職員室


さわ子「誕生日だって言うのに仕事が片付かない…」


さわ子「ムギちゃんのケーキ食べたいのに」


さわ子「ついてないわね」


堀込「何をぶつぶつ言っとるんだ?」


さわ子「あっ…何でもありません」


堀込「部室に行かなくて良いのか?山中」


さわ子「もうすぐ行きます」


さわ子「これが終わったら」



堀込「そうか」



さわ子(気まずい…)



堀込「山中」


さわ子「はい」


堀込「はじめての担任はどうだった?」



さわ子「無我夢中でした、全員が無事に卒業してくれたら嬉しいです」



堀込「楽しかったか?」



さわ子「はい、とても」



堀込「そうか」



さわ子「でも、少し寂しいかな」



堀込「…」



さわ子「卒業したら、もしかして私の事なんか忘れちゃうんだろなとか考えてしまって…」



堀込「山中、一つ教えてやる」



さわ子「は、はい」



堀込「例え、卒業してもお前は生徒にとっては山中先生なんじゃ」



さわ子「そうですね」



堀込「教師にとっても一生教え子なんだ」



さわ子「はい」



堀込「勿論わしにとってもお前は一生教え子なんじゃ」


さわ子「先生…」



堀込「これからお前は長い時間、教師を続ける」



堀込「つまづく事や悩み苦しむ事もある」



さわ子「はい」



堀込「その時は教え子に戻れ」



さわ子「えっ…」



堀込「わしは一生お前の教師なんだから」



さわ子「先生…」



堀込「早く部室に行け、生徒達が待ってるぞ」



さわ子「はい!」



部室


唯「さわちゃん誕生日おめでとう~」


律「おめでとう!さわちゃん」


澪「おめでとうございます、さわ子先生」



紬「今日は特別美味しいケーキですよ」



梓「皆で作ったんです」


さわ子「ありがとう、みんな」



唯「食べて食べて」


さわ子「うん」ニコッ


澪「どうですか?」


さわ子「ばっちりよ!今までで一番美味しいわ」


律「いやー良かった」


紬「緊張したわ~」


梓「喜んで貰えて良かったです」


さわ子「ふふっ、皆は一生私の教え子よ」


唯「勿論だよぉ、私ねさわちゃんと過ごした3年間とってもとっても楽しかったよ」


律「さわちゃん、軽音部の顧問になってくれてありがとう」


澪「さわ子先生が顧問で担任になってくれて本当に幸せです」



紬「さわ子先生に音楽の楽しさ、仲間の大切さを教わりました」


梓「私はまだ1年あります」


梓「来年も宜しくお願いします」


さわ子「貴女達…」ぐすっ



唯「さわちゃん、泣いてる~」


律「今日は練習辞めてとことん泣かしてやるぜ!」


澪「賛成、今日は沢山お祝いしよう」


紬「先生、覚悟して下さいね?」


梓「今日は寝かせませんよ?」


さわ子「貴女達、教師を何だと思ってるの///」




職員室


さわ子「全くあの子達はもう///」



さわ子「でも、嬉しかったな」


さわ子「教師になって良かったって心から思えたわ」



さわ子「堀込先生、帰ったのね」


さわ子「あれっ机に何か置いてある…」


さわ子「チューリップ?誕生花だ…先生、覚えてくれてたんだ誕生日」


さわ子「ふふっ」カキカキ


何時も何時も口煩くて


怒られてばかりでした


でも、親よりも真剣に叱ってくれた


誰よりも心配してくれた


そんな先生を見て私も教師を目指しました


これからも宜しくお願いします



貴方の一生の教え子


山中さわ子


おしまい