某スタジオ


梓「スタジオですか?」


澪「ほらっ、聞こえるだろ?」


梓「ドラムの音だ…まさか律先輩?」


紬「覗いてみろよ」

梓「はい」



律「ふう…なかなか上手く出来ないや」

律「で、でも頑張らないと!ぶ、部長だから」


律「あ、梓も入って来たんだし」


律「まだまだ頑張るぞ!」



梓「律先輩…」


唯「あれが、りっちゃんの凄い所であり部長に選ばれた理由ですよ」


澪「どうだ梓?律は凄い部長だろ?」


紬「さぁ、帰ろうぜ」


梓「一緒にやらないんですか?」


唯「りっちゃんの性格だから、誰かが居ると気を使ってしまいます」


紬「思う存分やらせてやろうぜ」


澪「帰る時には両親が車で迎えに来るから心配ないからな」


梓「はい、わかりました」





梓「私、律先輩が合宿したがる理由が分かりました」


唯「どんな理由ですか?」


梓「私達はもっとお互いを知る必要があるんです」


梓「一緒に同じ場所で同じ時を過ごして遊んだり練習したり喧嘩したり…」


梓「上手く言えないんですけど、もっと結束を強くして距離を縮めるべきなんだと思います」


唯「そうですね、その通りだと思います」


澪「そうだな、ぶつかり合ってこそ生まれる絆もある!」


紬「楽しみだな!合宿」




 合宿当日


律「み、皆揃ってるね」


唯「はい、大丈夫ですよ」


澪「ムギ、昨日は楽しみで眠れなかったんじゃないか?」


紬「そ、そんな事ねぇよ///」


律(眠れなかったんだ)


澪(図星だな)


唯(ムギちゃんらしいです)


梓(可愛い…)


律「じ、じゃあ出発だよ」


紬唯澪梓律「おー!」



 電車 車内


紬「ZZZ」


律「ほ、本当に眠れなかったんだね」


澪「ムギはこういうの好きそうだもんな」


梓「ムギ先輩は軽音部に入部したきっかけは何だったんですか?」


澪「ムギは合唱部と間違えたのがきっかけだったんだ」



 一年前


律「だ、誰も来ないね」


澪「大丈夫!必ず来る」


律「う、うん」


紬「あのー」


澪「入部希望ですか?」


紬「合唱部はここですか?」


澪「軽音部にはいりませんか?」


紬「い、いや合唱部にだな…」


澪「軽音部に入ろう!なっ?」


紬「だからさ…」


澪「軽音部はきっと楽しいぞー」


澪「かけがえのない3年間にしようじゃないか!」


澪「なっ?なっ?」

律「み、澪…そんな強引に誘ったら迷惑だって」


澪「そんな事言ってたら廃部になるだろ!」


律「む、無理矢理は良くないって」


澪「お願い!入って下さい」


律「澪、駄目だって!」


澪「うっ…ごめん律」


律「ご、ごめんね」

紬「…」


澪「すまない無理矢理誘ってしまって…」


紬「あのさ…」


律「ど、どうしたの?」


紬「仲間に入れてくれないか?」


澪「入部してくれるのか?」


紬「何か困ってるみたいだし」


紬「それに、何だか楽しそうだからな」

澪「ありがとうありがとう!名前は?私は秋山澪だ」


律「わ、私は田井中律


紬「琴吹…琴吹紬だ宜しくな」





梓「そうだったんですか」


梓「何が決め手だったんでしょう?」


紬「わ、私を必要としてくれたからだよ///」


律「お、起きてたんだ」


唯「ムギちゃんは軽音部に欠かせない人ですよ」


紬「私さ、こんなんだから友達も居なくてさ」


紬「仲良くしてくれても家柄を考えての上辺だけの付き合いだったんだ」


紬「一生懸命に誘ってくれて入ると言った時に二人とも凄く喜んでくれたのを見て…」


紬「私も凄く嬉しくなって」


紬「軽音部にずっと居たいと決めたんだよ///」


澪「ムギ、お前って奴は…」


紬「何だよ///」


澪「可愛いな~ムギは」だきっ


紬「や、辞めろよ///」


唯「本当に可愛いですねムギちゃんは」ギュッ


紬「だから離れろよ///」


律「よ、よしよし」なでなで


紬「うぅっ///」


澪「さぁ、梓も行くんだ!」


梓「ムギ先輩、可愛いー」だきっ


紬「///」


澪「本当は嬉しいんだろ?」


紬「うん///」


梓「唯先輩はどんな感じだったんですか?」


澪「唯はな…」


律「ゆ、唯は一度は断ろうとしたんだよ」




澪「律、入部希望者だぞ!」


律「ほ、本当?」


紬「これで人数が揃うな!」


澪「平沢唯さんって言ってギターが凄く上手いらしい!」


律「よ、良かった…丁度ギターが足りなかったから」



 部室外


唯「やっぱり家事と部活の両立は無理かもしれません…」


唯「それに私は全くの初心者、皆の足を引っ張ってしまうかもしれない」


唯「ちゃんと断る事にしましょう」


唯「失礼します」コンコン


澪「平沢唯さん?待ってたよ!入って入って」


唯「は、はい」


律「わ、私は田井中律です」


紬「私は琴吹紬だ宜しく」


澪「そして、私は秋山澪」


唯「平沢唯です」


澪「ギター凄く上手いんだってね!」


唯(何でそんな事に…)

律「こ、心強いです頑張ろうね」


唯「いや、そのですね…」


紬「お茶どうぞ」


唯「あ、ありがとうございます」


澪「いやー助かったよ!これで人数が揃って部活動出来るよ」


律「う、うんギターが入ってくれたら軽音部らしくなるね」

紬「ありがとな本当に」


唯(言えません…とてもじゃないけど言える雰囲気じゃありません)


澪「どうしたの?平沢さん」


唯「あ、あの…私断ろうと思って」


律「えっ…」


紬「何でだよ?」


唯「私の家は両親が留守がちで家事と部活の両立は難しくて…」


唯「それに、私は全くの初心者だから皆の足を引っ張ってしまうと思うんです」

澪「そっか…」


紬「でも、一度は入ろうと思ったんだろ?」


唯「はい、軽音部って何をする所かは分からなかったんですが」


唯「何か感じる物があったんです」


紬「じゃあさ、演奏だけ聴いてくれないかな?」


唯「演奏ですか?」

澪「うん、それで最終的に決めてくれて良いから」


唯「はい、わかりました」


律「い、行くよ?ワン・ツー・スリー」

紬「♪」


澪「♪」


律「♪」


唯(余り上手な演奏じゃないかもしれない…)


唯(でも、凄く楽しそう…)


唯(何でしょう?この熱い気持ちは)


唯(居ても立っても居られないです)


澪「どうだった?」

唯「あ、あの余り上手くないですね」


律「バ、バッサリだね…」


紬「ははっ」


唯「す、すいません!でも、皆さん凄く楽しそうです」


唯「何だか私、居ても立っても居られません」


唯「私、軽音部に入部します!」


唯「初心者だけど、一生懸命練習します!宜しくお願いします」


澪律紬「やったー」





梓「本当にバッサリですね」


唯「あの時はすいませんでした…」


紬「でも、唯ちゃんが入ってくれたから軽音部はスタートした訳だからな」


唯「そう言って貰えたら嬉しいです」


澪「見ろ!海だぞ」

律「き、綺麗だね」

紬「本当に綺麗だな」


唯「お魚たくさん居ますね」


梓「うわぁ~」


5
最終更新:2013年08月17日 02:42