梓「本当にこっちであってるの?」

純「たぶん…」

梓「たぶんって、しっかりしてよ純。」

純「だってしょうがないじゃん、梓と憂がうるさくしてるから、そっちに気をとられちゃったんだもん。」

梓「わ、私だってうるさくしたかった訳じゃないよ。元は憂が…」

憂「お姉ちゃん…彼氏…お姉ちゃん…彼氏…」

純「あちゃー、こりゃ相当重症だね…」

梓「笑ってる場合じゃないでしょ。憂をどうにかしないと。」

純「どうにかって?」

梓「うーん、とりあえず、唯先輩達を探そう。さっきの純の意見に賛成ってわけじゃないけど、まだ彼氏だって決めつけるには早いと思うし。」

純「そうだね…ってあれ憂は?」

憂「お姉ちゃん…彼氏…」

梓「ちょっと、憂!前、前!」

憂「お姉ちゃん…彼氏…お…いだっ」ゴン!

純 梓「…」

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憂「ごめんね、心配かけちゃって。」

梓「本当に大丈夫?」

憂「うん、お姉ちゃんとあの人が一緒にいるところみて少し驚いちゃっただけだから。」

純「少し…ね…」

憂「そ、それよりも、お姉ちゃんは!?」

梓「それが、見失っちゃって…」

純「しかもあれから10分以上経ってるから、もう近くにいないかもしれない…」

梓「見つけるのは難しいかも…」

憂「うーん…」

純「別れて探す?」

梓「そうだね、それが…」

憂「あっち!」

梓「えっ?」

憂「お姉ちゃん!」

ダッダッダッ

純「って、ちょっと憂!」

梓「どこ行くの?」

ダッダッダッ

梓「はぁ、はぁ、やっと追い付いた…急に走り出してどうしたの?」

純「梓、あれ…」

梓「えっ?…って唯先輩!なんで?なんで分かったの?」

憂「うーん、なんとなく、お姉ちゃんの匂いがこっちからしたような気がしたから…」

梓「匂いって…そんなの分かるの?」クンカクンカ

憂「なんとなくだよ。それよりも…」

梓「それより?」

憂「お姉ちゃん、あの人と食材買ってる…」

梓「あっ、本当だ。」

純「食材買うってことは…まぁ、そういうことだよね。」

憂「それって…」


---妄想---

唯「ご飯できたよー」

彼氏「おぉ、美味しそうだな。」

唯「一杯食べてねー」

彼氏「いただきます…モグモグ…って、これ塩と砂糖間違えてるぞ。」

唯「えー?本当に?…モグモグ…あっ本当だ…えへへ、ごめんね。」

彼氏「全く、お前はしょうがないやつだな…でも、そういうお前が大好きだよ。」

唯「私もー!大好きー!」

彼氏「…唯」

唯「…彼氏」

---妄想終了---


憂「だめぇぇぇぇ!」

純「そして、唯先輩と彼氏は熱い夜を過ごすのであった…」

憂「いやぁぁぁぁ!」(純ちゃんの襟掴みながらブンブン)

純「ちょ、憂、痛い、痛い…」

梓「ちょっと、憂、自分の想像でしょ!落ち着いて。あと純も余計なこと言わない。」

憂「あっ…そうだよね…純ちゃんごめんね…」

純「うん、私も調子に乗ってごめん。」

梓「じゃぁ行くよ、唯先輩達もうお会計してるよ。」

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純「さて、食材を買って…次はどこにいくんだろうね?」

梓「うーん、でも普通、食材買ったらそのまま帰るよね?食べ物とか腐っちゃうし…重いし…」

純「あの人、唯先輩に重いものを持たせて、自分は軽いのしか持ってないね。」

梓「あっ、本当だ…重い荷物を女の人に持たせるのか…あれはマイナスポイントかも…」

純「ひょっとして、あんまり良い彼氏とは言えないかもしれない…って…」

憂「…うぅ…」涙目

純「あっ、でもほら、手とか怪我してるのかもしれないし、きっと何か事情があるんだよ。」

憂「…うん。」シュン

梓「ちょっと純!」コショコショ

純「え?」コショコショ

梓「今、憂はナイーブになってるんだから、言葉には気を付けてよ。」

純「そ、それを言うなら梓だって言葉に気を付けなよ。」

梓「わ、私は気を付けてるよ。」

純「うそ、『あれはマイナスポイントかも…』とか言ってたくせに。」

梓「うっ…それは…」

憂「二人とも!」

梓 純「へ?」

憂「私は、大丈夫だから。だからケンカしないで…ね。」

梓「う、うん、ごめんね。」

純「ごめん。」

憂「二人は悪くないよ…あれ?お姉ちゃん…」

梓 「あそこに入っていったね。」

純「…神社?」

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純「唯先輩、神社になんの用だろうね?」

憂「うーん、なんだろう。」

純「私、神社とかお正月くらいにしか来ないよ。」

憂「私は家の近くの神社にたまに行くよー。」

純「さすが憂…梓は?」

梓「私もお正月くら…(『10円×100回』)…あっ…」

純「ん?どうしたの?」

梓「ううん、なんでもない。それより…」

憂「どうしたの梓ちゃん?」

梓「いや、確かに神社だから隠れる場所全然なくて仕方ないんだけど、狛犬の影からこそこそ見てるのって、回りから見たらどうなんだろう。」

純「梓、探偵は回りを気にしたら終わりだよ。」

梓「いや、探偵なら、なお回りを気にした方がいいんじゃないの?」

憂「あっ、お参り終わったみたい。」

純「売店の方に向かったね。」

梓「社務所でしょ、純。」

純「えー、意味が通じれば別にいいじゃん。」

梓「いいけど、日本人として、それくらいは知っておいた方がいいと思うよ。」

純「むー。」

憂「まぁまぁ…」

梓「全く、憂は純に甘いなぁ。」

憂「えー、そんなことないよ。」

純「唯先輩、社務所でおみくじ引くのかな?」

梓「まぁおみくじ以外もあるけど、唯先輩はそうだろうね。」

純「あっ、引いてる。で、中を見て…」

梓「あの顔は…大吉ではなさそうだね…」

純「でも凶だったら、もっと残念そうな顔しそうだよね?末吉とか?」

梓「あぁ、確かに末吉って反応に困るよね。」

純「あっ、あとなんか他に…なんだろう?」

梓「うーん、御守りを授かってるように…見えるけど…」

純「うん、それでその御守りを、彼氏に渡してるね。」

梓「あれ?でも彼氏嫌がってる。」

純「なんでだろう?あっ、出るみたい。どうする?」

梓「どうするって追いかけるんでしょ?」

純「いや、なんのお守りを授かったのかなって。」

梓「…」

純「梓、聞いてる?」

梓「う、うん。でもそういうのは聞かないほうがいいんじゃない?ねぇ憂?」

憂「すいません、今の人の授かった御守りって何の御守りでしたか?」

梓「ってはや!」

巫女「えっと、そういうことは言えない決まりで…」

憂「今の私のお姉ちゃんなんです、ほら、こうすれば…そっくりですよね?」

巫女「あら、本当。えっと…確か、恋愛成就の御守り…」

憂「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

純「決定的…」

梓「あの、それいが…」

純「あっ、憂!どこへ行く!?」

梓「え?」

純「梓、憂を追いかけるよ!」

梓「う、うん。あの、ありがとうございました。」

巫女「はい、お体に気を付けて、頑張ってくださいね。」

梓「…!ありがとうございます。」

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クリスマス

---高校---

純「クリスマスになっちゃった訳だけど。憂、大丈夫?」

憂「うん。もう私の中で整理はできたよ。気を使ってもらってありがとね。」

梓「で、今日は午前で学校終わるけど、夜まで勉強していく約束を私たちとしてるんだよね?」

憂「うー、ごめんね、無理言って。迷惑だったよね。」

梓「冗談だよ、冗談。いいよ、どうせ勉強はしないといけないんだから。」

純「そうそう、せっかくのクリスマスなのに一人で家で勉強なんて寂しすぎるもん。」

憂「梓ちゃん、純ちゃん、ありがとう。」


---部室---

純「あぁ、クリスマスイヴだって言うのに、なんで女3人で勉強なんかしてるんだろう。」

梓「はいはい、文句言う前に手を動かす。受験までもうそんな日がないんだよ。」

純「分かってるよー。でも梓だってそう思うでしょ?」

梓「まぁ、たまにそういう時もあるけど、今は恋愛より勉強でしょ。」

純「あーもう、来年のクリスマスは絶対に大学生活をエンジョイしてやるんだから。」

憂「…」

純「そ、そういえば今日は直と菫は来ないのかな?」

梓「そ、そうだね。どうしたんだろ?」

憂「クリスマスだもん。きっと彼氏と遊んでるんだよ…」シュン

純(気持ちの整理できたって言ってたけど、やっぱりそんな簡単じゃないよね。)

さわ子「違うわよ、直ちゃんは弟たちとクリスマスパーティーをするから帰ったわ。菫ちゃんも、パーティーの準備があるからって帰っていったわ。」

憂「あぁ、そうだったんですか。」

梓 純「って…えぇぇぇぇぇ!?」

さわ子「あら、どうしたの急に大きな声を出して。」

梓「いや、先生が突然出てきたので。」

純「いつからいました?」

さわ子「いつからって、ずいぶん前からいたわよ。」

梓「全然気がつきませんでした。」

純「気配を感じなかったです。」

さわ子「そう?でも憂ちゃんは、ちゃんとお茶とお菓子を出してくれたわよ。あっ、おかわりお願いできるかしら?」

憂「はい。」

梓 純(本当、憂って何者なんだろう…いや、先生もだけど…)

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最終更新:2014年01月08日 14:27