幼梓「あんたこそだれ」

幼律「わたしはりつ。おまえは?」

幼梓「あずさ」

幼律「ふーん」

幼律「こんなところでなにしてんの」

幼梓「カブトムシ探してるの」

幼律「カブトムシ?」

幼梓「カブトムシ」

幼律「あはは!カブトムシはこんなひるまにはでてこないよ」

幼梓「むっ!わらったなー!?」

幼梓「ひるまでもさがせばみつかるもん!!」

幼律「えーむりだよ」

幼梓「むー!」

幼律「てつだってあげようか?」

幼梓「むぅー…」

幼律「てつだわなくていいの?」

幼梓「むぅー…!」

幼律「じゃ、てつだわない!」

幼梓「え…やっ…!」

幼律「どっちだよー」

幼梓「うぅ…ぐすん」

幼律「わ、なくなよ!」

幼梓「カブトムシ…」

幼律「ほら、とりかたおしえるからなくなってー」

幼梓「うぅ…」ゴシゴシ

幼律「ほら、よしよし」

幼梓「………」

幼律「じゃあまずは木を探そう」

幼梓「木…?」

幼律「うん、蜜がいっぱい出てるやつ」

幼梓「みつ…」

・ ・ ・

幼梓「みつみつみつ…」

幼律「………」

幼梓「みつみつみつ!!」

幼梓「りつ、ないよみつ」

幼律「うーん、たぶんこのあたりに…」

幼梓「みつみつみつ」

幼律「あ、あった!」

幼梓「これがみつ?」

幼律「うん、なめてみて」

幼梓「ん…」ペロペロ

幼梓「まずい!!」

幼律「くははは!ほんとになめたー!」

幼梓「ばか!ばか!」

幼律「ひっかかった!」

幼梓「さいてい!しかもカブトムシいないじゃん!!」

幼律「だから、こんなひるまにはいないよ」

幼梓「じゃあなんじになればいいの」

幼律「うーんとね…」

幼律「ところでおまえはどっからきたの?」

幼梓「あっちのキャンプじょう」

幼律「あ、おまえもキャンプしにきたんだ」

幼梓「そうだよ」

幼律「わたしはあっちのキャンプじょう」

幼梓「はんたいほうこうじゃん」

幼律「そうだよ」

幼梓「それで、なんじならいいの?」

幼律「はちじくらいかなー」

幼梓「えっ…」

幼律「はちじ」

幼梓「よるの?」

幼律「はちじ」

幼律「よるのはちじにもういちどここにきたら、カブトムシがいっぱいみつにむらがってるよ」

幼梓「え…でもはちじは暗いし…」

幼律「うん、だからきをつけてね」

幼梓「うぅ…」

幼梓「りつもいっしょにきて」

幼律「えー」

幼梓「りつもきてよー!!」

幼律「うーん、どうしようかなー」

幼梓「りつも!りつも!」

幼律「しょうがないなー」

幼律「じゃあもうすぐ晩ごはんだから、しちじくらいに森の入り口に集合ね」

幼梓「わかった」

幼律「じゃあなー」

幼梓「ばいばい」

・ ・ ・

幼律「ただいまー」

幼澪「あ、りっちゃん」

幼律「おっすみお」

律母「律!どこ行ってたの!?」

幼律「あっちのもりー」

律父「探したんだぞ、一人であんまり遠くに行くんじゃない」

幼律「はーい」

澪母「律っちゃん、カレーできてるわよ」

澪父「さぁ、晩ごはんにしよう」

幼律「やったー!」

・ ・ ・

幼律「あ、みおのカレー、肉おおい!ずるい!」

幼澪「え、ごめん…」

律母「こら、律!」

幼律「ちぇー…」

幼澪「あげようか?りっちゃん…」

幼律「うーん、やっぱりいいや」

幼澪「いいの?」

幼律「うん」

幼律「そのかわり。みお、おさげにしてみて」

幼澪「え、かみのけを?」

幼律「うん。あ、三つ編みじゃなくて」

幼澪「こう?」

律父「おっ?おさげの澪ちゃんも、かわいいねー」

幼律「へへへー」

幼澪「?」

・ ・ ・

幼律「おそいなーあずさ」

幼律「はやくしないとまたトーチャンとカーチャンに怒られちゃう」

幼梓「りつー」

幼律「お、きたきた」

幼梓「カブトムシ」

幼律「よーし。あ、その前に」

幼梓「?」

幼律「はいこれ」

幼梓「飴だやったー!」

幼梓「…あ、もしかして木のみつ味…?」

幼律「なわけないじゃん!ふつうのリンゴ味」

幼梓「むぅ……パクっ」

幼律「どう?」

幼梓「あまーい」

幼律「な?」

幼梓「あまいあまいあまい」

幼律「じゃ、いくぞー」

幼梓「あまいあまいあまい」コロコロ

・ ・ ・

幼律「ここだ!」

幼梓「うわわ!カブトムシいたー!」

幼律「な、いっただろ?」

幼梓「カブトムシ!カブトムシ!!」

幼律「はっはっは!好きなだけとれ!」

幼梓「りつとって」

幼律「えー、じぶんでとれよ」

幼梓「りつがとってー、りつが」

幼律「はぁ…しょうがないなぁ」

幼律「ほれ」ヒョイ

カブトムシ「ジタバタジタバタ」

幼梓「わぁー!カブトムシ!カブトムシ!」

幼律「はやくカゴに入れろって」

幼梓「うん」パタン

幼梓「ありがとうりつー」

幼律「なんのなんの」

幼律「じゃあもうかえろう?」

幼梓「やだ」

幼律「お父さんとお母さんがしんぱいしてるだろー?」

幼梓「うぅ…やだやだぁ…」

幼律「もー、わたしもはやく戻らないといけないんだから」

チカチカ…プチッ…

幼律「あ!」

幼梓「わ!…わ!?」

幼律「かいちゅうでんとうきれちゃった…」

幼梓「えー!?」

幼律「この!つけよ!」カチャカチャ

幼梓「りつー…くらいよー」

幼律「ほとんどなにもみえない」

幼梓「りつー…!」ギュウ

幼律「どうしよう、とりあえずきた道をもどろう?」

幼梓「やー…!」

幼律「だいじょうぶだって、ちゃんとつかまってろよ?」

幼梓「うぅー…ぐすん」

・ ・ ・

幼律「ほら、ついたぞー」

幼梓「………」

幼律「あずさ?」

幼梓「りつー…!」ギュゥ

幼律「わっ…とと」

幼梓「りつだいすきー」

幼律「はいはい」ナデナデ

幼梓「カブトムシのつぎにすきー」

幼律「はー!?」

幼梓「じゃあねりつ」

幼律「うんまたなー」

幼梓「またカブトムシとろうね」

幼律「うん」

幼梓「じゃ、バイバイ」

幼律「バイバイー」


〜〜十数年後〜〜


律「………」

律(そんなこともあったな)

律(あの後、寝てる澪の顔面にカブトムシをのせておいたら、翌朝産まれて初めて澪におもいっきり殴られたんだった)

律(なつかしいなぁ)

律(………)

律(………)

律(あれって…やっぱり梓だったのかな?)

律(梓は覚えてるのかな?)

律(よし!)


律「なぁ、梓。カブトムシとりに行こうぜー!」


梓「いやです」


おわり

りっちゃん誕生日おめでとう!