珍しく唯先輩が次の日曜日に集まって練習しようなんて言いだして。

 私は先輩がやる気を出してくれた事が嬉しくて二つ返事でオーケーしたのですが。

 他の先輩方は都合が悪いということでやっぱりその日の練習は無し、
 という話になって私がしょんぼりしていると。

 「じゃあ、あずにゃん。二人だけでも練習しよっか?」

 なんて言ってくれて。

 日曜日、私は唯先輩と二人で部室にやってきたのだった。

 唯先輩も真剣に練習に取り組んでくれて充実したひと時。

 ふと気がつくと結構時間が経っていた。


梓「先輩、ちょっと休憩しましょうか」

唯「…………」

梓「……唯先輩?」

唯「ふぇっ!?な、なに?あずにゃん」

梓「休憩しましょうって……大丈夫ですか?なんかボーっとしてません?」

唯「あ……ごめんね。うん、休憩しよっか」

梓「はい。じゃあお茶淹れますね」

 ムギ先輩がお休みなので私がお茶の用意をしていると
 突然背中に柔らかく暖かい物が伸し掛かってくる。

梓「ちょっ…唯先輩!危ないじゃないですか!お茶淹れてる時に抱きつか………」

 ん?

 違う。

 私ぐらい唯先輩に抱きつかれているとこれがいつもの抱きつきでない事はすぐにわかる。
 そして先輩の体温がいつもよりあきらかに高い事も。

梓「ゆ、唯先輩!……熱あるんじゃないですか!?」

 どうやら先輩は抱きついてきたのではなく、お茶を淹れるのを手伝おうと
 私に近づいてきた所で足がもつれて倒れこんできたようです。

唯「……ごめんね、あずにゃん。こけちゃった」

梓「そんなのいいですから!」

 唯先輩のおでこに触れてみる。
 熱い。
 おそらく微熱なんてものじゃない。

梓「もしかして……朝から体調悪かったんですか?」

唯「え、う、うん……でも、朝はちょっとだけ熱っぽかっただけだよ?」

梓「……なんで無理するんですか。体調が悪いなら休んでないと駄目じゃないですか!」

唯「だって……あずにゃん今日の練習が無くなりかけた時すごくしょんぼりしてたでしょ?

  私が休んだら練習無くなっちゃうから………」

 まったく、あなたという人は……

梓「……とにかく、保健室に行きましょう。……歩けますか?」

唯「……うん。大丈夫だよー」ヨロヨロ

 そう言う唯先輩の足取りはどう見てもふらついている。

梓「唯先輩。私の腕につかまってください」

唯「え……だ、大丈夫だよ。一人で歩けるよー」

 普段平気で抱きついてくる人が何故こんな時だけ遠慮しているのか。
 ただでさえ危なっかしい唯先輩をこんな状態で一人で歩かせるわけにいかない。

梓「いいから早くつかまってください!」

唯「は、はいっ!………ゴメンね、あずにゃん……」

 保健室に向かい廊下を歩く私と唯先輩を、すれ違う生徒がチラチラと見てくる。
 日曜日とはいえ、部活などで学校に来ている生徒はそれなりにいるようです。
 ……自分で言うのもなんですが私達軽音部員は校内ではそれなりに顔を知られている。
 特にボーカルの唯先輩はファンクラブのある澪先輩に次いで有名人ではないでしょうか。
 そんな人がまるで恋人同士のように後輩の腕にしがみついて歩いているのだから
 見るなという方が無理でしょう。
 ………なにか誤解を招きそうな気がしますが今は唯先輩の体の方が心配だ。
 周りの目を気にしている場合じゃない。

 何人かの生徒にチラ見されつつたどり着いた保健室には誰もいなかった。
 ひとまず唯先輩をベッドに寝かせる。

梓「保健の先生呼んできますから、唯先輩は寝ててください!」


 _________



さわ子「38度2分か……結構高いわね……」

 保健の先生がお休みだという事で仕事で学校に出て来ていたさわ子先生が保健室に来てくれた。

 大丈夫かなぁ……

梓「びょ、病院に行ったほうがいいんじゃないでしょうか!?」

さわ子「大げさよ梓ちゃん、落ち着きなさい。唯ちゃん、お腹とかどこか痛かったりする?」

唯「……んーん?体はだるいけど……別にどこも痛くはないよー……」

さわ子「そっか。じゃあとりあえず薬飲んでしばらく寝てなさい。後で家まで送ってあげるから。

    梓ちゃん、救急箱の中に解熱剤があると思うから取ってちょうだい」

梓「は、はい!」ガサゴソ

 保健室に備え付けの救急箱の中を探してみてもあるのは頭痛、生理痛の薬、胃薬、消毒液など。
 お目当ての物は見つからない。

さわ子「おかしいわねー?解熱剤が置いてないわけないと思うけど……あ!もしかして……」

 何か思い当たったのか、さわ子先生は保健室の片隅に設置されている小型の冷蔵庫を開けた。

さわ子「……やっぱり。あったわ、梓ちゃん。座薬」


 ざっ……ZAYAKU?ざやくって……あの座薬ですか!?


さわ子「唯ちゃん、座薬入れたことある?」

唯「えっ、そ、それって……お尻に入れるやつだよね?……い、一回もないよぉ……///」

さわ子「うーん…飲み薬が無いみたいなのよ。これで我慢して?」

唯「えぇぇぇーーー……///」

さわ子「ほら、カーテン閉めるから。できたら呼んでね?」

 ベッドの周りに設置されているカーテンを閉め、私とさわ子先生はカーテンの外で待機。
 しばらくしてカーテン越しにモゾモゾと動く音と唯先輩の声が聞こえてきた。

 『んっ……ひゃうっ!冷たっ……あ、あれ?……あ、んん………ふぅ……はぁ………んっ……』

さわ子「………なんかエロいわね」ボソッ

 うっ……///私もちょっと思いましたがそれを口に出すのは教師としてどうなんですか。

唯「……さわちゃーん………」

さわ子「できた?カーテン開けるわよ?」

 シャッ

唯「うぅ……グチョグチョになっちゃった……」

 唯先輩の右手にはドロドロに溶けて原形を留めていない、かつて座薬であったであろう物体が。

さわ子「あちゃー……やっぱり自分で入れるのって難しいみたいねぇ…」

 私も座薬については詳しく知りませんでしたが、体温で溶けるようになっている為
 入れるのに手間取っていると唯先輩のように手で溶かしてしまうことはよくあるらしい。

さわ子「こうなったらしょうがないわね。私が入れてあげるわ!」

唯梓「「え……ええええぇっ!!?」」

 な、なにを言い出すのかこの人は!

唯「ちょっ!ちょっとさわちゃん!?そ、それはさすがに……///」

さわ子「病人がなに恥ずかしがってんのよ。いいからお尻だしなさい!」

 座薬を入れようと掴みかかるさわ子先生と必死に抵抗する唯先輩。
 私はどっちの味方をするべきでしょうか…?
 さわ子先生の暴走を止めるべき?
 いやでも薬を入れないといけないのは確かだし……
 私が自分の行動を決めかねてオロオロしていると、

 ピンポンパンポン

 『山中先生。山中先生。至急、職員室までお戻りください』

さわ子「…やばっ!えーっと…梓ちゃん、後は任せるわ!薬入れたらしばらく安静にさせておいて。

    落ち着いたら私が車で家まで送るから。頼んだわよ!」バタン

 さわ子先生はそんなことを言い残して保健室を出ていってしまった。

 シーーーン…………

 静寂が保健室を包み込む。



 え?



 後は任せる?



 ……………?



 え?



 えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええ!!!???

 な、なにを任されたんですか私は!?
 唯先輩の看病?
 ええ、それはもちろん献身的にやらせていただきます。
 ただ、この場合の看病というのはまず唯先輩に薬を投与することであって……
 え?え?
 私が?
 唯先輩のお尻に???

唯「……あずにゃん……」

梓「は、はいぃぃ!!」ドキッ!

唯「……私、もう一回自分でやってみるよ……」

梓「え?あ……そ、そうですよね!えと、その……が、頑張ってください……///」

唯「う、うん……///」

 唯先輩に新しい座薬を渡し、カーテンを閉じる。
 再び妙に艶めかしい声がカーテンの向こうから聞こえてきた。


 『…よっ……あれ?……んっ…んん……あっ…ぅん…………ふぅ………ん……はぁ…………』


 『………ううぅ…あずにゃぁ〜ん……』グスッ


 ……駄目だったみたい。

 カーテンを開けると涙目になった唯先輩の右手には二つ目の座薬の残骸が。

唯「もう薬なんていいよ……しばらく寝てたらきっと治るよ……」

梓「だ、駄目ですよ!ちゃんと薬飲ま……あ、そ、その……い、入れないと……」

 とは言うものの唯先輩が自分で入れるのは無理っぽい。
 既に二つも無駄にしてしまっているのだ。
 自力で座薬を入れるというのは初心者(?)にはなかなかにハードルが高いようです。

梓「あ、あの……唯先輩…?」

唯「な、なにかな…?」

梓「その……もし、唯先輩が嫌じゃなかったら、ですけど……わ、私が………///」

唯「…………///」

梓「…………///」

唯「で、でも!あずにゃんの方が嫌でしょ?……その…私のお尻の穴に……ゴニョゴニョ……///」

 全然嫌じゃないです!!!


 ……と、声を大にして言ってしまうのはさすがにどうでしょうか。
 それではまるで私が唯先輩に座薬を入れたがってるみたいではないですか。
 あくまでも看護として、唯先輩の体が心配だからやるのです。
 他意はないのです。ホントです。

梓「わ、私は気にしません!さわ子先生も言ってたじゃないですか。唯先輩は病人なんですから

  お互いに恥ずかしがってる場合じゃありません!//////」

 そんな事を言いながらも私は自分の顔が今までに無いほど熱くなっている事を自覚している。
 うぅ…いま私、顔真っ赤なんだろうなぁ……『恥ずかしがってる場合じゃありません!』
 なんて言ってもまるで説得力が無い。

 私を見つめる唯先輩の顔も真っ赤に染まっていますが
 それは果たして熱のせいなのかそうじゃないのか。

唯「そ、そうだよね……じゃあ、あずにゃん……お願いします……//////」

梓「は……はいっ!!//////」

唯「……えーっと、じゃあ……パ、パンツ脱がなきゃだよね……///」

梓「え……ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええっ!!?/////////」


 当然と言えば当然ですが。


 私はパンツを穿いたままの人に布越しにお尻に座薬を入れて、
 もちろんパンツには穴は開いてません!ジャーン!
 なんてマジシャンのような芸当はできない。
 と言うかそんな手品テレビでも見た事ない。………当たり前か。

 つまり唯先輩に座薬を入れる為には唯先輩の……お、お尻の…穴を出してもらうのは必須なわけで……

 し、しかしですね、唯先輩がパンツを脱いで、しかる後に私が座薬を挿入するということは
 唯先輩の……その………だ、大事な部分も全部見えてしまうということですよ!?

梓「そ、それは流石にまずいと思います!!///」

唯「え……?で、でも脱がないと入れられないよね?」

 至極全うな意見を言う唯先輩。確かにそのとおりなんですが……
 というか唯先輩は私の前でパンツを脱ぐ事に抵抗は無いのでしょうか?

 『あずにゃんになら見られてもいいよ……』

 ———なんて思ってたりして……えへへ……///

 しかし私は唯先輩の大事な部分を目の当たりにして冷静でいられる自信は無い。

梓「え、えっとその、唯先輩?……パンツは穿いたままでいいんで

  四つん這いになってお尻をこっちに向けてもらえますか……?」

 先輩に四つん這いになってもらってお尻の穴がギリギリ見えるところまでパンツを下ろす。
 そして座薬を挿入。これがお互いにとって一番ダメージが少ない方法ではないでしょうか。

唯「うぅ……あ、あずにゃん……この格好すっごく恥ずかしいのですが……///」

梓「が、我慢してください!///すぐに終わらせますから!!///」

 恥ずかしいのは私も同じです。
 ベッドの上の唯先輩は私に言われたとおり四つん這いになりお尻を私に突き出す体勢だ。
 まさかこんな体勢の唯先輩をこんな位置から見る日が来る事になろうとは……//////

梓「え、えーと……まずはスカート……捲りますよ?///」

唯「……………ウン………/////////」

 ヒラリ 

 スカートの下から現れたのは唯先輩の形のいいお尻とそれを包み込む淡いピンク色の下着。
 ……ものすごい破壊力です。頭がクラクラします。もうこのまま気絶してしまいそうです。
 しかしながら現段階でノックアウトされているようではこのミッションをこなす事なんて出来やしない。
 次の段階へ進まなくては。

梓「じゃ、じゃあ……パンツ下ろしますね………//////」ゴクリ

唯「……………………/////////」コクリ

 唯先輩はもう返事をせず頷いただけだった。
 お互いの顔が見えない体勢ですから、いま唯先輩がどんな顔をしているのかはわかりませんが
 おそらく私と同じぐらいかそれ以上に真っ赤な顔をしているのでしょう。
 ライブの時なども強心臓で緊張とは無縁、周りの目などもあまり気にしない唯先輩ですが
 さすがにこの状況で平然としていられるほど羞恥心を無くしてはいないようです。

 唯先輩のパンツに指を掛け、ゆっくりゆっくりと下ろしていく。
 ……べ、別にこの時間を少しでも長く楽しむためにゆっくりしてるんじゃないですよ?
 お尻の穴が見えるギリギリのラインでパンツを止めないといけないので慎重に下ろしているだけです!

 しばらく下ろしていくと唯先輩のお尻のお肉に窪みが見え始めそれはどんどん深くなっていく。
 こ、これが唯先輩のお尻の割れ目……!
 うぅ……鼻血でそう……//////

 先輩のお尻の割れ目が見え出してから結構パンツを下ろしているつもりですが
 お目当ての器官はなかなか顔をださない。
 お、お尻の穴ってこんなに下の方(?)に付いてるものだっけ…?

 ……はっ!もしかして唯先輩程の天使になるとお尻の穴なんてついてないんじゃ……?
 それならば唯先輩が自分で座薬を入れられなかった事にも納得がいく。
 無い穴に薬を入れるなんて不可能に決まっているからだ。

 ———などといい感じに私の思考が暴走しだしたところでいきなりそれは現れた。

 こ……これが唯先輩のお尻の穴………/////////ゴクリ・・・



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