唯「ちゃーっす」ガチャ

律「...ん...おーっす...」ピコピコ

唯「あれ?まだりっちゃんだけ?」トテテテ

律「んー...そー...」ピコピコ

唯「大学ってなかなかみんなで一斉に集まるって難しいね。授業違うから」

律「んー...まぁなー...」ピコピコ

唯(返事そっけない...)

唯(とりあえず、着席!)

律「...あ、くそっ。やばいやばいきずぐすりきずぐすり」ピコピコ

唯「あ、ゲームしてたんだね」ヒョコ

律「ん...みんなこないからレベル上げしとくかって思って」ピコピコ

唯「これってこのゲームの1番最初のじゃないっけ?」

律「あ、唯知ってんの?」ピコピコ

唯「うん、憂がそのシリーズ好きなんだよね。最近新しいやつでたよね」

律「へー、憂ちゃんが。ああ、唯の家に行った時に確かにソフトあったな。そそ、新しいやつがこないだでたんだよ」ピコピコ

唯「りっちゃんは新しいのしないの?」

律「んー、なんというか皆が盛り上がってる時って冷めるんだよな。流行一緒に追いたくないっていうか。だからシリーズ遡ってやってる最中」ピコピコ

唯「なんという天邪鬼」

律「うっせ!...あー、やられる...」ピコピコ

唯「......」

唯「とぉ!」ガシッ

律「うわっ!?びっくりした!!いきなり抱きついてくるなよ。ってあああ!!!?」

デデ~ン

律「や、やられた...。あと少しで中ボス地点だったのに...」ガックシ

唯「えへへー。ごめーん」

律「それ本気で謝ってないだろ」

唯「うん!」

律「元気良くうなづくなよ。ったく。はぁ。もうゲームはやめやめ」

唯「じゃ、私を膝の上にのせてください」

律「なんでそうなる」

唯「りっちゃんの膝の上に乗ったことないなって閃いて!」

律「それは閃いてることになるのか...、頭が腐ってきたんじゃないの?」

唯「まぁ、よいではないかよいではないか」ヨイショ

律「意外とおもっ!でも想像よりはかるっ!てか、こっち向いて座るのかよ」

唯「ふふーん。だっこされてるみたーい!」ギュー

律「この体制はむしろ私が抱きつかれてる側だろうよ」

律(うはっ...顔が胸がもろに顔に)

唯「んー、りっちゃんの髪があごに心地いい...」

律「なんて感想だよ...」

律「唯よぉ」

唯「なにー?」

律「言いにくいんだけどそれ以上に気まずいから言うわ。私の顔、めっちゃ唯の胸に当たってるんだけどいいのかこれ」

唯「あ、りっちゃんそういうの気にしちゃう系?」

律「いや、気にしちゃう系ってかさ、顔にブラの硬いとこが当たって地味に痛いんだよ」

唯「硬いとこ...。あぁ、今日あのブラだから」

律「あのブラとか言われてもイメージ共感できんぞ、私は」

唯「なんなの?文句ばっかり」

律「うーん、微妙に話が通じん」

律(まぁ、でも、ブラの硬いとこ以外は柔らかいな...)

唯「りっちゃんりっちゃん!」

律「なんだよ」

唯「カチューシャ外していい?これ邪魔」

律「邪魔っていうな!私のアイデンティティを邪魔っていうな」

唯「それ!」ポイッ

律「投げるなよ!?」

唯「わー!サラサラー!!」

わしゃわしゃわしゃわしゃぐしゃぐしゃぐしゃ

律「ちょ、いたっ、唯ざつ、いたっ、唯ざつ」

唯「りっちゃんって撫で心地いいねー!」b(・∀・)

律「いや、そんなグッとされても。せめてもう少し優しく撫でてくれよ」

唯「えへへー」ナデナデ

律「ああ、そんな感じそんな感じ。唯もおだてりゃ木に登るのな」

唯「♪〜」ナデナデ

律「なぁ、いつまでこの体制でいるんだ?」

唯「んー、もうちょっと」

律「みんな来たらマズくない?」

唯「え、マズくないよー。へーきへーき」

律(いや、マズイだろ...。座り心地を優先してたらいつの間にか2人共もうこれ対面座位だし)

律(唯のされるがままになってたけど、みんなにこの状況見られるの怖くなってきたわ...)

律(私が対面座位って単語をサラッと言ってることもなんだか怖くなってきたわ...)

ビービー

律「あ、ケータイなってる」ゴソゴソ

唯「メール?」

律「......澪だ」

唯「なんてなんて?」

律「今日、来れないって...急に明日の授業で課題が出たから今から急いでやるんだと」

唯「明日の授業の課題を前日に出すとかその先生ヒドい!」

律「なー。そんな前日に出されても私と唯なら課題しないよな」

唯「えー、私はちゃんとするよ?」

律「ウソつけ『あー、いつの間にか寝てたー』とか言ってどうせしないに決まってる」

唯「しんがいだよー、りっちゃんしんがいだよー」ブーブー

律「はっはっは!さっきカチューシャ投げたおかえし!」

ビービー

律「あれ、またメール?って私じゃないな」

唯「あ、私のにメールだ」

律「誰から?もしかして...あだ名がムからの人?」

唯「ムギちゃんってちゃんと言おうよ...当たってるけど。ムギちゃんも明日の授業で課題があるから来れなくなったって」

律「澪とムギって同じ授業とってたっけ?」

唯「うーん、どうだったかな。自分の時間割覚えるので精一杯だからわかんない」

律「下に同じく...」

唯「りっちゃん、澪ちゃんの覚えてないの?」

律「澪の時間割?私が覚えてるわけないだろ?」

唯「その『なんでそんな当たり前なこと聞くの?』って顔、澪ちゃんに見せてあげたいよ」

律「いやいや、人の時間割とか覚えてるもん?」

唯「わかんない」

律「そらみろ」

唯「でも、澪ちゃんはりっちゃんの時間割覚えてたよ」

律「あぁ、それは覚えてたっていうか、私の時間割考えたの澪だから」

唯「うわー、澪ちゃんかわいそーりっちゃんサイテー」

律「別にいいだろ、登録の仕方わからなかったんだから!澪にちょっと手伝ってもらっただけだよ!」

唯「りっちゃんてパソコン弱いよねー」

律「パソコンって難しいじゃん。知らないうちに設定変わってるし。私はいじってないのに」

唯「りっちゃんが情弱なこと言ってる」

律「ジョウジャク?なにそれ」

唯「オッケーオッケー。後で澪ちゃんにググってもらいな鼻垂れボーズ」

律「なんだよ鼻垂れボーズって!鼻水出てないつーの!わけわかんないこといいやがって」

唯「はいはい、おこんないおこんない」ナデナデ

律「くそー、ものすごくバカにされている気がする!!」

唯「バカにしてないってばぁー」ナデナデ

律「なんだろう、この扱いは。なんか最近、唯って私に構いすぎじゃない?」

唯「え?そう?そんなことないけど」

律「なんか前よりベタベタしてくんじゃん」

唯「うーん、...そう?そんなことないってー」

律「自覚なしかい。はぁ、もう」

唯「うーん、私がりっちゃんにしてることがベタベタしてることなのかわからないけど、りっちゃんはベタベタするの嫌い?」

律「嫌いってか、なんというか...。妙に大学に入ってからいつも一緒にいるなぁって思って」

唯「確かに大学に入ってからはりっちゃんと一緒にいること増えたかも。空きコマとか1番りっちゃんといる気がする」

律「逆に澪とムギが一緒に居ること多いよな...」

唯「なになにー、りっちゃんヤキモチー?幼馴染を取られちゃった気持ち?」

律「ち、違うし!そんなんじゃないし!!」

唯「ごめんね、気づいてあげられなくて。りっちゃんさみしかったんだね。私がいるよ」ギュー

律「だからブラが痛いんだって。なんでそう微妙に話がかみ合ってないんだよ、人の話をき」

律(ハッ...!!!!)キュピーン

律(大学...幼馴染...ベタベタくっついてくる唯...ここから導きされる真実は...!!!!)

唯「あー、やっぱりっちゃんさんの髪は高級ですな。高級の毛並みですなぁ」ナデナデ

律(もしかして、唯のやつ欲求不満?)マジメナカオ

律(大学に入った今、梓はここにはいない。今まで梓に注いでいた寵愛エネルギーを唯は持て余しているはずだ。そして、この大学には唯の幼馴染である和と妹である憂ちゃんも、もちろんいない。梓が受け止めきれなかった寵愛エネルギーは帰宅途中、もしくは家で和や憂ちゃんで消化されていたはずだ)

律(てことは...大学に入ってからの唯は寵愛エネルギーを持て余しているということになる。寵愛エネルギーが過剰に蓄積された結果唯はそれを私で消化しようとしているんだ...。その結果がこのベタベタなスキンシップ...)

律(やばい。梓と和と憂ちゃんの存在が今私の中で神となりつつある)

律「なぁ、唯」

唯「んー?」

律「変なこと聞いてもいいか?」

唯「変なこと?なになに?」

律「今、私が唯に『手繋ぎたい』って言ったらどうする?」

唯「手?別に繋げばいいんじゃない」

ギュ

律(こんなにアッサリと!しかも恋人繋ぎ!高校2年間で悩んでたことがこんなにアッサリと実現!!嬉しいけどなんか悲しい!!)

律「お、おっけ。じゃあさ」ゴクリ

唯「うん」

律「今、私が唯に『キスしたい』って言ったらどうする?」

唯「......え」

律「あ、いや、別にそんな深く考え込まないでさ、ほら、あるじゃん?友達どうしでもキスしてる少女漫画!そんな感じそんな感じ!軽く触れる感じのやつ!」

唯「うーん、確かに小さい時とか和ちゃんとか憂とかとしてたけど...」

律「小さい時はな、確かに(私も澪としたことあるし)」

唯「うー、でも私もう大学生だよ?」

律「でも、こないだ唯から借りた少女漫画で大学生の子たちがキスしてたじゃん」

唯「そんなの貸したっけ?」

律「うん(本当は借りてないけど)」

唯「漫画でしてるなら、大丈夫なのかな...?」

律「だいじょーぶってー、よゆーよゆー」

唯「なら、まぁ、いいよ。りっちゃんが私とキスしたいなら」

律「え、いや、別にそういうつもりでは」

唯「キスしたくないの?そういう質問なんでしょ?」

律「いや、その、なんといいますか(なんか急に恥ずかしくなってきた)」

唯「りっちゃんが『唯とキスしたい』ってちゃんと素直に言ったらしていいよ」

律「うわー、今すごい悪い顔してますやん、唯さん」

唯「はいはい、誤魔化さないで。今さら恥ずかしくなったからって逃げちゃダメだよー」ニコッ

律「ちょ、顔を手でロックすんのやめろよ、ってすげー腕の力強っ。全く動かないんだけど」

唯「はい、りっちゃん、お話をする時は人の目を見ていいましょーねー。幼稚園で習ったでしょ?」

律「幼稚園児に言うように諭すな!」

唯「あー、もうりっちゃん、ヘタレ!!」

律「ヘタレ!?私がいつヘタレたよ!!」

唯「今です。今ヘタレてます。私の目の前でヘタレなうです。もうふざけてないで自分の言ったことに責任持ってよ」

律「ぐっ...。唯に正論で返されるとは」

唯「はいはい、ペース上げていこーペースペース」

律「くそっー!そ、その、あのさ、ゆい、その...、キスしませ、んか?」

唯「いいよー」

律「えっ、そんなアッサリ........んんっ」

唯「ぷはー、りっちゃんは唇も柔らかくて気持ちいいんだねー」

律「あ、はは、ど、どうも」

唯「やーい、りっちゃん顔まっかっかー」

律「や、やめろよ、からかうの」

唯「猿のお尻みたい」

律「本当にやめろや」

唯「もっかいする?」

律「えっ」


律「ちょ、唯しゃん??」

唯「どうせみんな来ないんだし、りっちゃん、あっちのソファー行こうよ」

律「え、え、なになに?どうした唯、バクッたのか?」アセアセ

唯「もう、りっちゃんが変なこと聞いてくるのが悪いんだからね」チュー

律「えっ、ちょ...心の準備が---んんんん!!?」

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その夜

梓「あ、律先輩からメールだ」ピッピッ
梓「律先輩からメールって珍しい...なんだろ」

梓「んん......??『唯の寵愛エネルギーは任せとけ』」

梓「......なにこれ」

おわり



最終更新:2014年01月26日 08:46