(夜)
(外は雨)
(部屋は暗闇で満たされている)
澪「……律、まだ起きてる?」
律「……ん」
澪「雨、止まないな」
律「……ああ」
澪「このまま止まなかったらどうなるのかな」
律「……」
澪「……律、もう眠い?」
律「……ちゃんと聞いてるよ」
澪「ありがと」
澪「……雨が降り続けるとさ、地面に滲みこむ限度を超えると溢れちゃうよな。
本当にもの凄い雨なら、川の堤防とかも決壊して洪水が起きちゃうだろうし、
木の根がせき止めたり、地下水に流れ込む量にも限界があるから、
山からも雨水は平地に流れてくるだろ。
そうして、それはどこかに流れ込もうとするんだろうな。
地上にあるものを押し流してさ」
律「そうかもな」
澪「……無駄なのかな?」
律「何が?」
澪「やっぱり、どんなに頑張って根を張っても、流されちゃうのかな」
律「……そんなことないだろ」
澪「唯と……梓さ、三か月くらい前に別れたよな」
律「……ああ」
澪「唯に彼氏が出来たんだって」
律「……そうか」
澪「……」
律「……寝ようぜ」
澪「うん」
律「澪、泣いてるのか?」
おわりです。
最終更新:2014年05月14日 22:44