唯「そういう事なんでりっちゃん、私けいおん部やめるね～」
梓「へ？」
律「は？ちょ、おま急に何言ってんだよ」
唯「だってあずにゃんは後輩にしか興味無いみたいなんだもん、このままダラダラとここにいる意味は無いのです」
律「なんじゃそら。梓にしか興味無くて私等の事はどうでもいいってか？もういい勝手にしろー」
紬「ま、待って唯ちゃん！ほら！お菓子だってあるわ！だからやめるなんて言わないで」
唯「ムギちゃんごめん、もう決めたの。お菓子くらいでこの決心は揺らぐほど甘くないんだよ、お菓子くらいでね！」ﾌﾝｽ
紬「がーん！？」
澪「そんな…唯がお菓子を克服するなんて…このお菓子甘いのに」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ
唯「後で食べるから置いといてね。じゃあねみんな、ばいばい」
ガチャ バタン
梓「……い、行っちゃった」
梓「あ、あの…追いかけなくて良いんですか？」
律「いいよいいよどうせすぐ戻ってくんだろ、ほっとけほっとけ」
梓「はぁ」
律「はあ～お茶うっめ、ムギおかわり頂戴」
紬「はーい」
澪「あ、ムギ私もいいかな」
紬「喜んで～」
梓「……」
ガチャ
唯「すいません！けいおん部に入りたいんですが！」
梓「唯先輩！？はやっ！？帰ってくるのはやっ！？」
律「けいおん部に入りたいんですか、どうぞどうぞ」
澪「丁度いま一人やめたところだったから大歓迎だ」
唯「わーい」
梓「え、何この流れ」
紬「良かった～、これで梓ちゃんにも後輩が出来たね～」
梓「いや、これ先輩ですし唯先輩ですし」
律「なーに言ってんだ、唯は今入った新入部員だろ。梓の方がけいおん部の中じゃ先輩じゃんか」
唯「そうッスよあずにゃん先輩！敬語とかいらないっす！タメ口で結構でやんす！」ｷﾞｭｯ
梓「ちょっ！？ゆ、唯先輩」
唯「もう、先輩じゃないってば～唯って呼んで欲しいっすあずにゃん先輩！」ｽﾘｽﾘ
梓「……」
唯「あ、あれ？あずにゃん先輩？」ｽﾘｽﾘ
※作者別
梓「…もう、唯ったらっ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
唯「えへへ、あずにゃん先輩」ﾃﾚｯ
梓(やっぱりやめようかな…)
律「いよ、あずにゃん先輩っ！」
紬「梓ちゃんも先輩として似合ってるわよ～」
澪「梓は真面目で面倒見もいいからな」
唯「あずにゃん先輩、色々教えてくだせえ」
梓「えと、…ま、任せるです！」
唯「あずにゃんせんぱーいっ！」ﾀﾞｷｯ
梓「えへ…いい子いい子…」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
梓(どうしよう、勢いで乗っちゃったけど…)
唯「あれ、私の食べるお菓子が…ないよお」ｸﾞｽﾝ
梓(今は先輩だし…私の分を分けて上げなきゃ)
梓(私もまだ殆ど食べてないけど…)
律「お菓子がないのか、困ったな～」ﾌｷﾌｷ
梓「…」ｷﾞﾛｯ
律「いやいや、可哀想だよな本当に」ｱｾｱｾ
梓「しょうがないですね…唯、私の分だけどどうぞ」
唯「本当にいいんですかあずにゃん先輩っ！」ﾊﾟｱｱｯ
梓「勿論、愛おしい後輩の為だしね」
唯「ありがとーっ！！」
梓(ホントにかわいい……///)
澪「じゃあそろそろ練習するか」
梓「練習の時間だよ唯っ」
唯「ええ、あずにゃん先輩もう少しだけ…」
梓「そんな事言ってたら日が暮れちゃうよ？ほらっ」
梓(ここは先輩としてリードしなきゃ…)
唯「あずにゃん先輩…」ｳﾙｳﾙ
梓(うﾞっ……そんな目で見られると…)
梓「とにかく、今は練習の時間なの！」ｽﾞﾙｽﾞﾙ
唯「え～～っ」
梓(はあ…危なかった)
唯「あずにゃん先輩、ここが分からないんですがっ」
梓「うんと、ここはね…中指をこう移動させると弾き易いんだよ」
唯「お～っ…さすがはあずにゃん先輩！」
澪「梓は元々腕が良かったからな」
梓「それほどでも……///」
梓(いいなあ、この感覚…)
唯「あﾞあっ！あずにゃん先輩、今度は弦がっ！」
梓「はいはいもう、唯は手が焼けますね」ﾆｺｯ
律「今日はそろそろ帰るか～」
澪「そうだな。律、ちょっと律の家の近くで買い物がしたいんだけど付き合ってくれないか」
律「おお、澪も遂に私の後輩になってくれるのか～」
澪「真面目にやれっ、先に行くからなっ！」
律「待ってよ澪しゃあああん」ﾊﾞﾀﾝ
唯「お腹の調子が…」
梓「大丈夫、唯！」ｶﾞﾀｯ
唯「はい、大丈夫ですあずにゃん先輩…」ﾖﾛｯ
梓「トイレまで付き添ってあげようか？」ｻｽｻｽ
唯「ありがとうあずにゃん先輩…」
梓「練習中でも無理して我慢したりしちゃ駄目だよ？」
唯「いやあ、集中し過ぎちゃってて…でもあずにゃん先輩の手が暖かくて少し気が楽になるかも」
梓「…もう、変な事言ってないで早く行くからねっ！」
梓「はぁ……」ﾊﾞﾀﾝ
紬「お疲れ様、梓ちゃん」
梓「それほどでもないです…」
紬「でも梓ちゃん、ちょっと無理してない？」
梓「そう見える…でしょうか…」
紬「うん、ちょっとだけ……あんまり無理はしすぎないでね」
梓「はあ…(私はあんまりそんなつもりは無かったけどな)」
唯「あずにゃん先輩お待たせ～っ！」
梓「大丈夫だった唯？…今日は家まで送っていこっか」
唯「あずにゃん先輩って意外とﾀﾞ・ｲ・ﾀ・ﾝ？」ﾎﾟｯ
梓「いいから来るですっ！…///」
梓「もう…今日のはどういうつもりだったんですか」
唯「それはあずにゃん先輩の喜ぶ顔が見た一心でやってみた次第です！」ﾌﾝｽ
梓「へ、へえ……(まだ終わりじゃないんだ…ま、いっか)」
唯「あずにゃん先輩はどんな気分ですか」
梓「まあ何というか、ちょっと手が掛かるけど、可愛い後輩が出来て嬉しいというか…」
唯「あずにゃん先輩っ！」ﾀﾞｷｯ
梓「ちょっ…こんな人通りの多いとこで何やってるんですか！///」
ｶﾞﾁｬ
唯「ただいま～」
梓「おじゃましま～す」
憂「お帰りお姉ちゃん。あ、梓ちゃんも一緒だったんだ」
唯「折角だから上がって行ったらどうですかあずにゃん先輩？」
梓「もう唯ったら……っ」
憂「……？梓ちゃんも上がって行っていいよ」ｷｮﾄﾝ
梓「あ、ありがとう…まあこの呼び方はちょっと色々あって」
唯「先輩、早くぅ～～！！」
梓「そんなに急かさなくてm憂「あ、お姉ちゃん今その部屋は散らかってるからダメーっ！！」
憂「へぇ～、そんな事があったんだ」
梓「でね、いざ後輩になったら本当に色々私に任せてきてさ…」
唯「えへへ、面目ないですぜ先輩……」
憂「お姉ちゃんって本当に梓ちゃんの事が好きなんだね～」
梓「ちょっと、憂！？」
唯「あずにゃん先輩は私の女神ですから！」ﾀﾞｷｯ
梓「もう本当に唯は……」ﾃﾞﾚﾃﾞﾚ
憂「あ～、梓ちゃんだけずるいよ～」
唯「勿論憂の事も大好きだよっ！」ｷﾞｭｯ
憂「お姉ちゃんあったか～いっ」
梓「あはは…」
憂「丁度いい時間だし梓ちゃんも食べていかない？」
梓「ええ、私は別にそんな…」
唯「あずにゃん先輩と同じ釜の飯を食べてこそ一人前です！」
梓「何言ってるの…まあいいや、憂、お世話になるね」
憂「任せて～っ！」
唯「憂のご飯は最高だよ～。今日はオマケにあずにゃん先輩まで付いてるし！」
憂「それほどでもないよ…」
梓「そんな事ないよ！やっぱり憂って料理上手いよね」
憂「梓ちゃんまで…二人ともありがとう」
唯「憂、ご飯おかわり～」
憂「は～いっ」
唯「憂みたいな可愛くて何でも出来る妹が居てくれて本当に良かったよ～」ｽﾘｽﾘ
憂「私もお姉ちゃんみたいな暖かい人が居てくれて嬉しいな～」
梓「……」
憂「どうしたの、梓ちゃん」
梓「何でもないよ、ご馳走様」
憂「お姉ちゃ～ん、お湯加減どう～」
唯「大丈夫だよー、うい～～」
梓「……」ﾁｬﾌﾟﾝ
唯「あずにゃん先輩、さっきから暗いっすね」
梓「私ってやっぱり、先輩向きじゃないのかな…」
唯「それはないと思いますぜ、あずにゃん先輩ほど面倒を見てくれる先輩は居ませんし」
梓「ふふ、ありがとう、唯……はぁ」
唯「あずにゃん先輩…？」
梓「ないでもないよ、ただ……」ﾌﾗｯ
唯「あずにゃんっ！？」ｷﾞｭｯ
梓「えっ……」ｸﾗｯ
憂「お姉ちゃん、一緒に入ってたんだからちゃんと見ててあげないとダメだよ～」ﾒｯ
唯「ごめんね憂、あずにゃんと話すのに夢中になっちゃって…」
梓「んん……」
憂「あ…気が付いた？」
唯「あずにゃん、ごめんね～…」
梓「え…私……」
憂「お風呂で気絶しちゃってたんだよ、梓ちゃん」
唯「こう突然クラっと倒れ掛かってきたから私が抱きとめました！」ﾄﾞﾔｯ
憂「もう、お姉ちゃん？」
唯「すみませんでした…」
梓「そんな、私が勝手に倒れただけだから気にしなくていいよ…」
憂「梓ちゃん家には今晩泊まりますって伝えてあるから…あっ、私氷用意して来なきゃ…」ﾊﾞﾀﾝ
梓「唯……いや、唯先輩」
唯「あずにゃ…ん？」
梓「ふふ、やっぱりその呼び方の方がしっくり来ますね」
唯「そうだね…、色々変な事しちゃってごめんね～」
梓「私、お風呂で気を失う直前の、唯先輩が抱きしめてくれた時の感覚が忘れられなくて…」
唯「あずにゃん…」
梓「だから、これからも、また…」
唯「ふふ、そういうお願いなら」ﾜｻｯ
梓「…っと、今はさせません」ｽﾙｯ
唯「ええ～、あずにゃんのいけずぅ～」
梓「ですけど……」ｷﾞｭｯ
唯「！？…あず…にゃん？」
梓「たまには、私の方から抱きついてもいいですよね…後輩なんですから」
～fin～
最終更新：2013年11月11日 01:51
