澪「…」カタカタ

律「みおー」

澪「…」カタカタ

唯「みおちゃーん」

澪「…」カタカタ

律「みお
唯   ちゃーん!!」ワシャワシャ

澪「わわわ!な、なにするんだよっ」

律「いや、だってこうでもしねーとちっとも気がつかねーし」

唯「そうだよ。何してるの?」

澪「…明日提出予定のレポート。うっかり忘れてたんだ…」

律「あららー澪にしちゃ珍しいな」

唯「だから昨日の打ち上げ来なかったのかー」

澪「ごめん…ライブ終わった後でレポートのこと思い出したんだ。
  だから早く書かなきゃって…それで打ち上げに参加する余裕なくて…
  すっごく行きたかったのに……ごめん 」ジワ

唯「それで飛ぶように帰って行ったんだね」

律「よしよし、泣くな泣くな」ナデナデ

唯「…で、肝心のレポートは?感想に参加してる余裕ある?澪ちゃん」

澪「それなら大丈夫。徹夜で頑張ったからもうほとんど完成したんだ」

律「おおっ。確かに澪の瞼の下に真っ黒なク…」

ガツンッ!

澪「…律、うるさい」


律「さあてはじめるとするか〜」ヒリヒリ

唯「待ってよりっちゃん!ムギちゃんとあずにゃんいないのにはじめていいの?」

律「ムギはベッドで寝ていて起きる要素ない。梓はあそこにこもりきり」→トイレ

梓「 」  オエー

澪「…二日酔いか」

唯「ムギちゃんよく寝てるなぁ」

紬「zzz」スヤスヤ

澪「ふたりに一体なにが?」

律「それもじきにわかるさ。さぁ気を取り直して」


澪「まずはOP」

唯「企画に参加した回数は少ないけど、OPいつも面白いよね」

律「企画のテーマに沿ったOPだったなー」

澪「唯と純ちゃんの組合せはそれほど多くないけれど、いいコンビだよな」

唯「えへへ〜純ちゃんがかわいくて、たのしかったよぉ〜」


澪「一番手さんの作品だ」

◆pc3qqLovSA >>5-12
唯「みんなにレズをカミングアウトしたらひかれた

澪「他の方もおっしゃっているけれど、「感動系」というテーマをうまく解釈してると思ったよ」


唯「言葉遊びって面白いよね」

澪「うん。リズム感があるから読みやすくて心地いいよな」

律「ラストのまとめ方は上手に感動に結びつけてるし、王道じゃないのにテーマに沿った作品に仕上げたから思わず唸っちまったぜ」

澪「続く後半の企画の幅が広がって書きやすくなったのも間違いない。
  トップバッターらしい作品だと思う」


唯「二番手!」

澪「さんづけしろっ」


律「感動系…なのか?」

唯「うーん」

澪「ハハハ!…何言ってるんだ二人とも!そんなことどうでもいいんだよ」

律「えっ」

澪「読んだひとの心に響くものさえあれば、テーマなんて二の次だろ」

律「うーーん、それはそうかも……」

唯(企画の否定なんじゃ…)

澪「とにかくわたしはこういう雰囲気のSSがとても好きだ。
  冬の星座、とくにオリオン座はほんっといいよな。
  わたしもいつか冬の星座を題材に、こういう作品を書いてみたいよ」

律「……………パクるなよ」ボソッ

澪「……………ナンノコトヤラ??」シレー


律「三番手さんだぞー」

◆ym58RP.VtE >>24-44
「虹の刺繍」

唯「澪ちゃん、こういう話好きそう」

澪「……うん。こういう童話っぽい作品書けないかなって思ってたけど、わたしには無理だったよ…」パタリ

唯「ああっ!澪ちゃんがまっ白に!!」

律「ほっとけ。そのうち回復するだろ。
  子どもの頃に読んだ昔話、絵本にありそうなメルヘンファンタジー感動系の王道のお話だったな」
  澪とムギのキャスティングも良かったと思う」

唯「ムギちゃんはお姫様ってかんじだもんね!」

律「…こっちのお姫様は爆睡中だけどな」

紬「zzz」スヤスヤ

唯「王子様がチューしたら起きるかな??」

律「…ムギの王子様はどこにいるんだろうな」

澪「」グッタリ


唯「四番手さんの作品だよ〜」

◆vZmyym56/2 >>45-69
梓「The Alan Turing Test」


律「構成、文章力ともにひとつだけ圧倒的に飛び抜けてたなぁ…」

唯「うん…」

律「感動する話ってなんなんだろうなぁ…」

唯「なんなんだろうねぇ…」

澪「思うんだけど」ヒョコッ

唯「あ、生き返った」

澪「共感しやすいわかりやすい不幸を設定して、それを克服する。たぶん感動話ってこういうことだと思うんだ」

律「人と人との絆がぁーとかな」

澪「でも人はそれに慣れる。耐性をもった人は従来の…どこかで聞いたことのある物語に涙を流すことはなくなる。そしてもっと感動したくて、もっとわかりやすい不幸を、悲劇を求めるんじゃないか」

唯「……もうその構図自体が一種の悲劇だね」

澪「いやむしろ喜劇だ」

律「校舎が破壊される場面を読んでるとき、そういう安易な感動から距離を置こうとする意思が感じられたな」

澪「もうひとつこの作品で重要な主題になっているのは『過去』だ。わたしはさ…
 過去が愛おしく思えるのは、それが過ぎ去ったものでもう二度と戻ることのできないものだからだって思うんだ。
 だからさ……過去の思い出とほとんど変わりない記憶をいつだってそうしたいときに繰り返して追体験できるようになっちゃったら…」

律「それは過去をなくしちゃうってことと一緒じゃないか」

澪「一番大切にしたいもののはずだったのにな」

唯「よく似た記憶を繰り返してばかりいたら、ホントの思い出がなんだったのかわかんなくなっちゃうよ!」

澪「過去を愛おしく思うが故の行為によって、過去それ自身が磨耗していくんだから皮肉だよ。それは、もう二度と『たのしかったあの頃』戻れないこと以上に悲劇だ」

律「…よくわかんなくなってきた」

澪「ごめんごめん。そういえばこのSSを読んでいて『悲劇排除システム』というマンガを思い出したよ」

唯「どんな話??」

澪「いまよりもずっとずっと科学が進歩している世界の話だよ。
  そこは誰もが若く美しく、病気にならず、死が果てしなく遠くなった世界なんだ。その世界において悲劇はどこまでも遠く、忘れられた存在だ。
  でもかつて悲劇と考えられていたもの(生老病死)が遠ざかることで生が均一化平板化してしまう。
  つまり、悲劇を遠ざけること自体が悲劇ってわけなんだ」

唯「ふぅ〜ん。悲劇からは逃れられない、かぁ」

澪「悲劇から逃げられないことは、本当に悲劇なのか?それとも喜劇なのか?いやもうそこには幸も不幸もないのかもしれない…」

律「…あのさー」

澪「なんだ?」

律「長々と語り続けてけど、このSSにしてもそのマンガにしても殆ど澪の思い込みって可能性はあるよな」

唯「いわゆる誤読ってやつだね!りっちゃん!!」

澪「」グサ

澪「…まぁ読み手がどんな感想を抱いたっていいじゃないか…」

唯「まぁね〜ところでラストのことなんだけど」

律「うん」

唯「この作品であずにゃんが憂と別れたのだとしたら、憂はあずにゃんにとって過去だよね」

澪「そうだな」

唯「…ということは、大切なものをなくしちゃうことであずにゃんは過去を手に入れたのかもしれないね」

律「ああ」


澪「五番手さんの作品だぞ」

◆XksB4AwhxU >>70-80
梓「さよなら、憂」

唯「登場人物の誰かが倒れる、という話の筋としては王道の感動系だね」

律「…と、思わせておいてそれをおちょくるかのような荒唐無稽な展開」

澪「ギャグというかカオスというか。…ラストは感動系に沿ったまとめ方だったからいいんじゃないか」


唯「ろく!」

律「ばん!」

澪「…」

唯「澪ちゃんノリわるぅ〜い」

澪「うるさいっ。六番手さんの感想いくぞっ」


唯「ろくばんてさんだよ〜ん」ジャカジャン!

◆hE1WJoODTg >>81-92
菫「だいじょばない」

律「なんだか台本のト書きみたいだったなー」

唯「ちょっとクセのある地の文だったよね」

澪「わたしは…この地の文はたぶん意図的なものだと思わんだ」

律「どういうことだ?」

澪「SSには大きく分けて二つあるだろ?」

律「地の文アリのSSと…」

唯「『だいほんけいしき』ってやつだよね!」

澪「ああ。そのとおり。じゃあ、律。このSSはどっちのタイプだと思う?」

律「そりゃ、地の文アリタイプだろ。バカにすんなぁー!!」

澪「ごめんごめん、いくら律のことをバカだと思っていても、そこまでだとは思ってないよ」

律(…ひ、ひどいよみおぉ…)

澪「地の文がある時点でこのSSは台本形式ではないのだけど、でもその肝心の地の文のスタイルが気になったんだ」

律「まどろっこしいなあ。さっさと言えよ」

澪「まぁ、そう急かすな。ヒントはさっきの律のセリフにある」

律「ん??」

唯「あ」

律「えっ、唯わかっちゃったの??(ゲェー!これじゃわたしの方が唯よりバカってことに…)」

唯「地の文がト書き調なんだよ!」

澪「そういうことだ」

律「あっ、わかった!」

唯「りっちゃんどうぞ!」

律「つまりだな…地の文があるんだけどそれが台本のト書きみたいな地の文なんだ!」

澪「不思議だよな。地の文があることでより台本っぽくなるって」

唯「う〜〜ん。けいおんSSは深いねぇ…」ウンウン


律「なな!」

唯「ばん!」

澪「て!」

澪(…はずかしい)


律「まさか2本目の人と同じ作者さんだとは…」

唯「ぜぇんぜん気付かなかったよ。でも言われてみるとOPとは似てるかも」

澪「わ、わたしは気づいていたけどなっ」

律「ムーリスンな」

澪「うう…でも作者当てなんて作品の本質は関係ないっ」

唯「その作品が面白いかどうか、だよね?」

澪「そうだっ!その意味ではわたしは今回の企画でこの作品が一番好きなんだ!」

律「わたしもだなっ」

澪「これだけ大勢の登場人物をちゃんと立たせるのも、唯純、澪紬憂、律梓、3つのカプを混乱させず同時に書きわけるのも、見事というほかないよ…」

唯「1つの作品で3つのカプ+2年生トリオまで楽しめるなんて…めちゃくちゃ贅沢じゃないですか!たいちょー!!」

澪「3つの視点が1つに集約していく展開にもカタルシスがある。見事な構成だ…」

律(ちょっと褒めすぎじゃ…)ボソッ

澪「好きなんだからしょうがないだろ…せめて作者さんには引かれたくないけどな」

唯「でもこのお話のあずにゃんってさ。すっごくわがままだよね。
  こういうの嫌がる人もいるかもしれないなって思った」

澪「だからいいんだよ」

唯「ん?どういうこと??」

澪「そんなことは当の梓本人が一番わかっているさ。理解した上でそう言っているんだ。きっと」

律「…梓はさ。憂ちゃんや純ちゃんたち同級生よりも、わたしたちけいおん部の先輩を選んだんだけど」

律「でも、ここまで本音を言えるという友達なんて普通いねーよ。どんだけ憂ちゃんと純ちゃんを信頼してるんだって話」

澪「自分がさ。心から大事に思えるものがあったとして。それを守るために他の誰かを傷つけてしまったり、誰にもわかってもらえないことだってあると思うんだよ。
でも…でも。自分でもよくないことだとわかっていても、どうしても守りたくなってしまう、譲れないものってあるんじゃないか?」

唯「わかる気がするよ」

澪「自分が心から大事だと思えるものに出逢えたこと、そしてさらにそのことをを理解してくれる人までいるなんて…これ以上ないとても幸福なことだと思うよ」

澪「そして譲れないものを見つけれられた梓と、それに憧れていながらまだ見つけれていない純ちゃん、という対比がまたせつないんだよな…」

唯「みんながみんなそういうものに出会えるわけ、ないもんね」

澪「そうだよ。これはさ、奇跡なんだよ!」

律(…痒くなってきたな。どこだ?ムヒどこだ??)カイカイ

澪「感動、っていうとありがちなお涙頂戴に走りちがだけど、受け取りようによっては人間のキレイじゃないと感じられる部分をさらけ出してる部分がかえって心に響いたんだよ!

唯「うんうん。ちょっとした描写なんだけど、

 >梓「ずぴぴぴぴっぴぴぴp」

って、あずにゃんが鼻をかむシーンを汚くしているのなんかも、お涙頂戴から遠ざけようとしてるんだなって思ったよ」

澪「大げさな物言いをすれば、人間の業を肯定しているような気がしたな、うん」

律「…随分と気に入ったことはわかった。でもあんまり熱くなりすぎるなよ」

唯「ところで単にニコニコいい人じゃなくて、適度に毒を吐く憂っていいよねー!我が妹ながら可愛いなぁ〜」


律「OPの感想でも書いたけど、唯純って結構いい組合せだよなぁ〜」

唯「でへへ〜照れますなぁ」ニヤニヤ

律「ちょっとムカつくけど、わたしに生意気な梓は可愛かったし、
  高価な値段にビビる澪の器の小ささも笑えたぜー!」

ガツン!

律「…痛い」

澪「次行くぞ」


律「八番手だ」

唯「ねぇりっちゃん。ここで改めて企画名言ってよ!き・か・く・め・い!」

律「は?じゃーゆーぞー」


唯「うぷぷぷぷぷp」


澪「最初は王道の感動系を書くつもりだったんだけど…」

律「思いつかなかったんだよなー」

澪「だから今回参加は諦めるつもりだった…それを救ったのが…」

唯「わたしなのです!」ドヤァ!

律「……なんで?」

澪「いや…企画名がこれじゃなかったから書けなかったんだよ。だからこの名前を考えてくれた唯に感謝したい」

唯「うふふふふふふふふ……」ニマニマ

律「(あーーー……うざい)でも誰かがやりそうかなって思ってたけど被らなくてよかったな」

澪「…ホントそれだよ」

律「それにギリギリの投稿になって、ほとんど推敲できなかったのは心残りだったなー…」

澪「企画者さんをはじめ、お読みくださった方、感想までくださった皆様、本当にありがとうございました。
 いつか別のところで再投稿するときには、いただいた指摘を意識して直したいと思います」

律「線路は終わっちゃってるって言われたけど?」

澪「…ふたりの心の中にある線路はずっと続いていくのさ…」

律「はーいはい」

唯「いヤァ〜わたしの考えた企画名のおかげで生まれた作品かぁ〜」ムフフ


澪「九番手さんの作品だぞ」

◆.VOE29MKZs >>133-147
梓「ブルーリボン」

律「リボンや上履きの学年カラーがあるのも高校までだからな。
  それが余計に限られた季節を思わせるよ…」

唯「珍しく感傷的なりっちゃんきもーい」

律「さっきあれだけうざかったお前にだきゃいわれたくねぇ!」

澪「どうどう。落ち着け律。
 ところでこの作品における『リボン』みたいになにか作品の象徴するアイテムを作ると、雰囲気がでるよな。引き継がれる伝統を色に乗せて紡ぐ爽やかな一編だったよ」


律「ラスト!』

唯「十番手っ!」

澪「さん!」


律「これまた王道だ!」

澪「…」

唯「澪ちゃんが書けなかったタイプの作品だね!」

澪「」グサリ

澪「…たしかにわたしには書けない作品だ」

律「ま、まあ人それぞれなんだしいーじゃねーか。だから企画は面白いんだろ」

唯「しっかし、りっちゃんってかっこいい役多いよねー」

律「へっ?そ、そうか?」

澪「熱血な律を主役に据えて、身体的不幸を軸に展開する作品。まさに王道だ」

唯「なんというか、感動&熱血なりっちゃん主役の、これぞけいおんSS!という作品だね!」


律「さて。感想も一通り終わりました」

唯律澪「「「企画者さんはじめ、参加された書き手のみなさん、読んでくれたみなさん、感想をくださったみなさん!!!」」」

唯律澪「「「ありがとうございました!!」」」

唯「いやー今回の企画も楽しかったね!」

律「同じテーマで誰がどんなものを書くのか。
  他の作品を読むのも、作品を書くのも、そして読んでもらえれるのも、
  すっげーうれしいしたのしいぜー!」

澪「本当だな。ご苦労をかけた企画者さんには一番大感謝だ!」

律「…さて。こうしてキレイに閉めたいところだが…」

唯「が?」

澪「ムギも梓もダメそうだな…」

紬「zzz」スヤスヤ

梓「………うぷっ」ゲーッ!

澪「ちょ!梓!あんまりわたしの家のトイレを荒らすなよ!」

梓「ダ、ダイジョブデスミオセンパ……!!……グホォ!オェェェ…!」ビシャー!

澪「あああああ!昨日新調したばかりのトイレマットがぁぁぁあぁ……!!!!」

律「しっかしなんで梓はこんなに潰れてるんだ…?もとから強いほうではなかったけどさ」

唯「銭湯上がった後、フルーツ牛乳やめて缶ビール飲んだんだって。つい勢いで3本くらい」

律「つい、じゃねーよ。自業自得だな」

唯「結局家に帰れなくてムギちゃん家に収容されたんだってー。
 澪ちゃんの家まではムギちゃんがタクシーで連れてきてました!」

律「まぁムギもろくに寝ずに梓の面倒見てたらそりゃ居眠りもするかー」

紬「zzz」グゥグゥ

唯「ムギちゃん全然起きないねーすんごく気持ち良さそう」

律「あ」

唯「なに?」

律「澪のベッドで寝てたいから寝てるフリしてるだけだったりしてー」ナンチテ

紬「!」ビクッ

唯「…」

律「…」

澪「…まさか」

唯「ま、いいじゃんどっちでも。今日はもう予定ないんだし、気の済むまで寝させてあげようよ」

澪「…レポートがあるだけど」

律「ところで澪」

澪「?」

律「ムギが酔いつぶれた『フリ』をしてたことには気がついていたのか?」

澪「…さぁ忘れたよ」

律「…そのとき、何かあったのか?ムギと」

澪「さぁ…忘れたよ」

おしまい。

以上です。長々とすみませんでした。



最終更新:2014年11月09日 13:25