梓「そうですけどめがね橋で降りるから軽く済ませた方がいいと思いまして。」
和「あら,そうね。気が利くわ。」
澪「すみませーん,食べ物とかってありますか?」
店員「軽食程度ナラココニノッテマス。」
澪「ありがとうございます。」
律「こんなのでいいんじゃね?」
紬「私もこれにするわ。」
和「私もこれにするわ。」
梓「唯先輩と同じのがいいです。」
唯「あずにゃん,わがままだなぁ。」
梓「いいじゃないですか。」
純「お,ついに梓がカミングアウトしたぞ!!」
憂「本当だねー。」ニコニコ
律「みんな決めたかー!?」
純「大丈夫です。」
憂「はい。」
唯「うん,いいよ。」
和「すみませーん。」
唯「美味しかったね。」
梓「はい。」
和「今12:20ぐらいだからそろそろ行きましょう。」
澪「ああ,そうだな。」
店員「アリガトウゴザイマシター」
移動中
唯「いよいよ軽井沢ともお別れか。」
梓「旅立ちじゃないんですから,お金と時間があれば行けますよ。」
純「あ,そういえば私ジャズ研へのお土産買ってない!!」
梓「純,忘れてたの!?」
純「ちょっとそこのお店で買ってくる!!」
純「ご迷惑をお掛けしました。」
和「幸い時間はまだ早いから大丈夫よ。」
澪「ある意味唯よりもおっちょこちょいかも。」
梓「それはないと思いますよ。」
再び軽井沢駅
澪「そういえばめがね橋までの運賃って分かる?」
和「分からないわ,ちょっと観光案内所で聞いてみましょう。」
憂「すみませ~ん」
観光案内所の人「はい?」
憂「ここからめがね橋までの運賃って分かりますか。」
観光案内所の人「私達のほうでは分かりかねますので,運転手さんの方に聞いて下さい。ただ,めがね橋から横川まではもうバスがありませんのでそこから歩いて下さい。」
憂「ありがとうございます。」
憂「運転手さんに聞いて下さいとのことでした。」
和「それじゃあトイレにいったらいきましょうか。」
再び軽井沢駅北口ロータリー
唯「いっぱいお客さんが乗ってたらどうするの?」
澪「そういえば考えてなかった。」
純「見てみる限り,二人ぐらいしかいませんよ。」
律「早かったんだな。」
梓「よかったですね。」
唯「あ,バスが来たみたいだよ。」
律「うわー,いっぱい乗ってる。」
澪「ところで料金は先払い制か? 後払い制か?」
梓「見てみるとみんな払っているようにも見えますね。」
紬「運転手さんに聞いてみれば。」
和「そうね。」
バスの運転手A「このバスじゃないからね。別のバスが来るからね。」
純「あ,このバスじゃないんですね……」
唯「あのバスじゃない?」
律「あれこそ正真正銘私達が乗るバス!!」
バスの運転手B「お待たせしました~ 12:50発 めがね橋経由 横川駅行きです。料金は後払いです。」
和「あら,めがね橋まで310円ね。」
唯「すごーい,まるで観光バスみたいだね。」
梓「唯先輩,隣いいですか?」
唯「いいよ。」
梓(やった!!)
純「澪先輩,隣いいですか?」
澪「ありがたいけど,私は律の隣に座るよ。」
純「そうですか…」
憂「純ちゃん,一緒に座ろう。」
純「ありがとう。」棒読み
和「あら,自然的にムギの隣になるわね。」
紬「でも乗客すくないから一人でもいいと思うわ。」
和「そう,なら一人で座るわ。」
梓「唯先輩,新幹線がきましたよ。」
唯「そうだね。」
和「あら,E7系じゃない。」
澪「あれがE7系か。」
バスの運転手B「お待たせしました~ 12:50発 めがね橋経由 横川駅行き発車します。」
律「やっと発車した。」
移動中
澪「碓氷峠を越えて群馬県に入ったぞ。」
唯「カーブだらけだよ。」
梓「長野県側はカーブも何もなかったですね。」
和「こういう峠を何峠か知ってる?」
唯「知らないなぁ~」
梓「私も知りません。」
澪「私も知らないぞ。」
和「これはね,片峠といって,峠の片側にのみ大きな高低差があってもう一方の側が平坦に近いことを言うのよ。」
唯「へぇ~」
律「なんか線路が見えるぞ。」
和「昔の信越本線ね。長野新幹線の開業によって高崎から横川間はかろうじて存続したものの横川から軽井沢間は廃止になったわ。そして軽井沢から篠ノ井までは昨日乗った第三セクターのしなの鉄道が運営しているわ。」
澪「そういえば路線図を見ると信越本線が二つあるけどそういうことだったのか。」
唯「でも何で新幹線が開業すると廃止になったり第三セクターになったりするの?」
和「収入が見込めないからよ。みんな新幹線の方に乗客を持っていかれて平行する在来線は乗客が見込めないから在来線のままで行くと赤字になるのよ。だから第三セクターに転換して運賃を値上げせざるを得ないのよ。横川から軽井沢間は第三セクターに転換しても収入が見込めないから廃止になったのよ。ただ,高崎から横川は在来線でも収入が見込めるからそのまま存続したのよ。」
澪「なるほど。」
和「でも,復活計画も存在はしているようだわ。」
唯「私は復活して欲しいな~。」
和「そうね。」
アナウンス「ピンポーン 次はめがね橋でございます。」
憂「皆さん,次で降りますよ。」
唯「私ボタン押すー!!」
アナウンス「ピンポーン 次 停まります。」
紬(ハイパー百合タイム素晴らしいわ。)ハァハァ ●REC
めがね橋 下
唯「おぉ~」
律「でかい~」
和「当時はレンガが基本だったのよ。」
純「すごい数ですね。」
和「この橋のレンガの数は200万個以上とも言われているわ。」
唯律澪紬梓憂純「200万個!?」
澪「当時としてはすごい技術だな。」
律「いや,すごすぎだろ。」
和「上へ登ってみましょう。」
梓「え,あそこ登れるんですか?」
純「見てみろ。人がいるだろ。」
梓「ほ,本当だ…」
澪「あ,あそこ登るのか…」
律「大丈夫,私がいるから。」
めがね橋 上
唯「すごい,遊歩道になってるんだね。」
梓「本当ですね。」
和「昔この付近は鉄道としてはすごく勾配な箇所だったからアプト式鉄道という2本の通常レールの中央にラックピニオンと呼ばれる歯形に似た凸凹のレールを3本設け、120度ずつずらす事でより安全に走行出来るようにしていたのよ。今,この方式を採用している路線は静岡にある大井川鐵道という路線だけなのよ。」
梓「JRの路線としてはここだけだったんですか?」
和「そうよ。」
澪「ミエナイキコエナイ」ガクガクブルブル
純「澪先輩高所恐怖症だったんですね。」
唯「ねぇねぇー,あっちにもなんか路線があるよー?」
律「本当だ。」
和「あっちは新線ね。新線の開業によってアプト式はなくなったわ。」
唯「すごーい,高ーい。」
和「ちなみに国鉄いわば今のJRで初めて電化された路線なのよ。」
梓「そうだったんですか?」
唯「へぇへぇ」
律「2へぇいただきました。」
純「なんかなつかしい。」
和「ただ,このトンネルどうみても小さいでしょう。天井に電気を通すのには低すぎるのよ。」
梓「そうなんですか…」
和「だから電車の左右から電気を給電する第三軌条方式という措置がとられのよ。銀座線や丸ノ内線,近鉄けいはんな線などもこの方式がとられたわ。」
律「そういえば丸ノ内線ディーゼルカーだと思ったらこの方式だったのか。」
和「銀座線はこの路線の方式を真似したのよ。」
律「へぇへぇへぇへぇ」
唯「4へぇいただきました。」
和「ただ,当時はまともに電気なんて普及してなかったから,横川の近くに自前で変電所を作ったのよ。今は使われていないけど近くまでは見ることができるわ。」
梓「そこに行くってことですか?」
和「そうね,もうバスがないってことだから歩きましょう。」
唯「えー,歩くの~」
梓「しょうがないじゃないですか,バスがないんですから。」
律「歩きたくない~」
和「我慢しなさい。」
紬「私は大丈夫よ。」
純「澪先輩,行きますよ。」
澪「」ガクガクブルブル
移動中
憂「トンネルの中涼しいですね。」
紬「まるで洞窟みたいだわ~」
澪「外暑かったからな,ずっとトンネルが続いて欲しい。」
律「澪,トンネル内ってよく幽霊が出てくるらいいぞ~」
澪「キャー!!」
唯「りっちゃん,あんまり澪ちゃんをいじめないでよ。」
律「わりい,わりい。」
澪「律の馬鹿!」ゴチン
律「いてて!」
梓「なんか湖が見えてきました。」
唯「車がいっぱいあるよー。」
和「休憩所みたいだし,ちょっと言ってみましょう。」
碓氷湖
唯律「疲れたー」
梓「あとどれくらいあるんでしょうか。」
純「結構距離あるね。」
憂「そんな事もあろうかと思いまして,皆さんにお菓子を持ってきました。」
律「お,憂ちゃん,気が利くぜ。」
紬「ありがとう。」
梓「ありがと,憂。」
律「なんか塩辛いな。」
憂「はい,暑いので塩分をチャージしなくちゃと思いまして。」
律澪紬梓和純(できた妹だー!!)
紬「ねぇねぇみんな,あそこにダムがあるみたいだよ。」
澪「ダムには興味がない。」
唯「あ~きの夕日~に 照~る~や~ま~ も~み~じ~♪」
律「なに歌ってるんだ,唯?」
唯「ここに紅葉の石碑があるよ。」
律「本当だ。」
和「そういえば作詞者の高野辰之は、碓氷峠にある旧信越本線熊ノ平駅から紅葉を眺め、その美しさに惹かれてこの詞を作ったらしわ。」
律「だからあるのか。」
憂「皆さん,そろそろ行きませんか。」
澪「そうだな。」
とうげのゆ駅
唯「なんか鉄道路線が見えてきた。」
和「あれが新幹線開業するまで使用されていた信越本線ね。」
澪「なんか人だかりがあるぞ。」
和「多分トロッコ列車ね。」
唯律「トロッコ列車乗りたいー!!」
澪「時間があえば乗りたいのだか。」
純「今14:40です。」
澪「時刻表と,えーと,ダメだ,発車したばかりだ。」
律「何だとー!?」
澪「次来るのは15:30だぞ。」
和「歩いたほうが早く着くわね。」
唯律「腹減ったー」
梓「さっきお菓子食べたばっかりじゃないですか。」
唯律「全然足りないー!!」
和「横川に行ったら峠の釜めしがあるからそれを食べましょう。」
純「あ,峠の釜めしですね,知ってます。食べたいです。」
和「そうね,横川に行ったら食べましょう。」
澪「唯,律,横川まで我慢だ。」
唯律「うー」ブーブー
梓「唯先輩,手をつないで歩きましょう。」
紬(キマシタワー)
峠の湯~丸山変電所
紬(いいわいいわ唯梓,神様ありがとうございます。)ハァハァ ●REC
純「すごい,廃線後の上を歩いている!」
梓「昔の信越線はここを通ってたんですね。」
澪「お,何かあるぞ。」
まるやま駅
和「これが自前で作った変電所ね。丸山変電所というのよ。」
澪「当時としてはすごい技術だよな。」
純「本当ですね,なんか東京駅みたいな横浜赤レンガ倉庫みたいな万世橋駅みたいな感じですね。」
梓「純万世橋駅見たことあるの?」
純「写真で見たんだよ。東京駅と同じ建築家が設計したとかそうでないとか。」
梓「そうなんだ。」
和「そうね,東京駅と同じ辰野金吾さんが設計された駅で,当時は中央線の起点駅でもあったわ。」
純「そうなんですか。」
和「でも,近くに秋葉原駅や神田駅,そして東京駅か開業してからは利用客も減少し,関東大震災のときに駅舎は燃えてしまい,簡易な駅舎になったけど結局1943年には廃止になったわ。」
梓「そんな駅なんですね。」
和「じゃあ次行くね。」
丸山変電所~横川駅
紬「」ハァハァ ●REC
澪「お,なんか来たぞ?」
憂「もしかしてトロッコじゃないですか?」
純「そうかもしれない。」
梓「唯先輩,トロッコが来ましたよ!!」
唯「本当だね,あずにゃん。」
純「てか速度遅くないですか?」
澪「けっこう人乗ってるな。」
和「そういえば信越本線の廃線後を利用してトロッコ列車が運行されているわね。」
律「あれに乗りたかったなー」
さらに先に進むこと数分
紬(素敵なものを撮らせていただきました。)ハァハァ
和「やっと横川に到着ね。」
澪「なんか右側電車がいっぱいあるぞ。」
最終更新:2014年05月06日 09:26