* * *
梓(いい加減疲れた……)
梓(……そしてこの先に立ちはだかるであろう、あいつを思うと更に疲れる)
純「梓、いいとこに来たね!」
梓「頭痛が痛い」
純「わたしは今、この覆面Mさんにさらわれて、
酷いことをされそうな状態なんだ!」
梓「めっちゃノリノリじゃねーか」
純「……次、澪先輩のセリフですよ」
M「あ、ごめん」
梓「色々聞こえちゃってるし!」
M「こ、こいつを返して欲しくば!」
梓「はいはい何を身につければいいんですか、全く——」
「ちょっと待ったー!!」
梓「な、なに!?」
T「間に合ったようね」
R「走ったかいがあったぜ!」
Y「わたしは歩いてきたぜ!」
梓(うわ、全員集合しちゃったよ……)
Y「わたしたち四人が集まったことで、弱点は殆ど消えてしまったのだ〜!」
梓「まじか」
M「た、ただし!」
M「“身長160センチ台かつ豊満なバストでツインテールの猫耳少女”が唯一の弱点だっ!」
梓「超ピンポイントですね!?」
Y「ふふふ、わたしたち四人が並んでいる今……」
R「お前が通る道は塞がれている!」
T「物理的に!」
梓「大迷惑です」
菫「梓先輩!」
梓「菫!?」
梓「わかってたけど、無事だったんだ」
菫「……」
菫「……はい!」
梓「今の間はなんだ」
菫「そんなことはともかく、今あの覆面集団を倒せるのは梓先輩だけです!」
梓「いやいやいや」
憂「梓ちゃん!」
梓「憂まで……」
憂「お願い、わたしたち最後の願いを聞いて……!」
梓「こんな趣味全開なお願いを最後にしないで」
直「先輩!」
純「先輩っ!」
梓「紛れるな同級生」
R「おーっと、あまりに梓が時間をかけてしまったから、
弱点がよりピンポイントになっちまったぞー!」
R「具体的には、さっきの弱点に加えて、
“特定の衣服”を着てもらわないといけなくなったぞー!」
梓「律儀に説明ありがとうございます。
ただ残念なことに、わたし衣服は貰ってなくてですね——」
T「あ、空から簡易更衣室が!」
梓「更衣室が!?」
「どしーんっ」
梓(本当に降ってきた……)
梓(案の定、周りの人が好奇の眼を……)
Y「さあ!」
R「梓!」
梓「いや、あの」
M「梓!」
梓「ええと」
T「梓ちゃん!」
梓「その……」
憂「梓ちゃん!」
梓「……」
純「梓!」
直「梓先輩!」
菫「先輩!」
Y「……あずにゃん!」
梓「……だあああ、もうううう!!」
梓「はいはい履けばいいんでしょ、つければいいんでしょ、着ればいいんでしょ!?」
梓「わかったよ、わかりましたよ!!
ですからわたしの名前を、こんな所で叫ばないでください!!」
Y「あずにゃん……!」
梓「更衣室、借りますからね!」
T「どうぞ〜」
* * *
梓(更衣室は、降ってきた割には傷一つ見当たらない……。
一体どうなんてるんだ、これ)
梓(中にあった衣装はあら不思議)
梓(見覚えのあるメイド服〜)
梓(……というかムギ先輩の家のお店で働いたとき、着たやつだ)
梓(この更衣室も琴吹グループ製かっ!)
* * *
R「さあ中野梓、その姿を見せてもらおうか!
まあそれがわたしたちの弱点にぴったり一致するかは別だけどな、ふははは!」
梓「……」
R「な、なんだとっ!」
T「まさしくあれは……」
M「わたしたちの弱点そのもの!?」
Y「あの姿でにゃーんなんて鳴かれてしまえば……!」
梓「……に」
梓「にゃ〜ん。あずにゃんだにゃんっ!」
Y「ぐ……」
R「ぐぐぐぐ……」
覆面's「ぐわあああああああ!!!!」
* * *
R「お、お見事……!」
T「だが、第二第三の資格が……!」
M「……いないだろ」
Y「ばたり」
梓「……ふう。やっと終わったか」
憂「梓ちゃん!」
純「梓!」
菫・直「先輩!」
梓「みんな……」
純「よくやってくれたよ、本当に」
菫「信じてました、先輩のこと……!」
直「わたしもです!」
梓「うん、そっか……」
憂「……本当にありがとう、梓ちゃん。そして——」
憂「——おめでとう」
純「おめでとう」
菫「おめでとうございます」
直「おめでとうございます」
律「おめでとう」
澪「おめでとう」
紬「おめでとう」
唯「誕生日おめでとう、あずにゃん」
梓「あ、えっと……」
唯「……えへへ」
梓「……あ、ありがとうございますっ」
‐おしまい‐
梓「……ということで、全員これからお説教です。
そこに正座してくださいね」
唯「えっ?」
梓「正座です」
唯「あ、はい」
律「はい」
澪「はい……」
紬「は〜い」
憂「はい」
菫「はい」
直「はい」
純「……えっ?」
梓「純」
純「はい」
おめでとうございます!
最終更新:2014年11月11日 19:34