唯「はぁ〜……寒いね……」

和「そうね」

唯「試験まであと少しだね」

和「唯はちゃんと家でも勉強してるの?」

唯「うん。学校ではみんなと和ちゃんに。家では憂に教えてもらってるよ!」

和「憂に……」

唯「……でも今日はもう休ませて〜!」

和「朝からずっとがんばってたもんね。今日はあったかくして寝なさい」

唯「はーい。あっ、そうだ。和ちゃん、この後何か用事ある?」

和「ないけど……」

唯「そっか、よかったぁ……。ちょっとわたしの家に寄っていかない?」

和「どうかしたの?」

唯「えへへ〜いいからいいから。じゃあいこっか!」ギュッ

和「そんなに急がなくても……」

唯「お腹も空いたしね〜」

和「まったく……」

平沢家

唯「ただいま〜」

和「おじゃまします」

憂「二人ともおかえり!」

和「私にまでおかえりって……」

唯「あっ! 和ちゃんはちょっと玄関で待ってて!」

和「え?」

憂「どうしても和ちゃんに見せたいものがあるの!」

唯「呼んだらリビングに来てね!」

ガチャ

和「私に見せたいもの……? 何かしら……」

「和ちゃん、もういいよ〜!!」

和「(憂もいるから変なものではないと思うけど……)入るわね」

ガチャ

パパーン!

和「!!」

唯憂「誕生日おめでとう!! 和ちゃん!!」

和「これは……?」

唯「えへへ〜。和ちゃんを驚かせるために準備してたんだ〜♪」

憂「バースデーケーキもあるよ、和ちゃん!」

和「……ああ、そっか。今日は私の誕生日だったわね」

唯「まったく話題に出さないと思ってたけど、本当に忘れてたの!?」

和「うん。自分の受験勉強もそうだけど、唯の勉強が心配だったからすっかり忘れていたわ」

唯「そこまで心配してくれてただなんて……うれしいやら悲しいやら……」

和「でも、わざわざありがとう。二人のおかげで気持ち良く年末を迎えることができそうだわ」

憂「どういたしまして!」

唯「和ちゃんのためなら何だってするよ!」

和「じゃあ試験まで勉強いっぱいがんばってね」

唯「うっ……」

和「あと少しじゃない。それに軽音部のみんなもがんばってるはずよ。同じ大学に行きたいんでしょ?」

唯「うん、そうだね……。わたしもがんばらないと!」グッ

和「その意気よ!」

憂「がんばって! お姉ちゃん!」

唯「……でも今日はケーキ食べよ〜♪」

和「」ガクッ

和「まあ、今日くらいはね……」

唯「ささっ、和ちゃん! 席に着いて!」

和「はいはい」

憂「こうして三人でいるのも久しぶりだね」

唯「あっ、本当だ」

和「そういえば、おじさんとおばさんは?」

唯「えーとね、今年はどこだったかな……」

憂「二人ともベルギーでクリスマスを過ごしてるよ」

和「(昔から相変わらず仲が良いのね……)」

唯「それでは! 和ちゃんの十八歳の誕生日を祝って!」

唯憂「かんぱ〜い!!」

和「かんぱーい!」

和「(唯、憂。本当にありがとう……)」


憂「それじゃあ気をつけてね。お姉ちゃんも」

唯「はーい」

和「おじゃましました。憂、ケーキおいしかったわ。ありがとう」

憂「うん! よろこんでくれたみたいでよかった〜」

和「おかげで明日からまたがんばることができそうだわ」

憂「……えへへ〜♪」ギュッ

和「わっ!」

唯「あっ、ずる〜い!」

憂「和ちゃん、試験までがんばってね……」

和「……うん、ありがとう。それじゃあ、またね」

憂「うん、ばいばい」

唯「じゃあ、ちょっと行ってくるね」

ガタン

唯「うぅー……やっぱり外は寒いね……」

和「見送りなんてそんなに遠くないからいいのに……」

唯「まあまあ」

和「(……唯のこの優しさ、ずっと昔から変わってない。これから先もずっとその優しさを忘れないでほしいな……)」

唯「あっ、見て! あの星! あの二つ並んで見えるやつ!」

和「?」

唯「きれいだね」

和「本当ね。町中でこんなに輝いて見えるのは珍しい気がするわ」

唯「ああ……」

和「どうしたの?」

唯「なんだかあの星が憂と和ちゃんみたいだなって思って……」

和「えっ?」

唯「和ちゃんと憂は昔からずーっとわたしを気にかけてくれるでしょ? あの星も、なんだかわたしを見守ってくれてるような気がしてさ」

和「そんなおおげさな……」

唯「ううん! 二人はわたしにとってそれくらい大きな存在なんだよ!」

和「唯……」

唯「和ちゃん、これからもよろしくね!」

和「……わかったわ。私からもお願いするわね。唯、これからもよろしく。みんなで力を合わせて、一緒に明るい春を迎えようね!」

唯「うん!」


〜完〜