澪は幼馴染みで親友。
気付かないふりをすればこれからもこの関係はたぶん続く。
でも、もうドキドキを知っちゃったから……


律「……やっぱり私、澪へのこの気持ちを恋って呼びたい」

梓「律先輩……。それなら私は律先輩の恋、全力で応援しますよ!」

律「ありがと。今日の梓なんか優しいな」

梓「いつもですよ!……まぁ誰かに好きの気持ちを明かすのってすごく勇気いることだと思うので、その勇気に免じてです。それに律先輩今日は笑っててもどこか力がないかんじですし」

律「そっか……。もう梓に隠し事はできない気がするよ」

梓「いえいえ」

律「それにしても私の気持ちよく分かるな。もしかして梓も恋してたり?」

梓「さぁ?」

律「え……まじ?」

梓「……私のことなんかより今は律先輩ですよ。それで告白なんてできるんですか」

律「告白…!?やばい、全然頭になかった」

梓「はぁ。律先輩らしいというかなんというか……」

律「澪のことは好きだし、できれば付き合いたいし、うわぁ〜」

梓「伝えなきゃ想いは届かないんですよ」

律「そう、だよな……でも怖いよ。もしだめだったらって考えると……」

梓「怖いのは分かります。だけど、このままじゃだめだって律先輩思ったんじゃないですか」

律「うん……うん!私、澪に告白する!」

梓「そうと決まればさっさと帰る準備して、ほら澪先輩の家へ!」

律「え、今?」

梓「そうですよ。勢いだけが律先輩のとりえじゃないですか」

梓がにやっと笑う。
やっぱこいつ生意気な後輩だな。
でもまぁ……


律「よっしゃ!やったるわ!!」

梓「その意気ですよ」

律「玉砕しても想いを伝える!」

梓「それでこそ律先輩!もし振られたら慰めてあげますから」

律「本当?」

梓「はい、髪も触らせてあげますよ」

律「へへっ、ありがとな梓」

梓「じゃあ頑張ってきてください!」

律「おう!あ、でも……」

梓「なんですか?」

律「澪と付き合えることになっても、また髪触らせてな」

梓「……もう、律先輩の浮気者」


そんなかんじで梓に見送られて部室を出た私は一目散に澪の家へ走り出した。
走る意味とかもうよく分かんない!
ただ、一瞬でも早く澪に会いたかった。
澪を好きって気付いたときから心にエンジンかかってるんだ!
いけ!私のぴゅあぴゅあはーと!!!


ピーンポーン

澪『はい』

律「私」

澪『律?どうしたの??とりあえず今開けるね』


ガチャ

澪「律!」

律「はぁ、はぁ……よぉ、澪」

澪「そんな息切れして走ってきたの?あ、上がって」

律「さんきゅ。ちょっと学校からここまでひとっ走りしてきた」

澪「ひとっ走りって、けっこうな距離あるだろ」

律「どうしても今すぐ澪に伝えたいことあって……」

澪「へ…?」

すーはー。
深呼吸して息を整える。
よし。


律「私、今までずっと逃げてきた。でも……

私の気持ち聞いて!!

私、澪が好きだ!
そして澪の髪が好きなんだ!

春は桜の舞い散る中、はるかぜに揺れる澪の髪を見たい。
夏は扇風機の前で気持ち良さそうに宙を舞う澪の髪を見たい。
秋は色づくもみじたちの横の華厳の滝より美しく流れる澪の髪を見たい。
冬は澪の髪まで包んで澪を暖める澪のマフラーになりたい。

一年中ずっと澪と一緒にいたい!そばにいたい!!

澪、大好きだ!!
私と付き合ってください!!!」


胸にためてた気持ちを一気に吐き出した。
ちゃんと伝わった!?
日本語できてる??分からない。

澪は驚いたように大きく目を見開いている。
そして………吹き出した。


澪「ぷっ、律は私の髪に告白してるのかー?」

律「ちがっ…!私は、澪が好きだから、澪の髪だから……澪が大切なんだ」

澪「私と私の髪どっちが好きなんだよ」

律「えっと…………澪!」

澪「はは、なんだよその間」


そう笑った瞬間、澪の瞳から涙が零れ落ちた。


澪「先越されちゃったなぁ」

律「澪……」


澪「私も、ずっと、ずっと……律のこと好きだった」


え…?
今澪なんて……
喉がグッと熱くなる。

澪が、私のこと、すき。


澪「大丈夫??」

気付いたら私はヘナヘナ座り込んでいた。

律「うん」

澪「もう……律も泣いてる」


澪が私の涙をぬぐってくれた。
私も澪に同じようにしてあげる。
2人で涙をぬぐい合うってなんか優しいね。


律「澪……」

ゆっくりと澪のことを抱きしめる。
澪いい匂い。


澪「これからは恋人としてよろしくお願いします」

律「はい」

澪「…なんか照れるなこれ」

律「……だな」


照れ隠しに澪の髪をさらさら撫でてみる。
これからは好きなだけ澪の髪さわっていいのかな。
はぁ、最高……


澪「クスッ、律は本当に髪フェチなんだな」

律「まぁね!一番好きな髪は澪の髪だよ」

澪「ありがとう、なのか……?」

律「どういたしましてー」

澪「そうだ、律が私の髪好きなのと同じように私もちょっと変な趣味あって……」

律「なに?」

澪「律の腕とか首元とか見てると……」

律「澪もパーツ好きなの?」

澪「……噛みたくなるんだ」

律「は、はぁ??」

澪「なんていうか、噛みフェチ?みたいな」

律「いや分かんないから」

澪「じゃあ…………試してみる?」


澪が私の腕に手を伸ばす。
え、まじで?


かぶっ

律「んあっ……」

5秒くらい?けっこう長く噛まれた気がするぞ。
やっと離してくれた。

律「ばかっ!普通人を噛むならある程度遠慮するだろ…!全力で噛みやがって……」

腕を見るとくっきり澪の歯形が残ってる。
これあざになるわ。
てかいきなりすぎてなにがなんだか。


澪「ごめん。つい……でも律も気持ちよかっただろ?声出てたし」

律「ち、ちがうやい……」


恐ろしく弱い語尾になってしまった。
ぶっちゃけ気持ちよかったですううう!!


澪「前唯が律のことドMかって聞いてたけど、あれ当たりだったり?」

律「だったらなんなんだよ」

澪「相性いいなーなんて」

律「……澪の変態」

澪「ば、ばか律!律の方が髪フェチなんて変態なんだからなっ!」

律「はいはい」

澪「ったく……あ、肩も噛んでいい?」


……だめだこいつ。
でも澪のこんな一面を知ってるのって私だけなんだよな。
私の身体に澪の愛の証いっぱいつけてもらいたいな……なんて思ってる私も十分やばいか。


律「ほらよ」

リボンをほどいてブラウスのボタンを一つ外し、ぐいっと肩を出した。
あれ?この格好かなりえろくね?

澪「じゃあ……いただきます」

律「はは、なんだそりゃ。吸血鬼かよ」


余裕ぶろうとしてるけど実際すごくドキドキしてる。
澪が近づいてきて……あ、触れそう。
なんだろう、私は髪でも撫でてればいいの??

肩に澪の温かい唇の感触。
そんで……がぶり。
あぁ、やっぱやばい……


何回にも分けて噛んでくる。
じわじわと痛みがやってきて気持ちいい。
頭が真っ白になっちゃうよ。

律「澪……もっと」

自分でもびっくりするくらいえろい声が出てしまった。

澪「えー……」

律「噛んでる本人が引くなっての!」

澪「まぁ律が喜んでくれるなら私も嬉しい」がぶ

律「んっ…!」


癖になっちゃいそう。


律「はぁ……なんか澪に大切なもの奪われた気分」

澪「なんだよそれ」

律「いやん、お嫁に行けない」

澪「私がもらうから」

律「……へへ」

澪「それで律……」

律「ん?」

澪「あの、さ……あともう一つしたいことが……」

律「まだなんかあるの!?」

澪「せっかく付き合えることになったんだし……」


澪が顔を赤くしてもぞもぞしてる。
あの澪が恥ずかしがって言うって相当マニアックなことか…??
ごくり……


澪「その………キスがしたい」

律「へ?」

澪「だめ…?」


不安そうに顔を傾けながら私を見るマイエンジェル澪たん。
なんていうか………すごく可愛いな。


律「私も澪とキスしたいよ」

澪「本当!」


澪の顔がぱぁっと明るくなる。
そんな澪を見てたら私もなんだか嬉しくて。

澪の手に私の手をゆっくりと重ねた。
手の温かさが伝わってくる。

私、幸せだなぁ。
勇気出して好きって言ってよかった。
これからもずっと、澪と一緒に幸せを感じていきたいな。


律「澪いい?」

澪「……うん」



ちゅ



ーー
ーーーー


後日談!!


梓「昨日は律先輩が部室の鍵持って帰っちゃったせいで大変だったんですからね!」

律「ごめんごめん」

梓「だいたい律先輩は〜」

律「……隙アリさらーん!」

梓「にゃっ!?」

律「うむ。梓の髪は今日も素晴らしいな!」

梓「律先輩!!!……って、分かってましたけどその様子だとうまくいったみたいですね」

律「おう!いろいろ話聞いてくれてありがとな梓」

梓「おめでとうございます。澪先輩に迷惑かけないように頑張ってくださいね!」

律「なんだと中野〜!」


唯「あ〜ずにゃん!なんの話してるの??」ぎゅ

梓「いきなり抱きつかないでくださいよ。律先輩と澪先輩がですね」

紬「ついに!ついになのね!!」

律「うわっ、ムギいつの間に!?」


ガチャ

澪「遅れてごめ…」

唯「澪ちゃん!!おめでとう!!」

澪「えっ??」

紬「りっちゃんと付き合うことになったんでしょ!」

澪「う、うん」


澪のやつ照れてやんの。
顔真っ赤だし。

唯「りっちゃん顔真っ赤〜!」

む。私もだったか。


実はちょっと不安だったけど、けいおん部のみんなが澪とのこと祝福してくれて嬉しかったな。
まぁ付き合い出したと言っても学校にいる間は私と澪の関係は今までとそんな変わってないかんじだけど。(うちでは噛んだり噛んだり……)

一つだけ変化があったとするなら……


律「澪さら〜ん」

澪「おい、こら律ー!」


唯「りっちゃんまた澪ちゃんの髪さわってるよ〜」

梓「触り方が大胆になってきてる……飽きないですね律先輩も」

紬「いいわぁ…!」

律「へへ、しょうがないだろ」


律「だって澪の髪、大好きなんだもん!」



おしまい