純「梓、こんな空き缶何時まで持ってるのよ?」




梓「大切なものなんだよ」





憂「良かったら聞かせて欲しいな」





梓「もう、あの人は覚えてないんだろうけど…」





梓「大切な人との出会いの話」







梓 子供時代


幼梓「うぅ…道に迷ってしまいました」




幼梓「心細いし寂しいです…」ぐすっ





幼唯「どーしたの?泣いてるの?」





幼梓「な、泣いてないです」





幼唯「涙出てるよ~」





幼梓「だ、だから…泣いてないです!」プイッ




幼唯「いーこいーこ」ぎゅっ





幼梓「あっ…」





幼唯「大丈夫だよ~大丈夫だからね」なでなで





幼梓(暖かい…)





幼唯「何で泣いてたの~?」





幼梓「道に迷ってしまって…お家がどこかわからなくて」ぐすっ





幼唯「そっかぁ~じゃあ大人に聞いてみようよ!」




幼梓「う、うん!」




幼唯「住所わかる?」





幼梓「うん、ちゃんと書いたの持ってるから」





幼唯「偉いね~凄いね~」ニコッ




幼梓「エヘヘ」





幼唯「すいませ~んこの住所わかりますか?」





おばさん「あぁ、ここなら…」





幼唯「少し歩かないといけないね」





幼梓「そうだね」





幼唯「エヘヘ」ぎゅっ


幼梓「?」


幼唯「手を繋いだら寂しくないよね」ニコニコ


幼梓「うん!」


幼唯「名前は?何て言うの?」


幼梓「梓だよ」


幼唯「私は唯だよ宜しくね梓ちゃん」




幼梓「うん、宜しくね唯ちゃん」





幼梓「暗くなってきたね…怖いよぉ」





幼唯「だ、大丈夫だよ」





幼梓「寒いね…」





幼唯「うん…」





幼梓「私、今日ね誕生日なんだ」





幼唯「わぁ~おめでとう」





幼梓「誕生日だから今まで行った事ない所を探検しようと思って…」





幼唯「そっかぁ~梓ちゃんは凄いね」





幼梓「そしたら道がわかんなくなって…ひっぐ」ぽろぽろ





幼唯「大丈夫だよ!私がついてるよ」ふんす




幼梓「唯ちゃんと居ると暖かいね」





幼唯「エヘヘ」





幼唯「そうだ!ちょっと待ってて」





幼梓「あっ!唯ちゃん」





幼唯「はい、誕生日プレゼントだよ」




幼梓「ココア?」





幼唯「うん、今日ねお母さんに130円貰ったからね」






幼梓「でも、それじゃあ唯ちゃんの分が…」





幼唯「これは私と梓ちゃんが友達になった記念だよ」ニコッ





幼梓「じ、じゃあ唯ちゃんにはこれあげるね」




幼唯「チョコだ~ありがと~う」だきっ




幼梓「にゃあ///」




幼唯「私、このチョコの味忘れないよ」


幼梓「私もココアの味忘れないよ」にこっ


幼唯「うん」にこっ





幼梓「もうすぐ着くよ」





幼唯「良かったね梓ちゃん」





幼梓「お母さーん」ピンポーン





梓ママ「梓!こんな遅くまで何処に行ってたの!」




幼唯「あ、あの梓ちゃんは道に迷っててその…」





幼梓「お母さんごめんなさい…唯ちゃんが送ってくれたんだよ」





梓ママ「まぁ…ありがとうお嬢ちゃん」




幼唯「じゃあ、梓ちゃんまたね」





梓ママ「待って!こんな暗いのに危ないわ」





梓ママ「送って行くから車に乗って」





幼唯「おばさん、ありがとーう」ニコッ




幼唯「バイバイ梓ちゃん」




幼梓「バイバイ唯ちゃん」







梓「それからまた会えると思ってたけど会えなかったんだよね」




梓「高校に入学して唯先輩を見た時はびっくりしたな~」




梓「何にも変わってなかったから」





憂「そうだったんだ~」





純「人に歴史ありだね」





憂「あっ!もうこんな時間だ!帰らないと」





梓「え~まだ早いよ?」





憂「純ちゃん行こう」





純「う、うん」





梓「仕方ないまたね」





憂「またね梓ちゃん」




純「寂しくて泣くなよ梓?」





梓「う、煩い純///」






梓「何さ、誕生日なんだからもっと傍に居てくれたっていいじゃん」





純「憂」





憂「どうしたの?純ちゃん」





純「誕生日なんだからさ、もう少し梓の傍に居てあげても良かったんじゃない?」




憂「今日は特別に幸せな日になるよ梓ちゃんにとってね」ニコッ






純「憂がそう言うなら大丈夫か」







梓「何か寂しいな…」ぐすっ




ピンポーン


梓「誰だろ?はい」



唯「あ~ずにゃん誕生日おめでとう~」




梓「にゃっ!唯先輩///忙しいんじゃ…」




唯「エヘヘ~あずにゃんの為だからね」
ふんす





梓「全く唯先輩は///」





唯「あずにゃん早速だけど誕生日プレゼントだよ、はいっ」




梓「こ、これって…」





唯「あずにゃん覚えてないの?」





梓「覚えてます!唯先輩てっきり忘れてるのかと…」






唯「エヘヘ~これもまだ持ってるんだよ」





梓「あの時のチョコの箱…」





梓「わ、私も持ってます」





唯「あの時のココアの空き缶だね、あずにゃんありがとう」




唯「ねぇ、あずにゃん」




梓「はい、何でしょう?」





唯「あの時みたいに励ましあって笑い合って」





唯「これからも」





唯「ずっと一緒にいてね、あずにゃん」ニコッ





梓「はい!勿論です」





そこにはあの頃と何にも変わらない
優しくて暖かい唯先輩の笑顔がありました
今までで最高の誕生日になりました
これからもずっと一緒です唯先輩


おしまい 



最終更新:2014年08月05日 08:00