唯(うんうん。ムギちゃん喜んでくれてよかったよ)
唯(あとの事はあずにゃんに任せるとして、次は和ちゃんだね)
唯(家に帰ったら憂と作戦会議して、その後和ちゃんの家に突撃しよっと)
ガチャッ
唯「ただいまー」
憂「おかえりなさい、おねえちゃん」
和「お邪魔してるわ」
唯「えっ、なんで和ちゃんがいるの?」
和「いたらいけないかしら」
唯「えっと、それは……」
和「……ん、おじゃまみたいね。今日のところは帰らせてもらうわ」
憂「あ、和ちゃん……」
和「また来るから」
唯「ちょ、ちょっとまって!!」
唯(憂と作戦会議するつもりだったのに台無しだよ〜)
唯(でも、ここで和ちゃんを返しちゃうわけにももいかないし……)
唯(……そうだ! なんとか憂と意思疎通できれば)
唯(憂! 気づいて!!)
憂(この視線は……お姉ちゃん!?)
唯(お、通じた。アイコンタクトで会話できるなんて、流石憂だよ〜)
憂(えへへ〜)
唯(実はね、和ちゃんに日頃の感謝の気持ちを……あれ、なんでそんなことしようと思ったんだっけ?)
憂(勤労感謝の日だからじゃない?)
唯(そうだったそうだった)
憂(じゃあ和ちゃんに親切にすればいいんだね)
唯(うんうん。まずはマッサージでもしてあげよっか)
和(マッサージ、いいわね)
唯(じゃあ決まりだね。それとなく和ちゃんに……って)
唯「和ちゃん!?」
和「どうしたの、唯」
唯「なんでアイコンタクト通信に和ちゃんが?」
和「最初から参加してたわよ」
憂「私達と和ちゃんは以心伝心だよ、お姉ちゃん」
唯「あ、そうだったね」
和「ええ、それでマッサージしてくれるの?」
唯「うん」
唯「では、これより和ちゃんにマッサージをしてあげます。わー」
憂「わー」パチパチパチ
和「えっと……私はどうすればいいのかしら?」
唯「楽にしててくれればいいよ」
憂「心臓に近いところからするのが基本だから……まずは腰からかな」
唯「そうだね。和ちゃん、俯けになってくれる?」
和「こう?」
唯「うんうん」
憂「じゃあ私は右側をやるから、お姉ちゃんは左側をお願い」
唯「えいっ、えいっ」ギュッギュッ
憂「えいっ、えいっ」ギュッギュッ
唯「えいっ、えいっ」ギュッギュッ
憂「えいっ、えいっ」ギュッギュッ
唯「和ちゃん、どうかな」ギュッギュッ
和「唯、もう少しだけ力を入れてくれる?」
唯「うん」ギュッギュッ
憂「和ちゃん、私はどうかな?」ギュッギュッ
和「憂のほうはそのままでいいわ」
唯「こんな感じー?」ギュッギュッ
和「あ〜そうそう」
憂「和ちゃん、結構凝ってるみたいだね」ギュッギュッ
唯「うんうん。和ちゃん、気持ちいい?」ギュッギュッ
和「極楽があるとしたら、こんな感じかしら」
唯・憂「えへへー」
唯「お次は肩だね」
憂「そうだね」
和「あ、でも肩はあまり凝ってないかも」
唯「そうなんだ」モミモミ
憂「あ、ほんとだ。柔らかい。意外だね」モミモミ
和「いつも妹や弟に揉んでもらってるから」
唯「そっかぁ……残念」モミモミ
和「大丈夫よ。十分気持ちいいから」
憂「じゃあもうちょっとだけ揉んであげるね」モミモミ
和「ええ、お願いするわ」
唯「お次は……足の裏とかどうだろう」
憂「足つぼマッサージだね、お姉ちゃん」
和「足つぼ? 唯にそんなマッサージできるの?」
唯「任せてよ。憂にいろいろ習ったんだから」
和「そう。なら、お願いするわね」
唯「では、まず和ちゃん。靴下を脱いでください」
和「ええ」ヌギヌギ
唯「では、ここを〜」クリクリ
和「ちょ、ちょっと唯……ヒッ……ヒャッヒャ」
唯「え、何、和ちゃん?」クリクリ
和「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
憂「お、お姉ちゃん! 和ちゃんがおかしくなっちゃうよ」
唯「ご、ごめん、和ちゃん。大丈夫?」
和「はぁ……はぁ……あやうく持っていかれるところだったわ」
憂「お姉ちゃん、こうやるんだよ」クリクリ
和「あ、これはいいわね」
唯「こうかな?」クリクリ
和「あ、唯もいい感じよ」
憂「他のツボも」クリクリ
和「ふふ、これいいわね」
唯「そう?」クリクリ
和「ええ、足つぼマッサージされながら本とか読んでみたいわ」
憂「じゃあ今度やってあげるよ」クリクリ
唯「うんうん。和ちゃんにはいつもお世話になってるからね」クリクリ
和「ふふ、じゃあ、今度お願いするわ」
−−−
和「二人共、今日はありがとう」
憂「またいつでもやってあげるからね」
唯「うんうん」
和「そうね。たまにお願いしようかしら」
和(……唯)
唯(あれ和ちゃんがアイコンタクト通信? あ、憂に聞かれたくないこと?)
和(ええ、憂を労ってあげるのを忘れてないでしょうね?)
唯(……あ!)
和(……その様子じゃすっかり忘れてたみたいね)
唯(えへへ〜、どうしよう)
和(そうね。マッサージでいいんじゃないかしら)
唯(マッサージ?)
和(ええ、憂も結構凝ってると思うから)
唯(……そうだね)
和(私の力は必要かしら?)
唯(う〜ん、今回は遠慮しておこうかな)
和(そうね。私はマッサージについては門外漢だし)
唯(門外漢?)
和(ふふっ)
憂「二人共、何か相談事?」
唯「え」
和「ええ、ちょっとね。私はそろそろ帰らせてもらうわ」
憂「夕ごはんは食べていかないの?」
和「ごめんなさい。今頃弟達が私のためにご飯を作ってくれてるから」
憂「そっかぁ」
和「じゃあ、私はいくわ」
唯「うん。ばいばい、和ちゃん」
憂「さようなら、和ちゃん」
ガチャ
スタスタスタ
憂「いっちゃったね」
唯「うん」
憂「じゃあそろそろ晩御飯の用意でも」
唯「う〜い!」ダキッ
憂「お姉ちゃん!?」
唯「今度は憂の番だよ」
憂「え」
唯「次は憂に感謝の気持ちを示すんだよー」
憂「……! うん!!」
おしまいっ!
最終更新:2014年05月11日 09:10