日曜日-澪宅
律「あっついなー」
澪「あぁ・・・」
律「そうだ。プールへ行こうぜ」
澪「プール?」
律「あぁ、夏と言ったらプールだろ。水に浸かって涼むんだ。今から・・・」
澪「うーん。今日はやめとこう」
律「どうしてだ?」
澪「なんとなく」
律「そうか」
澪「うん。アイスでも持ってくるよ」
同日-唯宅
憂「う~ん、これも駄目かなー」
唯「憂。水着選び?」
憂「あっ、お姉ちゃん!」
唯「それ、私が昔着てたやつだよね」
憂「うん。けど・・・」
唯「小さい?」
憂「うん。胸のあたりが・・・」
唯「・・・」
憂「お姉ちゃん?」
唯「憂のくせに、憂のくせに」モキュモキュ
憂「お、おねえちゃん!!//」
同日-紬宅
菫「お姉ちゃん?」
紬「あっ、菫」
菫「ご、ごめん! 」
紬「すみれ、どうしたの?」
菫「だ、だってお姉ちゃん裸じゃ・・・//」
紬「去年の水着を試してただけだから」
菫「そ、そうなんだ?」
紬「ええ、だから気にしないで」
菫「そっかぁ」
紬「うーん。でも困っちゃったな」
菫「何かあったの」
紬「どれもサイズが合わなくて・・・」
同日夜-澪の家
澪「明日水着を買いに行かないか?」
紬「唐突ね」
澪「だってムギも・・・だろ?」
紬「うん。胸回りがね・・・」
澪「じゃあ」
紬「でも、りっちゃんを誘わなくていいの?」
澪「いいんだよ。律は成長してないし、ついてくると面倒くさい」
紬「面倒くさい?」
澪「胸のことで・・・な」
紬「そっかぁ」
澪「じゃあ、明日」
紬「あっ、ちょっとまって。もう一人増えてもいいかな?」
澪「うん? いいけど」
同日夜-紬の家
紬「もしもし、憂ちゃん?」
憂「あっ、紬さん」
紬「ねぇ、明日澪ちゃんと一緒に水着を買いに行く約束をしてるんだけど、よかったら憂ちゃんもどう?」
憂「水着、ですか?」
紬「ええ」
憂(渡りに船だけど、どうして私なんだろ)
紬「憂ちゃん?」
憂「えっと。どうして私を誘ってくれたんですか?」
紬「憂ちゃんもそろそろ去年の水着がきつくなっちゃってるんじゃないかと思って」
憂「図星ですけど、どうして紬さんがそんなことを・・・」
紬「うふふ、さっきね、唯ちゃんから電話で聞いたんだ」
憂(お、おねえちゃん!!)
翌日
澪「おはよう、あ、ムギが言ってたのって憂ちゃんだったんだ」
憂「おはようございます澪さん」
紬「ええ、今日は3人でおでかけよー」
澪「じゃあさっそく水着を見に行くか」
憂「はい」
紬「とうちゃく」
憂「随分近かったですね」
澪「私はいつもここで買ってるんだ」
紬「澪ちゃんごひいきの店ね」
澪「ムギはどういう水着にするんだ?」
紬「う~ん、それが決まってないんだ。澪ちゃんは?」
澪「私もまだ。せっかくダイエットしたんだから・・・とも思うんだけど」
憂「?」
紬「私と澪ちゃんは一緒にダイエットしてるのよ」
憂「そうなんですか?」
澪「あぁ。軽音部にいるとどうしても太っちゃうから」
紬「お菓子をもってきてる私のせいよね」シュン
澪「お、おいムギ、落ち込まないでくれよ。ダイエットだってこうして成功したんだからさ。ムギは何も悪くないよ!」
紬「・・・澪ちゃん!」
澪「・・・ムギ!」
憂「くすっ」
澪「憂ちゃん?」
憂「なんだか二人とも楽しそうだなって」
紬「そうかしら?」
憂「はい」
澪「じゃあそろそろ真剣に選ぼうか」
紬「そうね」
紬「このビキ二タイプなんてどうかしら」
澪「う~ん。これなら周囲の視線釘付けかもしれないけど」
憂「何か問題でも・・・?」
紬「モテ過ぎると、それはそれで困るのよ、澪ちゃんの場合」
澪「こら、ムギ、からかうな。でも実際・・・」
紬「ええ、去年の夏もナンパが大変だったものね」
澪「・・・うん」
憂「澪さんって本当にモテるんだ」
紬「ええ、澪ちゃんの場合、男の子だけじゃなくて、女の子まで惹きつけちゃうんだから」
澪「そんなこともありました」
澪「そういうムギは?」
紬「無難にワンピースタイプにしようかと思ってるんだけど」
澪「無難過ぎないか?」
紬「そう?」
澪「あぁ、ビキニとまではいかなくても、セパレーツタイプでいいと思うけど」
紬「う~ん。じゃあそこの白いの試してみようかな」
澪「じゃあ、私はその黒いのを」
紬「憂ちゃんは?」
憂「えっ、私ですか?」
紬「うん。憂ちゃんはどんな水着がいいの?」
憂「あはは、私はなんでもいいかなって・・・」
澪「憂ちゃんかわいいのに勿体無いよ」
紬「ええ、もったいないわ。憂ちゃん、まずはこのビキニから着てみましょう」
憂「えっ」
試着後
紬「澪ちゃん、その水着いいんじゃない」
澪「ありがとう。ムギも似合ってるよ」
紬「そうかしら」
澪「あぁ、ムギは肌が白いから、白い水着が一層似合うよ」
紬「ありがとう。・・・憂ちゃんはまだかしら」
澪「あっ、出てきた」
憂「・・・どうですか?」
紬「憂ちゃん、大胆ね」
澪「あ、あぁ//ほとんど水着の体をなしてない//」
憂「えっ、でもこれ澪さんと紬さんが・・・」
紬「ごめんなさい、まさかそっちを選ぶとは思わなかったから」
澪「うん」
憂「もういっこのほうは・・・その・・・」コショコショ
紬「そ、そう」
澪「うーん。とってもかわいいけど、ビーチに着ていくには大胆すぎるかな」
紬「ええ」
澪「こっちの水着とかどうかな」
憂「あ、はい。着てみます」
澪「憂ちゃん、もう一個の水着のことなんていってた?」
紬「乳輪が僅かに透けるんだって」
澪「・・・あぁ、白くて薄かったからな、胸のあたり」
紬「憂ちゃんにちょっと気を遣わせちゃってるかな」
澪「う~ん、大丈夫じゃないか、これくらい」
紬「そっか」
憂「どうですか?」
紬「うん。今度はとっても似合ってる」
澪「あぁ、ピンクのフリルがかわいいな」
憂「じゃあこれに決めちゃいます」
紬「うふふ。意外と早く決まったわね」
澪「あぁ」
紬「お昼御飯でも食べてから帰りましょうか。あっ、憂ちゃんはどうする?」
憂「えっと・・・私は」
澪「憂ちゃんさえよかったら、一緒に行かない?」
憂「それじゃあ、私も」
紬「うふふ。良かった。断られるんじゃないかって心配してたの」
憂「そうなんですか?」
澪「あぁ、私もムギも憂ちゃんとはあまり接点がないから」
紬「けど憂ちゃんとは一緒に遊びにいきたいなって前々から話してたのよ」
憂「どうして私と?」
澪「それはな・・・」チラッ
紬「それはね・・・」チラッ
憂「・・・なるほど」
澪「意外と相談できる友達って少ないからさ」
紬「ええ、大きくてもあまりいいことないのに、りっちゃんや唯ちゃんに話すと嫌味だと思われちゃうし」
憂「あはは・・・」
澪「よし、水着も買ったし、お昼は美味しいものでも食べようか」
紬「でも太ったら着れなくなっちゃうかも」
澪「大丈夫だって、それを見越してちょっと余裕のあるサイズを選んだから」
紬「澪ちゃんずるーい」
憂「あはは・・・」
澪「うん。でもお昼どうしようか。私はちょっとぐらい食べても大丈夫だけど、ムギは・・・」
紬「いいよ。私は少なめにしておくから」
澪「いや、それは悪いって」
憂「あ、あのっ」
紬「どうしたの、憂ちゃん・」
憂「実は私、いい店を知ってるんです」
澪「いい店?」
憂「はい。あまり太らなくて美味しい店」
紬「いいわね」
澪「あぁ、そこに行こうか」
憂「でも、その店を教えてあげるには条件があるんです」
紬「条件?」
憂「はい、今度また、こういう風に誘って欲しいんです」
澪「えっと、ムギ」
紬「うん。もちろんいいけど、どうしてそんな条件を」
憂「それは・・・私も愚痴る相手が欲しいから、じゃ駄目ですか」
紬「そういうことなら」
澪「うん。大歓迎だよ」
憂「じゃあ行きましょう」
憂(本当は、2人が楽しそうだから、もう少し仲良くなりたいと思ったんだけど)
憂(愚痴仲間・・・というのも悪くないよね)
同日-唯宅
律「梓隊員、牛乳の用意は」
梓「ばっちりデス!」
律「唯隊員、豆乳の用意は」
唯「ばっちりだよ!」
律「よし、それではこれより貧乳同盟会合をはじめます」
唯・梓「おぉーー!!」
和「・・・私はここにいていいのかしら?」
おしまいっ!
最終更新:2013年07月16日 23:36