ピーッピーッ
梓「?」
純「あっ、ごめん私」
憂「腕時計?」
純「そ。よく分かんないんだけど日付変わるときに鳴るんだこれ」
憂「そうなんだ」
梓「……変わったんだ、日付」
純「……」
梓「……」
純「おい」
梓「ぅあ……ご、ごめん」
純「もー」
梓「……」
憂「――あったかいお茶、もう一杯欲しいな。梓ちゃん、お願いできる?」
梓「ん、あ、うん」
憂「教えてくれたら私が淹れるよ」
梓「い、いいよ。私の家なんだし……」
憂「じゃあ一緒に、ね?」
梓「う、うん」
純「寝れそうなやつがいいなー、なんだっけ、ハーブティー?」
梓「そんなのないし……あっても自分で淹れてよね」
純「にしし」
梓「憂、そこにお茶っ葉あるから」
憂「この棚?」
梓「うん、憂の好きなの淹れていいよ」
憂「うーん……あっ、じゃあ、こぶ茶とか」
梓「ほんとに……?」
憂「えへへ。純ちゃん飲んだらびっくりするかなーって」
梓「憂、たまにそういうイタズラするよね」
憂「そうかな?」
梓「慣れないうちはほんとにびっくりさせられたよ……」
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憂「おまたせ~」
純「待ちかねたぞー。ハーブティーあった?」
梓「はいはい、どうぞ」
純「ご苦労!っていうかあるんじゃんハーブティー」
梓「えらそうだなあ、人ん家で」
純「苦しゅうない苦しゅうない……ん゙ぶっ」
梓「うわっ」
純「げほ、ぐぉ……なんだこれ」
梓「ハーブティーだよ?純がほしがってた」
純「うそつけ……だってなんか、しょっぱいっていうかなんていうか」
梓「おっかしいなあ。こんぶもハーブも似たようなものでしょ、ね、憂?」
憂「ね~」
純「お・ま・え・らー!」
梓「色とかにおいで気付かなかったの?」
純「だってハーブティーなんて飲んだことないし……」
憂「こぶ茶嫌いだった?」
純「嫌いじゃないけど……でもびっくりした。目、覚めちゃったじゃん」
憂「体あったまるからまたすぐ眠くなると思うよ。しょうが湯もちょっと混ぜてあるし」
梓「しょうが湯だけだとからいけど、混ぜると美味しいね。余ってたのもなくなりそう」
純「ん……ほんとだ。なんかカッカする」
憂「体あったかいうちにお布団入っちゃお?」
純「そうだねー」
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梓「……」
憂「ふふ。もう寝ちゃった」
純「泣くと疲れるっていうし、ね」
憂「……そうだね」
純「うへへ。寝顔すっごい子供っぽい。えい」
憂「お、起きちゃうよ」
純「だいじょぶだいじょぶ。うわほっぺたもちもちして……」
梓「……なにしてんの」
純「おわっ!」
梓「寝てないからね、ちょっと目つぶって静かにしてただけで」
純「そ、そっか……」
梓「純。憂も。私もう――大丈夫だから」
憂「梓ちゃん……」
純「……ほんとに?」
梓「うん、心配かけてごめん」
純「まあ、お安い御用だけど」
梓「あ、あのね、あのねっ!別に寂しくなって泣いたわけじゃなくってっ」
憂「あ、梓ちゃん?」
純「皆まで言わなくてもいいぞ?」
梓「だ、だって恥ずかしいじゃん!祝ってもらって嬉しかったのに、二人が帰るってときに泣いちゃうなんて、子供じゃあるまいし……」
純「皆まで言った……」
梓「あのね、違うの。お祝いしてもらえたのがなんだか、毎年以上にすっごく嬉しくて、すごく幸せだなって思ったのに終わっちゃうんだなって思ったら、思ったら……」
純「泣けてきた、と?」
梓「まあ……その、うん……」
純「つまり寂しくなって泣いたってことじゃん」
梓「ちがっ、そ、そんな単純な話じゃなくって!」
憂「……ふふっ」
梓「わ、笑わないでよ憂!」
憂「ううん。いいんじゃないかな。寂しくなっても」
梓「でも、私だってもう子供じゃないんだよ……」
憂「子供じゃなくっても。寂しくなっちゃうことなんて誰にだってあるよ」
梓「憂……」
憂「私、梓ちゃんが泣いちゃうくらい大切に想ってくれてるって知れたのは嬉しかったよ?」
純「私も。照れくさいけどね」
憂「私たち、ずっと梓ちゃんのそばにいるよ。だいじょうぶ、寂しくないよ」
梓「……」
純「おおう、私も入ってるよねそれ……いやまあ、うん、憂の言うとおりだけど」
梓「……う、そういうこと言われると、一回決壊した涙腺が……やば……」
純「あはは……ま、悲し涙じゃないんなら、気が済むまで泣いたらいいんじゃない?さっきも言ったけど、泣くと疲れてよく眠れるんだよね」
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純「……今度こそ寝た?」
憂「……そうみたい」
純「そっか。あ、ちなみに」
憂「?」
純「さっきのやつには続きがあってね。泣くと疲れてってやつ」
憂「よく眠れる……の、その次?」
純「そうそう。まあ当然っちゃ当然なんだけどさ。よく眠れるってことは、すっきりするんだよ――体はもちろん、心もね」
憂「そっか……じゃあ明日は、」
純「うん。きっと梓もすっきりしてるよ。おやすみ、憂」
憂「うん。おやすみ、純ちゃん、梓ちゃん」
梓「……んにゃ」
純「お、返事した」
梓「すむ……さい……」
純「はは……寝てんだよね、これ?」
終わりです。
当日投下はできないかなーなんて考えていたら誕生日祝いSSぽくない
祝う気あるんだかなんだかなんだかよく分からない話に…
ともあれ誕生日おめでとうあずにゃん
ではまた
最終更新:2013年11月12日 03:37