〜秋山家!

澪ママ「あなたー、そろそろ時間よー」

澪パパ「ん、わかってるよ」

澪ママ「えーと、あら? パパの鞄どこだったかしら」ウロウロ

澪パパ「あれ、さっきソファーに置いたはずだけど…」ウロウロ

澪「…ここだよ二人とも、さっきパパがこっちに持ってきてテーブルの横の椅子に置いてたじゃない」

澪ママ「まあありがとう澪ちゃん、澪ちゃんいなかったら…」

澪パパ「…僕たち、朝の支度すらおぼつかないな」

澪ママ「もうパパったら、そこまで私に言わせてくださいな」

澪「大げさだよ、さっそろそろ行かないと朝の会議に間に合わないよ?」

澪パパ「とと、そうだそうだ」トコトコ

澪(そう言いつつ急ぐそぶりがないのは見ていて心配だよ…)

澪「パパ、今日は私も一緒に家出るから」

澪パパ「え、まだ澪は学校行くには少し早いんじゃ?」

澪「今日は日直だから少し早く学校に行かないと」

澪パパ「そっか、じゃあ駅まで一緒に行こうか」

澪「うん」

澪パパ「じゃあママ、行ってくるよ」

澪ママ「行ってらっしゃい、気をつけてね?」スッ

チュッ

澪パパ「あ、ありがとう///」

澪「こ、子供の前でそういうのは控えてよママ…///」


・・・


澪パパ「今日は少し肌寒いかな、昨日は暑かったのに」

澪「そうだね、雨も降ったり止んだりの天気ばかり続いてるし…」

澪パパ「こういう不安定な天気が続くときは体調を崩しやすいから、気をつけて」

澪「私なら大丈夫だよ、パパ」

澪パパ「自分だけではなく、周りにも目を向けてあげなさい。体調が悪いのに無理してる子もいるかもしれないからね」

澪「う、うん」

澪パパ「ちょっと口はばったかったね、ごめん。じゃあ駅に着いたしここで」

澪「うん、気をつけて行ってらっしゃい」

澪パパ「ん、澪も気をつけて」タッタッ

澪「さてと、私も学校に行かないと…」

「澪先輩」

澪「ん?」クルッ

梓「…………」ジッ

澪「よっ梓、こんな朝早くから会えるなんて珍しいな」

梓「私、今日は日直なので少し早めに家を出たので…」

澪「そっか梓もか、私も今日日直だからこうして早く…」

梓「み、澪先輩っ!」ズイッ

澪「ど、どうした梓? 大きい声出して」

梓「い、今話してた男の人ってまさかっ、かっ彼氏さんですか!?」

澪「……へっ?」


・・・


梓「そ、そうだったんですか、お父さんだったんですね、すいません…」ペコペコ

澪「もう、私に彼氏なんて出来るわけないじゃないか」

梓「で、でも若々しかったので」

澪「若々しいってうちのパパ、今年で43だよ」

梓「え、ええーっ!?」

澪「そこまで驚かなくても…」

梓(まだ20代前半ぐらいにしか見えないのに)

梓「と、とにかく話してたのが澪先輩のお父さんで安心しました…」フラッ

澪「っと、梓どうした?」ガシッ

梓「す、すいません、ちょっと安心して気が抜けちゃいました」

澪「本当か? あまり顔色良くないように見えるけど…」

梓「大丈夫です、まだ朝方ですから完全に目が覚め切ってないだけですよ」

澪「ならいいけど…」

梓「さ、学校に行きましょう!」


・・・


放課後!

澪「うーん……」

律「どうしたみおー? もしかして便秘か?」

澪「…………」ジロッ

律「しゅ、しゅいませんなんでもないでしゅ」

唯「澪ちゃんどうしたの? 今日のケーキにもまだ手をつけてないし」

紬「何か澪ちゃんの苦手なものが入ってたかしら…」

澪「そんなことないよ、ごめん。ただちょっと胸騒ぎがしてて」

律「胸騒ぎ……まさかまたさわちゃんが新作衣装なんて作ってきて着せようって知らせか?」

唯「それなら受けて立つよ!」フンスッ

紬「なら私はせっかくだから、赤い衣装を選ぶわ!」

澪「いや、そういうのとはまた違うと…」

律「はは、二人とも前向きだなー」

ガチャ

梓「こんにちはー」

唯「あっ、あずにゃん遅いよー!」ダキッ

梓「す、すいません今日は日直で学級日誌まとめるのにちょっと手間取ってて」

唯「ううーんこの感触が実に……ん?」

梓「な、なんですか?」

唯「んー、なんか今日のあずにゃんはいつもより体があっついような気がして」

梓「それは今急いで階段上がってきたからです……よっ」グイッ

唯「そお?」

梓「そうです、それより今日はしっかり練習しますからね!」

唯「えー!」

梓「えーじゃないです、もう」

紬「まあまあ、今梓ちゃんの分のお茶入れるから…はい」コト

梓「あ…はい、ありがとうございます」コクン

澪「梓、本当に大丈夫?」

梓「澪先輩に心配していただけるのは嬉しいですけど、私ならこの通り元気で…」スクッ

梓「あ、あれ……?」クラッ

澪「わっ、梓!」ガシッ

律「うお!? 梓どうした!」

唯紬「あずにゃん!?(梓ちゃん!?)」

梓「ちょ、ちょっとめまいがしただけです、大丈夫ですよ」

澪「…そうか、じゃあ」ピト

梓「あっ」

澪「……明らかにおでこが熱い、それに唯の言う通り体もほてった感じだ」

梓「そ、それは」

澪「梓、風邪の引き始めが一番対処が大事だって分からないのか?」ジロッ

梓「あう……」

紬「澪ちゃん、それぐらいに」

澪「あ…ごめん梓、ちょっと言い過ぎた」

梓「いえ、澪先輩の言うことはごもっともです…すいません」

律「梓、風邪引いてるっていうなら今日は大人しく家に帰って安静にすること! これは部長命令であるぞ!」

唯「そうだよ、あずにゃん死んじゃやだよー!」ギュ-

梓「し、死にませんから…かえって苦しいですから」

唯「あわわ、ごめんっ」パッ

紬「梓ちゃんの分のケーキ、持ち帰り用の箱に入れてあげるから今日は…ね?」

梓「う…そこまで皆さんから言われると従わないわけにはいかないです」

澪「よし、そうなると家に連絡してお母さんに迎えにきてもらえれば」

梓「それが今日、お母さん仕事で夜まで帰ってこれないので…」

澪「え…困ったな、そうなるとどうやって梓を家に送り届けるか」

ガチャ

さわ子「やっほー、今日のお茶とケーキはどんなのかしら?」

唯澪律紬「さわちゃん(さわ子先生)、グッドタイミング!」

さわ子「え?」

梓「?」


・・・


律「じゃあ後は任せたぞ、澪」

澪「ん、分かった」

唯「早く元気になってね、あずにゃん」

紬「梓ちゃん、お大事にね」

梓「はい、心配かけてすいません…」

バタン、ブロロ-・・・

さわ子「…で、私が梓ちゃんの家までのドライバーをこうして勤めるってわけね」

澪「ありがとうございます、さわ子先生」

梓「すいません、私のせいで…」

さわ子「いいのいいの、大事な生徒のためなら火の中水の中ってね」

澪梓「さわ子先生…」

さわ子「ま、今度二人には新作衣装の試着に付き合ってもらうってことで手を打ちましょう、ふっふっふ」

澪梓(少しでも先生かっこいいと思って損した!)ガ-ン

さわ子「ところで梓ちゃん、後ろで澪ちゃんにひざまくらしてもらって気持ちいい?」

梓「えっ!? そ、それはその、とても心地よくて楽で、けど恐れ多いというか…」

澪「何言ってるんだ、辛い時は甘えていいんだから気にすることないぞ」

梓「澪先輩にそう言われると、何だか今は甘えたくなっちゃいます…」

澪「私でよければ今くらいは、な」ナデナデ

梓「んっ…///」ゴロゴロ

さわ子「…むう、何だかやぶへびだったわね」ムスッ

澪「どうかしたんですか先生?」

さわ子「べっつにー?」


・・・


梓「そこの家です、先生」

さわ子「おっけー」

キキッ

澪「ここが梓の家か、綺麗な家だな」

さわ子「ふむ、いい家じゃない」

梓「ど、どうもです」

澪「梓、降りて歩ける?」

梓「家に入って自分の部屋に行くまでは…あっ」フラッ

澪「無理するな、んしょっと」ヒョイ

梓「ひゃっ!?///」

さわ子「あら、お姫様抱っこだなんて澪ちゃんやるわね〜」

澪「先生、梓のムスタングとそれに箱のケーキ、持ってきていただけますか?」

さわ子「はいはい、梓ちゃんで両手がふさがってちゃ無理だしね」

澪「梓、家の鍵は取り出せる?」

梓「は、はい大丈夫です」

澪「じゃ、行こっか」



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最終更新:2014年07月10日 06:34