律澪「「はぁーっ！？」」
唯「あうう…」
紬「もう本番まで時間ないのに…」
澪「今から走って戻るのは無理だな…」
律「だー！高校ん時から成長してないなー唯は」
唯「どどどどうしよう…う、憂～」
律「憂ちゃんはおらん！」
紬「他のバンドと順番交換してもらうように言ってみようか？」
澪「もう始まっちゃってるし今更なぁ…頼みにくいと思う」
律「そうだ、誰かにギターを借りて…いや、そういや唯はダメなんだっけか」
唯「ギー太じゃないと弾けないよー…」
菖「おつかれー！どうしたの、なんかあった？」
律「おっ、今終わったとこか？お疲れ！」
澪「唯がギターを寮に忘れてきてな…」
幸「え、どうするの？」
晶「何やってんだか…こりゃ辞退か、唯が踊るしかないな」
紬「…！ そうだ、晶ちゃんのギターは唯ちゃんのと同じタイプよね？」
晶「！！！ お、おい」
律「お、そういやそうだったな。あぶねーあぶねー、助かったわ」
澪「なんとかなりそうだな…よかった」
晶「おい！ロザリーは絶対貸さないからな！？」
唯「…」ｳﾙｳﾙ ｼﾞｰｯ
晶「そんな目をしても無駄だ！」
幸「貸してあげなよ」
菖「そうだそうだー、晶のケチー」
律「そうだそうだー」
晶「お前ら…！」
紬「ほら、唯ちゃん」
唯「うん…晶ちゃん、いっしょーのお願いです！ロザリーちゃんを貸してくだせぇぇぇ…」
晶「勝手にちゃん付けするな！あとお前の一生の願いはあてにならん！！」
晶「…仕方ないな…」
唯「！！ 晶ちゃーーん！！！」ｶﾞﾊﾞｯ
晶「うわ！？やめろー！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ
澪「ほっ…よし、音出し始めよう」
――本番
唯「みなさんこんにちは、放課後ティータイムです！」
菖「唯ちゃんに黒いギターもなかなか似合ってるね」
晶「どこがだよ…キャラに合ってないだろ」
幸「それがむしろギャップがあっていいかも」
唯「それでは聴いてください、ふわふわ時間！」
＼ﾍﾁｮ～ﾝ／
晶菖幸「「あぁ……」」
――本番後
唯「うう～ごめんなざぃ～」ｳﾙｳﾙ
澪「同じレスポールでもダメだったか…」
律「ま、しゃーないな。他の楽器だったらまともに弾けすらしなかったし」
紬「ミスはあったかもしれないけど、ちゃんと形にはなってたわ♪」
菖「お疲れー！まぁ残念だったね！」
幸「唯ちゃんドンマイ」
唯「ぐさぐさっ…」
晶「唯…」
唯「晶ちゃん…貸してくれてありが――」
晶「お前はなあ！？いくらなんでもあれはないだろ！？私のロザリーに恥をかかせやがって！？だいたいお前はいつも――」ｶﾞﾐｶﾞﾐ
唯「ごめんなざぃ～～」
律「あちゃー、こりゃしばらく止まんないな」
澪「唯も珍しく凹んでるな。さすがに堪えたか…」
菖「ほーら、晶そんぐらいにしときなって！」ｹﾞ ｼｯ
晶「ぐはっ！？…あー、なんだ、もう忘れないように気をつけろよ。ほら、ロザリー返せ。じゃぁな」
唯「あ、待って！」
晶「…なんだ」
唯「ありがとう晶ちゃん。ロザリーちゃん、上手くひけなかったけど…その子も可愛いね！」
晶「なっ！？か、可愛いとか言うな！かっこいいだろ！？てかお前、浮気か！？ギー太とかいうやつはどうした！」
唯「違うよ～、でもまた弾かせてほしいなぁ」
晶「二度とやらん！じゃあな！」ﾀﾞｯ
唯「あーん待ってよー」
紬「…唯ちゃんが浮気…！？」
――寮
晶「あー、疲れた…」
晶「あれ…唯の部屋、鍵どころかドア開けっぱなしじゃないか…」
晶「どうせ寝坊して慌てて出てきてギター忘れたとかだろ。まったく」
晶「…ん？あれが…ギー太か…」
晶「…ちょっとお邪魔するぞ」ｷｨ…
晶「どれどれ」ｼﾞｬｰﾝ
晶「うわ、メンテしてないな唯のやつ…状態悪すぎだろ」
晶「…」
晶「おい、ギー太とやら」
晶「お前は大変だな、あんなバカなやつに使われて」
晶「え？それでもいいんだって？」
晶「唯ちゃんが僕を大切にしてくれるからって？ハッ、大切のベクトルが違いすぎだろ」
晶「弦はボロボロだし、なんか顔押し付けたみたいにベタベタだし、これ布団に一緒に入っただろ、糸やら髪の毛やら付いてるし」
晶「そういうとこを直してもらうようにご主人様に言うんだな。それで初めて、大切にしてるって言えるんだ」
晶「そうすりゃ、ギー太、お前ならもっといい音出るだろ。私が保証する。なんたって、私のロザリーと同じなんだからな」
晶「ん？ロザリーには負けないって？ハッ、それはないな。技術はまだまだだ。でも、まぁいい勝負なんじゃないか？お前はちょっとトリッキーな音を出すからな、面白い奴だとは思う」
晶「まぁせいぜい頑張ってくれ」ｼﾞｬｰﾝ
晶「へぇ…なかなかいい音じゃ――」
晶「――！！」
菖「」ﾆﾔﾆﾔ
幸「」ﾆﾔﾆﾔ
晶「お、あ、こ、これはな！唯のやつが余りにも……！！」
紬「不倫の予感かしら…！！」
晶「うわぁ！？ムギいたのか！？」
唯「ただいまー…あ、晶ちゃんだ！！ずるいよー晶ちゃんロザリーちゃんには触らせてくれないのにギー太を独り占めしてー」
晶「い、いや、これはだな…」
菖「唯ちゃん唯ちゃん、晶ったらギー太と会話してたんだよー？」
唯「おお！晶ちゃんもギー太が好きなんだねー！」
晶「くそう…めんどくさくなってきたな」
唯「ねぇ、またギー太とロザリーちゃん交換しようよ！もっと弾けるようになりたいなぁ」
晶「あー、わかったよ。仕方ないな…ただし！！お前にはギー太のメンテナンスをしっかりしてもらう！！それができるまでロザリーには触らせ ん！」
唯「ええーっ！？あ、えーとやっぱり私ギー太がいいかなぁ～」
晶「逃げるな！今からみっちりメンテを教えてやる！」ｽﾞﾙｽﾞﾙ
唯「あ～れぇ～…」ｽﾞﾙｽﾞﾙ
菖「ま、めでたしめでたしってやつ？」
おわり
最終更新：2013年10月11日 07:16
