和「コンコン ガチャ 律、軽音部の提出書類、まだ出ていないみたいだけどちゃんと書いてるの?」

律「え、えー……」

和「何よ、そんな怪訝そうな顔をして ジーッ」

律「ちょっといろいろツッコミたいから待ってくれ、な? おいしいネタなのはわかったからさ」

和「何よ、失礼ね。プンスカ」

律「いやいや、だからその……」

和「えっ? シレーッ」

律「それ効果音的にわかりにくいぞ……」

和「そうかしら? ハテナ?」

律「うわ、絡んじゃった。というか絡んできた」

和「それよりもほら、用紙持ってきたから今すぐ書いて。ここよここ。トントン」

律「どこ、どこどこ?」

和「ここっここ!」

律「あ、ペンなかったっけか」

和「私のを貸してあげるから、ほら。スッ」

律「あ、ありがとう」

和「どういたしまして テレッ!」

律「(今一瞬視界の端でものすごい変顔が見えたような……)スポン! カキカキ……」

和「『カキカキ』はまだしも『スポン!』はないわー」

律「うるせーよ! 集中できないから少し黙っててくれ!」

和「シーン」

律「そ、それでよし……」

和「…………」

律「…………」

和「…………」

律「…………」

和「……静かね」

律「…………」

和「こ、これじゃあ私の存在意義が!」

律「あともう少しだけ黙ってて」

和「つーん」

律「つーんっておま……いや、何でもない……」

和「…………」

律「…………」

和「チクタクチクタク」

律「…………」

和「チクタクチクタク 時ハ金ナリ チクタクチクタク」

律「急かすなよ……ほら、書けたぞ」

和「ニコッ」

律「!?」

和「必要事項に記入漏れがないか確認するね ペラッ」

律「わかった、頼むよ……」

和「ぺかー」

律「おいメガネが光ってるぞ」

和「そこは『ピカー!』でしょ」

律「急につっこむなよ! ビビるだろ!」

和「それよりも『ピカー!』ってなんだかピカチュウみたいじゃない?」

律「知らねえよ……」

和「おっかしいわね、あはは!」

律「うわー……自家発電モードだ」

和「あ、一応全部書けてたわ」

律「仕事してたの!?」

和「当たり前じゃない。私は真鍋和よ?」

律「それは知ってるけど……」

和「言いたいことはそれだけ。用紙は確かに受け取ったから。じゃあ私、生徒会行くね。クルッ バッ スタスタ」

律「じゃあな……」

和「ガチャ ギィー…… 立て付けが悪いわね……バタン」

律「……ちゃんちゃん!」


──
────


「おい、律ってば!」

律「うおォン! 私はまるで人間オノマトp……って澪!?」

澪「かなりうなされてたけど……夢でも見てたのか?」

律「あれ……いつの間にか寝てたのか……」

「起きたのね。律にはこれ書いてもらわないと バサッ」

律「え、和……? どうしてここに……」

和「部長の律に提出書類を書いてもらうためよ ズイッ」

澪「また出し忘れてたんだって……?」

律「ごめんなさい……」

和「ほら、ここ。トントン。ここにカキカキして。カキカキ」

律「わかったよ……え、オノマトペ……?」

和「ふふふ……ニヤリ」


おわり



最終更新:2014年08月28日 08:02