律「澪すごいな! 全部命中してるじゃないか!」

澪「ああ、なんかわからないけどうまくいくんだよな」

紬「純ちゃんと憂ちゃんと澪ちゃんがすごいわね、もう5連続命中してるわ
ってことはモードが切り替わるわね」

梓「モードってなんですか?」

紬「的が動き出すのよ、ほら動き出した! 
あれに命中させるのはかなり難しいわ」

純「ああ! はずれた」

憂「うーん、おしかったなあ」

唯「さすがに動くのは難しいよね、でも純ちゃんも憂もすごいよ!
止まった的にも私なんて一回も当たらないもん!」

和「…全く、唯ったら」

澪「よし、これでラスト!」

梓「澪先輩! さすがです!全部命中ですか!」

澪「ああ、角度の微調整がしっかりできれば案外うまくいくもんだな」

和(澪のシュートコントロールすごいわね…
チームのエースストライカーになれるかもしれないわ)

律「よし! 全員シュートは完了だな!
次はなんだ!」

和「次はキーパートレーニングよ
ゴールの前にシュート発射装置を置くからそのシュートを止めるのよ
じゃあ、最初は澪やってみて」

澪「えっ私!?」

律「あれえ! 澪ちゅわん怖いのー!?」

澪「なっ! わかった! さあ、どこからでもかかってこい!」

バシューン!

澪「ひええええ!」ダダダダダダ

律「あっ逃げた…」

梓「澪先輩の敵は私が討ちます! さあやってやるです!」

バシューン!

梓「うにゃあああ!」

唯「あずにゃん! あずにゃんが吹き飛ばされちゃったよ!助けなきゃ!」

和「あっ唯! 危ないわよ!」

バシューン!

唯「うあああああ!」

律「唯も吹き飛ばされたぞ!」

憂「お姉ちゃん!」

純「ちょっとこれ威力強すぎなんじゃないですか!」

和「うーん、雷門中の平均シュート威力がこれなんだけど…
そうとう強いわね」

憂「シュートは私が止める!」

バシューン!

憂「はあああ!」ガシッ!

憂「ハァハァ」

和「へえ、さすが憂、全身の力を両手に集中させて止めたのね」
(でも、あのシュートであんなに消耗してたら雷門のストライカー達のシュートを止めれないわ)

バシューン!

紬「えい!」ガシッ!

律「うお! ムギすげえ! 片手で止めた!」

紬「全く、みんなを傷つけて悪い機械ね!」ぷんぷん

和(ムギのポジションは決まりね…)

和「さてと、最後のテストよ、今からコーチがドリブルをするから
そのボールを奪うってディフェンス力を試すのよ
コーチはサッカートレーナーと忍者を兼任してて抜群の運動神経を誇っているわ」

澪「サッカーと忍者兼任ってなんだよ…」

コーチ「くくく、我がボール取れるものなら取ってみるがいい!」

唯「唯隊員行きます!」

コーチ「最初の相手は貴殿か! 我がフェイント見切れるか!
さあ全力で咲くが良い!」

唯「てりゃああ!」

コーチ「ぐああああ!」

唯「いたあー!」

律「うわぁ、正面衝突痛そう…」

コーチ「ふふふ、我がフェイントの先に回るとは!
小兵と思い油断したが評価を改めねばならないな!
だがこれはどうだ!」

唯「てえええい!」

コーチ「ぐあああああ!」

唯「いたあー!」

梓「また、ぶつかってる…」

和(…フェイントをしてる相手に、騙されないで進行方向に確実に唯がいる?
ボールこそ奪えてないけれど、唯は相手が見えてるの?)

コーチ「全て見えてるようだな、ならば五里霧中!」

紬「すごい! 足を高速で動かすことで砂埃を巻き挙げて
姿を隠してる! 砂埃でコーチが見えないわ!」

純「あれじゃあ、フェイントが見えててもどうしようもない!」

律「あれこそまさに砂の結界!」

澪「なんで芝生のサッカーフィールドで砂埃が出るんだよ…」

唯「てりゃあああ! いたああ!」ドサッ

コーチ「ぐあああ! 我がフェイントを全て見切り目の前に現れる
その眼力やよし! だが地力が足りなかったようだな!」

和「またぶつかってる…でもあの砂埃の中でフェイントを見切ったなんて…」

憂「お姉ちゃん!次は私が行きます!」

コーチ「その姿…なるほど、貴殿はさきほどの娘の姉妹か…
ならば仲良く敗北という名の海に沈むが良い、行くぞ!」

憂「…速い! お姉ちゃんはこれを見切ったの!?」

コーチ「ふはははは! 何もできずに我を通すが良い」

憂「そこ!」

コーチ「何!? ボールに触れただと!」

憂「でも、奪えなかった…見切れたのに力が足りないなんて」

コーチ「ふふふ、なかなかのテクニック! だが我には及ばず」

律「憂ちゃんバトンタッチだ」

コーチ「次は貴殿か…行くぞ!」

律「てい!」

コーチ「どこを狙っている」

律「はあ!」

コーチ「くくく、さきほどの姉妹ならばこのようなフェイントに
騙されることなし…貴殿では我に触れることすらできぬな」

律「うるさいぜ! てりゃあ!」

和(さすがに、コーチ相手に正攻法じゃあ手も足もでないのかしら
、あれ?でも律…押してる?)

コーチ「くっ! いい加減に諦めたらどうなのだ」

律「へへへ、悪いがあきらめが悪くてね!っと
そりゃああ!スライディング!」

コーチ「なんだと!」

律「ああ! ボールをふっ飛ばしちまったか!」

和「見事ね、律」
  (フェイントに騙されてても食らいつく精神力、
   最後はフェイントをさせる隙もなく奪ったわね)

コーチ「見事なり! では残りのものもかかってくるがいい!」

〜10分後

和「ボールを奪えたのは律だけでさわれたのも憂だけね…
  あとは唯がコーチにぶつかったくらいでみんななにもできずね…」

唯「でも純ちゃんはかなりいいところまでいってたよね!」

純「おしい所はありましたけど…結局とれなかったですから」

律「澪なんて奪うどころか向かってきたら道を開けるんだもんな」

澪「だって…怖いじゃないか!」

梓「ムギ先輩は地面を削らないでくださいよ…」
  びっくりしましたよ…」

紬「もう…恥ずかしいからあまり言わないで…
  スライディングがはずれちゃったんだもん…」

和「さてと…これで一通りテストは終了ね
みんなのポジションを発表するわ!
これからの練習はポジションを極めることに専念してもらうわよ」

和「まずはキーパー…ムギね!
シュートを片手で軽々ととめることのできるパワーでゴールを守ってもらうわ」

紬「あらあら」

和「そしてディフェンダーは律ね! 
相手に対して決してあきらめない心!ゴール前の壁として立ちはだかってもらうわ」

律「へへへ、なんだか照れるな」

和「それとディフェンダーは私もやらせて貰うわ、チームの後ろから
みんなに指示を出していくわね」

和「そしてミッドフィールダーは憂と唯にやってもらうわ」

唯「おお!憂!一緒だね!」

憂「一緒に頑張ろうね!お姉ちゃん!」

和「なんでもソツなくこなす憂は全員のサポートをお願いするわ
状況によって攻めたり守ったりしてもらうわ」

唯「私は!?」

和「唯は…ディフェンスをやってもらいたいけど…フォワードとの
パスをつないでもらいたいからパス特訓をこれからやってもらうわよ」

唯「特訓…なんだか漫画みたいだね!」

和「純ちゃんと梓ちゃんと澪にはフォワードをやってもらうわ」

澪「私がフォワード!?」

純「よっし!フォワードなんて恰好いいじゃん! しかも澪先輩と一緒だなんて!」

梓「あのー?私はシュートをうまくできないんですが…」

和「梓ちゃんにはドリブルでボールを回してもらうわ
あのスピードでチームの運び屋になってもらうわ」

澪「なあ和、私がフォワードっていうのは考え直さないか、
私、目立つのは嫌だよ…」

和「澪はシュートテクニックがすごく良いからフォワードをお願いしたいのよ
それにディフェンダーだと相手を避けちゃうでしょ」

澪「うう…相手が向かってくるよりはマシか…」

和「それと純ちゃんには全てができるフォワードになってもらうわ
シュート、ドリブル、ディフェンスが一人でこなせるエースにね」

純「エース! 私が! まかせてください!」

和「さてと、みんなのポジションが決まったところで各自練習よ
もうプログラムはできてるからそれに沿っていけば大丈夫よ」

和「それから最後に大事なことを一つ
普通に戦っても雷門中には勝てないわ
今回のトレーニングでポジションごとに最低一つは必殺技を覚えてもらうわ」

唯「必殺技?」

和「円堂くんのゴッドハンドやコーチの五里霧中などの技よ
精神力はかなり使うけれどその威力は折り紙つきなのよ
多分これが使えないと試合にすらならないわね」

純「なんか大変そうですね…」

和「何言ってるの純ちゃんはエースなんだから
ディフェンス技、ドリブル技、シュート技、全ての必殺技を覚えてもらうわよ」

純「え!?」

梓(なんだか、純も大変そうだな…)

和「さてと時間は無いわよ!
解散してそれぞれの練習に移るわよ!」

全員「おー!」

和「あっ、ムギちょっといいかしら
ムギには実はキーパー練習以外にもやってもらいたいことがあるのよ」

紬「なにかしら?」

和「それはね…」ごにょごにょ

紬「うん! それ楽しそう!」

和「大変かもしれないけどお願いね
じゃあ私はここで唯とパス練習をするわね」

唯「和ちゃん! 行くよ」ボテン

和「もう! 全然違うところに飛んでるじゃない!」

唯「えへへ、ごめん、ごめん」

和「もう、私が手本を見せるから真似してみなさい、えい!」バシューン

唯「こうかな?」バシューン!

和「…ちゃんとできるじゃない」
(一度見ただけでほぼ完璧にコピーしたっていうの?  
 もしかしたら唯はチームのダークホースになるかもしれないわね)

和「じゃあお互いにパスをしあうわよ」

唯「うん!」

〜20分後〜

唯「和ちゃん〜飽きたよ〜」

和「もう、特訓なんだからちゃんとやらないと駄目よ
試合まで時間がないんだから」
(あれからパスミスを一回もしないわね…まさかここまでとは)

唯「あれ和ちゃん、蹴らないの?」

和「あっごめん唯」ボシューン! 
 (しまった! 考え事してて大きく右にずれちゃった!)

和「ごめん! 蹴るの失敗しちゃった!」

唯「うん? 大丈夫だよ、追いついたから」

和「えっ あんなに変な方向に行ったボールに追いついたの!?」

唯「和ちゃんが蹴ってすぐに走ったからね、なんだか蹴った瞬間に
こっちのほうに来るってわかったから…」

和(…さっきのコーチの時といい、唯は相手がボールがどこに来るかわかる?
ディフェンス練習の時にコーチが目くらましをしても予測できてたから
動きを見て予測してるわけじゃないだろうけど…」

唯「和ちゃん!もう!さっきからどうしたの!」

和「あっ本当にごめん唯!」バシューン!
(唯が一体どうやって相手の動きを予測してるか知るのも私の課題の一つね…)


〜一週間後〜

さわ子「みんな! ついに試合当日になったわよ!」

唯「言わなくてもみんなわかってるよ〜」

憂「そのためにみんな集まってるからね」

和「この一週間みんな良く頑張ったわ
それぞれ必殺技もマスターしたし今回の試合全力で行くわよ!」

みんな「おーっ!」

さわ子「それじゃあ、これに乗って! 今回のためにバスを借りたんだから!
試合場所は雷門中のコート! 行くわよ!」

梓「さわ子先生って大型免許を持ってたんですね」

さわ子「…まあね!」

律「おい! なんだよ今の間は!」

澪「嫌だー!乗りたくない!」

さわ子「冗談よ! ホラ早く乗って!」

紬「あらあら」

純「軽音部っていつもこうなの?」

梓「返す言葉もない…」

〜雷門中〜

唯「へえーここで試合するんだね!」

秋「雷門中へようこそ桜が丘高校の放課後イレブンのみなさんですね!
私は雷門中サッカー部のマネージャーの木野秋です!」

和「よろしくお願いね」

律「放課後イレブン?」

さわ子「あっチーム名は私が決めておいたから」

梓「また勝手に…」

澪「十一人いないし…」

春奈「桜が丘のみなさんチームメンバーをこの紙に書いてくださいね
あっ私、雷門中サッカー部マネージャーの音無春奈です!」

憂「はい、ありがとうございます
…書けました、どうぞ」

春奈「あれ? これって…」

夏未「どうしたの?春奈さん。あら?放課後イレブンは8人しかいないじゃない
これで私達、雷門イレブンと試合をしようと言うのかしら?」

春奈「夏未さん…あっこちらは雷門中サッカー部マネージャーの雷門夏未さんです」

和「夏未さんって言ったかしら、こちらの分の人数が足りない分には文句がないと思うんだけど?」

夏未「失礼だわ!我が雷門中サッカー部に人数が足らずに勝てると思ってるのかしら!?」

紬「勝てるわ…私達だってやれることは全てしてきたもの」

夏未「なっ! ふん! まあいいわ! 私達雷門中の強さを見せてあげるわ!」

紬「ええ、楽しみだわ でも私達も負けないわよ」

春菜「あっ夏未ちゃん! 行っちゃった…」

秋「すいません、夏未さんがご迷惑をおかけしました」

唯「大丈夫だよ!私達全然迷惑だなんて思ってないよ!」

春奈「あっみなさんすいません、試合までもう少しですので私達は行きますね!
今日は良い試合にしましょうね!」

純「よろしくね!」

〜〜雷門中サッカーコート〜〜
和「さてと試合まであとわずかになったけど
最後に相手の主なシュート技の復習をしておくわね」

唯「相手のストライカーは染岡くんと豪炎時くんだったよね!」

和「唯、良く覚えてたわね
染岡くんの必殺技はドラゴンクラッシュ、ドラゴンの力をまとったシュートを打ってくるわ」

純「豪炎寺くんの必殺技はファイヤートルネードでしたっけ 炎の力をまとったシュートで
威力はドラゴンクラッシュ以上だったんですよね」

澪「しかもこの二つの必殺技を合わせたドラゴントルネードっていう合体技もあるんだろ
これの威力は想像するのも怖いな」

梓「合体技と言えば円堂くんと豪炎寺くんの合体シュートイナズマ一号も怖いですね
キーパーなのにシュートに参加するなんて…」

純「相手のシュートの起点は豪炎寺くんなんですかね、壁山くんとの合体技の
イナズマ落としって技もありますし」

さわ子「今みんなが挙げてくれたシュートは全部すごく強いわ
ムギちゃん大丈夫?」

紬「大丈夫、みんながいるし、私だって負けたくないもの」

律「へへ頼りになる返事だな!」

憂「そろそろ試合が始まるみたいですよ」

さわ子「それじゃあみんな! 頑張っていくのよ!」

みんな「おー!」

円堂「あっ平沢さん! こんにちは!」

唯「あっ! 円堂くんよろしく!今日はいい試合にしようね!」

風丸「本当に相手は女子しかいないんだな」

壁山「みんな奇麗な人達ばっかりっすね…」

染岡「本当に人数が8人しかいないぜ、これで俺たちに勝とうっていうのか?」

律「こっちは負けるつもりはないぞ、試合してから判断するんだな」

染岡「けっ!言ってくれるぜ!」

和「みんな!コイントスの結果、雷門中からのキックオフになったわよ」

梓「まずはボールを奪わないといけないですね」

春菜「それではみなさん所定の位置についてください」


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最終更新:2013年08月05日 02:26