第8話 しりとり
唯「純ちゃん、しりとりしよう!」
純「負けませんよ」
唯「コアラ!」
純「ラッコ」
唯「コアラ!」
純「ラッコ」
唯「コアラ!」
純「ラッコ」
純「コアラ!」
梓「もう、ふたりとも!それじゃいつまでたっても勝負がつきませんよ!」プンプン
澪「(梓がまたわかりきったツッコミを入れている)」
紬「(梓ちゃんがまた言わないでいいことを……)」
律「(うちの子がまた余計なことを)」
唯「あはは、そっか~。あずにゃんもいっしょにやる?」
梓「し、しかたないですねえ~」
純「(梓、しりとりがやりたかったんだな)」
唯「じゃあ、あずにゃんからね。はい、どうぞ」
梓「シド・ヴィシャス」
唯「す、す、す…スイカ!」
純「カメ」
梓「雌(めす)」
唯「す~……ストロベリー」
純「……椅子(いす)」
梓「煤(すす)」
唯「また『す』…? す、すごろく!」
純「……クスクス」
梓「スイス」
唯「!? うわーん! もう『す』で始まるのないよぉ~!」
純「こら、あずさぁ!うちの唯先輩をいじめないで!」
梓「そ、そんな私はなにも……そんな……」オロオロ
律「(うちの子がまたいらんことを…………)」
第8話 終わり
第9話 呼び名
梓「ねーねー、りっちゃん。」
梓「あ……すみません、律先輩。人前でりっちゃんと言ってしまいました」
純「梓、二人きりのときは先輩のこと、りっちゃんって呼んでるんだ…」
澪「あの梓がなあ…」
梓「恥ずかしいです」
律「え?なんでそういう意味わかんない嘘つくの?」
律「りっちゃんなんて呼ばれたこと一度もないんだけど」
梓「一度くらいあるんじゃないですか」
律「ねえよ」
紬「…そうよ、ここは一つ呼び方を普段と変えてみるのもいいかもしれない!」
唯「おお、ムギちゃんいいねえ!」
律「うちの
ほのぼの組がまたおもしろいこと言い始めたぞ」
純「(そのほのぼの組ってどこからどこまでが入ってるんだろ)」
唯「じゃあ私は普段りっちゃんって呼んでるから……律!」ビシッ
律「唯に呼び捨てにされるとなんか不思議だな」
唯「ムギ!梓!純!」
澪「新鮮な感じだ……」
紬「えへへ」
梓「ムギ先輩はうれしそうですね」
純「わたしたまに純って呼ばれてるから別に違和感ないかなー」
梓「え、ほんと?」
純「うん」
紬「私は唯ちゃんのこと、『唯』って呼ぶね、唯ちゃん!」
律「唯ちゃんって言ってるぞ」
紬「あれ?」
純「なら私は先輩方のこと、澪ちゃん、ムギちゃん、りっちゃんって呼ぼっかな」
梓「……りっちゃんはだめ!!!」
純「ごめん、あずにゃん……」
第9話 終わり
第10話 好きなところ
唯「純ちゃん純ちゃん、純ちゃんは私のどんなとこが好き?」
純「えーっと」
唯「私はね、モコモコの髪とー」
純「先輩が言うんですか」
唯「あとねー、優しいとことー、話しかけてもたまに無視するとことー」
純「すみません」
唯「えっとねー、あとねー」グウウウウッ
純「おなか?」
唯「ごはん大盛りにしてくれるとこも好き!」
純「食事にしましょうか…」
唯「わーい!」
第10話 終わり
第11話 好きなところ2
律「なー、梓は私のどこが好きなんだ?」
梓「は?好きであることが前提ですか?」
律「それ前提にしちゃいけないのかよ!」
梓「冗談です」
律「で、どうなの?」
梓「これはなんの嫌がらせなんです?」
律「ありきたりなイチャイチャがしたいだけなのに、なんでこんな険悪な雰囲気がかもしだされるんだよ…」
梓「失礼。先輩はそんなこと言うキャラだと思ってなかったんで」
律「キャラとかそういう話じゃなくて……」
梓「なんでまた急に」
律「だって、梓ったらギターのことばかりであたしにかまってくれないし……もう愛してないのかなって……くすん」
梓「そういうのいいから」
律「はい。なんか唯がそんなこと話してるの聞いたから、なんとなくです」
梓「ふーん。また考えなしに人まねですか。どうせそんなことだろうと思いました、このグズ。ろくでなし。先輩の行動には主体性が感じられません」
律「だからなんでそんなに険悪なんだよ!?」
梓「そもそも、どこが好きなんて聞かれて、答えられるものでもないですよ」
梓「部分とか特徴じゃなくて、律先輩が律先輩だから好きなんです」
律「お、おお…なんだ急に///」
梓「先輩はどうなんです?」
律「私も、梓が梓だから、かな……」
梓「そこはまじめに答えろよ」
律「ん!?」
第11話 終わり
第12話 せいぎのそろばん
律「…………」ピコピコ
梓「朝から死んだ目でなにやってるんですか?」
律「ドラクエ3……レベル上げと種集め……」
梓「ああ、それで死んだ目を……ひょっとして徹夜でやってました?」
律「……」
梓「ふうん……先輩の身体ですから、べつに好きにすればいいですけど」
梓「私と会話中とかにちょっとでも眠そうな素振り見せたら気絶するまで殴りますよ?」
律「愛がない……」
梓「これって今どこプレイしてるんですか?」
律「一度クリアして、裏ダンジョン行くとこ」
梓「ていうかこのパーティー、リツにミオにムギにユイって」
律「ふっふっふ。見ろ、このステータス画面を。私以外全員セクシーギャルだ!」
梓「うわっ。ムギ先輩にガーターベルトとかやめてくださいよ!すけべ!先輩はどうせむっつりスケベなんでしょ。それとも人間のクズ?」
律「ねえよそんな性格。女キャラはむっつりスケベならねえし。勇者は『ごうけつ』だ」
梓「なんだ、律先輩のくせに生意気に性別女でプレイしてるのか……ところで、先輩?」
律「(あ、これなんか怒られるときの声だ)」
梓「なんでこのパーティー、アズサがいないんですか?」
律「いえ、あの、これ4人パーティーだし、その……」
梓「は? 卒業は終わりじゃないこれからも仲間だからって嘘だったんです?」
梓「え? 抜かすなら自分抜かせばいいじゃないですか。もしくは澪先輩。なんで私だけボッチですか。そうですね。はい。年下ですもんね。ナマ言ってすいません。仲間気分とか調子乗ってました、冒険の旅に中野はいらんですよね、ハイすいませーん」
律「ちょちょちょ、ストップ!怖えよ、顔とかいろいろ!あと澪になんの恨みがあるんだ!」
梓「なんですか、田井中先輩」
律「微妙に距離を置き始めるな。その、仲間はずれとかじゃないから……」
梓「え?」
律「最初はアズサも登録して連れて行こうと思ったんだけど、もしお前が死んじゃったら、ゲームのなかのこととは言え、私耐えられないなって思って……それで…」
梓「先輩……ごめんなさい、私……」ジーン
梓「先輩がそんなに私のこと大切に思ってくれてたなんて……なのに疑ったりしちゃって……ぐすっ」
律「へへ、いいよ」
梓「先輩、大好きですぅ~」ウワーン
律「よしよし」
梓「ところで先輩」
律「急に素にもどんな」
梓「ちょっと街でてラーミア乗ってくれませんか?」
律「え。なっ、なんで」ドキッ
梓「いえ、もしも世界の片隅に『アズサバーク』って名前の街があったらちょっと許せないなと思って」
律「まじスイマセンした」
第12話 終わり
第13話 人生ゲーム
純「ただいまー。いやー、遅くなっちゃってー」
唯「おかえり」カタカタ
純「えっ」
純「先輩……なにやってるんですか……?」
唯「じんせいゲーム」カタカタ
純「(ひとり人生ゲーム……しかもプレステとかじゃなくてボードゲームだ)」
純「(絵面的にかなりやばい。近づきたくない)」
唯「あ、こどもうまれた。わーい」カタカタ
純「ずっとやってたんですか?」
唯「ずっと」カタカタ
純「楽しいですか?」
唯「……」カタカタ
純「(楽しくないんだ)」
唯「……」カタカタ
純「先輩、ひょっとして私帰ってくるの待ってました?」
唯「人生ゲーム。やりたかった。ひとり。かなしい。純ちゃん。こない」
純「先輩……」
唯「だって、だってだって!純ちゃん、すぐ帰ってくると思ったのにね、帰ってこないんだもん……ぐすぐす」
唯「うえぇ~ん!純ちゃんとやりたかったのにぃ~!」バンバン!
純「先輩……今からいっしょにやりましょ?ね?」
唯「うん……ぐじゅぐじゅ……でももうちょっと飽きたかも……」
純「……私帰ってくるまでに何回やったんですか?」
唯「5回」
第13話 終わり
第14話 晶と純
部室
晶「……」
純「(うわー、晶先輩と二人きりって緊張するなー。このひととあんまり話したことないんだよな)」
晶「おい。茶、いるか?」
純「ありがとうございます(結構いい人だな)」
晶「……」ズズ
純「……」ゴクゴク
晶「なあ……鈴木さん?一つ訊いてもいいか」
純「あ、はい」
晶「前から気になってたんだけどさ……」
純「はい」
晶「お前らってレズなの?」
純「なんすかその質問はっ!!!!??? 違いますよ!!!!」
晶「えっ、ちがうのか!?同性愛者じゃねーの?だ、だってお前…」
純「あ、あー。あー。うん、まあ。うん。」
純「いや、私は男の人のが好きですよ?」
晶「??????」
純「そんな露骨に混乱した顔されても……。私は違いますけど、唯先輩はそうなんだと思いますよ」
晶「じゃあなんで付き合ってるわけ?いや、これ訊いていいのかわかんねーけど」
純「いいですけど……こういう話、唯先輩の前ではあんましないでくださいね」
純「私はべつに女の人が特別好きってわけじゃなかったんですけど、押し切られちゃったというか……」
晶「あー……なるほど。へー……」
純「先輩の方からすごいアプローチしてきてー、それで最初はびっくりしちゃったんですけどー」
晶「へー」
純「まああのひと結構やさしいし、あれで意外とまめで気を遣ってくれるとこもあるしー、いっしょにいて落ち着くっていうか、私のこと大切にしてくれるしー」
晶「……」
純「それにまあまあカッコイイし……///」
晶「やっぱりお前、レズなんじゃないか?」
純「違いますよ!///」
第14話 終わり
第15話 先輩の謝罪
朝
純「ん……あれ、カーテン開いてる……?」
唯「おはようございます、鈴木さん」
純「おはようございます、平沢さん。…って、なんですかそれ」
唯「まあまあ、まずは水をいっぱい。寝起きは常温の水を飲むのがいいんです」
純「あ、これはどうもご親切に」
唯「さ、どうぞこちらへ朝食の用意が整っております」
純「うわ、珍しいどうしたんですか」
唯「目玉焼きとトーストでございます。目玉焼きはバリカタです」
純「バリカタってラーメンの硬さのことじゃないの?しかもあんまり嬉しくないし」
唯「純さま、椅子をどうぞ」
純「あ、はい」
唯「トーストにバターを塗らせていただきます」
純「ジャムでお願いします」
唯「かしこまりましてございます」
純「……」もぐもぐ
唯「……」
純「先輩」
唯「はい」
純「ひょっとしてなにか言いたいことあるの?」
唯「……ごめん、純ちゃんの大切にしてたグラス割っちゃった」グスグス
純「あぁ~、なるほど……(どんだけ怒られると思ったんだろう…)」
第15話 終わり
16話 ムギ先輩
純「セミの声聴くとさー、『うわドラマと同じだ!』って思わない?」
梓「いまさら日常4コマみたいな話題で先輩受けを狙おうたってそうはいかないよ」
純「どういう相槌だよ」
梓「ごめん、この暑いのに純の気楽な顔見てたらイライラしちゃって、つい思ったことをそのまま口に出しちゃった…」
純「もー、梓はどうして私にきびしいかな…(ツンデレなのかな)」
純「あっ、でもさー、日本のドラマを外国に輸出すると、外人には蝉の声がノイズに聞こえるから『テレビから変な音がする!』って思うらしいね」
梓「へー。なにが『でも』なのかわからないけど面白いね(やっぱり日常4コマみたいな会話だな…)」
純「(またなにか変なこと考えてるな)」
紬「ねえねえ、これから3人でセミ取りにいかない?」
梓「!?」
純「うわっ、びっくりした! ムギ先輩いつからそこに?」
紬「えへへー、びっくりした?」
梓「脅かさないでくださいよー……」
紬「それでどう?私一人じゃどうすればいいのかわからなくって」
純「なんでまたセミを?」
梓「またバイトとかですか?」
紬「ううん、そうじゃないんだけど」
紬「この前唯ちゃんが『セミって油で揚げるとエビの味がするんだよ!』って言ってたから、試してみたくなって」
紬「たくさん採れたら二人にもご馳走するね!」
純梓「NO, Thank You!」
16話 終わり
最終更新:2014年10月13日 13:04