……

コトブキ邸 地下

憂「――へえ、直ちゃんって言うんだ。よろしくね」

梓「どうして渡り鳥になろうと思ったの?」

直「何か新しいことがやってみたくて……」

梓「それで渡り鳥ってなかなかすごいな……普通は敬遠するもんだけど」

純「スミーレはどうして?」

菫「す、スミーレって……」

純「なんかスミーレはスミーレって感じじゃん。で、どうして渡り鳥に?」

菫「え、えっと……あ、着きましたよ! ここがARM倉庫です」ガチャ

純「うわ、すごッ!?」

梓「こんなにたくさんのARMが……」

憂「いろんな種類があるね~。スミーレちゃんに直ちゃん、早速触ってみて?」

直「えーと、まずはギターを……こうですか?」

菫「……それはバイオリンっていう古代楽器の持ち方です」

梓「ほら、こうやって持って、弦を弾いてみて」

直「あ、はい。――えい!」ブチッ!!

梓「え!?」

純「うわ、弦が切れた……一発で」

直「す、すいません……」

梓「今、自分の力だけで切ったよね……えーと、他の楽器もやってみる? アームスティックなら簡単なんじゃないかな。これでドラムを叩いてみて、音が増幅されればOKだよ」

直「わかりました――えい!!」ズガン!!

憂「スティックが吹き飛んじゃった……すごいね!!」

純「……いや、今のはARMの力じゃなくて自力でしょ?」

梓(もしかしてこの子、ARM親和性ないんじゃ……)

直「斉藤さんもやってみる?」

菫「う、うん……触るの久しぶりだし大丈夫かな」

菫(はあ……何やってるんだろう私。このままじゃお嬢様の言いつけを守るどころか、渡り鳥として危険な旅に出るはめに……)

菫(もー、私のバカバカバカーーーーッ!!!)ズガガガガガガ バシュンバシュン!!!

梓「ちょ、菫、衝撃波出しすぎッ!?」

純「うわ、あっぶなッ!!」ヒョイ

憂「わ!」カキン

直「ひぃ!?」

梓「菫、落ち着いてッ!!」

菫「――はっ!? 私一体……!? す、すみませんでしたーー!!」

※菫はソニックバスターを覚えたッ!

梓「すごいじゃん菫! もう決まりだね」

菫(……結構気持ちよかった……渡り鳥って楽しいのかも?)


……

梓「さて、あとは……」

直「……」ジャーン ブチッ!!

純「さっきから弦切りまくってるけどいいのスミーレ?」

菫「弦ならまあ大丈夫ですが……」

直「あの……ずっと黙っていたことがあるんですけど」

梓「どうしたの?」

直「私……実はARM触ったの初めてなんですッ!!」

梓「知ってるよ!? なんで今言ったの!?」

直「おかしいですね……音楽理論は完璧に勉強してきたはずなんですが」

純「いや、ARMの適性は音楽関係ないよ」

憂「ARMと精神を同調させるようにするんだけど……できないかな?」

直「はい……」ズーン

梓「うーん、しょうがないか……ARMがないと荒野に出るのは危険だし……」

直「私、勉強以外はからっきしで……渡り鳥になってみたいと思ってたんですけど、慣れないことはしないほうがいいですね。短い間ですが、お世話に――」

菫「――ま、待って!! 勉強が得意なら、もしかしたら……『アームマイスター』になれるかも」

直「……あーむ、まいすたー?」

菫「うん……ARMを改造する人のこと」

純「え、ARMって改造できんの?」

梓「コトブキ家ならやりかねない……」

菫「ARMは構造が複雑だから、しくみを理解するのが難しいんです。だから、勉強が得意な人に――」

直「――それなら、私でもできる……? お、教えて、斉藤さん! 私勉強するからッ!!」

菫「お、落ち着いて!? 今、うちのアームマイスターの人のとこに連れて行くから」

直「……というわけで先輩方、私は今から修行の旅に出ます!」

梓「いや、旅じゃないけど……でもARM改造ができたら頼もしいな。がんばって!」


……


菫「――遅くなりました! 直ちゃん、張り切って早速勉強し始めてましたよ」

憂「よかった。早くメンバーに加わってほしいね♪」

純「そしたら五人か。だいぶにぎやかになるんじゃない?」

梓「よーし、じゃあ次の目的地に……あっ」

純「どこに行くか聞こうって話だったじゃん。そうだ、スミーレ、知らない?」

菫「な、何をですか? というか、そもそも先輩方は何を探して――」

憂「そういえば話してなかったね。実は――」


……

菫「そういうことだったんですか……ガーディアンのことやデス・ナイト・クォーターズについては聞いてます。それを追っている渡り鳥が先輩達だったんですね」

菫(えーっと……そのバンドがお嬢様たちのバンドだったはずなんだけど……じゃあ梓先輩はそのバンドから抜けてきたってこと……? それでお嬢様が連れ戻すようにお言いつけを?)

菫(ど、どうしよう……そんな重要な役目だったなんて……このままじゃお嬢様にしかられちゃう……)

梓「菫? それで、このあたりにガーディアン関連の遺跡ってない?」

菫「――え!? は、はい。コトブキ家の関係者しか知らない、光のガーディアン『ステア・ロウ』が封印されている遺跡がこの近くにあります」

憂「すごい、やっぱり知ってるんだ」

純「てか、そんな秘密の遺跡をキャサリンたちはどーやって見つけ出してるわけ?」

菫(確かに、どうやって遺跡を見つけたんだろう……まさか、関係者なのかな)

梓「さあ……まあいいや、早速そこに向かおうよ!」

憂「おー♪」


……

数時間後 同所

唯「ここがムギちゃんの住んでる街か~。すごい、機械がいっぱい!」

律「久しぶりに来たけどやっぱここは雰囲気違うな」

澪「私達渡り鳥に対する目も厳しくないしな。居心地はいいよ」

紬(菫から特に連絡がないわ……うまくいったかな?)

紬「とりあえず酒場で情報を集めましょう」

……

酒場

唯「――あ、晶ちゃんだーーッ!!」ダッ

晶「え? ちょ、唯ッ!? ――うわ!!」ムギュ

晶「こら!! 離せッ!!」ジタバタ

唯「晶ちゃん久しぶり~!!」ギュウウ


……

晶「まったく……」

律「唯がご迷惑を……」

唯「そんなぁ~……」

菖「まあまあ。晶をこんだけイジれるなんて珍しいから大歓迎だよ」

晶「歓迎するなよ!?」

紬「そういえば、敵じゃなくて会うのは初めてね」

澪「えっと、そう、でいいのか……?」

幸「もう敵じゃないから大丈夫だよ」

晶「ま、アークセプターのことについてはもうどうでもいい」

菖「はいはい盗んどいてえらそうに言わないの!」ゲシッ

晶「ぐえ!?」

律「相変わらずだな。ところでお前らは今何してるんだ?」

晶「いてて……それはこっちのセリフだ。お前らこそ何をもたもたしてるんだ? 奴らが動き出しているのに」

澪「奴らって……キャサリンたちのこと何か知ってるのか!?」

菖「そうだよ! あいつら、各地のガーディアンのパワーを吸い取ってまわってるんだよ。アークセプター無しで」

紬「やっぱりそうだったのね……!」

晶「奴らの後を追ってるんだが、遺跡にたどり着いたころにはもぬけの殻ってことが多くてな」

幸「一回だけミーディアムを回収できたけど、後のところはなかったよ」

律「え、ミーディアム? どうやってとったんだ?」

幸「ガーディアンが最後の力を振り絞って、ミーディアムになって落ちてたの」ヒョイ

紬「それは……雷のガーディアン、『ヌァ・シャックス』のミーディアムね」

唯「私たち一回もそんなことなかったよ?」

澪「キャサリンたちに回収されたのかな……?」

晶「いや、奴らはこのことに気づいていないはずだ。あんたらが回収してないとなると、他の渡り鳥が……?」

紬「梓ちゃんかしら……」

菖「あ、そういえばその子どうしたの? キミたちのチームに入ったって噂聞いたけど」

律「いやぁ、いろいろありまして……」

晶「まあ、容易に予想できるな」

唯「……」

菖「ん~、とりあえず新情報はなしか……えっと、ムギちゃんだっけ? 残りのガーディアン遺跡の場所、わかる?」

紬「ええ。あと二つだから、もしよければ二手に分かれてほしいのだけど……」

晶「ま、あんたらと組む気はないしな。そうさせてもらう」

?「――それは多分もう間に合わないわ。それよりも、頼みたいことがあるんだけど……」

晶「……誰だ?」

ジャニス「ジャニスって呼んで。やっと見つけた……君たちが噂のバンドね。恩那組の子たちもいるなんてラッキーね」

和「――唯、唯じゃない!!」

唯「え? 和ちゃん!? 和ちゃーーん!!」ダッ

和「うわ!? ちょっと唯、勢いよすぎよ……もう。ふふ、久しぶりね」

唯「和ちゃん、会いたかったよ~!!」ギュウウ

律「なんだなんだ、展開がまったく読めんぞ?」

ジャニス「ごめんなさい、じゃあ唯ちゃんが落ち着いたらゆっくり話そうかしら」


……

律「なるほど、デス・ナイト・クォーターズに対抗する組織に協力して欲しい、ね……」

和「ええ。それで私とジャニスさんは組織の本拠地をこの近くに作ろうと思ってるんだけど……ちょっと唯、もう離れなさい」

唯「えへへ、だって久しぶりなんだもん~」ギュウウ

ジャニス「今、梓ちゃんと憂ちゃんがキャサリンを追っているわ。それはそっちに任せて、あなたたちは別のことにあたってほしいの」

晶「ちょっと待て。私は協力するなんて一言も言ってないぞ? だいたい、あんたは何者なんだ。突然出てきた奴の言うことをそうそう信じられるかよ?」

晶「それに、私は渡り鳥だ。渡り鳥に無償で協力しろなんて笑える話だな。報酬が示されて初めて依頼が成り立つのが荒野のルールだろう」

ジャニス「そうね……じゃあ報酬は、『デス・ナイト・クォーターズの正体と目的』でどう?」

晶「なんだと……?」

菖「全部知ってるの!?」

ジャニス「うん、もちろんよ。協力してくれるからには全てを話すわ。どうかな?」

晶「本当だろうな……? まあいい、受けよう」

澪「私達も受けるよな、律?」

律「まあ、私は別に報酬とか関係なく協力するつもりだったけどな。いいよな、唯にムギ?」

唯「もちろんだよ! 憂もあずにゃんも元気そうでよかった~」

紬「ええ、いいと思うわ!」

紬(でも、気になるわ……このジャニスさん、何者なのかしら……)

ジャニス「ありがとう! じゃ、早速だけど、恩那組のキミたちはここから離れた砂漠地帯にある電波塔に向かって欲しいの」

ジャニス「最近、突然何もないところに電波塔が立ったって噂よ。おそらくデス・ナイト・クォーターズが関わっていると思うから、調べてきてほしい」

晶「なんだって急に塔が……よし、向かうぞ」サッ

菖「急に張り切っちゃって……んじゃ、みんなまたねー!」サッ

幸「またね」サッ

ジャニス「唯ちゃんたちに行ってほしいのは、ここから山を越えたところにある……ユグドラシル」

紬「ユグドラシル!?」

ジャニス「紬ちゃんは知ってるかな? 山の中腹に隠されたトンネルがあるから、そこを通れば行けるわ」

紬「なぜ、それを知ってるんですか……?」

ジャニス「んー、じゃあそれは後でまとめて話すね? ユグドラシルに着いたら、最上階にある制御装置のコアを抜き取ってほしいの」

唯「ユグドラシルって何? 機械?」

紬「ええ、まあそんなところかしら……。わかりました、ジェネレータのコアですね」

ジャニス「話がすぐ通じて助かるわ。お願いね!」

和「それじゃ、私達はこれで……唯、しっかりね」

唯「うん! またね和ちゃん」



……

光射す庭
ダンジョン・遺跡系2 

菫「ここです。ここが光のガーディアンの遺跡です」

梓「こんなところに……今まで全然気づかなかった。キャサリンはもう来てるかな? よし、行こう!」


……

最深部

キャサリン「……」キュイイン

梓「――いたッ! 今すぐエネルギー吸収をやめてください、キャサリンッ!!」

キャサリン「――はい終了っと! 残念だったわね、今終わったところよ」

憂「そんな……!」

純「まぁ、あとでミーディア――むぐッ!?」モゴモゴ

梓(純、それは言っちゃダメだって!)ギチギチ

純(ぐぇ……ゴメンゴメン、わかったから離してって!)

キャサリン「……何かしら? まぁいいわ、吸収も終わったところだし……ちょっと最近あなたたちの妨害も無視できなくなってきたのよね。ここらへんで本気出させてもらうわよ」ギロッ

菫「ひぃっ!?」

キャサリン「あら、新人さんかしら。なかなか着せ替えがいのありそうな子ね……覚悟しなさい」ニヤリ

菫「ひぃぃぃッ!?」

憂「スミーレちゃん、後ろに隠れてて? 後ろから援護してくれればいいから」

梓(菫が仲間になったとはいえ、まだ初心者だし……本気のキャサリンに勝てるかな?)

?「――ちょっと待ちな、キャサリン」

キャサリン「クリスティーナ!? 『浄化』が終わったのね」

梓「しまった、挟み撃ち――」

クリスティーナ「ああ、やっとね。キャサリン、あんま無理するんじゃないよ。あんたもそろそろ限界だろ? 大事なときに変身解けちゃったらどうすんだい」

キャサリン「う……そうね」

クリスティーナ「ここは私に任せな。あと一つのガーディアンもね。あんたは一旦戻って『浄化』してきなよ」

キャサリン「わかったわ。悪いわね」サッ

クリスティーナ「――さて、と」ニヤリ

純「梓、この人も強いわけ?」

梓「う、うん……多分同じぐらい」

憂「――大事なとき、って何のことですか? 何を企んで……」

クリスティーナ「それならすぐにわかるさ。そのためにも、あんたたちにはここでリタイアしてもらわないとね――アクセスッ!!」ピカァァァ

菫「へ、変身……!?」

菫(どうしよう……私、生きて帰れるのかな……お姉ちゃん……)

梓「――来るよッ!!」


――――――――――――――――

boss; クリスティーナ
バトル・ナイトブレイザー  

クリスティーナ「しかし、話には聞いてたけど、前とは全然メンバーが違うねぇ。駆け出しばかりに見えるけど」

梓「そうですけど……でも、負けませんッ!」

◆お宝いっただき☆
純「まずはお宝ッ!」 Force level up!
クリスティーナ「は?」 ※クリスティーナは何も持っていない!
純「あれ、またお宝なし……?」

梓「ちょっと純! この人たちはトレジャーハンターじゃないから!! 説明したでしょ!?」

純「あはは……つい」

クリスティーナ「あっはっは、こりゃダメね。バラバラじゃないかい、このチーム」

梓「そんなこと……くぅ……これからだもん!」

◆マイトアヴァランチ
梓「たぁーーッ!!」ジャーン ズガガガガガガガガガガガン!!! Force level up!
クリスティーナ「く……! ほう、あんただけは一人前ね」1094

◆プロバイデンス
憂「強そう……守りを固めないとね!」DFP, MGRアップ
梓「よーし!」DFP, MGRアップ
純「お、これこれ!」DFP, MGRアップ
菫「? なんだか強くなった気がします」DFP, MGRアップ

クリスティーナ「へぇ……」

憂「ほら、スミーレちゃん、スティックに心を通わせて……あの時みたいにね?」

菫「は、はい! できるかな……」

◆ソニックバスター
菫「――えーい!!」シャキン!!
クリスティーナ「いた! ……? 何、ほんとにほんとの初心者?」45
菫「全然効いてませーん!!」
憂「これからだよ、スミーレちゃん!」

クリスティーナ「さて、様子を見させてもらったけど……あんたたちのことはよーくわかったよ」

▼デッドオアアライブ
クリスティーナ「――まずはあんただッ!!」ゴォォォ
憂「う……」death ドサッ
菫「憂先輩ーーッ!?」
梓「しまった……!」


梓           憂           純           菫 
HP1027/1027    HP0/1040      HP1211/1211    HP110/110
FP38 弦5/6    FP0  弦5/6    FP36 弦4/4    FP15 MP4/11


……

▼ファントムファング
クリスティーナ「さぁ、どんどんいくわよ」ズドーン!!
純「ぎゃーーッ!?」789 Force level up!
梓「憂の魔法の効果があるのに……やっぱり強いな」

純「こんの……こうなったら手に入れたガーディアンの力を――」

梓「純、ダメだってば!!」

純「あ、そうか……んじゃこれをくらいなさいッ!!」

△全力全開
純「私の本気、どうだーーッ!!」シュイイン
◆クリティカルヒット
純「たぁーーッ!!」ジャーン ズドン!!
クリスティーナ「ぐっ!?」1278
梓「あ、結構やるじゃん」

○リヴァイブフルーツ
梓「ほら、憂」キュルリン
憂「うう、ありがとう」

梓「菫、もう一回さっきのできる?」

菫「も、もう無理です……」

◆アタック
菫「え、えーいッ!!」スカッ Force level up!
クリスティーナ「避けるまでもないわね」miss!


梓           憂           純           菫 
HP1027/1027    HP260/1040     HP471/1211    HP110/110
FP48 弦5/6    FP0  弦5/6    FP45 弦3/4    FP25 MP4/11




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最終更新:2012年10月24日 22:28