―65―
―晶の部屋―
ドンドン!ドンドン!
晶「うおっ!?」
菖「なんだろ、こんな時間に戸を叩く音が…」
晶「ったく、誰だ~?」
ガチャ
唯「晶ちゃん晶ちゃん!」
晶「おお?なんだ、唯か」
幸「どうしたの…?」
唯「明日はバレンタインデーだよ」
晶「そうらしいな」
唯「だからチョコレートちょうだい!」フンス-3
晶「どういう思考回路してんだコイツは」
菖「唯ちゃん、晶からチョコもらいたいんだ~?」
晶「ハァ?」
幸「晶、唯ちゃんにモテモテだね…」
晶「バカか!おい唯、お前一体何企んでるんだ」
唯「以前、晶ちゃんが恋バナをしてるのを思い出しまして!」
幸「えっ」
菖「えーと、それって晶が高校の時に軽音部の先輩に片思いしてたって話?」
唯「そうそう」
晶「カッ…それがなんだってんだよ!」
唯「晶ちゃんが未だに女々しくもその先輩にチョコを作ると仮定して
その過程で出来た失敗作チョコをいただけたらと思って訪問してみたんだよ」
晶「…!?」
菖「なるほど~」
幸「意外と考えているわね」
唯「というワケでチョコください」
菖「じゃ私にもちょーだい」
幸「私にも」
晶「てか作ってねーし!てか女々しくねーし!」
唯「え~…今日はそれだけを楽しみに生きてきたのに…」
晶「チョコが食いたきゃ買えよ」
唯「私は人が想いを込めて作ったチョコをまったく関係ない私がつまみ食いするシチュエーションが好きなんだよ~」
菖「素敵な考え方だな~」
晶「いや、ソイツなんか悪魔みてーな事言ってねえ?」
幸「でも晶も悪魔みたいな変な髪型してるし…」
菖「本当だよね」
晶「うるせーよカッケーだろうがこの頭!?」
唯「そうだよ!!晶ちゃんのヘアスタイルは超カッコいいよ!!」
晶「えっ、おっ、分かってくれるのか!?」
唯「だから超チョコレートちょうだい!」フンス-3
晶「帰れよ」
唯「じゃあ菖ちゃんとかでもいいからチョコください!」ペコリ
菖「『とかでもいい』って言われちゃったよ」
幸「礼儀正しいけど私たちはあくまで妥協案扱いなのね」
唯「チョコないの?」
菖「今、チョコはないかなー」
幸「ごめんね、唯ちゃん?」
唯「じゃあ私、帰るね~!ペッ」
びちゃっ
パタン
晶「オイ、あいつ、アタシの部屋、床、びちゃってツバッ!?」
菖「あの子おもしろい!」
幸「また来ないかしら」
晶「ふざけんなよ!?ふざけんなよ!?」
ガチャッ
澪「晶、うるさいよ…」
菖「おや、澪ちゃん」
幸「ごめんね、部屋お隣りで騒がしくして」
澪「あ、幸」
晶「み、澪、お前、唯が今!!ツバ!!アタシの部屋に!?」
澪「お、おい、この人、気は確かか?」
菖「平気平気。そいつ男勝りぶってるけど内心はヘタレだから」
幸「テンパるといつもこんな感じよ」
澪「はぁ…」
澪「そうか、唯がそんな事を…」
澪「それは済まなかったな」
晶「アイツどうかしてるぞ」
澪「まあ、唯は自由人だからな。昔、トイレに行くのが面倒だからと部室からホースで25メートル先のトイレに放尿しようとした経歴があるくらいなんだ」
菖「すっげえ」
晶「お前らソレ止めなかったのか?」
澪「止めたら漏らすと脅された」
幸「ロック」
澪「気付けば私はホースの先を握りしめて走り出してたよ」
菖「盗んだバイクで走り出す事がとても正しい事のように感じる出来事だわ」
ガチャッ
律「おーす!菖!」
菖「あっ…、りっちゃん」
澪「ん、律か」
晶「お前はなんで菖の名前叫びながらアタシの部屋に飛びこんでくるんだ」
律「いや~、なんか菖のニオイがしたからさぁ」
菖「えっ、ニオうかな…」クンクン
律「大丈夫大丈夫。菖はいいニオイだよ」
菖「そっかなぁ~///」
澪「…それでお前なにしに来たんだ」
律「それが明日はバレンタインデーらしい」
晶「そうらしいな」
律「菖、チョコくれ」
澪「…!」
菖「え、私?」
律「なんかアレなんだよ」
律「ぶっちゃけた話、かわいい菖の作ってくれたチョコをアタシはものすごく味わいたいんだよ」
澪「…!」
菖「えっ、えっ?」
律「材料とか用意するし、なんなら手伝うからさ、明日一緒に作らないか?」
菖「え…」
菖「ん~……」
菖「まっ、いいけど」
澪「シュオッ」
晶「シュオッてなんだ?」
幸「晶、ちょっとだけ黙っててね」
晶「」
澪「あっ、私なんか眠くなったから部屋に戻るよ、おやすみ。ペッ」
びちゃっ
パタン
晶「なぜヤツらは去り際にツバを…」
幸「澪ちゃん…」
ガチャッ
紬「セックス」
晶「もうなんだコイツ」
紬「何かそういう気配がしたから来てみたわ」
律「やあムギ。調子はどうだ?はっ、はっ」
紬「上々よ。ところで明日はバレンタインデーらしいわね」
晶「お前ら他に言う事ないのか」
紬「晶ちゃん」
晶「なんだよ」
紬「私があなたの気をひいているウチに晶ちゃんのベッドで
りっちゃんと菖ちゃんがけしからん事になってるけどいいの?」
晶「あぇ?」
律「なぁ、ちょっとだけ…ちょっとだけだから…」モゾモゾ
菖「ふっ…ん」
晶「ふっ…んじゃねえよ!?お前ら人のベッドでなにしてんの!?」
幸「ああああああ」
紬「けしからんわ~」
晶「ど、どうすればいいの…?」
ガチャッ
澪「律!なんとなくチョコ作ってきた…よ…律?」
幸「澪ちゃん、見ない方がいいわ」
紬「右手をご覧ください」
紬「あれがSEXです」
律「くっ…」
澪「何が、くっ…だよ!?えええ!?何感じてんだお前っ!?」
晶「もっと言ってやって」
澪「私も出るぞっ!!」モゾモゾ
晶「クアトロ大尉!?」
幸「じゃあ私も混ざる…」モゾモゾ
晶「アタシの部屋で4Pすんのはやめろ!?」
紬「5Pなら?」モゾモゾ
晶「許すワケねーだろ!?」
律「くっ…」
晶「お前ソレしかねーのかよ!?」
ガチャッ
唯「チョコレートッ!」
晶「もはやお前が常識人に感じるわ」
律「くっ…」
澪「くっ…」
菖「くっ…」
幸「くっ…」
紬「くっ…」
唯「ほえ?みんなベッドの中で何してるの~?」
晶「何かの呪いだろ」
唯「ほえぇ」
晶「それより唯、こんな連中ほっといてコンビニ行こうぜ」
晶「手作りじゃないけどチョコくらい買ってやるよ」ポン
唯「え、ホント!?わ~い、やった~♪」
晶「お前を見てるとホント癒されるわ」
唯「晶ちゃん好き~♪」
晶「コラ、くっつくなって…!」
パタン…
律「おっ、どうやら晶が唯にチョコやる流れになったみたいだぜ」
澪「唯、晶のチョコ欲しがってたしな。まあ、ここらがオトシドコロか」
幸「晶もアレで唯ちゃんの事、気にかけてるみたいだし…」
紬「めでたしめでたしという事で」
律「うんうん」
菖「そんじゃ、解散っ!」
澪「お疲れ~」
幸「あ…ね、澪ちゃん。目も冴えてきたし、ちょっとだけ私の部屋で話さない…?」
澪「え?あ、うん。いいよ。行く行く」
律「あ~部屋戻るの面倒くさ。菖~、おんぶ~」
菖「え~?そんじゃおんぶしたまま私の部屋に連れこんじゃうぞ~」
律「お~、いいよいいよ。菖の好きにしてくれい」
菖「フフッ♪」
菖「ホ、ホントに連れてっちゃうよ…?」
律「うん。ホントに連れてっちゃってくれ」
菖「///」
パタン…
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「……」
紬「お気に入りのエロ本読んで今夜もオヤスミ☆」
紬「ふ わ ふ わ T ア ア ア I M Eッッッ(´;ω;)!!!」
―65―
おわり
最終更新:2014年04月19日 22:16