじ加減だったのではないかと思います。
こういう平和なの好きです。
4.唯「6月の憂鬱」
うう、重い話はコメントが難しいですね。
・妻を連れまわすほどレイプ事件がトラウマになっている夫
・だが、年頃の娘を置いて、妻だけ連れて出かけてしまう
・妻がレイプされて出来た娘に憂と言う名前をつけてしまう
このことから、平沢父に家族に愛情が感じられず、
妻に対しても、愛情というより執着みたいなものを感じ、
そちらに狂気を覚え、後半に集中できませんでした。
だからこそ、憂は唯の世話をすることに寄り、居場所を確保しているのかも知れませんが。
唯がずっと”うい”と呼んでいたのも、”憂”と言う、ネガティヴな字を使いたくなかったからなのでしょうか?
唯がいたせいで、母親が逃げられなかったというのも
理由付けに必要だったのでしょうが、唯の自責の念賀中途半端だったと思います。
ご自分でプロットのようだとおっしゃってますが、設定を繋ぐ心情を
煮詰めれば、面白い話になったと思います。
是非、リメイクしていただきたいです。
5.和「人が夢を見るといふ事」
常識人のイメージのある和が、同性での結婚に対し、思いをはせなかったところに
違和感を感じたというか、あれ?そこはスルーなんだと、肩透かしを食らったように
思いましたが、入れてたら詰め込みすぎになるかなとも思いました。
やっぱり、この作品は唯ちゃんがいいですね。
和がお嫁さんになりたいのだと知ると、自分が諦め、和の夢を優先させようとするのが、
実に唯ちゃんらしくて良かったです。
そして、賛否あると思いますが、オリジナルのお姉さんの存在が良かったです。
和が眼鏡をおそろいにしたくなるほど、憧れている人が提示されていることにより、
同世代だけでいると、大人で、達観しているような印象がある和もまた、
年相応に悩む存在であることが、示されていたような気がします。
6.「ヴァージンロードはつづく」
私の灰色の脳細胞が導き出した答えだと、澪も幸も間違っているのではないでしょうか?
二人が結論とした、学生がヨーロッパで結婚式を挙げる。そして少しでも相手と
長くいるために、三日間を費やすですが、
普通に考えるなら、学生が結婚するとしたら、長期休暇中になるでしょう。
6月であれば、もう少しで長期休暇に入ります。
ヨーロッパなら片道反日はかかるでしょうから、実質一緒にいられるのは、
式の前後半日程度になります。
いかにジューンブライドのジンクスや気候に恵まれているとはいえ、ほとんど
式だけ挙げて、花嫁が帰ることを余儀なくされる方を選ぶのは不自然です。
ヨーロッパで式説を取るのであれば、話していた生徒の親族が式を挙げ、その
式に参列するために渡欧するのではないでしょうか?
それに相手”側”ですが、相手の親族という見方も出来ます。
というか、式の話題の中ではそちらの解釈が自然です。
では、なぜ6月が相手側にとって都合が良いのか。
それは相手側の職業が、6月がシーズンオフと考えると説明が楽ですね。
親族全体への配慮だとすると、親族経営で観光業や土木行なんかをやっているのかも知れません。
これであれば、相手の親族が仕事が暇で、休みを取りやすい6月に式を挙げ、
一緒に暮らし始め、長期休暇で新婚旅行というのも自然な流れになります。
と、長々謎解きをしてみましたが、これはこの作品の主眼ではないんでしょうね。
実は大学編を読んでいないのでピンと来なかったんですが、企画者さんの感想からすると、
澪と幸だけ、学部が違うのかな?
それであれば、澪が感じていた疎外感も、幸が寂しさ故、謎解きを間違ってしまうのも
納得し易いというか必然ですね。
そして、澪と幸が友情を深めることにより、それらの悩みが解消され始めた。
あくまで、”解消された”ではなく、”解消され始めた”と言うことで、雨は
上がっても、太陽はまだ顔をのぞかせてはいないということでしょうか。
解釈があっているかどうかは分かりませんが、非常に面白い作品でした。
7.紬「ホー・チ・ミン市のミラーボール」
ほう、俺の嫁は、婚姻届出す前日にこんなことしてたのか。って違う。
大人な律澪、リアルでいいですね。
でも、なんかちょっと寂しく感じてしまいました。
それと、細かい突っ込みですが、ドレスコードに反するので、こういう席で女性は
ポケットのある服は着ないと思いますw
8.「パパとママ」
1位、おめでとうございます!
テーマの結婚を、このような形で使うなんて思いもよりませんでした。
正直やられたと思いましたw
この両親だからこそ、二人がこう育ったんだなあと思いました。
そして、その二人が、両親のような結婚をしたいと思うのは必然だよなと思いました。
9.澪「『私と梓』」
作者さんの意図とは明らかに違うんですが、正直、うわっ、ホストや詐欺師の
手口だよなあと思ってしまいました。
澪の言うことが本心だったとしても、澪のほうには妥協が一切見られないので、思慕を
抱かれている側の強みと、耳障りのいい言葉で、梓を丸め込んだだけのように思えました。
最悪この澪は、男性と結婚しても、梓をそばにおいて縛りそうな恐ろしさを感じました。
最近、洗脳とその症例や、交渉術に関する本を読みあさっているせいもあるかも知れませんが。
10.淳司「兄妹心と雨の空」
お相手は誰だったのでしょう。
これは作者さんの粋な計らいですよね。
妹を見送る兄の視点。素敵でした。
あと、お父さんもあっちゃんも、男がブーケ取ったりしたら、女性のテンション
がた落ちで、式が台無しになってしまいますよw
11.特訓
自作です。
投票いただいた方、ありがとうございました。
企画のテーマが決まった直後、
律がさわちゃんの練習風景を発見→
クラスメイトを含めたみんなで、ブーケトスの予行練習→
実は神前結婚式だったと言うのは決めてあったのですが、
期限を間違えて、当日あわてて書くことになってしまいました。
普段遅筆なのに、今回は奇跡でしたw
12.告白
これも自作です。
いただいた感想への返信も含め、解説です。
以前、相手が最後まで分からないSSを読み、自分も一度こういうのを書いてみたいなと
思ったのが切欠で書いてみた作品です。
でも、自分ではヒント入れていたつもりでした。
・梓がすぐ恋に落ちた(新歓で感動した唯か軽音部に失望した時支えてくれた澪?)
・欠点を見つけ、自分が支えられたらと思った(律と唯の欠点は目立つから、後で気付いていくのは違うかな?世間知らずのムギか、臆病であがり症の澪?)
・梓への思いに気付いて、どう接していいか分からなくなり、連絡が途絶える(これは唯以外ありそうかな?)
・追い詰められて大胆な行動(ライブや喫茶店でのバイトの様子から、これは澪?)
・学校中で大騒ぎ(ファンクラブのあった澪)
などなど。
お見合いは、ちょっと卑怯なフェイクでしたが、みんな、勝手に海外旅行決めて
しまうような裕福な家庭なので、誰でもありうるかなと。
在学中にお見合いの話が来たのは、卒業と同時に結婚させようとしたらそのぐらいかなと
思って設定しました。
そして、一回目のケーキ入刀ですが、2期7話、「お茶会!!」のことでした。
梓に回想させようかとも思ったのですが、時系列で入れると早々に相手が澪だと
分かってしまうし、かと言って、どこで入れていいか分からなくなってしまったので、
入れるのを断念しました。
実は、最初は控え室で律が見送る側の思いを語る、その相手は澪に見せかけておいて
梓でしたと言う物を書く予定だったのですが、10番手さんが、ある意味似たような
シチュだったので、このような形に変更したと言う経緯もありましたw
13.「もし軽音部のギタリストが民法 第二章『婚姻』を読んだら」
大人になりたいからと結婚をしようとする唯がらしくていいですね。
そこから、本当の思いに気付くのもベタですが、良かったと思います。
14.梓「ある梅雨の晴れ間の昼下がり」
AとBって律澪っぽいよなあと思ってたらそう来ましたかw
こういうやり取りは律梓ならではですね。
そして、きっとこの話を持ち帰った梓に、唯は、律と同じこと言ったんでしょうね。
その結果が最後の和とのやり取りと。
繰り返しは落ちの基本とはいえ、やっぱりにやっとしてしまいますね。
15.和「6月の天気雨」
うまく2番手さんの世界観を引き継ぎ、補足的な内容を盛り込んでいて良かったです。
視点が和に変わっていたのも、作者さんが違う違和感を感じさせないのに効果があったように思います。
憂の唯への重いが、2番手さんの時は恋愛っぽく感じられたのですが、それを否定されたので、
え?そうなの?って感じでちょっと違和感を感じました。
あと、折角和視点だったので、澪への言及があった方が良かったと思います。
16.純「多分『左利きなんだね!』って言われた時の澪先輩みたいな気分」
このテーマで頻出するであろうネタを逆手に取った感じですね。
3人のやり取りがかわいくてたまりませんでした。
そして純ちゃんの発想の転換もすばらしかった。
そして、きっちりネタの繰り返しで落とすのも綺麗にまとまってて良かったです。
17.梓「ブーケ・トス?」
純ちゃん男前w
純梓の軽妙なやり取りかと思いきや、いきなりのろけだして……爆発しろ!って感じですねw
18.律澪「いし」
私にはちょっと難しかったですね。
個人的には企画者さんの解説で納得できました。
19.「インタビュー」
唯梓らしい唯梓。
ラブラブっぷりを堪能させていただきました。
20.唯「ずっと三人で!」
あったかあったかいいですね。
この3人だと、憂ちゃんも子供っぽくなり、かわいくなるのがたまりませんw
最近多忙で、期限までに全部読み終われず、採点に参加できなかったのですが、
私が採点できていたら2位になっていたので、なんだか申し訳ないです。
21.「けっこん!」「たんぺん!」
ごめんなさい。
よく分かりませんでした。
ひょうたん島の裏話みたいなのを最近読んだんですが、さわちゃんはみんなに
死ねって言ってるのでしょうか???
さすがにそれは違いますよね。
22.梓「ジューンブラインド」
最初何かと思いましたが、面白かったですw
こういうの大好きですw
23.聡「あのさ、姉ちゃん」
これも面白い視点のお話でした。
ううん、気軽に百合を書かせてもらっていますが、考えさせられる作品でした。
そして、プレssと結果発表とエピローグで、
全体の流れを綺麗にまとめて下さったことに感動しました。
ありがとうございました。
お疲れ様でした。
だんだん感想が簡単になっていった気がしますがご容赦ください。
今回、実は初めての企画参加でした。
そして、1年半ぶりのSSでした。
書こう書こうとしているのですが、なぜか全然書けなかったのです。
で、今回奇跡的に2本も書くことが出来たので、
よっしゃ~スランプ脱出!
これでムギ誕書けるぜ!!
と思ったらやっぱり書けなくってorz
でも皆さんの応援のおかげで、名だたる書き手さんの中で、
2位と言う高成績を収められたことを糧に、またがんばって書いていこうと思います。
ちなみに、今回採用されたスレタイ案も私のものだったので、
初参加なのに、非常に思い出深い企画になりました。
皆さん、お疲れ様でした。
本当にありがとうございました。
最終更新:2013年07月13日 15:53