澪「律、律!」ポンポン

律「zzz……んぁ……? らに~澪?」

澪「ほらっ、見ろあれ!」

律「……?」ムクリ


【00:00】カッチカッチ


律「まだ、こんな時間じゃないかよぉ……zzz」パタッ

澪「ちーがーうーだーろ!今日は何月何日だ?」

律「……8月21日」

澪「うんうん!何の日?」ワクワク

律「バニーの日か」

澪「」スパァンッ

律「あだっ」

澪「違うよな」

律「……私の誕生日です」

澪「りいいいいいつうううううっ!!!」ムギュー

律「く、首!しまってるしまってる!」

澪「お誕生日おめでとうだな!」

律「あ、ありがとう」

律「……もしかして、それを言うために日付変わった瞬間起こしたの?」

澪「お前の誕生日を最初に祝うのは私だと前世から決まってるからな」

律「うぇーい……」

澪「なぁなぁ、いくつになったんだ律?」

律「……分かってる癖に。てか、その聞き方親戚のおばちゃんみた……」

澪「」スパァンッ

律「いてっ」

澪「何歳だっけ?」

律「22歳になりました」

澪「じゃじゃーん!律のドラム型イチゴホールケーキー!」ドーン

澪「もちろん、ロウソクは22本あるぞ」メラメラ

律「ファイヤー!?」

澪「さぁ、ひと思いにふーって!」

律「ひと思いに消せる数じゃないだろ!」

澪「……ちなみに一度で吹き消せないと不幸が降りかかるとかなんとか」ガクブル

律「だったら、一度で吹き消せる数にしようよ!?」

澪「サバ読もうたってそうはいかないからな」

律「つっこむのも面倒臭ぇ……」

澪「つっこむのはもう少し後でな。さぁ早く早く!」

律「ちょっと待って」

澪「ほら、蝋が溶けちゃう」

律「……」

律「ふ、ふーーーっ!」フーッ


スゥ……


律「……消えた」

律「……消えた」

澪「……」

澪「ハッピーバースデー、律」

律「……うん。ありがと」

澪「今、ケーキ切り分けるから。コーヒーもいれてあるぞ」

律「ん」

澪「このケーキ、苦労したんだぞ。律のために昨日から……」

律「えっ、澪の手作りなの?」

澪「梓に並んで予約してもらったんだ」

律「そこは手作りであってほしかった。せめて、澪が並んで買ってきたものであってほしかった」

澪「唯の飲み捨てた紙パックのジュースあげるよって言ったらあっという間だった」

律「梓……というか、なんでそんなの持ってんだ澪」

澪「気の迷い」

澪「はいどうぞ」コトッ

律「おー」

律「あれ、フォークは?」

澪「私が持ってる」

律「なんだ、じゃあくれよ」

澪「」サッ

律「……意地悪か?意地悪なのか?」

澪「」サクッ

律「?」

澪「りーつ、あーん*」

律「は、はぁ?///」

澪「……食べないのか?お腹痛い?」

律「そうじゃなくて……」

澪「あーん*」

律「うー……」

律「はむっ!」パクッ

澪「美味しい?」

律「むぐむぐ……うん、美味いな」

律「クリームがしつこくないし、イチゴの酸味が後を引く感じで凄い美味しい」

澪「そうか、良かった」

律「これはムギのケーキにも負けてないぞ、マジで」モグモグ

澪「」チラッ

澪「……そろそろケーキに入れた薬が効いてくる頃合いか」

律「」ブーッ

澪「というのは冗談だけど」

律「こら」

澪「次は本命のプレゼントタイム!」

律「流すなよ!」

澪「そんなこと言ってられるのも今の内だぞ律?」

律「な、なんだよ」ビクッ

澪「ふふっ」

澪「これはちゃんと私が選んだんだ。律はこういうの好きそうだなーって」ガサゴソ

律「……へぇー、ちょっと楽しみだな」ワクワク

澪「『澪律愛のポエム集 よんばんめ!』」バーン

律「わーい(棒)」

律「(なんだよポエム集って。あと、よんばんめ!ってことは少なくとも残り3冊はあるのかよ)」

澪「『よんばんめ!』が今までで一番の傑作揃いなんだ。中でもこれなんかは……」

律「あとでゆっくり読むからいいわ」

澪「そうか……?はい」スッ

律「黄色と青のラッピングがとても素敵だよちくしょう」シクシク

澪「す、ストレートに褒められると照れるな。泣くほど嬉しいのか律///」テレテレ

律「最高のプレゼントだよ澪」シクシク

澪「はー、祝った祝った……さてと」

律「そっか、私お祝いされてたんだっけ。忘れてたよ」

澪「♪」カチッ

律「おい、いきなり電気消すなよ」

澪「……」ハラリ

律「!!!」

澪「律……」

律「みっ……みみみみみ……///」ドキドキ

澪「ふふふ……」ソーッ

律「(ち、ちかっ!顔近いっ!息かかってる!こ、これは……!)」

澪「……もう限界だ。おやすみ」パタッ

澪「zzz」

律「は?」

律「え?」

律「……」

律「は?」

澪「zzz」

律「こ、こここのやろう……散々、私を弄んどいて……!」

律「……」

澪「……えへへ……zzz」

律「でも、許しちゃうんだろうなぁ、私」

律「惚れた弱みってやつか」

律「なーんで、こんなの好きになっちゃったんだか」

澪「すー……すー……」スヤスヤ

澪「律……好き……」スヤスヤ

律「……」

律「……来年は覚えてろよ」チュッ



終わり。



最終更新:2013年08月21日 22:25