※リクエスト
じゃぁ、菫が紬の寮へ焼うどん作りに行く話し
地の文は抜きで




◯紬「妹と焼きうどん」

駅前
紬「菫ー! こっちこっち!!」

菫「紬お嬢様!」

紬「久しぶりだね」

菫「…紬お嬢様もお変わりないようでなによりです」

紬「…菫、意地悪はやめて」

菫「………お姉ちゃん、会いたかったよっ!!」

紬「私も会いたかったわ菫っ!」ギュ

菫「もう、お姉ちゃん…‥」ギュ

紬「立ち話もなんだし、寮に向かいましょうか」

菫「うん」

紬「今日は泊まっていくんでしょ?」

菫「うん。着替えも持って来てるし」

紬「そのスーパーの袋は?」

菫「夕御飯の材料だよ。お姉ちゃんに作ってあげようと思って」

紬「本当!!?」

菫「うん。ひょっとして迷惑だった?」

紬「迷惑だなんて……とっても嬉しいわ」

菫「それならよかったよ」

紬「菫、大好き!!!!」

菫「はしゃぎすぎだよお姉ちゃん。でも喜んでもらえて嬉しいよ」

紬「だって妹の手料理を食べられるんだもの!!」

___
菫「ここがお姉ちゃんの住んでるところ?」

紬「ええ」

菫「入ってもいいのかな?」

紬「ええ、寮監さんには許可をとってあるから、遠慮しなくていいのよ」

菫「手回しがいいね。それじゃあお邪魔しまーす」


唯「おっ」

紬「あら、唯ちゃんこばんわ」

唯「ムギちゃんと……この子は…菫ちゃんだね?」

菫「はい。斎藤菫と申します。平沢唯様ですね。紬お嬢様から話は聞いております」ペコリ

唯「うわっ、様付けで呼ばれちゃった」

紬「菫、そこまで畏まらなくていいのよ」

菫「ですが紬お嬢様」

唯「あ、私、用事があるからもう行かなきゃ」

紬「いってらっしゃい、唯ちゃん」

___
紬「ここが私の部屋だよ」

菫「お邪魔しまーす」

紬「いらっしゃい」

菫「ここがお姉ちゃんの部屋……」

紬「ベッドにでも腰掛けて待ってて、冷たいお茶をいれてあげるから」


紬「はい、麦茶」

菫「ありがとう」

紬「あんまり広くないけど寛いでね」

菫「私は大丈夫だよ~。だけど、お姉ちゃんはこんなに狭い部屋で大丈夫?」

紬「屋敷と比べれば確かに広くないけど、なかなか快適なのよ。キッチンもついてるし」

菫「ふぅん。まぁお姉ちゃんが不自由してないなら、いっか」


紬「……そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」

菫「えっ……何を?」

紬「袋の中身」

菫「すっかり忘れてたよ。テーブルの上に並べるね」

菫「なんの材料かわかる?」

紬「キャベツ、人参、ピーマン、玉ねぎ、豚コマ肉……」

紬「わかった! 野菜炒めね!」

菫「不正解だよ、お姉ちゃん。実はこれを隠してたの」

紬「これは…うどん? 煮込みうどんを作ってくれるの?」

菫「ううん。焼きうどんを作ろうと思って」

紬「焼き……うどん?」

菫「そうだよ」

紬「うどんを焼くの?」

菫「うん。焼きそばのうどんバージョだんよ」

紬「焼きうどん!? 凄い! 凄いわ菫!! そんな料理があるなんて全然知らなかった」

菫「喜んでもらえて嬉しいよ。調味料は何があるかな、お姉ちゃん」

紬「冷蔵庫見る?」

菫「うん」

紬「どうかな?」

菫「うーん。酒、ウェイパー、醤油、味醂、味噌、チューブ生姜に山葵……ひと通り揃ってるね」

紬「ええ、色々料理に挑戦してるから」

菫「じゃあ味噌焼きうどんでも作ってみようか」

紬「味噌焼きうどん?」

菫「うん。味噌の香ばしいにおいが食欲を誘うんだ」

紬「ふぅん。どんな味なのかしら。気になるわ」

菫「でも夜ご飯にはちょっと早いね」

紬「じゃあトランプでもする?」

菫「うん」

___
紬「……右ね」ヒュッ

菫「あっ」

紬「私の勝ち!」

菫「お姉ちゃん、ババ抜き強すぎるよ……」

紬「一息いれましょうか」

菫「うん」

紬「ねぇ、菫、けいおん部はどう?」

菫「とっても楽しいよ。あ、お姉ちゃんにはお礼言わないと」

紬「お礼?」

菫「私がけいおん部に入るように先生に手回ししたのお姉ちゃんでしょ」

紬「えっ、バレちゃったの!?」

菫「さわ子先生が普通に教えてくれたよ」

紬「先生……秘密にして欲しいと言ったのに……」

菫「あれれ、そうなんだ」

紬「それにしても菫がドラムを選ぶなんてちょっと意外だったわ」

菫「あっ、それは……」

紬「何か理由があるの?」

菫「うん……」

紬「言いにくいことなら別に……」

菫「そんな大したことじゃないんだけどね。ストレス解消にいいかなって」

菫「ほら、ドラムって思いっきり叩けるし」

紬「ストレス……琴吹家での生活はそんなに辛い?」

菫「うーん。メイドの訓練が大変というのもあるけど、それ以上に…」

紬「それ以上に……」

菫「お姉ちゃんと一緒にいられないのが辛いかな」

紬「菫……」

菫「あ、今はそうでもないんだ。けいおん部で友達もできたし、いい先輩に囲まれてるから」

菫「高校入った当時は、ちょっと辛かったかな」


紬「ごめんね、菫……」

菫「気にしなくていいよ。こういう経験も私には必要だったと思うから…」

紬「……うん」

菫「本当に気にしなくていいから」

紬「だけど、ちょっとさみしいな。菫もお姉ちゃんを卒業しちゃったんだね」

菫「……そんなことないよ」

紬「そう?」

菫「うん。だからちょっとお膝にお邪魔するね」ストン

紬「あっ、これじゃあババ抜きできなくなっちゃう」

菫「……これは」

紬「うん?」

菫「ごめんお姉ちゃん。昔みたいに、って思ったけど、明らかにこれは違うよね」

紬「そう?」

菫「私、お姉ちゃんより背高くなっちゃったし、この体勢じゃお姉ちゃん前が全然見えないだろうし」

菫「ってお姉ちゃん。そんなにがっちりホールドされたら…」

紬「駄目。しばらくこのまま」ガシッ

菫「お姉ちゃん……」

紬「菫、今日ぐらい思いっきり甘えて……」

菫「…………うん」

菫「ねえ、お姉ちゃん。私、仲のいい友だちができたんだ」

紬「眼鏡の子のこと? 確か名前は…奥田直ちゃんだったかしら」

菫「うん。お泊りにもいっちゃった」

紬「あらあらまあまあ、それは素敵ね。じゃあけいおん部で一番仲がいいのは直ちゃん?」

菫「うーん。友達として仲がいいのは直ちゃんだけど、一番よく話すのは憂先輩かな」

紬「憂ちゃん? 意外ね」

菫「うん。この前も意気投合して部室で話込んでたら、いつの間にか他の部員がいなくなってたんだ」

紬「菫と憂ちゃん……共通の話題なんてあったかしら」

菫「もちろんお姉ちゃんトークだよ!!」

紬「えっ…?」

菫「お姉ちゃんの素晴らしさを語ってたら時間なんてあっという間だよ!!!」

紬「そ、そうなんだ…」

菫「唯先輩のことも耳に蛸ができるぐらい聞いたよ。そういえばさっき唯先輩とすれ違ったね」

紬「あっ、そのことで相談なんだけど、けいおん部メンバーの前では紬お嬢様はやめない?」

菫「そっちのほうがいいと思う?」

紬「うん」

菫「じゃあ、そうするよ」

紬「こうやって二人でゆっくるするのも久しぶりね」

菫「うん」

紬「昔はいつも一緒だったね」

菫「うん」

紬「どこに行くにも二人一緒、ピアノのコンクールにまでついてきてくれて」

菫「…うん」

紬「懐かしいね……」

菫「……うん」

紬「………菫?」

菫「……」

菫「……」

菫「……」

紬「寝ちゃった……」


___
菫「……うん?」

紬「おはよう、菫」

菫「はっ! お姉ちゃん!? どこ?? って私、お姉ちゃんの膝の上に座ってる?」

紬「落ち着いて、菫」

菫「あっ、そうだ。私、お姉ちゃんのところに来て寝ちゃったんだ……」

紬「思い出した?」

菫「うん。お姉ちゃんごめんね。足つらかったでしょ」

紬「ううん。これくらい平気だから!」

菫「お姉ちゃん……」

紬「そろそろ焼きうどん作りましょうか」

菫「うん。じゃあ野菜切ってくるよ」

紬「私も手伝う……つっ」

菫「お姉ちゃん!?」

紬「大丈夫。ちょっと足が痺れただけだから。ちょっと待ってて」

菫「お姉ちゃんは暫く休んでてよ。二人で料理するには少し狭いから、ね」

紬「そう? じゃあお願いしちゃおうかな」

菫「任せてよ」


紬「……」

菫「……」トントントントン

紬「家では料理もしてるの?」

菫「うん。お爺ちゃんに教えてもらってるんだ」トントントン

紬「すごく手際がよくなったね」

菫「うん……練習したから」トントントン

紬「訓練は厳しい?」

菫「ううん。そうじゃなくて焼きうどん作る練習を何度もしたんだ」シャッ

紬「…もしかしなくても、私のため?」

菫「うん」トントントントン

紬「菫…ありがとう」

菫「うん……。切り終わった。お姉ちゃん、大きなフライパンある?」トントン

紬「えっと。これが一番大きいんだけど…」

菫「ちょっと小さいね」

紬「そうだ! ホットプレートならあるけど」

菫「そうだね。そっちのほうが良さそう」


紬「はい、これ」

菫「随分大きなホットプレートだね」

紬「みんなで集まってホットケーキ焼くとき重宝するのよ」

菫「ホットケーキパーティー。いいなぁ……」

紬「それじゃあ、明日の朝ごはんはホットケーキにする?」

菫「うん!」

紬「そろそろプレートも温まってきたんじゃないかな」

菫「じゃあ豚コマから焼いてくね」ジュー

紬「次は……人参かな」ダバァ

菫「そうだね。玉ねぎも先に入れちゃおう」ダバァ

紬「しばらく待ってから……ピーマン投入」ダバァ

菫「最後はキャベツだね。あっ、お姉ちゃん、うどんレンジでチンしてくれる?」ダバァ

紬「えっ、レンジで?」

菫「うん。チンすると麺がほぐれやすくなるんだ」


___
チン!

紬「うどんOKよ」

菫「じゃあここに投下して」

紬「ラジャ!」ダバァ

菫「あとはよく混ぜて……水もちょっとだけ注そうかな」

紬「これぐらい?」ダバ

菫「良い感じだよ。それじゃあ蓋をして蒸し焼きにしようか」


___
菫「そろそろいいかな。蓋をあけるね」

紬「凄い湯気! もう食べちゃいたいぐらい美味しそう」

菫「ソースはまだだから、今食べても味気ないよ。じゃあ醤油、日本酒、味噌、生姜を混ぜた合わせ調味料を」ダバァ

紬「とてもいい匂いが漂ってきたわ」

菫「うんうん」

紬「これなら釣れそう」

菫「へっ?」

紬「こっちの話」

菫「……よくわからないけど、まぁ、いっか」

紬「お皿用意してくるね」

菫「できたよー」

紬「はい、お皿」

菫「ありがとう。じゃあよそうね。はい、お姉ちゃんの分」

紬「ありがとう」

菫「そして私の分。食べよう、お姉ちゃん」

紬「うん。いただきます」

菫「いただきます」

紬「うぅん。いい匂い。味は……美味しい」

菫「うん。上手くできたね」

紬「うどんのもっちりした食感に、あっさりしてるけど旨味の強いソースが上手く絡んでる」

菫「野菜もいい感じだね」

紬「ええ、焼きそばとはまた違った味わいね」


__
菫「ふぅ、食べたね」

紬「もう食べられない……」

菫「流石に4玉は多かったね。一人前ぐらい残っちゃった」


ガチャッ
唯「ムギちゃーん!」

紬「あら、やっぱりきたのね」

唯「うんうん。いい匂いがしたからやってきたよー、あ、菫ちゃんもこんばんは~」

菫「こんばんは、唯先輩」

唯「あっ、様付けじゃないんだ。でもそっちのほうがしっくりくるよ~」

紬「唯ちゃん食べてくでしょ?」

唯「もちろん!」

菫「唯先輩はよくお姉ちゃんのところで食べていくんですか?」

唯「うんうんそうだよー。美味しそうな匂いがしてる日は特にね。……ん? お姉ちゃんって?」

紬「うん。菫は私の妹同然なの~」

唯「へぇ~、仲いいんだね~」

菫「はい!」

唯「あっ、この焼きうどんとっても美味しいねぇ」パクパク

紬「ええ、菫が作ったのよ!」

唯「流石ムギちゃんの妹だね!」

菫「そんな…私なんてまだまだ」

紬「あっ、そうだ唯ちゃん。菫は憂ちゃんと仲がいいらしいわよ」

唯「憂と? へぇ~、ちょっと意外かな~」

紬「それで提案なんだけど、今度4人で出かけない?」

菫「へっ?」

唯「私と憂とムギちゃんと菫ちゃんの四人?」

紬「ええ」

唯「いいね~。久しぶりに憂の顔も見たいし」

紬「じゃあ憂ちゃんに都合のいい日聞いておいてくれる?」

唯「うん」


___
唯「ごちそうさま。とっても美味しかったよ。菫ちゃんありがとね」

菫「いえいえ」

唯「それじゃあそろそろ部屋に戻るよ。ムギちゃん、菫ちゃん、おやすみ~」

紬「おやすみっ、唯ちゃん」

菫「おやすみなさい」


___
菫「唯先輩って楽しい人ですね」

紬「ええ、とっても美味しそうに料理を食べてくれるから御馳走し甲斐があるの」

紬「あっ、そういえば、勝手に遊びに行く約束しちゃったけど、菫は大丈夫?」

菫「うん。お姉ちゃんとのお出かけならいつでも大歓迎だよ!」

紬「もう、菫ったら…」

菫「でもなんで四人で?」

紬「ひょっとして二人きりのほうがよかった?」

菫「そうだけど、そうじゃなくて……。お姉ちゃんと憂先輩ってあんまり接点ない気がして…」

紬「確かにそうだけど、ちょっと憂ちゃんとお話したいなって思って」

菫「憂先輩とお話?」

紬「ええ。菫がいつも私のこと何て言ってるのか気になって、ね」

菫「///」

おしまいっ!




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