純「デビルズブラウニーサンデーとドリンク四つ、ホットティーで」

店員「かしこまりましたー」

梓「・・・」グスッ

唯「あ、私もデビ・・・」

澪「唯!」

唯「は、はい・・・」シュン

澪「唯、どういうことか説明してくれないか」

梓「・・・」

澪「梓が悲しい思いをしてる間、お前はここでバイトしてたのか?」

唯「は・・・はい」

澪「なんでだ、ムギのくれる給料は私らの年齢にしたら十分なくらいだし」

澪「梓を養ってるとはいえ給料がたりないことはないだろう」

梓「お金は私が管理してますし・・・家計がお金に困ってる事はないです」

唯「う・・・うん・・・」

純「」モグモグ

唯「お金が欲しかったの・・・」シュン

澪「どうしてなんだ?唯」

梓「お金・・・」

澪「買い食いしすぎて小遣いが足りないのか?それとも借金で食べ歩きしたのか?」

唯「だって・・・だって・・・」

唯「うわーん」ビエーン

梓「唯先輩!」

唯「あずにゃんにクリスマスプレゼントを買ってあげたかったの」

唯「でも、お小遣いじゃ全然足りなくて」グスッ

唯「それでここでバイトさせてもらってたの」グスッ

梓「唯先輩・・・」

澪「何を買おうとしてたんだ?」

唯「フェンダーのストラトキャスター」

梓「あ・・・」

唯「前に一緒にいった楽器屋さんであずにゃんが羨ましそうにじっと見てたの・・・だから・・・」

梓「確かに欲しがりましたけど・・・そんな無理して・・・」

唯「うん・・・ごめん」

梓「ご飯だって全然食べてないのに」

唯「賄いで好きなメニュー食べれるから」

梓「睡眠時間を削ってまで」

澪「仕事中よく昼寝して憂ちゃんに怒られてるよ」

唯「てへっ」

梓「・・・・・・・・・・・・」

唯「あ、あずにゃんさん・・・?」

梓「・・・この・・・」

梓「ばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

梓「ほんとに心配したんですからね!」

梓「ほんとに悲しかったんですからね!」

梓「嫌われたんじゃないかって!愛想尽かされたんじゃないかって!」

梓「ギターなんかより!唯先輩と一緒にいる方がいいもん!!」

梓「いっつも一緒にいたいもん!!」ウワーーーーン

唯「あ、あずにゃん」オロオロ

唯「ごめんね、あずにゃん」ギュー

梓「うう・・・」グスッ

唯「もうバイト辞めるよ、すぐにお家帰ってずっと抱きしめてあげる」

梓「ゆ、ゆいせんぱぁぁい・・・」

唯「と、いう訳で店長さん、私今日でやめます」

店長「うん、いいよ」グスッ

澪「さて、こっちは落ち着いたな・・・」

純「わたし、完全に空気でしたよ」モグモグ

澪「あとは・・・律・・・か」


チャラリラ~

店員「いらっしゃいませデニーズへようこそー」

「喫煙二名で~」

澪「ん?」

律「げえっ!澪!!」

律「やべっ」ダッ

澪「逃がすなっ!純ちゃん!」

純「こなくそー」ダッ

ダキッ

律「うわあああああ」

ドンガラガッシャーン

店長「あああ・・・」

律「いてててて」

純「確保しましたっ」ピシッ

澪「よくやった!」

「な、なんなのよ一体・・・」

唯「あー和ちゃんだ~」

和「あら唯」

律「ううう」シュン

澪「律・・・心配したんだぞ・・・何してたんだ」

唯「和ちゃ~ん、久しぶり~」ギュー

和「唯は空気を読みなさい」

梓「」ジトー

律「いやー・・・」

律「大学卒業して普通に就職したはよかったんだけど何か合わなくてさー」

律「辞めてフラフラ、飲み屋とか居酒屋でバイトしてたんだ」

律「そしたらさ!何とお客さんで和が来てさ!」

律「それからなんとなく会ってるんだ」

和「偶然、接待で律の店に行ったのよ」

律「今日は梓に見つかるし、早上がりして帰ろうとしたんだけど和に捕まっちゃってちょっとお茶しようと思って」

澪「律・・・」

唯「あれ?じゃあ和ちゃんはりっちゃんの事ずっと前から知ってたの?」

和「三カ月前くらいね、って唯、あなたにメールで報告したわよ」

梓「唯先輩?」

唯「・・・えへへ」

梓「えへへじゃないですっ!」

澪「そんな事どうでもいい!」

澪「なんで私たちの前からいなくなったんだよ」

律「・・・」

澪「心配したんだぞ」

律「しょーがねーじゃん」チラッ

純「・・・」

律「なんかあの時はさ、居づらかったんだよ」

律「いっつも澪の隣にはあたしがいて、それが小さい時からずっとで」

律「でも今は純ちゃんがいる」

律「違和感があったんだ」

純「・・・」

澪「でも、律・・・」

律「勘違いすんなよ、別に澪に恋愛感情を持ってるとかじゃないからな」

律「ただ、なんとなく・・・離れてみようかなって」

律「ほんとはさ、違うとこに就職して時間空けたらすぐに連絡するつもりだったんだ」

律「けど、なんとなくバタバタしちゃって気付いたら時間たっててさ」

律「なんか澪からも連絡ないし、こっちから連絡しづらくなっちゃって」

唯「あはは~りっちゃんらしいね~」

律「だろ?」

梓「二人とも空気読んでください」

澪「・・・それは・・・律が離れちゃったから寂しくて」

澪「嫌われてんだって思ったら連絡なんかできなかったんだよ」

純「私のせいです!ごめんなさい!」ガタッ

澪「純・・・」

律「ちげーよ」

律「ちげーよ・・・あたしに勇気がなかったからだ」

律「なんとなく時間が過ぎちゃって・・・でもさ」

律「和に会ったから何とか間とってもらえないかって思ってたんだけど」チラッ

和「・・・そういう事よ」チラッ

澪「・・・唯」

唯「・・・あ、そういうメールでした?」

梓「あなたって人は・・・」ハァ

澪「じゃあ、また私たちの所に戻ってくれるのか?」

律「澪やみんなが許してくれるなら」

唯「当たり前だよ~!」フンスッ

梓「唯先輩のセリフじゃないです!おかえりなさい、律先輩」

純「私は許すもなにもありませんよ!」

和「案ずるより産むがやすし、決まりね」

澪「律・・・」

律「ん」

澪「おかえり」ニコ

梓「律先輩はスナックを辞めてみなさんの会社、株式会社放課後ティータイムに入りました」

梓「社長はムギ先輩だけど律先輩は営業部長になったそうです」

梓「純と澪先輩の仲も順調みたいです」

梓「唯先輩からクリスマスプレゼントにストラトキャスターはもらえなかったけど」

梓「もっと大切なものが手に入ったし戻ってきたので嬉しいです」

梓「でも、一つ残念な事があります・・・」



律「唯隊員~、もう一軒いこうじぇ~」フヘヘヘ
唯「りっちゃん隊長お供するよ~」フヘヘヘ

梓「二人は仕事上がりによく飲んだくれてます・・・」



唯「あじゅな~ん、たらいまぁぁ」

梓「唯先輩!今日も帰りが遅いですよっ!!!」


おしまい



最終更新:2013年12月07日 07:15