私の大切な澪先輩。
優しくてしっかり者の澪先輩。
今日も長くて綺麗な黒髪をたなびかせながら、わたしににっこり微笑んでくれる。
その素敵な笑顔の奥に引き込まれそうになると、いつものように私をそっと抱き寄せてキスしてくれる。
そんな澪先輩のキスに応えるように、私はうんと背伸びして澪先輩の顔を唇で押し返す。
私たちは互いの利き手の指を絡め合って、温もりを感じ合う。
澪先輩の手はとっても綺麗で、細長くて繊細な指はすべすべで気持ちいい。
そんないつもの挨拶を息が苦しくなるまで続けた後、磁石みたいになかなか離れない唇を愛おしむように離して、互いの真っ赤になった顔を見てにっこり笑い合う。
私が「大好き」って言うと、澪先輩は「私も大大大好き」って返してくれる。
そんな澪先輩のことが私は大大大大大好き。
私はとっても臆病で、他人に話しかけたり、一緒に遊んだりすることがなかなかできない。
そんなひ弱な私に声をかけてくれたのが澪先輩。
世間知らずで内向きな私の手をとって、いろんなところへ連れて行ってくれる強い人。
でも実は私と同じでとっても臆病で怖がり屋さん。
でもそれは絶対に表には出さないで、私のために頑張ってくれるお姉さんみたいな人。
私が困っている時も。
私が怯えている時も。
私が眠くて倒れそうになっている時なんかも。
澪先輩は私のために支えてくれる。
時には辛い時もあるけど、いつも澪先輩が勇気を出して私の手を引っ張ってくれる。
そんな澪先輩の事が私はとっても大好き。
今日も二人で一緒におでかけをする。
澪先輩は私を知らない所へ連れていく名人で、私は初めて見る物に驚かされてばっかりだ。
外を歩いている澪先輩は表情豊かで、そんな澪先輩の顔を見ているのも面白い。
でも外にいるときの澪先輩はとってもシャイで、絶対に自ら手を繋ごうとしてこない。
だからそんな時はいつもは私から、澪先輩の腕を力いっぱい抱きしめる。
それでも私が寒がっている時なんかは、人前でも迷わず私を抱きしめて温めてくれるのが澪先輩。
私の事を大切にしてくれる澪先輩。
私の事を連れ回してくれる澪先輩。
私の事を好きでいてくれる澪先輩。
澪先輩は私の特別な存在。
臆病な私が心に閉じ込めた感情を優しく取り出してくれる。
ひ弱な私を優しさでそっと受け止めてくれる、とっても暖かい人。
今日もいろんな所へ二人で旅して…
いろんなところで一緒に泣いて、一緒に笑って…もっと一日が長ければいいのに。
私はいつでもどこでもどんなところへでも澪先輩について行きます。
ずっとずっとどこまでも。
でも、私が眠いときにはおんぶして欲しいです。
二人だけの小さな旅から戻って部屋に着いてベッドの上に座って寄り添い合いながらおしゃべりをする。
今日のできごと、気が付いたこと、驚いたこと。
二人でいっぱいの経験を分かち合って、一緒に明日の事を考える。
でも私はだんだん耐えられなくなって、澪先輩にキスをする。
澪先輩はちょっと慌てて顔を赤らめるけど、しばらくしたら私の背中に手を回してしっかり支えながら、ベッドに優しく押し倒してくれる。
私がベッドに仰向けになって心の中で「来てください」って言うと、本当に聞こえてるみたいに澪先輩はにっこり微笑んで、私に覆いかぶさって来てくれる。
澪先輩の長くて綺麗な髪の毛が私の髪の毛と絡まり合って、もう澪先輩しか目に見えない。
澪先輩の匂いでいっぱいで、澪先輩に包まれているみたい。
澪先輩でいっぱいになるこの時が私は大好き。
そのまま澪先輩は私のほっぺに両手を添えてキリリとした瞳でじっくり私を見つめた後、とっても甘いキスをしてくれた。
澪先輩はぷるんとした唇で私の唇を優しく包み込んでくれる。
私が“もっと強く”と少し強めに吸い付くと、澪先輩は許しを貰えたみたいに顔をさらに傾けて私の口の奥に入ってくる。
まるで私が本物かどうか確かめるみたいに、澪先輩は鼻息を荒げながら舌を絡める。
それに付いて行こうと私も必死に舌と唇で応えるけど、澪先輩は私が強く求めるたびにその何倍も激しく私の中を愛撫してくる。
そのうち二人は体のいろんな所で互いの気持ちを確かめ合って、一緒に空高くまで駆け昇った。
私たちは果てた後、息を切らしながら互いに密着する。まるで元々一つだったみたいに。
澪先輩は私を優しく抱きしめながら頭を撫でてくれるので、私は澪先輩の胸に顔を埋めて、めいっぱい強く抱きしめ返す。
誰もが羨むような存在、そんな澪先輩を私は独り占めしている。
わたしなんかで本当にいいのだろうか?
澪先輩はどうして私にこんなに優しくしてくれるのだろう?
わたしなんか…ちびっこくて、地味で、臆病だから人と話すのも苦手で、澪先輩みたいに堂々と振る舞えない。
澪先輩みたいな強くて綺麗な女の人に、私は到底追い付けない。
澪先輩には不釣り合いな人間。
そんな畏縮した考えと、女の人に恋をしてしまうという背徳感が、私に後ろめたさを感じさせてより一層澪先輩を好きになる。
好きになれば…なればなるほど失うのを恐れてしまう。
澪先輩がいなくなるのが怖くて怖くて、いてもたってもいられなくなってしまう。
私はそんな気持ちに押しつぶされて、泣きそうになってしまって…もう一度、澪先輩の胸に顔を埋める。
すると澪先輩は一言だけ「ずっと一緒だよ」って言ってくれた。
私の閉ざしかけた心を開けてくれて、それを力強く受け止めてくれた。
泣かないようにしてたけど、どうしてもダメ。澪先輩の事を考えると、涙がどんどん溢れてくる。
あぁ、やってしまった。
澪先輩が不安な顔して私を見てる。
澪先輩にまた心配をかけてしまう。
違うんです。
私は澪先輩への気持ちが抑えきれなくて泣いているんです。
私は、澪先輩の事が愛おしすぎて泣いているんだって事を伝えたくて、思わず泣きながら頬ずりをしてしまった。
すると澪先輩は嬉しそうに笑いながら、私の涙を拭ってくれるように頬ずりを返してくれる。
それが嬉しくて嬉しくてたまらなくって、私はつい喉を鳴らしてしまう。
大好き。
言葉で言うよりずっと分かる。澪先輩の“大好き”が伝わってくる。
澪先輩の気持ちが頭の中にいっぱい飛び込んできて、それがあふれ出して体中に駆け巡る。
とっても暖かくて、優しくて強くて切ない“大好き”で私の心が満たされる。
澪先輩、澪、澪、みお、みお……
あぁ、どうしてこんなに好きなんだろう。
もう好きで好きでたまらない。
いくら言葉を重ねても、いくら体じゅうで気持ちを伝えようとしても、とても表せない。
伝えきれない。もっともっと伝えたいのに。
それなのにわたしの心はどんどん澪先輩が大好きになって膨れ上がって、愛おしすぎて胸の奥が張り裂けそう。
お父さん、お母さん、私を澪先輩のいる世界に生んでくれて本当にありがとう。
神様ありがとうございます。
こんなに素敵な人にめぐり会わせてくれて。
澪先輩ありがとうございます。
こんな私を心から愛してくれて。
私もとってもとっても愛してます。
どれだけ愛しても愛し足りない。
私の大切な澪先輩。
私の大好きな澪先輩。
ずっとずっと一緒にいましょうね。
終
澪「梓と私」
私の大切な梓。
健気でとってもかわいい大事な後輩。
今日も長くて綺麗な二本に結った髪の毛をぴょこぴょこさせながら、私の方へ駆けよってきてくれる。
そんな梓の嬉しそうな顔がたまらなくて、私はゆっくりと梓を抱き寄せてキスをした。
梓に合わせて少ししゃがんで口を合わせるけど、梓はそれを押し返すように背伸びして私に応えてくれる。
その感覚が好きなので、私はいつも際限までしゃがんで梓が押し返してくる感触をめいっぱい味わえるようにする。
私は口づけをしたまま梓の小さくてかわいい手に指を絡めて、梓を離さないようにする。
息が続く限りずっとこうしていたいけど、梓が苦しそうにするのは見たくない。
本当はもっと長くこうしていたいんだと伝えるために、最後にありったけの力を込めて私は唇を離す。
顔を離して目を開けると、大好きな梓の笑顔が視界に飛び込んでくる。
そんな顔で梓は「大好き」と言ってくれるので、お返しに「私も大大大好き」と返してあげる。
私はとっても臆病で、いざという時に自ら行動する事ができない。
いつも何かに怖がってばかりいて、自分を乗り越える事ができない。
そんな弱い私に強さをくれたのが梓。
何もかもに飽いていた私の人生に、生きる目的をくれた子。
梓の幸せそうな顔を見ると、私も幸せになれる。
梓は内向きで自分の感情を隠したがるけど、私にだけは心を開いて力いっぱい笑ってくれる。
そんな梓が私は大好き。
梓は臆病な私に勇気と力をくれる存在。
私の弱さを消し去ってくれる存在。
私の恐怖心を取り除いてくれる存在。
そんな梓をずっと支えてあげたい。ずっと一緒に笑い合いたい。
辛くて怖くて、逃げ出したくなるような事もあったけど、あの笑顔が見たいから…あの笑顔を救ってあげたいから。
梓の怯えている姿や、悲しみで泣いている顔なんか見たくないから、私は梓の支えになってあげるんだ。
また梓のいろんな幸せをみたいから、私は梓の小さな手を取って一緒に世界を見て回る。
梓は嬉しそうに私についてきてくれて、私と一緒に笑ってくれる。
そんな梓が私はとっても大好きだ。
今日も梓と一緒にいろんな所にでかける。
私はとにかく梓の喜ぶ顔が見たいから、梓と一緒にいろんな経験をしたいから、いろんな変わった場所に連れて行く。
できればすぐに手を握りしめて引っ張ってあげたいけど、人前だと恥ずかしくてそれがなかなかできない。
だからつい、風景を観察したり独り言を言ったりなんかしてごまかしてしまう。
そんな情けない私の手をとり、時には自ら引っ張ってくれるのが梓。
そんな時に私は自分を乗り越える決意と覚悟ができるんだ。
「先輩」なんて肩書のためじゃない。
私は梓にふさわしい人になりたいから、弱い自分を捨てる事ができる。
梓の思いが私のエネルギーになる。
私についてきてくれる梓。
私に元気をたくさんくれる梓。
私の空っぽの胸の中を愛で満たしてくれた梓。
梓は私の特別な存在。
私の枯れた心を癒してくれる、たった一人の女の子。
私に勇気と希望をくれる、大切な子。
今日もいろんな所へ一緒に旅して…
いろんなところで一緒に泣いたり笑ったり…もう毎日が楽しくてしかたがない。
梓との毎日が、私の生きがいだ。
こんなに私に元気をくれる梓の元気に、私もなりたい。
梓のそばにずっといてあげたい。
梓が安心して眠れるように。
いつものように梓は私の背中でぐっすり眠って家に着く。
ベッドにそーっと降ろしてやると、梓は目を覚ましてキョロキョロと私を探す。
私を見つけると、梓はにっこり微笑んで隣に寄り添ってきてくれる。
しばらくベッドの上で今日の出来事について話し合う。
私は今日見た梓の活き活きとした表情を思い出しながら、次の日の事についてあれこれ思いを膨らませる。
でも梓が元気に話をする顔を見ていると、そのうち耐えられなくなってベッドに押し倒したくなる。
そんな事を考えていると、梓から私に飛びついてきてキスをされた。
私は互いに同じことを考えていた事に驚きつつも、梓をしっかり支えながらゆっくりベッドに寝転がらせる。
梓は寝ころびながらもじもじして、恥ずかしそうに無言で私を見つめてくるが、一瞬だけピクリと表情が変化する。
私はいつもその変化を待った後、心の中で「いまいくからな」と言って梓に覆いかぶさる。
真上から見下ろした時の梓の顔が私は好きだ。
梓を守ってあげている気がする。
梓が私の目を見つめて、すごく安心した表情をしてくれる。
私はそんな梓の表情がかわいくてかわいくて、ずっとこの顔を壊さないようにとしっかり梓の両頬を押さえてキスをした。
梓の唇はとっても柔らかくて、もちもちしてて、乱暴にするとすぐに破けてしまいそうだ。
私は梓のふわふわの唇を大切に包み込むけど、梓は足りないみたいに力いっぱい吸い付いてくる。
これを合図に、私は梓の口のさらに奥へと舌を忍ばせた。
私は梓の小さくてザラザラした舌を絡め取って、温もりと感触を確かめる。
でも確かめても確かめてもまるで足りなくて、つい荒々しく梓の口を貪ってしまう。
それに応えるように梓は私に舌を絡ませ返してくるものだから、その小さな反応をもっと味わいたくて、さらに激しくしてしまう。
そして私たちは身も心も一つに溶け合って、一緒に遥か彼方へ旅をした。
私たちは息を切らして横たわりながらも、絶対にお互いを離さないようにしっかり密着して抱きしめあう。
梓をガラス細工みたいに大切に包み込み、小さくていい匂いのする頭を優しく撫でると、梓はそれに応えて華奢な腕で力いっぱい抱きしめてくれる。
ちょっと苦しいくらいのこの感触が私は大好きだ。
梓はみんなの大切な後輩だけど、それでも梓は私を求めてくれる。
けどこんな臆病な性格で、私は本当に梓の支えになってあげられているのだろうか?
本来の私は弱くて、怖がりで…梓を守ってあげるには程遠い人間。
でも、梓は私に元気と勇気をくれる。
誰にも見せない、私だけに見せてくれる特別な笑顔。
その笑顔が私の元気の源で、生きている理由だから…私は梓とずっと一緒にいたいと思う。
梓の安心が私の安心。
梓の幸せが私の幸せ。
私は梓が大好きだ。
その気持ちを伝えたくて、「ずっと一緒だよ」って言うと、梓は私の胸の中で泣いてしまった。
私は涙を流す梓に驚いた。
一瞬、絶対に考えたくないような事が起こってしまったのかと思った。
けどすぐに梓は私に教えてくれた。
私が必要なんだって。
私を失うのが怖いから泣いてるんだって。
言葉を聞かなくても分かる。
目を閉じていても伝わってくる。
頬ずりしてくる梓から、私への思いが流れ込んでくる。
私は頬で梓の涙をふき取り、自分の涙にすることで梓の抑えきれない気持ちを共有する。
そして私はもう梓にそんな思いを二度とさせないために、めいっぱいの“大好き”を頬ずりに乗せて梓に届ける。
私はどこへも行かない。
私はずっと梓と一緒にいる。
私は梓が大好きだから。
梓の事が大好きで大好きでたまらないっていう気持ちをありったけ伝えた。
梓、梓、梓、梓、あずさ、あずさ……
大好きだ梓。
この世で一番大好きだ。
この先どんな苦難が私たちの前に立ちふさがっても、私は梓を守り抜く。
梓が私の人生の全てだから。梓がいない世界なんて考えられない。
パパ、ママ、私を梓のいる世界に生んでくれて本当にありがとう。
神様ありがとう。
私に梓という勇気と希望をくれた。
梓、ありがとう。
こんなわたしを好きでいてくれて。
どんなところにでも一緒についてきてくれて。
私の愛に一途に応えてくれて。
梓、愛してる。
世界の誰よりも愛してる。
たとえこの世界が壊れて、人々から愛が無くなっても…
私たちの愛だけは無くならない。
地球が無くなり宇宙が無くなっても…私たちの気持ちはいつまでもいつまでも残り続ける。
私の大切な梓。
私の大好きな梓。
ずっとずっと一緒にいよう。
終わりです。
最後まで読んでくれた方がいれば、ありがとうございました。
最終更新:2013年07月19日 22:28