(私立桜が丘女子高等学校、音楽準備室)
律「…いくぞ? せーのっ!」
律・澪「投票結果、発表ーー!!」
(BGM:ふわふわ時間挿入)
律「皆さん、こんばんわ!
SS企画実行委員会、司会進行の、
田井中律です!」
澪「同じくこんばんわ、
お待たせしてスミマセン! 司会進行の
秋山澪です!」
律「さて、唐突に出てきた、この“SS企画実行委員会”とは!
私たちけいおん!キャラが、企画の進行をお手伝いさせて頂く、情報番組です!」
澪「今回は結婚企画、
“
澪「次のブーケは誰の手に」”に投稿されたSSの、順位を発表いたします!
皆さん、最後まで楽しんでいってください!」
律「…とは言った物の。
前の企画を知らない方は
(゚Д゚)ハァ?
となっているかも知れないし、一応説明した方が良いんじゃね」
澪「知っている方も
(゚Д゚)ハァ?
となっていそうだけどな…
“SS企画実行委員会”とは、前回の不幸企画
“
純「ついてないなぁ」”の進行上において登場した、“けいおんキャラが作り上げた、情報番組”です
企画のテーマ決めや、投票結果の発表などをお手伝いさせて頂いております!」
律「いい加減お気づきの方もいらっしゃると思いますが、
前回も企画者をやらせて頂いております」
澪「今回も色々と演出を考えていたんですが、
企画者側で多々アクシデントがあって余裕がありません!
シンプルにさっくり行かせて頂きます!」
律「むしろシンプルの方が良いかもしれません!!
なんと今回は23作品!
プロポーズから吸血鬼まで、バラエティーに富んだ作品が集まっているからです!
面白い作品も沢山ありました!!」
澪「そして23名様より採点を、9名様から感想を頂戴しております!
ありがとうございました!」
律「…しかしながら、“投票サイトその2”の方には、22名様しか投票されていませんでした
締め切り時点で、企画者はまだ投票しておりませんでしたので、
企画者の採点を“その2”(21番手~23番手の採点)のみに入れることで、 “23人全員が、同時に採点を済ませた(1~23番手の全作品を採点した)”
とみなして、順位づけを行っております
こうすれば、アンケートサイトによる証明が可能となり、データを開示しなくても済むからです」
澪「ちなみに、企画者は自作品(23番手)に、1点を入れております
企画者には、“何点を入れれば何位に上がれるか”
が分かってしまっているため、フェアじゃないからです」
律「さあ、面倒くさいことはここまで!
さっそく順位を発表させて頂きます!!」
澪「今回は同じ順位の方が10名いらっしゃいますので、17位からの発表となります」
澪「まずは第17位!!
50点獲得、
です!!」
律「各短編ごとに時系列を繋げて、1つの作品としているな」
澪「たぶん流れとしては、私たちの馴れ初めから喧嘩⇒自分の好きな人が誰かに取られる可能性を恐れて、互いの手を強く握ってしまう⇒プロポーズ?⇒新婚旅行なのかな、と思いました」
律「ただ、内容が非常に分かりにくいです
企画者が勉強不足なだけかもしれませんが、1回読んだだけでは全く分かりませんでした
描写を最小限にするのは良いのですが、理解させる努力をほぼ読者任せにしている感じがします
下手をすると一方通行に終わってしまうのでは無いでしょうか」
澪「感想で他の方も仰ってましたけど、
元ネタが分からなくても大体の意味合いが掴めるように、
もう少し膨らませて書いて頂けたらな、と思いました」
律「続きまして第16位!!
53点獲得、
です!!」
澪「この作中に出てくる、”イシ”ってなんだろうね」
澪「いや、言葉こそ交わさなかったけれど、イシは明示されていたよ」
澪「示す、というより、私に捧げた、と言った方が近いな。
律からガーネットを貰った日、夫婦になったんだよ」
律「それには私がお答えするわ」キリッ
澪「…お前誰だよ
というか、その眼鏡」
律「和のと同じメガネよ、度は入っていないけれど
これをすれば、和みたいにクールに解説できる気がして、さっそく付けてみたのよ」
澪「……まあ何でもいいや
で、結局“イシ”っていうのは、何を指しているんだよ」
律「上の引用文からピンときて、ガーネットが示す意味をネットで調べたの
ガーネットは1月の誕生石であり、また石言葉は“貞操”、“友愛”、“堅忍”などがあるようね
そして、1月15日は澪の誕生日」
澪「……それで?」
律「…もうお分かりかと思います」
澪「…いや、分からないんだが
割と本気で」
律「///」
澪「……?」
律「…わ」
澪「…りつ?」
律「…わ、わたしが(おそらく澪の誕生日に)自分の貞操(イシ)を澪にさ、捧げ(小声)」
澪「え? ・・・え?」
律「――それを以って澪は結婚の“意思”と取っていたという事なのでは無いでしょうか!?///」(やけっぱち)
澪「は、はああああああ!?///
ちょ、何言ってんだよ律!!」
律「くっそおおおお眼鏡なんて役に立たねぇ!!(はずす)
後の会話で私が恥らったり、澪も捧げたらどうか、という旨の話題があったことからも、裏付けることが出来ると思います!!///」
澪「て、ていそう…///」プシュー
律「はぁ、はぁ…
つまり、タイトルの「いし」は、結婚したいという“意思”と
すでに結婚したような物だ、という事実を示す“イシ(=貞操を捧げる)”を掛けた物じゃないかというのが、企画者の解釈です
正直、よく考えたなぁ、と感心しましたが!
間違ってたらゴメンナサイッ!!」
澪「そ、そうだよな飽くまで企画者の解釈だよな
合っているとは限らないよな、ふぅ…(冷静」
律「いずれどんな意味合いを持っているにせよ、
他のメンバーの察しが良すぎると思います。
他の方の感想を見ても分かるかと思いますが、皆が皆、都合よく“イシ”の意味に到達するとは限りません
作者だけが分かっているような状態では、意味が無いと思います」
澪「投票結果を見てみると、1点と2点を付けた方が、全体の6割ほどいらっしゃいます
配点の低さには、そういった、“分かりにくさ”が関係しているのでは無いでしょうか?」
律「軽音部のなかに、気付かないメンバーが居ても不自然では無いと思います。
いわば“気づけない読者の代弁”として会話に参加させ、自然に導くようにすれば、
“ああナルホド! そういう事か、上手いなぁ”という感じになるのでは無いでしょうか?」
澪「偉そうなことばかり言っているますけど、的外れだったら本当に御免なさい!」
律「どんどんいきます第15位!!
60点獲得、
です!!」
澪「企画のトップバッターを務めてくださった作品だね
私は結構、気に入っていたんだけどな」
律「へえ、どこが?」
澪「純ちゃんが、梓にプロポーズをするシーンかな」
純「私は毎日、新しい梓に恋をする!だから毎日がアガパンサス」
澪「素敵…///」ウットリ
律「…まぁ、確かにいい台詞だとは思うけど、そこまでか?」
澪「分かってないなぁ、
純ちゃんが梓に送ったのは、純ちゃんの想いの強さなんだ」
律(あ、これ歌詞考えているときの顔だ)
澪「朝、目が覚めるたびに、眠る君に恋をする
毎日が幸せになる魔法の花、アガパンサス
……純ちゃんが梓に送ったのは、そういった強い想いだったんだと思う
“純ブライド”だってそう」キラキラ
律「(とりあえず詩はスルーしてっと)
なるほど
そう考えると、確かに素敵かもしれないな」
澪「ただ、ちょっとお話が単調だったかな
アガパンサスの話題⇒梓の告白⇒純のプロポーズ⇒結婚という流れは良いのだけれど、
話の輪郭だけなぞった感じでちょっと薄く感じちゃった」
律「確かに、アガパンサスのように幸せを誓った2人がどのように愛し合っているのか描くと、もっと良かったと思う
結婚式の前夜とか、結婚後の何気ない会話とかで、もっと膨らませると、
幸せになる“純ブライド”“アガパンサス”のフレーズが話のなかで活きてくるのではないかと感じました」
澪「……」ホゥ
律「どしたの澪?
花瓶なんか見とれて」
澪「…アガパンサスってホント素敵な花だなって思って」
律「ああそっか今気づいた
花瓶に差してあるの、プレSSのときに使ったアガパンサスじゃん
…視聴者の皆さんご安心ください!
使ったお花はこのように、スタッフが責任を持って育てております!」(カメラ目線)
澪「…誰に対してのアピールだよそれは」
律「いやぁ、こういう事言っとかないと、最近五月蠅いらしいんだよ
お約束、お約束」
澪「続きまして第14位!!
61点獲得、
7番手:◆Dqq4tmUt36さんの作品 紬「ホー・チ・ミン市のミラーボール」
です!!」
律「実に私ららしい会話が展開されているな
台詞間に改行が無く詰まっている印象なのに、流れるように頭に入っていったよ」
澪「…私、歌詞書いているときってあんな感じなんだ」
律「まぁ実際分からなくても、説得力のある描写を抜き出すのが上手いと思ったな
グラブ通いする私の設定も、割と練り込まれていたような気がする
あと、突然のスティービーワンダーに噴いた
やっぱムギすげぇえええええ」
澪「私と律の距離感が妙にリアルで、こんな未来もあるんだろうな、
と思えた作品でした」
律「続きまして第13位!!
64点獲得、
です!!」
律「……強姦たぁ、重いなぁ」
澪「姉妹の立場が逆で、しかも唯が憂ちゃんに依存しているという特殊な設定の作品だったけど、
前半部分は妙な説得力があったと思います
原作の設定をある程度は踏襲しながらも、上手く組み替えた印象があります」
律「唯が憂ちゃんを別荘に招待したあたりから不穏な空気を感じ取って、
何が起こるのかドキドキしながら読んでいたな
そこからのプロポーズは本当に意外で、でもこの作品の中の唯は、
憂ちゃんによってバランスを保っているのだから、納得はしました」
澪「ただこの作品、企画者は凄く読みづらいと思いました
おそらく視覚的な問題かと思います
地の文が多めのため、台詞との間に改行が無いと文字が詰まって見えてしまいます
読んでいて疲れてしまった、というのが率直な感想だったりします」
澪「お次に第12位!!
65点獲得、
です!!」
律「おいいきなりどうしたwww」
澪「確かにそんな流れはあったけど、梓を投げる発想は唐突だよな、
実は梓も期待してたんじゃないかな」
律「これはもう、特筆しなくても、作品の良さは分かっていただけると思います」
澪「1レスなのに甘さがギュッと詰め込まれていて、とても良い純梓でした
ごちそう様です!!」
澪「…もちろん、結婚式ではどちらかがスカートの中に潜り込んで…」ドキドキ
律「え? 今なんて澪たん?」
澪「な!? いや、違っ!!…///
って、それ別の作者さんのネタだろ、怒られるぞ自重しろ!!」
ゴチン!!
律「イダッ!?
コイツすり替えやがった!!」タンコブ
澪「~♪」シレッ
律「さて、惜しくもベスト10入りを逃した第11位は!!
67点獲得、
です!!」
律「タイトルを見た瞬間に、ワクワクした!
これから素敵なイベントが始まるんだなって、期待しながら読んでいたよ」
澪「モフモフモフモフって何の擬音なんだろ?
可愛いよね、ずっと聴いていたかった」
律「一般審査員に3年B組の子たちを起用して、
セリフまわしもそれぞれの個性を活かすような工夫が見られていて、凝っているなぁと思ったよ」
澪「あと、主催者のムギがイキイキしてたよな。特に後半」
紬「高まってきたわぁぁぁ」キラキラキラ
澪「で噴き出しちゃった」
律「面白かったよな!!
ただ、冒頭で純がルール説明したにも関わらず、どんなイベントなのか、今一掴めなかったな
2組のカップルが、何かを競うのは分かったんだけど、
“じゃあどんな勝負をするの?”
というのが、見えてこなかった」
澪「よく分からないまま話が進むと、読者は置き去りになってしまうかもしれないな」
律「事情を知らない赤の他人に理解してもらう事を心掛けて書く、つまり、
“どちらがより、お似合いのカップルに見えるか”など、具体的な競争事項を盛り込めば、
“ああこういうイベントなんだな、面白そうだな”っていう感じになるんじゃないかなって思いました!」
澪「それではトップテンの発表です!!」
律「ここからは、複数の作品が受賞する、激戦区となります!
第10位は68点獲得、
と、
です!!」
律「まずは
6番手:無名 ◆4xyA15XiqQさんの作品 「ヴァージンロードはつづく」
から見てみましょう!」
澪「作者さんは感想で、“人物の心情に重きを置いた”と仰っておりますが、試みは成功していると思います。
特に企画者の印象に残ったのは、生姜焼きですね
幸の動揺がユーモラスに描写されていました」
“六月に結婚式を挙げられるのは幸せだよ。
もちろんそれが、相手側では最善なんだから、なおさらだね”
律「つまりこれ何だったんだよ?
謎解きと見せかけて、最終的には解答をはぐらかしているし、澪はなんか1人で納得しているしで、わけ分からん
企画者が頭悪いだけかもしれんけど(小声)」
澪「……あくまで私の解釈だけど
幸は、私を気にかけてあの謎かけを出したんだと思う」
律「謎かけったって実話だろ?
んで幸も解答者側の1人で、答えを知りたがっていた
おまけに、“意趣返し”ときた
気にかけていたとか、澪の自意識過剰なんじゃないの?」
澪「そうかもしれないけど、少なくとも、“雨はあがっ”たのさ
……続けるぞ?
幸が出した謎かけ、あれは確かに実話なんだと思う
それは幸の返答や、生姜焼きの動揺から裏付けは出来るはずだ
幸は、その“事実”を、自分の抱えている“悩み”に当て嵌めていたんじゃないかな」
律「悩み、ね…
なんとなくそうかな、とは思ってたけどさ
具体的には何だったんだよ?」
「授業を休んでまで移動時間に余裕を持たせるのも、
“外国の結婚式に行くわけだからな”。納得の行為といえるんじゃないか」
「澪ちゃん、それは違うと思う。それだけの意味じゃないと思うよ」
(中略)
「相手が外国に住む人なら、きっと……そう多くは会えていないんだよ。
だったらさ、より多くの時間を相手と過ごしていたいと思うのは、
当然のことだと思わない?」
澪「……幸にとって、“外国に住む相手”は、晶と菖のことなんだと思う
違う学部だから、そう多くは会えない
だから、より多くの時間を過ごせる、“ヨーロッパへの3連休”は、幸にとっては幸せな事なんじゃないかな」
律「……澪」
澪「それぞれが望んだこととはいえ、今まで一緒にいた仲間たちから離れて――部活では一緒になれるけど、それでも――
これからは、独りで、“灰色の雲に覆われた、薄暗い世界”を歩き続けなければならない
幸も、私も、道を探していたんだよ」
律「…少なくとも、道を見付けているんだよな、この澪と幸は」
――わたの原 八十島(やそしま)かけて 漕(こ)ぎ出でぬと
人には告げよ 海人(あま)の釣り舟
澪「表向きは確かに意趣返しで、私は勝負に負けた
でも同時に、私と幸の道は、繋がったんだ
同じ悩みを持つもの同士として、暗い大海原を、漕ぎ出す決心が付けられた
“雨が、やんだ”んだ」
澪「――と、綺麗にまとめてみたのはいいけれど」
律「…なんか、今企画者の解釈を読んでいる方が、ディスプレイの向こうで必死に笑いを堪えているような気がするよ」ビクビク
澪「……作者さんすみません。
企画者はこういう謎解きが大の苦手なんです
じゃあヴァージンロードは何を指すのか等、突っ込みどころはまだまだ有ると思いますが、時間が無いので次行きます」
澪「次に、
13番手:◆ym58RP.VtEさんの作品 「もし軽音部のギタリストが民法 第二章『婚姻』を読んだら」
に行ってみたいと思います」
律「パネェ
六法全書を愛読している憂さんマジぱねぇ」ガクガク
澪「唯の描写がそれっぽくて面白いな
早く大人になってお酒が飲みたいから梓にプロポーズ
動機は不純だけれど、お互いが自分の気持ちに気付けた切っ掛けになったんだから、結果オーライだと思う!
良かった!」
律「ていうか民法753条には確かに結婚したら成年とみなすとは書いてあるけど、それによってお酒が飲める年齢とかが緩和されるわけじゃないしなー」
(中略)
律「それにもし結婚するとしても752条にも書いてある通り同居して互いに扶助する義務があるんだぞ?そういうこともちゃんと考えたのか?」
澪「…律、お前…」
律「…へへっ
こう見えて私だって、色々と将来のことを考えて勉強しているんだぜ?」
ガシッ
律「…おろ?」
澪「ひょっとして夏バテか?
風邪でもひいちゃったのか?
明日は雪が降っちゃうのか!?」オロオロワタワタ
律「どーせそうくると思ったよコンチクショー!!(涙目)」
律「そんな10位勢を単独で抜けた第9位!!
69点獲得、
12番手:告白 ◆b6z6BxvPQ.さんの作品 告白
です!!」
律「11番手の
特訓!!!
と同じ作者さんだな
特訓!!! と違って、こっちは小説形式で書いているみたいだ」
澪「梓の傍らで寝息を立てているのは誰なのかな?
って思いながら読んでたんだけど、予想が外れちゃった」
律「誰だと思ってたんだ?」
澪「ムギかな、て。
ご両親の仕事絡みのお見合いで、おまけに高収入の好青年
でもよくよく考えたら、別に誰にだって起こり得ることだよね
あと、プロポーズの言葉も素敵だった!
“もう1度、ケーキ入刀しよう”、だなんて私も言ってみたい言われてみたい…」ウットリ
律「でも、個人的には唐突な感じがしたんだよな
“え? 何時の間にケーキ入刀してたの?”みたいな
できれば、“ああ、あの時がそうだったのか!”と思わせるような伏線が欲しかったかな
例えば、
“告白の後、実際にケーキを買って入刀した”、みたいな回想があると、肝心要のプロポーズは分からなくても、 それに繋がる良い演出になったんじゃないかとは思った」
澪「でもこの作者さん、締切当日に、即興で書き上げているんだよね
なんと2作も! センスある書き手さんだな、と思いました!」
律「あと、言っておきますけど
――もう一作品の方、凄いことになってますよ」ニッコリ
澪「続きまして第8位の発表に移ります
70点獲得、
です!!」
律「今回の平均点は70.5点ですから、
この作品が一番平均に近い点数を獲得していることになります!」
律「なんかもう、こういうくっだらないのが企画者は凄く好きです」
澪「もうね、掛け合いからして面白いよ
電話の音までジューンになった時は笑っちゃった」
律「ただまぁ、結婚式ではおもいっきり滑っちゃったみたいだな」
澪「私らもブラインドネタを天丼しちゃったけどな」
律「いやいや、天丼は漫才の基本ですよ澪さん
ほら、さわちゃんの顔!」
さわ子「(^o^)」
澪「…受けているな」
律「……だろう?(得意気)
アドリブのかいがあったさ」
(↑企画者の妄想です)
律「そして第7位は!
73点獲得、
です!!」
律「甘いなぁ、実に甘い」
澪「これはプロポーズが印象に残ったかな
唯が教室に駆け込むなりの台詞」
”あずにゃん、私達結婚出来るよ! だから結婚しよう!!”
澪「同性婚が法律で認められた、という報道を見てすぐに、という感じなんだろうな
もうね、どんだけ嬉しいのかと
微笑ましく、良い唯梓でした!!」
律「地の文と台本形式が多い中、こういったインタビュー形式は新鮮でした」
律「最後の台詞はだれなんだろ?
なんとなく和っぽいな」
澪「あと、さっき間違えて9番手って言っちゃったけど、
19番手さんですね、すみません」
律「第6位は最多の4作品!
74点獲得、
です!!」
律「まずは5番手:◆MANVrzhS2Mさんの作品
和「人が夢を見るといふ事」
から見てみましょう!」
澪「近所のお姉さんの描き方が丁寧で、オリジナルキャラながら少しずつ感情移入できました」
律「六月の紫陽花に見とれて、つい足を止めてしまうシーンも良かったな」
澪「唯は和のお嫁さんになりたくて、
和もお嫁さんになりたがっている
2人が幸せになるために、唯は自分の夢を少し諦めてお婿さんになる
とても唯らしい発想だと思います!」
まだ恋人ですらない私達。
そんな事はお互い分かり切っている。
大切なのはお姉さんの言っていた通り、夢のために行動する事。
その先に何が待っているのかは分からない。
ひょっとしたら私達の夢が崩れ去ってしまう未来が待っているのかもしれない。
けれど二人なら。
澪「そうだよ、大切なのは、行動することだ
行動したところで、幸せな未来が約束されているわけじゃない
不幸な結末にしかならないとしても、それまで得られた笑顔は、嘘じゃない」
律「“ゆい”と“のどか”で“ユノー”というのも、本当に結婚の女神様が悪戯なさったようで、素敵な演出だったと思います
個人的には、もう少し結婚の女神様を匂わせてもいいような気がしました
少なくとも、こじつけ感は薄れそうな気がします」
澪「ただ、オリジナルキャラや過去の回想(オリジナル設定)などが物語の冒頭に詰め込まれ過ぎている感があり、最初はあまり頭に入ってきませんでした
物語上 必要であることは重々承知なのですが、もう少しけいおんキャラに喋らせるなりして地の文の説明を減らして欲しいと思いました
より軽く、読みやすくなる気がします
無論キャラに喋らせすぎても単調になるだけですから、難しい配分になると思われますが」
律「挙式でのブーケトスを描写してみても、良い演出と伏線になるとのでは、思いました
受け取れるはずの無い和と、悪戯っぽい笑みを浮かべるお姉さん、とかさ」
律「んじゃ次、9番手:◆NEz87FEsYIさんの作品
澪「『私と梓』」
はどう思った?」
澪「落ち着いて読める、良い文章だと思います。
雨の日の軽音部。
その情景が、やりとりが、鮮明に頭に浮かんできました。
梓の切ない想いが伝わってきて、とても感情移入しやすかったです
律「軽音部らしいやり取りが、また良いアクセントになっているんだよな!」
「そうだろうそうだろう。さあムギ、私たちは余ったクッキーを摘んでるから存分に片付けてしまえ!」
「そこで手伝おうとしないのがさすがだよりっちゃん!」
澪「律ェ…」
律「け、軽音部らしいだろ!
よりにもよって、何でそこをクローズアップするかなもう!」
澪「普段から手伝おうとしない罰だ
……作品に戻るけどさ、
梓が告白するとき、私の名前を連呼したろ?
読んでいたそのとき、鳥肌が立ったんだよ
あのたった一言に、私への想いや拒絶されることの恐怖など、今まで描写されてきた感情が、凝縮されて伝わってきたんだ。
流れ的に告白するんだろうな、と分かっていても、虚を衝かれたせいで感動を覚えました。
展開が分かっていても、読ませてくれる作品でした」
律「3本の指を使ったのも、それを折らせまいと縋りつく梓の描写も、見事でした」
澪「“私と梓”という関係は、ともすれば私にとって都合の良い物のように思えます
私は梓に対して恋愛感情は無いが、大切な仲間として一緒に居たい
梓は私を思慕しているから、恋人として一緒に居たい
利害は一致しますが、結局、想いは梓の一方通行のままです」
律「危うい関係だよな
少なくとも現時点では、澪は梓の恋人じゃない
いわば家族みたいな物で、つまり、
“澪と梓”という関係は続きながらも、澪に別の恋人が出来る可能性があるわけだ
それで、どうして梓は納得したんだろうな?」
澪「……それでも、一緒に居たかったんだと思う
2人は結婚したその先に続くはずの、“幸せな未来だけ”を望んでいたんじゃないかな
“結婚”とか、“恋人”という呼称は、絆を保障するだけの単なる飾りで、ゴールでは決して無い
お互いの望みが通れば最上だけれど、そんな事、普通の恋人にだって出来やしないんだ
私と梓は、それぞれが絶対に叶えたい想いと妥協点を探りあい、共生を決めただけなんだよ」
律「……まぁ、理由はどうあれ、2人は新しい道を見つけて歩き出したわけで
私は応援するぞ、梓!」
律「結婚といえばこの作品だな
10番手:◆W5vxGyA9zcさんの、淳司「兄妹心と雨の空」!!」
澪「結婚式直前の兄妹の会話ってなんか良いよね
家族だからこその飾らない気遣いや会話を見て、思わず頬が緩みました」
律「父兄の会話も微笑ましかったな
もしも万が一、淳司さんがブーケを受け取っちゃったら、どうなるんだろうね?
空気読めよ! とか、罵倒されちゃうのかな」
澪「お父さんは喜びそうだよね」
律「実はこれ、純ちゃんのお相手が明示されていないんだよね
読者さんはどんなカプを想像したのでしょうか?
ちなみに、企画者は純澪を想像しました
この作品にしっくり来ますよ!」
澪「……飽くまでお前の感覚だろう、それは」
律「第4位のトリを飾るのは、
16番手:◆DYQpDxTGE2さんの作品 純「多分『左利きなんだね!』って言われた時の澪先輩みたいな気分」 です!!」
澪「タイトルに凄く共感しちゃった
本当にそうだよね、分かる」ウンウン
律「ごめんよ純ちゃん!
でも、浮かんじゃうんだから仕方ないよねwww」
澪「思っても良いけど、わざわざ言う必要は無いだろう
何回も似たようなこと言われる身にもなってみろよ、本当にウンザリしてくるんだからな」
律「まあまあ澪さん、落ち着いて
そんな心境を上手に利用しているのが、このSSですよ
共感しやすい導入で、しかもオチにも使っていて面白くまとまっていると思うぜ?
ね、何事も使い方次第なんですってば」
澪「確かに、このSSは構造的に良く出来ていると思う
それに、神有月の発想も魅力的だった
結婚の女神様もきっと、10月には出雲へと赴いているよね
八百万の神々に祝福される純ちゃんたち、素敵だと思う!」
直「百合妄想が捗りますね」カッタカタッ ← !?
澪「ははっまさか
ムギじゃあるま…いし…?」
律「そうそう
パソコンカタカタ、て、百合SSでも書いてんのか!ってn…?」
直「やっぱり先輩3人組は鉄板ですね
あと、書き溜めていた律澪も推敲して、今夜にでも投下しましょう」カタカタッターン
律「」
澪「」
直「ふぅ…」パタン
直「私はこれにて失礼します
残りの結果発表も頑張ってください」ペコリ
澪「おいちょっと待て」
直「あ、略称とはいえ、先輩方を呼び捨てにしてすみませんでした!」ビューン!!
澪「だから待てって!
それもそうだけど、そうじゃない!
…って逃げ足速いなもう!!」
律「日本語怪しくなってるぞ、澪
…まぁ気を取り直して、次の順位を発表しようぜ?
SSが増えるのは、良い事だろう?(悟り)」
澪「とうとうトップ5の発表になりました!
第5位は76点獲得、
と、
です!!」
澪「じゃあ最初に、2番手:◆AzMg4Bi4U6さんの作品
憂「6月の天気雨」
を見てみようか」
律「引き込みの上手いSSだと思いました
作中において、憂のモノローグごとに“謎”を小出しにしています
それらは、話しが進行するにつれ少しずつ明かされ、また新たな謎を提示ことにより、読むうえであまり負担にならず、興味を持続させることに成功しているように感じました」
澪「憂が吸血鬼と発覚した時点で、吸血鬼騒動の犯人に結びつけられてしまう事は、作者さんも想定していたのでしょう
いったん和や唯に視線をずらす事により、“自分たちも巻き込まれる側である”という風にミスリードさせる工夫は、素直に感心しました
企画者は根が割と単純なためか、簡単に騙されてしまいました」
律「この作品では、終わりの部分、私と澪とのやりとりが印象的だったかな
読んだ瞬間、ぶわっと鳥肌が立ったんだ」
律「澪、どうしたんだ? 嬉しそうな顔をして」
澪「それがさ、ここに来る途中、大きな犬に出会ったんだ」
律「犬? 野良犬か?」
澪「わかんない。でもとっても人懐っこい犬で、私でも撫でられたんだ」
律「ほう」
澪「すっごくふわふわしててさー。あぁ、あんな犬私も飼いたいな」
律「和は、澪のことを慕っていたんだよな
ここから消える前に、1目だけでも、と会いに行ったんだ
結局、正体は明かさないまま、ただ、じゃれ合うだけ
澪は気づく訳もないし、和も、それで良いと思っている
――どうせ次の日に、澪は忘れてしまうから
忘れてしまえば、和だけがまた、取り残されてしまうから――
吸血鬼の孤独な運命を象徴するかのような、切ない1コマだと思いました」
澪「企画のテーマである“結婚”は、終盤になってから漸く出てきます
前置きらしい物も無かったため、どうしても強引に繋げた感じは否めません
また、最後の1文は、正直蛇足だと思います」
律「さらに疑問なのが、和の遠吠えで全てを思い出した、という点です
遠吠えを聴いた人は、記憶を失くすはずですが、和はどんな工夫を、もしくは性質を持っていたのでしょうか?」
澪「とはいえ、この作品、吸血鬼のお話としてみると、凄く面白いのです
100レス以上の長編にも関わらず、飽きずに読ませてくれる引力を、この作品からは感じました」
律「ブーケトスからの再会も、読んでいてワクワクしました!
色々言っては居ますが、企画者はこういうご都合主義、嫌いではありません
結婚との繋ぎ方しだいでは、かなり化けたのでは無いでしょうか」
澪「それじゃあ次は、
14番手:◆3AyQ2RIUhcさんの作品
梓「ある梅雨の晴れ間の昼下がり」 だ!」
律「今回投稿されたSSの中では、斬新な入り方でかなり新鮮でした」
澪「A、Bは誰なのかな? と想像を巡らせるような導入だね
正体の明かし方も自然で、良かった」
律「これ視点が3人称、神の視点からなんだけど、互いを想い合い悪戦苦闘する“彼女たち”を見守る作者さんの優しい眼差しを感じました」
澪「すごく良かったです!
また書いてください!!」
律「そして第4位!!
79点獲得、
と、
です!!」
律「15番手:◆igw0opgTmMさんの作品
和「6月の天気雨」 から見てみましょう!」
澪「これは2番手 ◆AzMg4Bi4U6さんの作品、
憂「6月の天気雨」
から、作者さんの許可を得て、同じ世界観で展開している作品なんだよな」
律「これは和視点だな
平沢姉妹との出会いから、ムギたちとの再会までを描いた、2番手さんの補完SSだ」
澪「3次創作は企画者も経験したことがあるけど、大失敗した苦い記憶があります
何せ、元作品の雰囲気を、台詞回しを、設定を忠実に踏襲しなければ、それは世界観の違う別の何かになってしまいます
ともすれば3次作者の自己満足に終わってしまうリスクが…というか、黒歴史が、ああ…」ガクブル
律「その点、この作品は補完SSとして機能することにより、設定を踏襲しながらも、ある程度のオリジナリティを出すことが出来るようになっていると感じました
平沢姉妹との出会い、“放課後ティータイム”の伏線、結婚式!
ここら辺は、元作品をさらに補強していたように思います
導入部で、鳥肌が立ちました!」
澪「ただ、元作品において、和の遠吠えが響いたのは、夜なんです
この作品では、夕暮れとともに響きます
そういった、細かい点が気になってしまうのも、3次創作の難しさなのかな、と感じました」
律「ただ、1つの作品からインスピレーションを受け取って、また新たな作品を生み出した、という状況は、とても素敵な事だと思っています」
律「次に、
23番手:企画者 ◆S2hgjVzBnEの作品 聡「あのさ、姉ちゃん」
について、少しだけ語りましょうか」
澪「ここでは、一書き手として語らせて頂きます
読んでくださった方、採点・感想をくださった方
本当にありがとうございました!!」
律「ちなみに引用文の指す“過ち”は、“律を(純を)守ろうとする聡の(淳司の)行動についてのリスク”を指していました
“行動によりいずれリスクを被るのなら、愛のままに行動してから被った方がええやん…それって素敵やん?”
と言うのが、大まかな意味合いだそうです、ハイ」
澪「まさか感想で語ってしまうとは…///
力量不足を実感しました、今後も精進します」
澪「…お待たせいたしました、トップ3の発表に入ります!」
律「残る枠は3つ、そして3作品!
それぞれ1作品ずつ綺麗におさまります
そして、2位と3位は接戦でした」
澪「それでは発表します
銅メダルの第3位!!
81点獲得、
です!!」
律「あ゛-、癒されるわぁ…
やっぱり平和だよなぁ」ホワワワーン
澪「結婚ごっこ、という事でしょうか
甲斐甲斐しく奥さん役を演じる平沢姉妹と、それに付き合う和とのやり取りが微笑ましかったです」
唯「和ちゃん両手に花だねっ!」
和「複雑な家庭環境なのはわかったわ・・・」
律「さて。
このシチュエーション上で、3人にどんな修羅場が訪れたのでしょうか
解説の澪しゃん、どうお考えかしら」
(和眼鏡スチャッ)
澪「またそれか…
というか修羅場自体が想像できないな
むしろ想像したくない
たぶん、この話の冒頭みたいに和気藹々としていたと思う」
律「割と真面目に答えてくれてナルホド、なるほど」(眼鏡クイッ)
律「長かった結果発表もとうとう大詰め!
残るは2位と1位!
さっそく、1位から発表させて頂きます!!」
澪「企画史上(たぶん)最多クラスの作品が集まった今回の企画、
全23作品のトップに立ったのは――!」
(ドラムロール)
<ドルルルルルルル…
<ジャン!!
澪「85点獲得、
8番手:◆CQDDPJeh8kさんの作品 パパとママ
です!!」
律「8番手の◆CQDDPJeh8kさん、おめでとうございます!」
律「そして第2位は82点獲得、
11番手:特訓 ◆b6z6BxvPQ.さんの作品
特訓!!!
でした!
まずはこちらから見てみましょう!」
律「これ読み終わったあとに、もう1度読み返すと面白いよ」
「えいっ!でいっ!ぬぉーーー!!!」
律「これだけで、コミカルに動くさわちゃんが想像できて、思わず笑っちゃったもん」
澪「お前さ、
さりげなく自分が2番目に軽いとか言ってるよな」
律「厳正な身体測定の結果よ」スチャッ
澪「和眼鏡でなんでも済むと思うなよ
そしてよく分からないんだよその使いどころ!」
律「それは失礼したわね」スチャ
律「どうでも良い事なんだけど、生徒を背負いながら学校の敷地内でブーケを受け取るさわちゃんは、教師としての威厳が保てないじゃなかろうか
堀米先生あたりに目を付けられてそう」
澪「頑張ってはいるんだけど、今一報われないんだよね、あの人
幸せになってほしいよ」
律「あー。まあ、な…(たぶん無理だろうな)
それはそれとして、作品の話をしようぜ?
最後の試練の描写が結構練られていて、ど、どうなるの?ってドキドキしながら読んでいた
オチもついていて、面白かったです」
澪「これはぜひアニメ化を希望したいと思います
思います」
律「わかります
大事な事ですものね、分かります」
澪「この作品、実は日を追うにつれて順位を上げていき、
最終日付近ではトップ争いを繰り広げるほどになっていました!」
律「そして最終的には2位に輝きました!
おめでとうございます!」
澪「そして今回1位に輝いたのが、
8番手:◆CQDDPJeh8kさんの作品 パパとママ
でした!!」
律「平沢家の、とくに何でもない、幸せな夏のヒトコマでした」
澪「扇風機の前でうなだれる唯を見守る平沢夫妻。
そーめんが大好きなパパと、氷の音を聞いて焦る姉妹。
馴れ初めを語る夫妻につられて笑う姉妹。
描写の節々に、今まで夫婦が培ってきたもの、絆が見えて、素敵な家族だと思った
そりゃあ、姉妹も憧れるよ」
律「日常のヒトコマに、“結婚”というテーマをさりげなく盛り込んで話の中核としていて、凄いな、と思いました!」
澪「冒頭の夫妻がセリフのみで、最初誰が話しかけていたのか分からなかったのが、
少し気になったかな
読み返して、やっとこの作品の良さが分かるくらい」
律「でもこの作品、4点が約39%、3点が30%、5点が22%もあるんだよね
企画を見ていて毎回思うんだけど、
5点や4点を取るよりも、
なるたけコンスタントに3点か4点を取り続けている作品の方が、上位に食い込みやすいような気がしました」
澪「何はともあれ、素敵な作品であることは言うまでもありません!
改めて、おめでとうございました!!」
(エンディングテーマ:U&I)
律「これにて、順位の発表を終わらせて頂きます!」
澪「SSを投稿してくださった皆様、
感想・採点にご協力いただいた皆さま
本当にお疲れ様でした!!」
律「まさか23作品も集まるとは思わず、投票用サイトなどでお騒がせしてしまいましたが、
協力して頂いた皆様、アドバイスを下さった方、本当に感謝しております!」
澪「宣伝や文面の変更等でお世話になった菫ノート様には、頭が上がりません
ありがとうございました!」
澪「特に、企画スレタイ案を考えてくださった方に、スペシャルサンクスです!
花嫁のリレーは、貴方のアイディアから始まったんだと思います
企画者はこの素敵なスレタイ案からブーケを引き継いで、プレSSを書いたのです」
律「……それでは、またいつか、企画でお会いできることを祈りつつ、
しばしのお別れとさせて頂きます」
澪「せーのっ!」
律・澪「またねーー!」
律「この企画は、
“菫が百合ノートを引き継ぐようです”、
そして――
」
律「
―― けいおんSSを愛する、皆さまの提供で、
お送りしました」
お し ま い
◇
(番組終了後、音楽準備室)
花束が、2本とも、無くなっていた。
後輩「…すみません澪先輩」
背中から、おずおずと声が掛かる。
後輩「もう使わない物だと思って、欲しそうにしていたお2人に差し上げてしまったんです
澪先輩が持ち帰って育てるつもりだった、と知っていたら、私――」
澪「良いよ、もう」
振り返り、優しく声を掛ける。
なんの事は無い。
私の投げた花束が、新しい“花嫁”の手に移っただけの事だ。
怒る理由なんか、どこにも無い。
澪「そろそろ行こうか、打ち上げに遅れてしまう
遅れると、律がここぞとばかりに五月蠅いんだ」
後輩に微笑みかけ、音楽準備室を後にする。
窓越しの雲間から、光のカーテンが差し始めていた。
もうじき梅雨は明け、それでもまだ、花嫁のリレーは続いていく。
――さて。
澪「次のブーケは誰の手に」
原作・協力:かきふらい/桜高軽音部
最終更新:2013年07月13日 15:55