菫父「いいかい、菫。よく聞くんだ。琴吹家と斉藤家は血が繋がっていない。それは斉藤家は琴吹家に雇われた身だからだ。先祖代々斉藤家は琴吹家に奉公してきたんだ」
菫「えっと……、わたしとお姉ちゃんは家族じゃないの……?」
菫父「家族同然の仲だ。だが、本当の家族ではないんだ。紬ちゃん、いや紬お嬢様は将来おまえが仕えるべき相手だということを肝に銘じておきなさい。菫も大きくなったからな、近日中に主から仕えることを認められるだろう」
菫「う、うん……?」
菫(お姉ちゃんとわたしは義姉妹ってことかあ。わたしの将来はお家のメイドさんたちの仲間入りで決まってたんだ)
菫(お姉ちゃんはこのこと知ってたのかな?今から行って聞いてみよう)
いっぽう!
紬父「紬。そろそろ菫には屋敷の仕事に従事してもらうつもりだ。菫と姉妹ごっこするのは終わりにしてもらいたい。代わりに、おまえが良ければ彼女を紬の専属メイドにしてもいい」
紬(これで菫と好き勝手する大義名分を得られるわ~)
――――そうして!
菫「お、おかえりなさいませお嬢様!」
紬「ただいま~」
菫「お荷物おもちしますぅ!」
紬「ありがと~」
菫「紅茶をお持ちしました~」 in紬部屋
紬「置いといて~」
菫「夕食の準備が整いました」
紬「は~い」
菫「おやすみなさいませお嬢様」
紬「ちょっと待って」
菫「は、はいぃ!」
紬「使用人モードを解いていいわよ、この部屋には私たちしかいないんだから」
菫「えっ?あ、うん。つい癖になっちゃって」
紬「おつかれさま!だいぶ使用人の様になってたわ!」
菫「あ、ありがとうございます!」
紬「ほら~またっ」
菫「はっ///」
紬「他の使用人とは仲良くやれてる?」
菫「うん。みんな親切な人ばかりだよ。それにわたしの教育係さんが昔からわたしに優しくしてくださった方だったので極度に緊張せずに頑張れました」」
紬「そう♪そのメイドさんじつはわたしがお願いして教育係にしてもらったの~」
菫「わあ…!そうだったんだぁ。ありがとうお姉ちゃん」
紬「万が一菫に合わないようだったら解雇するから、これからも安心して教わってね」
菫「あ、あははは……(今お姉ちゃんの闇が垣間見えたような)」
紬「それじゃそろそろ――」ゴロン
菫「うん、おやすみなさい」
紬「ちがうわ!」
菫「えっ?」
紬「白雪姫は言いました、あなたのキスがなければ眠れないと」
菫「それって毒リンゴじゃ……いやもうどこからツッコめばいいの」
紬「おねがいスミレ~私たちの仲じゃない~ちゅーちゅー」
菫「だ、だめ///わたしはもう琴吹家に仕えるメイドでお姉ちゃんはご令嬢なんだから、そんな馴れ馴れしいことできない……」
紬「そうよね。琴吹家の一員であるわたしのお願いはよく聞かないといけないわよね」
菫「そうきたかぁ!」
紬「すみれ~はやくして~」
菫「一日ぐらい我慢してよぅ。部屋の戸から誰か入ってきたらどうするの……」
紬「一瞬だけ、ならどう?」
菫「んむう…………」
紬「菫だってわたしとキスするの、気持ちいいでしょう?」
菫「うっ……わかったよ」
菫 ちゅっ
紬 んっ
紬 ちゅぅ…
菫 んん……
紬 ちゅっ ちゅっ
菫 ん……ちゅっ ちゅっ
紬 ぺろっ レロレロ…
菫 んぁっ……レロレロ…
紬 ちゅぅ……
紬菫 ぴちゃっ…ぴちゃっ…
紬菫 ぴちゃぴちゃ……とろぉ…
菫 とろぉり…………
紬 ん…ごくん…ごくん…ふぅ……
紬 ちゅぷっ ちゅぱっ ちゅぱっ
菫 はぁ…!
紬 ちゅぅ…ちゅぅちゅぅちゅぅ…
菫 あ……は……ぁぁ……
紬 ちゅるっ……レロレロ……
菫 レロ…は……ふぁ……
菫「一瞬って言ったじゃーーーーん!!!///」
紬「だって~~~~じゅるり」
菫「おねえちゃんはそうやっていつもいつもわたしを弄んで!!」
紬「菫だって受け入れてくれたじゃない~~~」
菫「ち、ちが…今のはおねえちゃんが――」
紬「無理やりしてないわ。よく考えて?ベッドで横になってるわたしの顔に菫が顔を近づけたのよ?菫は離れようと思えばいつでも離れられた。ふふっ」
菫「あ……あぁ…………わたし……///」
紬「素直になっていいのに?菫は内心ではわたしとキスするのが気持ちよくてたまらないのよ」
菫「うぅ……」
菫母「なにやってるの斉藤!!」
菫「はいいいいいいっ!!!!1!!!!」
菫母「帰ってくるのが遅いと思ったらお嬢様の安眠を妨げて……」
菫「え、ええ!?それはおj」
紬「斉藤!!!♪」
菫「ひゃいっ!!!」
菫母「もうしわけございません!!!」
メイド「おつかれさま菫ちゃん。紬お嬢様専属のメイドに任命されて初日のお仕事はどう?」
菫「あう…いつもどおりでした……///」
メイド(なんで赤面してるんだろう)
とあるひ!
友「菫ちゃーん!どこか寄り道してかない?」
菫「んん……今日は早く帰ってくるようお母さんに言われてるから」
友「そっか!なら仕方ないね。わたしゃ友2ちゃんとワイワイ楽しくやってるわー」
菫「ごめんね。埋め合わせはいつかするから」
友「ばいばーい」
菫「お母さん厳しいよ。わたしだってお姉ちゃんと同じ学生なのにぃ……放課後くらい自由に遊びたいな」
下駄箱「メールを一件受信しています」
菫「あれ?これ……手紙?」
菫「もしかしてラブレター!?///」
紬「ステキ!おめでとう菫!」パチパチ
菫「なんでもう祝福の態勢に入ってるの」
紬「だって恋愛よ!恋愛!身内が素敵な出会いを果たした、ていうのにお祝いしないわけにはいかないわ!パーティーの準備してもらわなきゃ!」
菫「やめてー!///」
紬「ラブレターで告白だなんて少女漫画みたい~。わたしもそういう経験してみたいな」
菫「告白はまだだから!」
菫(お姉ちゃんはこんなに喜んでるけど……お姉ちゃんはほんとうにそれでいいの?)
菫(キスするほどゴニョゴニョな関係のわたしが知らない男の子に取られるんだよ?)
菫(そりゃわたしはキスをいやがってた時期が長かったけど……本気でいやがってたわけj、て違う違う!///」
菫(あれはお姉ちゃんのキスが上手で、優しくて、甘くて…、かんたんに心がふやけてしまって…だからお姉ちゃんに流されてキスしてしまうの……)
菫(お姉ちゃんは親密の証にキスをした……。でもわたしの中ではキスは恋人とするもので……)
菫(ああ……どうしよう……お姉ちゃん以外の人とキスするなんて考えられない自分がいる……)
紬(↑とか悩んでそうな顔してるわ~。いいよ~いいよ~)
紬「そうだ…キスの練習しときましょう?」
菫「え、ふぇ!?」
紬「だって彼氏さんと絶対キスすることになるでしょ?」
菫「まだ付き合うとは決めてない!!///」
紬「でもキスする可能性はあるわよ」
菫「わからない……わからないよぅ……」
紬「いざキスしようと唇を近づけたら誤って前歯と前歯がゴッツンコ、なんてことも」
菫「今度はなんの漫画を読んだの」
菫「あれだけお姉ちゃんと濃いキスを繰り返したら普通のキスくらい簡単だよ……」
紬「あらそう?じゃあ普通のキスの復習をしよっか」
菫「うぅ……うん」
紬「はい、菫の目の前にいる人は将来の恋人で~す」
菫「!」ドクン!
菫「よ、よろしくお願いします……(あれ?今ドキッてきた……演技したってお姉ちゃんはお姉ちゃんであることは変わらないのに///)」ドキドキ
紬「……菫?身体が固まってるわ。」
菫「あ、うん……」
紬「将来の恋人が唇を近づけてきます……ちゅー」
菫「え、えと、……あうぅ……///」
紬「ダメね。菫も顔を寄せないと!」
菫「はいい…………ちゅー……」
紬「……ふふっ。ちゅー」
紬菫 ちゅっ
紬菫 ちゅっ
菫 ちゅっ
紬 ちゅっ
菫 ちゅっ
紬 ちゅっ
菫 ちゅぅ
紬 ん……
菫 ちゅぅ…ちゅぅ…
紬 ちゅぅ……
菫 ちゅるり…
紬(あらあら。やっぱり唇を重ねるだけの普通のキスじゃ満足できないんじゃないの?)
紬(そんなに目をとろんとさせちゃって)
菫 ぴちゃっ…
紬 ん…ふっ……ぴちゃぴちゃ……
菫 ぴちゃっ…ぴちゃっ…
紬 ちゅるるる……
菫 あぁ……ぴちゃっ…
紬「――練習だっていうのに30分もキスしちゃったね。濃いキスを」
菫「はあ……はあ……はあ……///」モジモジ
紬「菫ったら本気になっちゃうんだもの」
菫「…あのね、わたし、わかったの。お姉ちゃんとキスするのが好きだったんだよ……」
紬「それは前からわかってたわよ~」
菫「うーっ!///」
紬「すっかり菫の顔が熱をもってる…。もっとキスしたかった?」
菫「うん…………///」ドキン ドキン
紬「正直でいい娘ね」なでなで
紬「ところで菫にとってわたしはどういう存在なの?」
菫「あ……う……」
紬「琴吹の娘?お義姉ちゃん?それともほかに?」
菫「なんで今訊くのお……」ドキン ドキン
紬「答えてくれないとキスしてあげなーい」ぷいっ
菫「うぅ……お姉ちゃんは……わたしにとって…」
菫(どうして今日のわたしは素直なんだろう……)
菫(ラブレターをもらっただけでこんな変化が……あっ)
菫(さっきのキスの練習でお姉ちゃんが自分を将来の恋人だ、て言ったときだ……胸が熱くなった)
菫(そっか。わたしは――)
菫「お姉ちゃんは将来の恋人、です」
紬「 」キューン
菫「お姉ちゃん?お姉ちゃん!固まらないでよ!おねえちゃーん!」
またあるひ!
紬「ねえ、菫」
菫「うん」
紬「本気でこの家を出ない?」
菫「ダメだよ!?まだそんなこと考えてたことに驚いたよ!」
紬「だってここじゃ菫と二人っきりになれないしー……」
菫「家族を裏切っちゃだめだって!わたしは育ててもらった恩を琴吹家に返したいもん!」
紬「むぎゅぅ。菫は頭固いんだから」
紬「あらもう登校する時間ね」
菫「今日は部活行くの?」
紬「うん。学園祭が近いからドーン!と張り切っていくの」
菫「当日はビデオカメラを携えて行くね」
紬「おねがいね♪」
紬「あ、それと。ちゅっ」
菫「んむ……ぷはっ。行ってらっしゃい♪」
紬「行ってきま~す」
紬「さて、今日も軽音部を百合色に染める努力をするわよー!!」
おしまい!
最終更新:2014年03月03日 01:07