律「やっぱ寒いなー……」

澪「冬だからな……」

ビュウウウウウウウ!

澪「うう〜っ!」

律「おおおおおお……! 寒すぎる……!」

澪「強い風はこたえるな……」

律「だな……。ん、あれは?」

澪「どうしたんだ?」

律「雑誌落ちてる。マンガの雑誌かもしれないぞ!」

澪「お、おい! そんな落ちてる物なんてきっとロクな物じゃ……」

律「別に授業はないんだから今日くらいいいだろ〜。んーどれどれ? ……マンガ雑誌っぽいぞ!」

澪「まったく……」

律「ゲット! …………こ、これは!」

澪「えっ?」

──
────


律「……てなことがあったんだ」

澪「…………」

梓「ふつう落ちてる物拾いますか?」

律「まあまあ。気分よかったから宝物見つけた気分だったんだよ」

唯「朝からノリノリだね」

律「ああ、今日は目覚めがよかったんだ」

紬「それで、どのマンガ雑誌だったの?」

律「え、ああ……実はそのことなんだけど……」

澪「……本当に、律はバカだ」

唯紬「えっ??」

梓「どういうことなんですか?」

澪「その落ちてた雑誌を……今ここに持ってきたんだ!」

梓「ええっ!?」

律「あはは……つい……」

梓「落ちてたんですよね? 汚いですよ……」

律「ビニールに入れてるから一応大丈夫だと思う。雨も降ってなかったみたいだし」

唯「ねー何のマンガだったの?」

律「……………………コレダ」スッ

澪「…………」

梓「…………」

唯「…………」

紬「あっ」

梓「……これエロ本やんけ!」

律「ああ……って、まさかの関西弁ツッコミ!?」

梓「なんでこんな物部室に持ち込むんですかー! ここは軽音部ですよ!」

律「ま、まあそうだけどさ……軽音部の部室であって何も聖域ってわけじゃないから……」

梓「そういう問題じゃなーい! まったく……」

紬「梓ちゃん落ち着いて!」

唯「そうだよ、あずにゃん! リラックス、リラックス」

梓「すいません……。でも、どうしてエロh……成年誌なんて……」

律「みんなのリアクションが気になったんだ」

梓「えっ」

律「私たちの学校……女子校だろ? 男子いないから、他の女子高生と比べてその手の話題少ないだろ? 少なくとも私たちは。そういうエロトークになったらどうなるのかなーってさ」

梓「……はあ〜。そんな理由で……」

澪「私も律がそのエロh……成年誌を拾った時に反対したんだ。でも、律がどうしてもって聞かなくて……」

律「ということだ! みんなの感想を聞かせてくれ!」

紬「じゃあとりあえず……」

唯「読んでみる?」

梓「(どうしてこんなことに……)」

律「じゃあ開くぞ! 私もチラッとしか読んでないんだ」

パラッ

唯「おー……」

紬「あっ、この子かわいい」

パラッ

澪「絵が不安定な人も多いな……仕方ない気もするけど」

律「やっぱ基本的に巨乳が多いな」

パラッ

唯「あっ、もう終わりかあ……」

紬「何作品くらい載ってるのかな……」

律「えーとな……」

パラッ

律「全部で12本だな」

紬「意外と多いのね!」

パラッ

梓「…………」

パラッ
パラッ
パラッ……

──
────

律「ふうー……どうだった?」

唯「意外と楽しかったよ」

澪「うん。ちゃんとしたストーリーのある作品もあったから、思っていたよりは」

梓「私もまあ、そう思いました……」

紬「こっちもなかなかいけるわね……」

律「(……?) まあ、普段読んでるマンガとは違ってたな。聡のやつも1冊くらいは隠し持ってるかもな! 今度捜索を……」

澪「やめてあげろよ」

律「ジョーダン、ジョーダン。マイケル・ジョーダン」

梓「私たちも、いつか男の人と付き合うことになれば……どうなんですかね……」

律「どうだろうな……。まあ、単にエロい人もいれば、女にとって最低の人間、逆に誠実な人だって必ずいると思うぞ」

梓「はあ……」

律「その辺りを“女の直感”ってやつで見極めないとな!」

梓「……そうですね!」

唯「じゃあ、この本は男の人視点で勉強になるのかな?」

律「それはわからないけど……。まあ、誠実なお付き合いがお互いに望ましいってことだ!」

唯澪紬梓「はーい」


おしまい!



最終更新:2014年07月19日 10:01