11月24日 日曜日 とある雑貨店
晶「…人違いか、悪い」
憂「あ、待ってください!もしかして
平沢唯のことですか?」
晶「な!?まさか…」
憂「唯は私の姉です、姉がいつもお世話になってます」
晶「あ、ああ、確かに…じゃなかった、こちらこそ世話になってる」
晶(どうなってるんだ…あの唯の妹とは思えないぞ…実はこっちが姉?いや確かにさっき『唯は私の姉』と言ったな)
憂「あの…晶さん、ですか?」
晶「えっ!?な、なんで…って唯の奴、まさか!」
憂「よく姉から聞いています、大学の軽音部の同級生の方ですよね?」
晶(唯め、余計な事を…)
晶「…ああ、そうだ」
憂「うふふ、やっぱり。すぐにわかりました」
晶「何を喋ったんだが知らないが…というか、よく似てるな。本気で唯かと思ったぞ。お前は名前はなんていうんだ?」
憂「憂といいます。よろしくお願いします」
晶「ああ、まぁ、よろしく」
晶(唯とほとんど同じ顔でこの丁寧な振舞い…なんか違和感があってやりにくいな)
晶「まぁいい、唯じゃなければいいんだ、あぁ焦った。じゃぁな」
憂「姉だと何かまずいことがあったんですか…?」
晶「あ、いや…」
憂「あ、もしかして…もし何か私にできることがあれば、お手伝いしますよ」
晶「う…チッ、鋭いな。妙に鋭いとこは唯に似てやがる…まぁ、知ってるとは思うが、唯の奴にちょっとばかりプレゼントでもと思ってな」
憂「やっぱり!姉もきっと喜ぶと思います、ありがとうございます!」
晶「大げさだな…そんなに唯の奴が好きなのか?」
憂「はい!」
晶(からかったつもりだったんだが…やはりどうもやりにくい…唯と雰囲気は真逆だが根本的なとこは似てるみたいだな)
晶「あー、えーと…んで、唯が喜びそうなもんって何かわかるか?正直あいつの好みは読めなさすぎて困る」
憂「かわいいものなら何でも…というか、本当に何でも喜んでくれると思います」
晶「アドバイスになってないんだが…そのかわいいものってのがわからん」
憂「晶さんがかわいいと思ったものなら、絶対お姉ちゃんもかわいいと思ってくれますよ」
晶「いいや、あいつとは好みが合わない。というか、あいつと同じセンスだなんてごめんだな」
憂「そんなことないと思いますけど…お話を聞く限りだと、晶さんはとってもお姉ちゃんと合うと思うんです。実際に会ってみても、本当にそうだなと思いましたよ?」
晶「や、やめろ!あぁもういい、やっぱり似たもの姉妹だったか…適当に選ぶわ、サンキュ」
憂「これからもお姉ちゃんをよろしくお願いしますね」
……
晶(…はぁ、なんか疲れた。平沢家恐るべしだな)
晶(で結局どれにするか…)
晶(……私がかわいいと思うもの……か)
……
11月27日 夜 誕生日パーティー
律「ほら、次晶の番だぞ」
晶「あ、ああ…」
幸「ちゃんと買ってきた?」
晶「当たり前だろ!」
唯「わくわく…」
晶「期待するな。ほら」
一同「「えっ」」
晶「えっ?」
唯「かわいいいいーーー!!!」
一同「「えっ」」
唯「晶ちゃんありがとー!!」
晶「うわ!?こら抱きつくな!!」
澪「うーん、あの2人なんだかんだ似てるんじゃないか…?」
紬「感性が似ているのね〜。ギターに名前つけたりとかもそうだし」
菖「ま、晶をいじれるだけあるよね!さすが唯ちゃん」
唯「晶ちゃんさすがわかってるう〜」
晶「う、うるさい!お前と感性が似てるとか屈辱だ!」
晶(憂の言うとおりかよ、ちくしょう…!)
……
後日 平沢家
憂「私宛てに郵便物…?なんだろ、結構分厚いな」
憂「…!晶さんだ」
平沢憂様
この間はありがとうな、おかげで助かった。悔しいが憂の言うとおりだった。
あんたも同じような感性を持ってるんだろ、まぁ礼として受け取ってくれ。
和田晶
憂「…!かわいい!これ、お姉ちゃんがプレゼントで貰ったのとお揃いだ!」
憂「…えへへ、ありがとう晶さん」
おわり!
最終更新:2013年11月27日 23:32