姫子「わかった…」
いちご「澪純梓が帰って来たら二度と外に出さない事、いい？」
姫子「可哀想だよ、何時も外を見てるし…」
いちご「それは、動く物に対して興味を持ってるだけで出たがってる訳じゃない」
姫子「そ、そうなの？」
エリ「猫っていう生き物はね例え外に出られなくても部屋の中を縄張りと認識したら快適に暮らせるんだよ」
姫子「…」
いちご「それと、外と部屋を使い分けるのは縄張りを複数持つ事になって混乱するのよ」
姫子「でも、猫は死ぬ時は外で死ぬんだよね？」
いちご「それは違う」
姫子「何が違うの？」
いちご「あれは家の中を縄張りと認識していなから」
いちご「外飼いと呼ばれる猫は外に縄張りを持ってる」
いちご「猫は単独で暮らす動物、だから自分の縄張りを大切にするの」
姫子「でも、猫だって集まってるよ？」
いちご「あれは、仲良しだから犬は上下関係が全て」
姫子「上下関係ってあるの？」
エリ「あるよ、順位によって食べる順番や場所も決まってるんだから」
姫子「そうなんだ〜」
いちご「そんな、気儘な単独生活の猫だから落ち着く場所は縄張りなの」
エリ「だから、死ぬ姿を見せないとかじゃなく」
エリ「自分が一番安心出来る所で体を治そうとするの」
姫子「それってつまり、治ったら戻って来るけど治らなかったら死ぬって事…」
いちご「貴女、澪純梓が殺されたらどうする？」
姫子「えっ… 」
いちご「どうする？」
姫子「許せないよ！」
いちご「許せない？」
姫子「当たり前だよ！」
いちご「でも、その原因を作ったのは貴女自身なのよ」
姫子「うっ…」
いちご「こうしてる間にも澪純梓は誰かに殺されたり虐待を受けているかもしれない」
エリ「車に轢かれたり、狩りをして悪い物を食べるかもしれない」
姫子「…」
いちご「それも全て貴女自身が原因を作り全て貴女が悪いの」
姫子「私…私…」
エリ「言い過ぎだって…」
姫子「私、澪達を探しに行ってくる！」
澪にゃん「ただいまにゃん」
梓にゃん「猫神様と犬神様にゃん」
純にゃん「ご、ご主人様が泣いてるにゃん！」
姫子「みんな…みんな…ごめんなさいごめんなさい」
澪にゃん「ど、どうしたのにゃん」
梓にゃん「皆でご主人様を慰めるにゃん！」
純にゃん「うん、慰めるにゃん！」
いちご「澪純梓は貴女を誰よりも慕い信じている」
エリ「貴女が３匹の傍に居て可愛がる事が大切なんだよ」
姫子「うん…」ぐすっ
猫キチガイ「…」
姫子「あの時、彼女達が私を叱ってくれなければ私も貴女と変わりなかった」
猫キチガイ「私は間違っていたの…」
姫子「はい、間違っています」
猫「にゃーにゃー」スリスリ
猫キチガイ「…」
姫子「幸い、貴女の事を猫達は慕っています」
姫子「１週間、この猫を私が預かります」
姫子「１週間後に適切な環境にして下さい」
猫キチガイ「で、でも…」
姫子「私は獣医です」
猫キチガイ「お願いします…」
姫子「では、１週間後に」
姫子家
エリ「そんな事があったんだ〜」
いちご「心を入れ換えそう？」
姫子「大丈夫だよ、きっとわかってくれる筈だよ」
姫子「ねっ？」なでなて
澪純梓「何だか分からないけど、気持ち良いにゃん」ゴロゴロ
姫子「ふふっ」なでなて
１週間後
猫キチガイ「ど、どうですか？」
ピカピカ
姫子「良く頑張りましたね」にこっ
猫キチガイ「そんな事…」
姫子「これで貴女も立派な猫好きですよ」
猫好き「は、はい」
姫子「じゃあ、猫達をお返しします」
猫「にゃー」
猫好き「ごめんね…寂しかったよね」
姫子「健康状態も良好ですよ」
猫好き「あの、お金を…」
姫子「お金は自分の為と猫の為に使って下さい」
猫好き「先生…」
姫子「何か困った事があれば病院に来て下さいね」にこっ
猫好き「ありがとうございました！」
姫子「皆も猫は完全室内飼いでね♪」
姫子「姫子先生との約束だよ」
おわり
おまけ
澪「あっ！パパだ」
澪パパ「…」てくてく
澪「脅かしてあげよっと」そろりそろり
澪パパ「！」がばっ
澪「な、何？パパ」
澪パパ「にゃんにゃんだ！」
澪「にゃんにゃん？」
澪パパ「にゃんにゃん可愛いな〜」
澪「…」
澪パパ「にゃんにゃんにゃんにゃん」
澪「…」
澪パパ「にゃん…」
澪「…」
澪パパ「…」
おしまい
最終更新：2014年09月21日 17:49
