ビービービー
律(やべっ、ケータイ、マナーモードにするの忘れてた)アワワワワワ
澪「おい律、練習中は電源切れとは言わないけどせめてマナーモードにしとけよ」
律「ごめんごめん」
澪「まったくもう!せっかくいい感じでできてたのに!」
律「そんなに怒るなよー澪。ちょっと忘れてただけじゃん。いつもはちゃんとマナーモードにしてるんだからさー」
唯「どぅわー、あちゅーい」バタンキュ-
紬「唯ちゃん、大丈夫?」
唯「はふぃー」プシュ-
律「あらら。この部屋クーラーないからな」
澪「確かにな...。っても、唯がクーラー苦手だからクーラーあっても意味ないんだけどな」ハハハ
紬「まるで熱帯にいるみたいよね」フフッ
律「外も雨で窓開けられないしなぁ。唯もバテちまったし、ちょっと休憩でもするかー!」ノビ-
唯「ムギちゃー...つ、冷たいお茶を恵んでくだせぇ......」
紬「うん、わかったわ、唯ちゃん、すぐ用意するわ!」バタタタ
澪「ムギってば、張り切っちゃって」クスッ
唯「くそぉー、梅雨のジメジメめぇー」
律「......んー(さっきのメールは...、梓から?)」
澪「さっきのメール見てるのか?」
律「あぁ、ん。なんてこった......」
澪「どうしたんだよ?」
律「呼び出しくらっちまったぜ...!!」
澪「......はい?」
---
梓「ふぅ、着いたー」ガチャ
菫「あ、梓先輩、こんにちはー!」ガタッ
梓「スミーレ! もう来てたんだ。早いね」タタッ
菫「はい!今日は私の練習のために先輩方にお付き合いをさせていただいていますし、早く来るくらいは当たり前です!!」
梓「そんなにかしこまらなくてもいいよー。先輩って言ってもグータラな人だったからさ。土曜日ってもどうせ用事とか入ってないんだろうし!」
菫「そ、そうなんですか?」
梓「本当、本当!いっつも練習しようって私が言っても、やれお茶だ、やれお菓子だ、って全然練習してくれないダメ人間なんだから」
菫「あ、はは...そ、そうなんですか......?」
梓「そうなんだよー。まったく。(あれ、なんかスミーレが心なしか私の後ろを向いているような......)」クルッ
律「ほーう、グータラなダメ人間ってぇーのは、どこの誰のことか教えてくれないかなー、あずにゃん♪」ニコッ
梓「」
梓「」
キュ
梓「ちょ律先輩しまってますしまってますしまってます」ギブギブギブギブギブペチペチペチペチペチ
律「問答無用ー!」
梓「」チ~ン
律「ったく。人がいないからって、すーぐ変なこと言いやがって」
菫「あははは......あの、あなたが」
律「ん?...ああ、君が新しく入ったドラムの子?」
菫「は、はいっ!私、1年生の斎藤菫って言います!! 今日はお暑い中わざわざ私のためにお越しいただきましてありがとうございます」ペコッ
律「あらあら。めっちゃ行儀がいいのね。そういうのめんどいから気楽にいこうぜ、気楽に!」
菫「は!はいっ!!(想像と違ってなんだかかっこいい人だなぁ)」ビシッ
律「ははっ。(面白い子だなぁ。...なんだか1年生の時のムギみたいだ)」
律「よし、えーっと、今日はっ......てか、そろそろ復活しろよ、梓」ペチペチ
梓「......んあ、久しぶりすぎてオチてました」
律「あれくらいでオチるとは!!たるんどるんじゃないかねぇー、梓くんよ!!!」
梓「あぁ、そういうノリ久しぶりすぎてちょっとついていけません。飛ばしすぎですって律先輩」
律「もうすぐ夏なんだぞ、暑くならないでどーするっ!!」
梓「まだ6月の梅雨真っ只中ですけどね!相変わらず暑苦しいですね」
律「おいー、中野ォー!」
菫「あはは...」
梓「こほん。えーっと、じゃあ改めまして。今日はスミーレの練習のために律先輩に来ていただきました。わざわざありがとうございます」ペコッ
菫「あ、ありがとうございますっ!!!」ペコッ
律「お、おう。なんだよいきなり。仰々しいなぁ」
梓「スミーレ、こちらが今年卒業されたドラムパートの
田井中律先輩だよ」
律「田井中律だ。よろしくな!」ニカッ
菫「よろしくお願いします、田井中先輩!」
律「あぁ、そんな田井中センパイだなんて。律でいいよ、律で」アハハ
菫「えっ......。り、律先輩っ......!」
律「うむうむ。私もスミーレちゃんって呼ぶからな!」
菫「えっ、そ、それは......///」
梓「それじゃ、律先輩、スミーレの練習をさっそくみてください!」
律「はーい、おっけー!!」
菫「お、お願いします!」
律「あー...」
梓「なんですか?」
律「梓は?」
梓「はい?」
律「梓はどうするの?ギターの練習?それとも帰っちゃう?」
梓「あぁ。私は今日はギター持って来てないので、そこで勉強しておきます。受験生ですし」
律「そっかー。わかったー。うるさかったらごめんな」
梓「いえ、うるさいなんてことないですよ。あ、クーラーはつけ放題ですから。勝手に温度とか調節してくださいね」
律「おっけー、さんきゅー!」
菫「......」
律「よし、じゃあ練習だっぜ!スミーレちゃん!」
菫「は!はい!!」
----
律「うひゃー、このドラム新品じゃん!!」
菫「はい、新品使わせてもらってます」
律(まぁ、今までは私のドラムを持ち込んでたからなぁ。さわちゃんもちゃんと部活の顧問やってんじゃん!)
律「うし、じゃあ始めるか!とりあえず最初はお手並み拝見ってことでなにか弾いてみてー」
菫「は、はい。で、では、今練習してる曲を...」
律「自分のタイミングではじめてなー!」
菫「は、はい!(メトロノームをセットしてっ...と!!)」
カチカチカチカチカチカチカチカチカチ...
菫(......よし!)
ドドッタタッタンッドッ
律(おっ......この曲は......)
......
シャァァァァン
菫「ふぅ......ふぅ......」
律「ん、おつかれー。ホッチキスかぁ。そっかー、この曲やってるんだね」チラッ
梓「......えっとーこれがこうだから......」カリカリカリカリ
菫「ど、どうでしたかっ!?」
律「んー」
菫「」ドキドキドキドキ
律「あんまり上手くないですね」ケラケラ
菫「」
律「ってのはジョーダンでっ!初心者にしてはとても上手に弾けてると思うよ!」
菫「ほ、本当ですか!?」
律「おう!ただ、そうだな。やっぱ連続で叩くところとかはリズムが狂いがちになっちゃうかな」
菫「は、はい。やっぱりまだ移動が難しくて...」
律「ふむ。よし、じゃあまずはその練習からしてみようか。メト鳴らしてっと」
カチカチカチカチカチカチカチカチ
律「じゃあ、いまから私がする通りにやってみてな」
菫「は、はい!」
律「最初にスネアを三回」タンタンタン
律「次にタムを左、右で三回ずつ」タムタムタムダムダムダム
律「最後にこのでっかいの三回」ドオムドオムドオム
律「で、終わりにクラッシュ1回」シャ-ン
律「足はその間ずっと四拍で」ドンドンドンドン
律「おっけ?」
菫「やってみます!!」
タンタンタンドンドタムタムドォムドォムドォムシャァン
律「うんうん、そのちょーし!そのちょーし!」
菫「は、はい...!!!」
タンタンタンドンドタムタムドォムドォムドォムシャァン
律「いいね!!うん、じゃ、ちょっとずつテンポを速くしていってみよーかっ!」
カッカッカッカッ
カッカッカッカッカッカッ
カカカカカカカ
菫「はぁ...む、難しい......」
律「うんうん。でもテンポ140までいったからね。最初にしちゃーじょーできじょーでき!」
律「こういう風に移動の練習をゆっくりのテンポから段々速くしていってごらん。そうしたらいつの間にか身体が位置を覚えてスムーズにできるようになるからさっ」
菫「は!はい!!ありがとうございます!!」
梓(......)ジ---
律「よし、じゃあ、次はここの部分を弾くための練習として...」
梓(......なんだ、私が知らなかっただけで、結構教え方うまいんじゃん。心配して損した...)
律「で、ここはこんな感じで」ギュ
菫「は、はい、」
梓(ああ。あんなにくっついて......)
----
シャァァァン
菫「はぁ...はぁ......」
律「ちょっと、疲れたな。休憩しよっかー!」
菫「は、はい...はぁ...はぁ...」
律「あずさー!!きゅうけーーーー」
梓「...ん、あ、休憩ですか?じゃあ...お茶を...(そうだ、今日は憂がいないんだった)」ガタッ
律「おっ!!梓がお茶淹れてくれんのー?どういう風の吹きまわしー??」
梓「う、う、う、うっさいです!
」
律「あんなに散々『練習ですー』とか言ってたのに」クハハ
梓「そ、それは律先輩が怠けるからっ」
律「私のせいかよっ、唯だっていたじゃんかよ!」
菫「あ!あの、私がお茶を淹れます!!」
律梓「へっ?」
律「うはー、うまっーーうまっーーー」ゴクン
菫「恐縮です」
律「懐かしくなるなぁ。ここでこんな風にお茶を飲むなんて!スミーレちゃんとムギもなんだか似てかわいいし」ナデナデ
菫「あははははははははは(ヤバイヤバイヤバイそうだ律先輩はおねぇちゃんの友達だった...!!!!)」ドキドキ
梓(ムッ......)
梓「でも、スミーレがお茶を淹れられるなんて知らなかったな」
菫「今日はわざわざ練習を見てもらっているので...。私のお茶より憂先輩のお茶の方が美味しいですけどね(もちろん、おねぇちゃんが淹れたお茶もだけど!)」
律「あぁ、いつもは憂ちゃんがお茶淹れてるのかぁ」
菫「はい。憂先輩のお茶は丁寧でとても美味しいんですっ!」
律「なんだかんだ言っちゃってティータイムまで続けてんじゃんかっ!このっこのっ」ツンツン
梓「いたいんで、肘でやめてくださいよ。いいじゃないですか、別にティータイム...くらい...」コクン
律「はあぁ、まったくもう、素直じゃないなぁ、梓は」
梓「律先輩に素直になったって仕方ないじゃないですか」
律「はいはいはい異議あーり、異議あーりー」
梓「認めませーん。異議ありに異議ありでーす」
律「はぁ、なんだそれはっ!」
菫「ふふっ。お二人って仲がいいんですね」
律梓「」
律「仲がいい??私と」
梓「律先輩が?」
律梓「まっさかー!」
菫「...息ぴったりじゃないですか」
律梓「」ハッ
梓「いやいやいやいや、ありえないからスミーレ、私と律先輩が仲がいいとか」
律「うんうんうんうん、そうだぞ、梓の言う通りだからな、スミーレちゃん。私と梓が仲がいいとか、そんなのないからな」
菫「そ、そんなに必死に否定されなくても...」
梓「ひ、必死じゃないし! 私が律先輩と仲いいとか、もう勘違いも甚だしいからねっ」
律「ちょい、それ言い過ぎ!!」
梓「あ、そうですかね?ごめんなさい」
律「いや、わかればいいんだ、わかれば」
菫(うーん、仲がいいようにしか見えないんだけどなぁ...)
律「ったく、梓はいっつも言葉を選ばないからなぁ。メールだって返事遅いしさ」
菫(......)
梓「私は受験生なんですから、返事なんてチマチマ返せるわけないじゃないですか。なにいってるんですか」
菫(......ん?)
律「だからって毎日毎日1通のメールの返事に2時間も3時間もかかってるっておかしいだろ!!!」
菫(......んん?)
梓「先輩こそ時間を考えて送ってきてくださいよ。昨日だって夜中の2時にメール返されたって私もう寝てますよ!」
菫(......んんん?)
律「仕方ないだろ。梓が練習中にメール送ってくるから、私、澪にあのあと怒られてたんだからな、居残りで練習させられたんだぞ!?」
菫(......なんというか、この2人まさか......)
梓「また澪先輩に怒られて!!!もう少ししっかりしてくださいっていつも言ってるじゃないですかっ!!!っっもう!!! バカ律先輩!!!」
律「あっ!バカって言ったな!? バカって言う方がバカなんだよーバカ梓!!!」ベ~
梓「そっちだってバカって言ってるじゃないですかっ!!バカバカ律先輩!!!」
菫「あ、あのー、お二方......」オソルオソル...
律梓「なに!?スミーレ(ちゃん)!?」
菫「つかぬことをお聞きしますけど、もしかしてお2人って、......付き合ってます??」
律梓「」
菫(あ、固まった)
律「そ、そ、そんなわけないでしょ、なーにいってるのさ、スミーレちゃん!?」アタフタ
梓「そうだよ、スミーレ!?なんで私が律先輩と付き合うだなんて!! そんなことあるわけないよ」アハハハハハ
菫(あぁ、...おねぇちゃんがよく読んでた漫画のシーンにこういうのあった。そっくり...)
菫(おねぇちゃん、どうしておねぇちゃんが軽音部に入ったのかわかる気がするよ...)ウンウン
菫「いや、なんと言えば良いのか。はい、今日はお邪魔してすいませんでした。梓先輩、律先輩をお借りしてしまってごめんなさい」ペコリ
梓「ちょっと、スミーレ!?だから本当にその、誤解だってば!?」
アワアワ
菫「私、帰りますんで、あとはお2人で楽しんでください」
ガタッ
律「えっ、あの、えっ、なんだこれはそのあのなんといいますか、あのーそれはーんー?んんんー?」???
菫「律先輩、ドラム教えてもらって嬉しかったです!先輩に教えてもらったやり方で練習頑張ります!ではっ」ダッ
菫(おねぇちゃんに報告だっ♪)ルンルン
バタン
律梓「......」
---
律「ば、バレた......?」
梓「わ、わかんない...」
律「いや、でも何か帰っちゃったし、バレてるだろこれ。『2人の邪魔してごめんなさい』とか言ってたしさ」
梓「うう...、せっかくいい感じに隠し通せてたのに...」ガックシ
律「......」
梓「......」
律「......」チラッ
梓「......」チラッ
律「なんというか...。とりあえず、久しぶり...梓」
梓「久しぶり...だね、律先輩」
律「元気してたか...っても、まぁ、毎日メールしてるから知ってるけどさ」
梓「会うのはゴールデンウイーク以来だから、不思議な感じはするけどね」
律「......髪伸びたな」
梓「そっちこそ......てか、なんでカチューシャ外してきてるんですか?」
律「...いやー、1年生かわいいって梓がいうから...ちょっと、ね」
梓「浮気かよ」イラッ
律「いやいやいやいやいや、そんな般若の顔にならないでくださいよ、梓さん、なにもしてないじゃん!!ちゃんとドラム教えたじゃん!?」
梓「...髪なでてた」ボソッ
律「はい?」
梓「さっきスミーレの髪なでてた! ムギ先輩の話でた時!」
律「あぁ、そ、それはなんといいますか不可抗力というか......地球の重力が私にスミーレちゃんの頭をなでろと急かしてて」
梓「距離も近かった...」
律「後ろから自分がしてるみたいにしないと教えられないんだから仕方ないだろ!」
梓「......もう、ばか」
律「バカじゃないってーの」
梓「ばーか、ばかばか」
律「なんとでも言え。あーあ、......涼しいけど、スミーレちゃんも居なくなっちゃったし帰るかー」ノビー
梓「えっ、帰っちゃうの?」
律「あほ......アイス食べに行く約束だったろ? つーか、メールちゃんと見た?」
梓「メール...?」
律「さっき言ってた2時のやつ!」
梓「......」ピッピッピッ
律「......」
梓「......あ、ほんとだ。私、無意識に返事してるし。この返事送ったの覚えてない......」
律「マジかよー。はぁ...まぁ、いいけどさ。梓も忙しいんだろうし」
梓「昨日はその......」
律「ん?」
梓「律先輩のメール待ってたら、いつの間にか寝てて、だから、その。ごめんなさい、返事遅くなって。あと、いつも返事遅くてごめん。色々いっぱいいっぱいで。部活も勉強も......」
律「...その、なんというか、言い過ぎたよ。ごめん。そんだけ勉強頑張ってるってことだよな、受験生なんだし」
梓「ごめんね、律先輩」
律「もういいってば」
梓「怒ってない?」
律「...ないよ」
梓「ホントに?」
律「...ホントに」
梓「なら、良かった......」
律「......」
梓「......」
律「あぁ、もうかわいいんだよ、梓は」グイッ
梓「えっ! ちょっと?」
律「んんっ...」
梓「......」ぷはっ
律「......///」
梓「....///」
律「......アイス食べ行かない......?」
梓「アイス、......食べいく」
律「じゃ、......さっさと片付けしていこーぜー。手伝うからさ」
梓「うん...先輩のおごりね?」
律「そーだぞー...ってなんでだよっ!?」
梓「勝手にキスしたから」
律「」
梓「律先輩が悪いっ! すぐにチャラチャラして! どうせ大学でもそんな風に友達とイチャイチャしてるんでしょ!」
律「チャラチャラって、なにをおっちしゃる梓さん」
梓「......目が泳いでるっ! アイスおごるのでチャラにするんだからありがたく思ってください!」
律「うーん、チャラいだけに。チャラになるのか。凄くなにかを間違えた気がする......」
梓「無理矢理じゃなくてもっと雰囲気ってものが」ブツブツブツブツ
律(まぁ、おごるつもりだったしいいか。......さて、そうとなると)
律「あーずさ」
梓「?」
律「もっかい!」チュ
梓「ちょっ!?だから、もうホントにバカ律!!」
律「あいたっ」
律「いたたたた......?た?」
律「って、え?叩かれてない...??」
律「あず...ん!?」チュ
梓「さっきの...お返し...」チュ
律「......に、2回も」
律「......」
梓「どうしたの?」
律「いや、...なんていうーか」
梓「?」
律「今めっちゃ梓としたいわ」
梓「」
梓「えっ、いや、ちょっと...流石にここでスイッチを入れられても...が、学校だし」アハアハハハハ
梓「家まで...待てない?」
律「うーん、それ無理」
梓「」
完
菫(はわわわわわ。まさかと思って観察していたけども。百合はトラップだらけってのは本当でした)
菫(すぐにおねぇちゃんにメールして写真送ろうっと...)ピッピッピッピッ
週明けにりっちゃんはムギにプリンをたかられたけど、それはまた別のお話
めでたしめでたし
最終更新:2014年01月31日 08:20