エリ「律選手、見事な部長継承!」


エリ「梓選手の勝利です」


梓「律先輩、ありがとうございました!」


律「ははっ…」


聡「姉ちゃん、帰ろう」


律「うん」


蝶野「おい、律!」


律「すいません、負けちゃいました…」


蝶野「いいか?レスラーってのはな!勝つ時はギリギリで負ける時は大の字で負けるもんだオラエー」


蝶野「お前は立派なレスラーだよ律!」


律「蝶野さん…」


蝶野「胸を張れ!顔を上げろ!引き上げるぞオラエー」


聡「行こう姉ちゃん」


律「うん…」ぽろぽろ


律「なぁ、聡」


聡「何?姉ちゃん」


律「ずっと見ててくれたのか?」


聡「蝶野さんと見てたよ」


律「姉ちゃん、カッコ悪いよな…」


聡「姉ちゃんは世界一カッコ良くて自慢の姉ちゃんだよ」


律「ありがとう聡…背中暖かいな」


聡「澪姉…」


律「下ろしてくれ聡…」


聡「うん、向こう行ってるよ」


律「澪、ごめん…」


澪「律は一生懸命やったし凄かったぞ…


律「うん」ぐすっ


澪「明日、頑張るから」


律「うん」


澪「帰ろう律」


律「うん…」


エリ「これで、準決勝のカードが出揃いましたね」



さわ子「完全な世代闘争ね」


エリ「非常に楽しみな準決勝は明日ゴングです」



秋山家


澪「明日は頑張らないとな…」


澪「律…」


中野家


梓「明日は澪先輩か…」


琴吹家


紬「軽音部vsジャズ研か…頑張らなきゃ」


鈴木家


純「軽音部vsジャズ研…」


純「私はそんなのよりも…」



翌日


エリ「さぁーやって参りましたS1クライマックス準決勝!」


エリ「世代闘争、そして軽音部vsジャズ研」


エリ「4人のそれぞれの思いが交錯する準決勝です」


姫子「憧れ 尊敬 全ての気持ち貴女にぶつけます」


姫子「中野梓選手の入場です」


エリ「1回戦で最大の壁を越えたのか?」


エリ「いえ、まだ居ました!越えなければならない壁」


エリ「それが、秋山澪だ」



エリ「今日の秋山澪は優しい澪先輩じゃないぞ!」


エリ「だからこそ超え甲斐があるんだ」


エリ「やるしかないんだ!中野梓リングインです」


姫子「その目をS1の頂点に向け」


姫子「この闘い友に届け」


姫子「秋山澪選手の入場です」


エリ「親友、田井中律は敗れました」


エリ「秋山澪は言いました」


エリ「あいつが弱いから負けたんだ」


エリ「だらしないから負けたんだ」


エリ「辛辣な言葉を並べました」


エリ「しかし、その目には…確かに大粒の涙が流れていました」


エリ「涙を力に変えて蹴撃女王、秋山澪リングインです」


姫子「先輩 後輩どちらが強いのか?白黒はっきりつけさせて貰います」


姫子「軽音部世代闘争」


姫子「S1クライマックス準決勝、時間無制限1本勝負を行います」


姫子「青コーナー150㎝46㎏」


姫子「なかのーあずさー」


姫子「赤コーナー160㎝54㎏」


姫子「あきやまーみーおー」


姫子「レフリー若王子いちご


いちご「…」ペコッ


いちご「正々堂々とね」


いちご「ファイト!」


カーン


澪「行くぞ梓!」ドカッドカッ


梓「も、物凄い威力…」


澪「どうした?梓!」ドカッドカッ


エリ「いきなりのキック連発!」


澪「打って来いよ梓!」


梓「こ、これが澪先輩の蹴り…」


エリ「ガードするも相当キツイのでは?」


さわ子「澪ちゃんのキックは相当重いのよ」


さわ子「更に長い…身長で10㎝体重で8㎏」


さわ子「この差は大きいわよ」


梓「掴んだ!」


エリ「梓選手、澪選手のキックをキャッチ!何に行くのか!」


澪「遅いぞ梓」ドカッ


梓「あぅっ」


エリ「澪選手の延髄斬り!」


梓(どうする…どうしたら)


澪「立て梓」


澪「行くぞ」ドカッドカッ


梓「もう一度」ガシッ


梓「グラウンドに持ち込むんだ」ゲシッ


澪「わっ」バタン


エリ「今度は蹴り足をキャッチしてグラウンドに持ち込んだぞ梓選手!」


梓「得意のキックは使えませんよ?」


エリ「そのまま、足を取って膝十字」


梓(唯先輩達との試合を見た限り澪先輩の弱点はグラウンドの筈)


澪「このっ」ゴロン


エリ「澪選手、体を回転させて脱出」


エリ「そして、腕を獲って腕ひしぎ!」


梓「まだまだ」


エリ「梓選手、体を起こして防ぐ」


いちご「ブレイク」


梓(案外、付いてきた…)


澪「ふんっ」ダッ


エリ「澪選手のタックル再び腕を獲りに来た!」


澪(梓の決め技は投げ技、ならば腕を封じる)


いちご「ブレイク」


梓(そっちが腕ならこっちは足を狙う!)


梓「…」スッ


澪(力比べ?何を考えてるんだ?乗ってみるか)


エリ「両者、力比べだ」


エリ「しかし、律選手に力負けした梓選手が澪選手に力比べを挑むのは無謀なのでは?」


さわ子「多分、足狙いの布石ね」


エリ「というと?」


さわ子「力比べをすると足ががら空きになる」


さわ子「そこを突くつもりかもしれない」


梓「今だ!」ドカッドカッ


澪「ぐゎっ」


エリ「梓選手、リストを掴んでの低空ドロップキック!」


エリ「これを狙っていたんですね!」


さわ子「武藤敬司が使っていたパターンよ」


梓「喰らえ澪先輩」ギュルン


澪「痛ッ」


エリ「更にドラゴンスクリュー!」


エリ「そして、トップロープに登ったー」


梓「行きます!」ドカッ


エリ「トップロープから足を目掛けてのミサイルキック!的確に捉えたー」


澪(寸分の狂いもなく同じ箇所を攻めて来てる…)


梓「これでどうですか?」ガチッ


澪「くっ!」ガシッ


いちご「ブレイク」


梓「これでどうだ!」ブンッ


エリ「梓選手、対角線に振った!」


梓「それっ」ドカッ


エリ「ムラマサ決まったー」


梓「そしてー」ブンッ


エリ「ダブルアームスープレックスぶん投げたー」


梓「立って下さい澪先輩」


澪「うっ…」


梓「トドメです」ガシッ


エリ「抱え上げたー昇天改か!」


澪「さ、させるか」クルッ


梓「あっ…」


エリ「澪選手、空中で体勢を入れ替えてバックを獲った!」


梓「投げさせませんよ!」


エリ「梓選手、腰を落としてガード」


澪「投げる!」ブンッ


梓「なっ…」


エリ「これは凄い、腰を落としてガードしていた梓選手を強引に投げたー」


さわ子「幾ら、梓ちゃんが軽いと言ってもあれだけ腰を落としているのに投げるなんて…」


澪「そらそら!」ドカッドカッ


エリ「澪選手、胸板目掛けてのキックの嵐だ!」


梓「あう…」ドサッ


いちご「ワン.ツー.スリー.フォー」



エリ「ダウンカウントがとられます」


エリ「梓選手、立てるか?」


澪(本気で蹴ったんだ、立てる筈がない)


いちご「セブン.エイト」


梓「ま、まだですよ澪先輩…」


エリ「た、立ち上がりました…あれだけのキックを喰らいながらも立ち上がりました梓選手!」


澪「あ、梓は強いとか弱いじゃない…怖いくらいタフなんだ」


梓「喰らえ澪先輩」ドカッ


エリ「梓選手、再び低空ドロップキック!」


梓「うぉー」ガキッ


エリ「きゃ、キャメルクラッチ?」


さわ子「普通は足を極めに行くのに何でキャメルクラッチなのよ…」


梓「澪先輩、ギブアップしないと…取って置きの技を出しますよ?」ググッ


澪「こ、こんなのでギブアップする訳ないだろ…」


梓「では、喰らえ澪先輩!取って置きの技です」


エリ「何が出るのかー」


揉み揉み


澪「なっ///」


さわ子「また、あの子は…」


エリ「こ、これは唯選手との闘いでも出した梓選手のセクハラ攻撃だ///」


梓「澪先輩、ギブアップして下さい!いや、しないで下さい」


澪「や、辞めろ馬鹿///」


梓「そーらそーら」揉み揉み


澪「このっ!いい加減にしろ」



ゴチィィン



梓「ふんぎゃー」


澪「は、反省しろ馬鹿///」


梓「レフリー!拳骨なんて反則じゃないですか」


いちご「反則だから以後しないように」


澪「うっ…」



いちご「それから貴女」


梓「はい?」


いちご「貴女は一度、鉄拳制裁されても良いと思う」



梓「そんなー」



花道奥


憂「私も澪さんの揉みたかったな///」


唯「憂…」


憂「お、お姉ちゃん!違うよ?違うからね?」


唯「うーいー」ジトッ


憂「///」


律「試合終わったらお仕置き確定だな…」


8
最終更新:2013年11月19日 18:52