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「ねえねえ、りっちゃん、梓って誰なの?」


六日目(仮)。
菖にどう話を切り出そうか悩みながら眠りに就いて、
目を覚ました途端、私は食い入るように菖に問い詰められていた。
いきなり何が起こってるのか分からない。
私は寝惚け眼と半覚醒の頭を抱えながら、どうにか訊ね返してみる。


「何の話だよ……?」


それが消え入るような言葉だったせいか、菖が頬を膨らませて私の頬を軽く抓った。
抓られた場所は痛くなかったけど、何だかちょっと不機嫌そうだ。
何かあったんだろうか?
綺麗な金髪を揺らして、菖が不機嫌そうに続ける。


「寝言で何度も梓って呼んでたよ?
「梓、その水着似合ってるぞー」とか、
「梓ったらまた真っ黒に日焼けしちゃって」とか。

ねえねえ、誰なの?
ひょっとしてりっちゃんの本命の子だったりして?
駄目だよ、りっちゃん!
澪ちゃんって相手が居ながら浮気なんて!」


「どうしてそうなる……」


頭を掻きながらぼやくみたいに呟く。
何でこいつは女子高にそんなイメージを持ってるんだ……。
それにしても、私も寝言を言っちゃってたのか。
高校時代の事を懐かしく思ってたから、それでまた夢に見ちゃったのかもしれないな。
しかも、何故か合宿の時の事を。
まあ、今年は海じゃない合宿になっちゃったから、それが心残りだったのかもな。

ともあれ、これはちゃんと説明しないと、菖も納得しそうにないな。
私は二回自分の頭を叩いて、意識をちょっとだけはっきりさせてから口を開いた。


「言ってなかったっけ?
梓ってのは、高校時代の軽音部の後輩だよ。
小さくて生意気だけど、ギター担当で結構頼りになる奴だったな」


「「水着が似合ってる」とか言ってたのは……?」


「ああ、梓とは海に合宿に行ってたりもしたからな。
それでそういう寝言が出ちゃったんだろうけど……。
つーか、何でそんなに梓の事が気になってるんだよ?」


「だって、りっちゃんの口から聞き覚えの名前が出て来たんだもん。
そりゃ気になるよー?」


「そういうもんか?
まあ、そんなわけで梓はうちの軽音部の後輩だよ。
今は部長として軽音部を引っ張っててくれてるはずだと思うぞ。
答えはこんな所で満足か?」

私としては完璧な応対をしたつもりだったけど、
菖はまだ納得のいってない様子で頬を膨らませたままだった。
何がそんなに不満なんだ……。
上目遣いに私の瞳を見つめながら菖が続ける。


「梓ちゃんって子はりっちゃんの本命じゃないんだよね?」


「本命とか何の話だよ……」


「答えてってば」


「あ……、ああ、そうだよ。
大切な後輩だけど、本命とか恋する相手とかそういうんじゃないぞ。
寝言に出ちゃったのは、単に高校時代が懐かしくなったから、ってそれだけだと思う」


「本当に?」


「本当だって」


私が言うと菖はまたしばらく私の瞳を上目遣いで見ていて、
十秒くらい経ってからやっと安心したような微笑みを浮かべて言った。


「よかったー、りっちゃんが浮気してなくて。
りっちゃんには澪ちゃんって決まった相手が居るもんね。
澪ちゃんを悲しませるような事をしちゃ駄目だよ!」


また澪の話だった。
澪の事は私だって大好きだけど、本命や恋する相手としてって意味じゃない。
幼馴染みとして好きなんだ、って菖にはもうここに閉じ込められた初日に伝えてるしな。

でも、やっぱりどうにも菖は澪の事を気にし過ぎだった。
寝言でも口にしてた事だし、よっぽど澪の事が好きなんだろう。
それが恋愛対象としてなのかどうかは分からないけど、
これからの私達の未来のためにも確認しておいた方がよさそうだ。
もしも菖が澪の事が大好きでまた会いたいって言うんなら、
この空間からの脱出法を何が何でも探す方向で動いた方がいいだろうしな。

にしても、こんな恋バナなんてあんまりした事無いから、ちょっと緊張するな……。
私は二回深呼吸をしてから、真剣な表情を菖に向けて口を開いた。


「なあ、菖。
私が寝言で梓の名前を呼んでたみたいだけどさ、
菖だって寝言で私達のよく知ってる奴の名前を呼んでたぞ?」


「えっ、本当? 晶とか幸とか?」


「ああ、晶と幸の名前は確かに呼んでたよ。
でもな、意外な名前も菖の口から出て来たんだ。
ひょっとしたらだけど、菖はそいつの事が好きなんじゃないか?」


「だ……、誰かな……?」


菖が顔を真っ赤にして私から目を逸らす。
その菖の様子で色恋には疎い私にも分かった。
誰なのかはともかくとして、菖には好きな誰かが居るんだって。
追い詰めるみたいで気が進まかったけど、これからのためにも確認しておくべきだ。
私はわざとニヤリと笑って、何でも無い事のようにその名前を言ってやった。

「菖が寝言で名前を呼んでた奴……、何とそれは澪だったんだぜ!
それで思ったんだけど、私じゃなくて菖の方こそ澪の事が好きなんじゃないか?
付き合いはまだ短いし、何処が好きになったのかは分かんないけど、でも、澪はいい奴だよ。
私が保証するぞ!」


言い終わった後、私は自信満々に胸を張った。
恋愛の事には詳しくない私だけど、この答えには自信がある。
いつも澪の事を気にしてた菖、寝言で澪の名前を呼んでた菖。
ここまで証拠が揃えば間違いない。
菖の好きな相手は澪だったんだ。
何処を好きになったのかは分かんないけど、高校時代はファンクラブもあった澪なんだ。
何処かしら好きになる要素があったのかもしれない。
……と思っていたのに、菖はちょっと溜息を吐きながら口を開いていた。


「違うってば、りっちゃん……。
澪ちゃんの事は友達として好きだよ?
どうして寝言で呼んだのかは分かんないけど、私の好きな相手は澪ちゃんじゃないんだよね」


「……ありゃ?
いや、菖はマジで澪の事が好きだと思ってたんだけどなあ……。
でも、本当かよ?
私に遠慮しなくてもいいんだぞ?
前も言ったけど、私は澪の事を幼馴染みとして好きなだけで、恋する相手ってわけじゃないんだ。
だから、菖の恋が成就するかどうかはともかく、澪の事は好きでいていいと思うぞ?
もし振られたら、私が残念パーティーを開くしさ!」


「だからー……、違うんだってばー……」


菖が悲しそうな表情になって絞り出すように呟いた。
この菖の様子を見る限りじゃ、澪の事が好きだと思ってた私の考えは間違ってたみたいだ。
おかしいな……、絶対そうだと思ってたんだけど……。
澪の事をあんなに気にしてたのに違うとかどういう事なんだ?
私が首を捻っていると、菖が軽く苦笑して私の頭に手を置いた。
その瞳は何処か潤んでるように見えた。


「もー……、りっちゃんてばひどいなあ……。
わざとなの? 天然なの?
とっくの昔に気付かれてる気がしてた私が何だか間抜けじゃん……」


「天然……なのか、私?」


私が訊ねると、菖が更に瞳を潤ませて私の瞳を正面から見据えた。
頬を赤く染めて、迷いと決心を同時に抱いてるみたいな表情をして。
菖は、その話を始めた。


「こんな話をされても、りっちゃんは迷惑かもしれないって思ってたから言えなかったんだ。
でもね、勘違いされたままってのも嫌だから言うね?
私が澪ちゃんの話ばっかりしてたのはね、
りっちゃんは澪ちゃんの事を気にしてるはず、って思ったからなんだよね」


「私が……、澪の事を……?」


「あっ、まだ気付いてないなー。
それがりっちゃんのいい所でもあるんだけどねー。
もしかしたらだけど、寝言で私が澪ちゃんの名前を呼んじゃったのも、それが理由かもね。
澪ちゃんの大事な幼馴染みの傍に私が居てごめんね、って心の何処かでそう思ってたのかも。
だから、澪ちゃんの名前を寝言で呼んじゃってたのかもしれないね」

流石にそこまで言われて気付かないほど、私だってそんなに鈍くない。
でも、どう反応していいか分からなかった。
こんなの想像もしてなかったんだから。
急に心臓が変に動きを速めていく。
結局、それから私が出来たのは、自分自身を指し示して首を傾げる事だけだった。

失礼な行動だったかもしれないけど、菖はそんな私を見て笑ってくれた。
頬を染めながらも、何処かすっきりした笑顔で話を続ける。


「うん、そうだよ。
私の好きな人はりっちゃんなんだよ。
りっちゃんったら全然気付いてなかったみたいだけどね。
ごめんね、こんな形で伝える事になっちゃって……」


綺麗な金髪を輝かせて、同じくらい輝く笑顔を菖が見せた。
ずっと内緒にしてた事を言葉に出来て、どんな形でも清々しい気分になれたんだろう。
軽く苦笑を浮かべる。


「参っちゃったなあ……、
こんな事が無かったらずっと内緒にしてるつもりだったんだけどね。
私の気持ち、迷惑だったらちゃんと言ってくれていいからさ」


私は言葉を失って、菖の瞳をただ見つめる。
何て言えばいいんだろう。
こんなの完全に想定外だ……。
私の無言を悪い意味に受け取っちゃったんだろう。
表情を曇らせて、菖が掠れた声を絞り出した。


「ごめん……ね?
やっぱり迷惑だった?」


「いや、迷惑ってわけじゃないんだけどさ……」


即答しちゃってたけど、それは私の本音でもあった。
予想外だけど、困ってるわけじゃない。
驚いてるけど、迷惑なわけじゃない。
自分でもこの感情をどう表現していいのか分からない。
でも、黙ったままで居るなんて、そんなの想いを伝えてくれた菖に失礼だ。
そんな事、しちゃいけないよな。
私は自分でよく実感出来るくらい戸惑いながらも、思った事を何とかそのまま口にした。


「どうして、私なんだ?」


それが私の中で一番強くなってる思い。
菖の事は勿論友達として好きだ。
一緒に居ると楽しくて、面白くて、退屈しない。
寮でお互いの部屋に隠れて泊まったのなんて、一度や二度じゃない。
菖も私と同じ様に考えてくれてるはずって、自意識過剰かもしれないけど思ってた。
だからこそ、分からない。
菖が私の事を好きだって言う理由が。


「私じゃ駄目って事かな?」


残念そうに菖が呟いたから、私は慌てて首を横に振った。
私が言いたいのは、伝えたいのはそういう事じゃない。
上手く伝えられる自信は全然無い。
でも、伝えなきゃいけないから、私はまた口を開いて言葉を菖に届けた。


「駄目とかそういう事じゃなくて、単純な疑問だよ、疑問。
だってさ、そんな素振りは全然無かったし、私達、まだ知り合って半年くらいだぞ?
女同士だからそういう事を考えもしなかったってのもあるけどな。
まあ、その辺の議論は置いとくとして、
普通は好きになるんなら晶とか幸とか……、
そういうずっと自分の傍に居た奴とかなんじゃないか?」


「晶と幸は友達だよー、りっちゃん。
二人の事は大切だし仲間だと思ってるけど、恋する相手ってわけじゃないんだよ。
大体、それを言うんだったら、
りっちゃんこそ澪ちゃんに恋してなくちゃいけないんじゃない?」


「それもそうだな……」


「恋ってね、出会ってからの長さとか関係ないって思うんだ。
自分でも分からない内に落ちちゃうものなんだよ、きっと。
私だってまさか自分が同級生の女の子の事を好きになるなんて思ってなかったもん。
高校の頃まではクラスで騒がれる男子の事とか気になってたしね。
勿論、付き合うどころか好きだったわけでもなくて、
皆が騒いでるから何となく気になってるってだけだったんだけど。

だからね……、こう言うのも恥ずかしいけど、
こんな気持ち、りっちゃん相手が初めてなんだよね」


「そう……なのか……?」

私は照れ臭くなって自分の頭を強く掻いた。
不格好かもしれなかったけど、仕方ないじゃないか。
こんなの私だって初めての経験なんだ。
女子高出身だし、同級生から告白された経験なんて勿論無い。
放課後ティータイムの皆の事は大好きだけど、それは恋愛感情とは違うと思うしな。
考えてみりゃ、今の今まで私は特に恋とか関係無く生きて来たのかもしれない。
だからこそ、どうしていいか分からなくて、私はまた菖に間抜けな質問を投げ掛けてしまっていた。


「どうして、私なんだ?」


さっきと同じ言葉の質問だったけど、結局はそれに尽きた。
私が誰かから好きになられる理由が全然思い付かないんだよな。
好きだと言ってくれるのは嬉しいけど、理由も分からず好きだと言われても何だか不安になる。
好きだって言葉に理由を求める事自体が間違ってるのかもしれない。
菖に凄く失礼な事を言っちゃってるのかもしれない。
言った後になって私の胸が嫌な感じに鼓動し始めたけど、菖は明るく笑って答えてくれた。


「りっちゃんがりっちゃんだから」


「何だよ、それー」


「りっちゃんと居るといつも楽しいし、面白くて笑えるもん。
晶や幸と一緒に居る時も面白いけど、
りっちゃんと一緒に居る時はもっと笑えてる気がするんだ。
すっごく楽しいし、すっごく面白いんだよね」


「珍獣扱いって事かよー……」


「あはは、そうかもね。
でも、これが私の素直な気持ちだよ、りっちゃん。
これがりっちゃんを好きな理由じゃ、駄目?」


そんなもんでいいのかと思わなくもなかったけど、
ひょっとしたらそんなもんでいいのかもしれない、って不思議と思わされた。
菖の屈託の無い笑顔にはそんな魅力があった。
輝く金髪によく似合った菖の輝く笑顔。
その笑顔が菖の気持ちの全てを物語ってる気がしてくる。

気が付けば、私は苦笑してしまっていた。
浮かべたのは苦笑いだったけど、呆れてるわけでも困ってるわけでもない。
自由な振りして結構頭が固かった自分の間抜けさが面白かっただけなんだ。
誰かが誰かを好きな理由を深く考える必要は無いんだな……。
理由はさておき、菖は私の事を好きで居てくれてる。
ただそれだけの事なんだろう。

……ん?
そこで私は不意に変な事を思い出した。
訊いていいものなのか迷ったけど、元々隠し事の少ない私達なんだ。
疑問に思った事を素直に菖に訊ねてみる事に決めた。


「そういや、菖。
この前、天井を調べる時、肩車替わってくれなかったよな?
単に重いのが嫌なのかなって思ってたけど、ひょっとして……」


私が訊くと、菖が顔を真っ赤にして視線を俯かせた。
それでも、消え入るような声で私の質問に応じてくれる。


「りっちゃんを肩車なんて……、無理だって……。
自分が肩車されるならともかくさ、
首筋にりっちゃんの太股の感触を感じるなんて、ドキドキしちゃうよ……。
そんなの……絶対無理だってー……」


衝撃的な答えだと思うべきか。
それとも、予想通りの答えだと思うべきなのか。
でも、とにかく私は妙に納得してしまっていた。
それで菖はどんなに頼んでも私と肩車を替わってくれなかったわけだ。
誰かに恋をするって事は、そういう緊張を感じてしまうって事でもあるんだな。
という事は……。


「じゃあ、昨日、私が服を脱いだ時も……?」


重ねて私が問い掛けると、菖はその小さな身体を余計に縮こまらせた。
林檎みたいに頬を真紅に染めて、視線をあっちこっちに彷徨わせ始める。
そんなに恥ずかしい事を訊いちゃったんだろうか。
そう思いながら十秒くらい菖の次の言葉を待っていたら、開き直ったのか菖が急に声を張り上げた。


「そうだよ!
ドキドキしたよ!
ドキドキしましたよったら!

だって、仕方ないじゃん!
好きな子が下着姿で居るんだよっ?
ドキドキするなって方が無理な話だって!」


よっぽど恥ずかしかったんだろう。
そう言った菖の目尻は軽く涙で濡れていた。
うーむ……、誰かに恋するってのは大変な事なんだな……。
その恋の相手が自分自身だって実感はまだあんまり無いけど、何だか身体がこそばゆくなった。
背中がちょっと痒くなってくる気分だな……。

と。
不意に菖がまた視線を伏せた。
また何か恥ずかしい事を思い出したのかと思ったけど、そうじゃないみたいだった。
申し訳なさそうに菖が声を絞り出して続ける。

「ごめんね、りっちゃん……」


「……何が?」


「こんな事、考えてる奴が傍に居たなんてやっぱり迷惑だよね?」


「どうしてだ?」


「だって……、りっちゃんはこう考えたりしない?
りっちゃんの太股の感触や下着姿にドキドキしちゃう私だよ?
何か変な事しちゃいそうじゃん……?
例えばりっちゃんの寝込みを急に襲ったり……とか……」


「別に迷惑じゃないよ、菖。
菖の好きな相手が私だって事には驚いたけど、嫌じゃないって」


「な……、何で……?」


「だって、私の寝込みを襲ったりとか、菖はそんな事しないだろ?」


私がそう言った途端、菖の身体が一気に硬直した。
まさかそんな言葉を返されるとは思ってなかったんだろう。
今までとは逆に、菖の方が戸惑いの表情を浮かべて私の瞳を見つめていた。
私も菖の瞳をまっすぐに見つめ返す。

まだ菖が私の事が好きだって実感は無い。
誰かの事を好きになるって感情もまだ分からない。
私が菖の好きだって気持ちに応えられるかどうかも分からない。
でも、一つだけ確信してる事がある。
菖は絶対に私の嫌がる事も、誰かの嫌がる事もしない奴なんだって。
からかったりくらいはするけれど、本気で嫌がるような事はしないんだって。

出会ってまだ半年くらいだけど、私の中の菖はそういう奴だった。
明るくて楽しくて無邪気で元気で面白い事が大好きで、
でも何も考えてないわけでもなくて、晶や幸や仲間の事を大切に思ってる。
出会ってまだ半年の私達の事も大事にしてくれてる。
この空間に閉じ込められてからだって、
菖は私の気持ちを尊重してくれていたし、私を大切にしてくれていた。
私に迷惑にならないように、自分の気持ちも押し込めてずっと言わずにいてくれた。
だから。
それだけは私の中の真実なんだ。


「も、もー……、りっちゃんったら……」


言いながら、菖が自分の目元を右の手のひらで隠す。
もしかしたら、泣いてるのかもしれなかったけど、私はそれには触れなかった。
続く菖の声がとても明るいものだったからだ。

「恋する乙女のパワーを甘く見ちゃ駄目だってば……。
乙女は無敵で暴走しがちなんだから、そんなに信用しちゃ駄目だよ……!
特に私はこう見えて恩那組の裏のリーダーなんだからね!
実は高校時代もあんまりにも無敵だから、
殺す女と書いて『殺女』って呼ばれて恐れられてたんだよー?」


殺す女と書いて『あやめ』……?
ああ、『殺』める『女』で『殺女』か。
何て酷いネーミングセンスなんだ……。
人の事は言えないけど。
つーか、『殺女』って当て字を考えたのは幸なのかな。
『恩那組』って名前を考えたのも幸らしいし。
これはいつか絶対幸に訊いてみなければなるまい。


「しかし、『殺女』ねえ……」


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最終更新:2012年12月20日 23:46