〜平沢家〜
梓「あははは」
純「でさ、スミーレに“うわぁやばいってそれ!早く舐めとれ!”って言ったらホントに直のほっぺ舐めてさ!」
憂「あの時はびっくりしたね」
純「その後、直ずっと硬直してたし」
梓「あはは!」
純「あ、もうこんな時間だ。ごめん帰るね」
憂「あれ、もう?」
純「そういえば約束してたんだった。あっちゃんと」
憂「あ、お家の用事なんだ」
純「うん、そういうことだから」
・ ・ ・
憂「じゃ、気を付けてね!」
梓「またね純」
純「じゃあね〜。あ、憂ちょっと」
憂「?」
純「(梓、軽音部)」
憂「(どうだろう?)」
梓「?」
純「(もう一回、考えておいてね!)」
憂「(そのうちね)」
純「じゃそういうことで!」バタン
梓「………」
憂「梓ちゃんはどうする?」
梓「私は…」
憂「?」
梓「泊まってもいい?」
憂「もちろん!じゃあもういい時間だし、片付けてお風呂入っちゃおうか」
梓「うっ…うん」
・ ・ ・
カポーン
憂「梓ちゃんの髪、綺麗だねー」
梓「そう?」
憂「うん、澪先輩みたい」
梓「澪先輩?」
憂「軽音部の先輩。ベースやってた人だよ」
梓「あぁ、ライブで見たよ。綺麗な人だよね」
憂「でしょ?ベースもとっても上手なんだよ」
憂「ちょっと恥ずかしがり屋で怖がりだったりするけど」
梓「あはは、そうなんだ。なんか意外だね」
憂「でしょ?えへへ」
梓「………」
憂「………」
梓「………」
憂「………」
梓「………」
憂「………」
梓「私ね…」
憂「?」
梓「あの人たちにいじめられても、仕方ないって思ってた」
梓「私も酷い事言っちゃったから」
憂「………」
梓「だから、中学校の時はとにかく泣かないようにしたの」
梓「泣かないように…何かされてもとにかく反応しないようにしてた」
梓「そうすれば、あの人たちは私に何もしないようになるから」
憂「そうだったんだ」
梓「憂と純の軽音部のお誘いを断ったのも、それが理由…」
憂「えっ…?」
梓「私、怖くて…」
梓「また同じことになるんじゃないかって…」
梓「私が何かしたら、またあの人たちにいじめられるんじゃないかって…」
梓「ううん…もしかしたら憂たちとそうなっちゃうかも…」
憂「そんなことないよ!」
梓「でも…でも…絶対なにか、みんなに迷惑かけちゃう…!」
梓「いまだってそうだよ。憂達は関係ないのに、いつも助けてもらってばかり」
梓「だから、私は何もしないほうがいいの」
梓「私が我慢していれば何も起きないから」
憂「梓ちゃん……」
梓「………」
憂「………」
・ ・ ・
憂「ベッド、ちょっと狭くなるけど」
梓「わたし小さいから大丈夫」
憂「あはは」
モゾモゾモゾ
憂「よいしょっと、えへへ」
梓「ん…///」
憂「梓ちゃん」
梓「?」
憂「もっとこっちへきて」
梓「へ…?」
憂「ん……」ギュッ
梓「ふぇっ…!?///」
憂「梓ちゃん、もう我慢なんてしなくていいんだよ」
梓「う、うい…」
憂「辛い事があったら、我慢しないで」
憂「私はいつでも、梓ちゃんのそばにいるから」
梓「うい…ぐすん…」ポロポロ
憂「梓ちゃん」ナデナデ
憂「梓ちゃん、私ね…梓ちゃんに会えてほんとによかった」
梓「……?」
憂「純ちゃんの言う通り…私、寂しかったんだね」
憂「軽音部の先輩達が突然いなくなって、お姉ちゃんがいなくなって…すごく寂しかった」
梓「純は?」
憂「もちろん純ちゃんもとっても大切なお友達だよ」
憂「でも、梓ちゃんは特別」
憂「なんでだろう?不思議だね」
憂「梓ちゃんといると、なんだかとっても安心する」
梓「………」
梓「私も」
梓「私も、憂といるのが好き」
梓「憂…大好き」
憂「私も梓ちゃんの事が大好きだよ」
・ ・ ・
〜数日後・放課後〜
憂「ちょっと遅れちゃった」
憂「もうみんな練習してるかな?はやく行かないと」
梓「憂」
憂「?」
梓「ちょっといいかな?」
憂「あ、梓ちゃん。どうしたの?」
梓「その…私も…」
梓「私も、軽音部に入りたい」
憂「…っ!」
憂「入ってくれるの!?」
梓「………」コク
憂「えへへ、ありがとう!」ギュウー
梓「ん…///」
憂「じゃあいこ?」
梓「うん!」
・ ・ ・
コツコツコツ
憂「ここが部室」
梓「うん……」ドキドキ
憂「緊張してる?」
梓「ちょっとだけ」
憂「大丈夫、みんなとってもいい人だよ」
憂「純ちゃんもいるし」
憂「だから、ノックしてみて」
梓「……う…ぅ…ん」
憂「………」
梓「ん……」ビクビク
憂「………」
憂「梓ちゃんこっち向いて」
梓「?」
憂「んっ…」チュッ
梓「!?」
梓「う、憂…!///」
憂「おまじない」
梓「………」
梓「ありがとう」
憂「さっ、いこ?」
梓「うんっ」
トントンッ…
『あ、誰かきた?はーい、どうぞ〜!』
梓「憂」
憂「?」
梓「私、もう泣かないよ」
ガチャ
おわり
最終更新:2013年12月16日 08:26