□SCENE30‐琴吹邸内≪7の部屋≫
直「あれ? この部屋、番号おかしくない?」
菫「直ちゃん、その前に一つ」
菫「この部屋に入るには、条件があります」
直「えっ?」
菫「それは穢れなきことの証明……そう」
菫「処女でなくてはこの部屋に入ることはできません!」
直「……」
菫「ちなみにそのチェックはプロメイドこと、この私……
斉藤菫が担当します」
直「えっと、それってつまりどうやって?」
菫「直ちゃん」
直「菫? 目が怖いよ?」
菫「大丈夫、怖くないよ。怖くないから、そっと私に身を委ねてごらん?」
直「はい怖いから順位発表! というわけで第十七位の作品は二つ!」
直「一つは琴吹家の立派そうな雰囲気から、うまく設定を作り上げた作品!
もう一つは菫のベクトルが変な方向に向いているプロっぷりが書かれた作品!」
直「両者とも合計点は177点でした。まずは十四番手さんの作品からです」
■各部門の合計点と内訳
雰囲気:34点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 7 / 4点 * 1 / 5点 * 1)
冒頭:32点 … (1点 * 0 / 2点 * 3 / 3点 * 7 / 4点 * 0 / 5点 * 1)
展開:37点 … (1点 * 0 / 2点 * 3 / 3点 * 3 / 4点 * 3 / 5点 * 2)
読後感:36点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 5 / 4点 * 3 / 5点 * 1)
読みやすさ:38点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 7 / 4点 * 3 / 5点 * 1)
合計:177点
平均:35.4点
菫「厳しいチェックを起点としたコミカルな勘違いが広がっていく作品だね。
そのチェックもお姉ちゃんの冗談だったんだけど」
直「冒頭では伸び切らなかった点数も、展開と読後感で取り戻している。
話が進んでいくにつれて、読者の心を掴んでいったことがわかる評価だね」
直「読みやすさでもきっちりと高評価を得ているね」
菫「それじゃもう一つ、十七番手さんの作品を!」
■各部門の合計点と内訳
雰囲気:40点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 3 / 4点 * 6 / 5点 * 1)
冒頭:40点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 5 / 4点 * 5 / 5点 * 1)
展開:33点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 7 / 4点 * 2 / 5点 * 0)
読後感:31点 … (1点 * 0 / 2点 * 3 / 3点 * 7 / 4点 * 1 / 5点 * 0)
読みやすさ:33点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 7 / 4点 * 2 / 5点 * 0)
合計:177点
平均:35.4点
菫「私がメイドに対するプロ精神を、質問に対する答えで語っていく作品だね」
直「見てわかると思うけど、十四番手さんの作品と大きく内訳が違うね。
これは冒頭で大きく評価を伸ばしているけど、展開、読後感と評価が低くなっている」
直「読みやすさ、雰囲気の評価も前者とは全然違う。
こっちは雰囲気のほうできっちり高評価を得た形みたいだよ」
菫「同じ点数でも、これだけ変わってくるんだねー」
□SCENE31‐琴吹邸内≪6の部屋≫
直「さっきの部屋ではえらい目にあった……」
菫「あれも部屋の影響だからね、仕方ないよ」
直「一気に琴吹家の作り出した部屋が怖くなってきたんだけど、
今度の部屋はどんな部屋なんだろ……」
恐る恐る直が見たその部屋は、アンティーク家具で統一された、
いかにもお嬢様の住まう所であった。
菫「どうかな? なかなか趣きのある部屋だと思うんだけど」
直「なるほど……つまり第六位は、あの西洋の雰囲気に包まれた作品」
菫「合計点は181点でした」
■各部門の合計点と内訳
雰囲気:41点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 2 / 4点 * 7 / 5点 * 1)
冒頭:36点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 4 / 4点 * 5 / 5点 * 0)
展開:37点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 7 / 4点 * 1 / 5点 * 2)
読後感:31点 … (1点 * 1 / 2点 * 3 / 3点 * 5 / 4点 * 1 / 5点 * 1)
読みやすさ:36点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 4 / 4点 * 5 / 5点 * 0)
合計:181点
平均:36.2点
菫「琴吹家と斉藤家の出会い……時を遡って語られる物語と、不思議な最後を残した作品だね」
直「シルキとフィオラ、この二人の人物が出す雰囲気は絶大だね。
雰囲気の点数の伸びが良い」
直「ただ読後感で点数を落としている。評価が見事に分かれてるから、
この最後をどう捉えたかで、作品の見え方が大きく変わったと思われるね」
菫「この最後はどういう最後なのか……謎だね」
直「そういえばうちの学校ってオカルト研究会があったよね」
菫「何を試そうとしてるのかな直ちゃん」
□SCENE32‐琴吹邸内≪4の部屋≫
直「あれ、また部屋番号が飛んだ」
直「そしてこの部屋は、これまた異様な……」
直が異様と評価したこの部屋は、雲の上にあるような部屋。
美しい花が一面に咲き誇り、見るものを圧倒するのは、その中心に位置する湯船だった。
直「どういう取り合わせなの、これ」
菫「組み合わせたらこうなっちゃったみたい……」
菫「……こほん。というわけで、第四位の作品は二つ」
菫「一つは私とお姉ちゃんの日常が描かれた作品。
そしてもう一つは、日常とはかけ離れた、ファンタジーな作品」
菫「二つとも合計点は189点でした。まずは五番手さんの作品から」
■各部門の合計点と内訳
雰囲気:41点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 4 / 4点 * 6 / 5点 * 1)
冒頭:38点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 4 / 4点 * 3 / 5点 * 2)
展開:36点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 6 / 4点 * 1 / 5点 * 2)
読後感:35点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 7 / 4点 * 0 / 5点 * 2)
読みやすさ:39点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 4 / 4点 * 5 / 5点 * 1)
合計:189点
平均:37.8点
直「二人と琴吹家の微笑ましい日常が、話ごとに区切られて広がっていく作品だね」
直「全体的に安定した評価を得ている。
ちょっと下がっちゃった読後感だけど、そこまで低いわけじゃないし」
直「そして完成度の高い日常系は、雰囲気と読みやすさで見せてくれるね」
菫「それじゃもう一つ、十一番手さんの作品を見ていこう!」
■各部門の合計点と内訳
雰囲気:41点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 3 / 4点 * 5 / 5点 * 2)
冒頭:35点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 7 / 4点 * 0 / 5点 * 2)
展開:39点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 4 / 4点 * 5 / 5点 * 1)
読後感:38点 … (1点 * 1 / 2点 * 2 / 3点 * 2 / 4点 * 3 / 5点 * 3)
読みやすさ:36点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 4 / 4点 * 5 / 5点 * 0)
合計:189点
平均:37.8点
菫「こっちはお姉ちゃんが女神として、軽音部を導きつつ、
自らがぶつかった困難をその導いた軽音部で乗り越えていく様子が書かれた作品だね」
直「こっちも全体的に高評価だね。ここまで来ると、どの作品もそうだけど。
目を引くのは、雰囲気の高評価もそうだけど、読後感の評価のばらつき具合かな」
直「冒頭では他と比べるとやや遅れた感じだったけど、
展開で取り返し、そして読後感で……と思ったら三点の人が二人しかいない。これは面白いよ」
菫「まさに二分割されてるんだね」
直「両者の捉え方の差とはなにか、興味深いね」
菫「……ところで直ちゃん、お風呂入っていく?」
直「あ、ほんとにここ入れるんだ」
直「じゃあ企画発表が終わったら考えるよ」
菫「えへへ、それじゃあお泊りだね!」
直(なんでこんなに嬉しそうなんだろ)
菫「さて、次からは大台のトップスリーだよ!」
□SCENE33‐琴吹邸内≪3の部屋≫
直「さて、次の部屋はどんな部屋かな……ってなんの変哲もないね」
直「菫、ここはどんな部屋なの?」
直「……あれ、菫?」
部屋のどこを見ても、菫の姿が見当たらない。
菫『さて直ちゃんに、問題! 私はどこに隠れてるでしょうか?』
直「えぇー……」
直(……探さなくても、まあいいかな)
直「というわけで第三位は、可愛いかくれんぼを披露してくれたこの作品!」
直「合計点は192点でした」
■各部門の合計点と内訳
雰囲気:39点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 4 / 4点 * 2 / 5点 * 3)
冒頭:37点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 7 / 4点 * 1 / 5点 * 2)
展開:38点 … (1点 * 0 / 2点 * 2 / 3点 * 4 / 4点 * 3 / 5点 * 2)
読後感:37点 … (1点 * 0 / 2点 * 3 / 3点 * 4 / 4点 * 1 / 5点 * 3)
読みやすさ:41点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 5 / 4点 * 4 / 5点 * 2)
合計:192点
平均:38.4点
直「かくれんぼを通して二人きりになったペア同士のエピソードが展開される、
実にスタンダードな
ほのぼの作品だね」
直「そのスタンダードさが出たのか、やっぱり雰囲気と読みやすさが他項目と比べて高評価。
他の項目でも高評価がずらっと並んでいるね」
直「展開、読後感と続くに連れ五点や四点が増える一方で、二点も増えているんだよね。
これは読み進めるごとに評価が割れていったということかもしれない」
直「……さて次の順位発表で、ついに待望の一位も同時にわかってしまうんだよね」
直「心して次の部屋への扉を開くよ……」
菫『えっ、もう開くの!? ちょ、ちょっと待ってよー!!』
□SCENE34‐琴吹邸内≪2の部屋≫
菫「置いていくなんてひどいよ……」
直「だって早く次の部屋が見たかったんだもん」
菫?「そうよね」
直「……」
直の前に立っているのは、菫の格好に似ているような気もする、眉毛の特徴的な女性だった。
菫?「私は菫のクローンよ」
直「同じ手を何度も使わないでください琴吹先輩」
菫「というわけでクローン技術というちょっぴり怖いものに触れた、
第二位の作品は……」
菫「合計点は203点! 来ました、大台の200点越えです!」
■各部門の合計点と内訳
雰囲気:43点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 3 / 4点 * 6 / 5点 * 2)
冒頭:39点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 7 / 4点 * 2 / 5点 * 2)
展開:42点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 4 / 4点 * 2 / 5点 * 4)
読後感:42点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 5 / 4点 * 3 / 5点 * 3)
読みやすさ:37点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 8 / 4点 * 2 / 5点 * 1)
合計:203点
平均:40.6点
菫「異様な執着心から生まれるクローンの悲劇、少し寂しげな最後が描かれた作品だね」
直「さすが平均点が40を超えると、どれも高評価なんだね」
直「中でも驚異的なのが、二点以下の数。
なんと一つしか二点以下が入れられていないというのは、驚くしかないよ」
菫「高い水準での安定感を見せてくれた作品だったってことだね!」
菫「……さて、ついにあの一位の作品だね」
直「消去法でもうわかっちゃってるけど、うん。やっとたどり着いた」
紬「二人とも、本当にこの先へ行ってしまうの? なにがあるかわからないのよ?」
菫「大丈夫だよお姉ちゃん。私には直ちゃんがついているから」
直「そんな頼りにされても、困るんだけど……」
紬「ふふっ。それじゃ、最後の扉は二人が開くのよ」
菫「うん。……いくよ、直ちゃん」
直「……わかった」
菫・直「せーのっ!」
□SCENE35‐琴吹邸内≪1の部屋≫
菫「……ついたね」
直「うん」
直「ただ……」
菫・直「あっつい!!」
二人が立っているのは、ラクダの行き交う砂漠であった。
直「喉乾いたー……水ー……」
菫「……というわけで輝かしい第一位の座を獲得した作品は」
直「合計点は209点。企画者も予想だにしなかった点数です」
■各部門の合計点と内訳
雰囲気:42点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 4 / 4点 * 5 / 5点 * 2)
冒頭:43点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 4 / 4点 * 1 / 5点 * 5)
展開:41点 … (1点 * 0 / 2点 * 0 / 3点 * 5 / 4点 * 4 / 5点 * 2)
読後感:40点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 4 / 4点 * 4 / 5点 * 2)
読みやすさ:43点 … (1点 * 0 / 2点 * 1 / 3点 * 4 / 4点 * 1 / 5点 * 5)
合計:209点
平均:41.8点
菫「琴吹家に軽音部の皆さんを呼ぶことになったけれど、
とある事情で壮大な時間稼ぎをすることになってしまう作品だね」
直「点数は全項目で40点台というのは本当驚き。
極めて高い水準での安定した面白さがある作品だ」
直「なんといっても冒頭の五点の多さ。
あのラクダでどれだけの人を惹きつけたか、容易に想像がつくね」
菫「実に完成度の高い作品でした!」
直「改めて、おめでとうございます!」
□SCENE36‐琴吹邸内≪0の部屋≫
菫「ふう……これで結果発表も終わったね。直ちゃんはどうだった、今回の企画?」
直「初めは不安、特に採点基準ではそうだったけど、
終わってみれば十七も作品が集まっていて、結構面白い企画だったなあと思う」
直「アンケートサイトについては、やっぱり面倒だったという意見はあったけど、
やっぱりあの記述形式がベストなんだよね思いつく限りでは」
菫「多少の手間はとらせちゃう形になっちゃったね」
直「でもこうして無事に最後まで走りきれたんだから、良かったよ。
この企画を通して作者と読者の間で互いに利益が生まれるよう、祈りたいものだね」
菫「うんうん。寄せられた感想も、参考になりそうなものを抽出して、
自分で分析してみるのも面白いかもね」
直「まあ全部の感想を受け止める必要はないと思うけどね。
私なんかこの企画とは限らないけど、感想では参考にならないようなことばかり言ってるし」
直「……さて、そろそろお開きとしようか」
菫「そうだね。それじゃ、最後にごあいさつを」
直「えー、この企画は進行補助の奥田直と……」
菫「進行役、斉藤菫がお送りしました」
おしまい
直「……あ、最後に一つ」
直「菫の着ている水着がついに展開しきりました!」
菫「直ちゃん!?」
本当におしまい
以上です、お疲れ様でした
そしてありがとうございました
最終更新:2014年04月14日 08:05