森の中
澪「うう、暗いよ怖いよ…」
律「よしよし、私が守ってやるからな」
紬「ハアハア」///
唯「あそこが魔女の家だね。どうやって倒せばいいんだろう」
グウ〜
唯「おなかすいたよぉ〜」
律「まったく唯は」
唯「ムギちゃんお菓子」
紬「ごめんなさい旅の途中で全部なくなっちゃったの」
紬「主に唯ちゃんが食べたせいで」
唯「えへへ」
憂「クンクン、お姉ちゃんこっちからおいしそうな匂いするよ」
唯「本当だ。甘いお菓子でも置いてるのかな〜」フラフラ
律「おい唯!」
唯「あー、一口ケーキが落ちてる」ハム
憂「お姉ちゃん駄目だよ拾い食いしちゃ!」
澪「犬に拾い食いを注意される飼い主…」
唯「ムグムグ。あーこっちにもお菓子がある」ヒョイパク
律「待て、おい、唯が憂ちゃん抱いたままどんどんあっちに行っちゃうぞ!」
紬「唯ちゃん!」
憂「お姉ちゃん戻らなきゃ!」
唯「大丈夫これ食べてから…」ヒョイ
ガチャ
唯憂「あ…」
さわ子「ふはははは!ひっかかったひっかかった!いまどきこんな古典的な罠に!」
律「西の魔女!くそ、なんて卑怯なことを!」
澪「こんな罠に引っかかるほうも引っかかるほうだけどな」
唯「うわーん!ここから出してよー!」モグモグ
憂「食べるか泣くかどっちかにしなよお姉ちゃん」
さわ子「じゃ、この子たちはさらっていくわ!」バッ
魔女の家
唯「うわーん!帰りたいよー出してよー!」ビービー
さわ子「…」
唯「おとうさーん!おかあさーん!りっちゃーん!澪ちゃーん!ムギちゃーん!」ウエーン
さわ子「うるさいわよっ!!」
唯「」ビクッ
憂「あの、魔女さん。どうして私たちを捕まえたんですか?」
さわ子「」ビク
憂「…もしかして、私たちが東の魔女を倒したから?」
唯「え?倒してないよたまたま家が落ちちゃっただけだよー!」
憂「黙ってて!!」
唯「」
憂「それなら…謝ります。私も仲間が、家族が大事な気持ちはわかりますから」
さわ子「…」
唯「…」
さわ子「…違うわよ」
さわ子「彼氏が振るときに言ったのよ。『僕はもっと、天然な女の子がいい』って」
さわ子「だから、魔法を使ってあなたの天然力を吸い取ってやろうと思ってねえ」
唯「ええ、私天然じゃないよー」
さわ子「あんな罠に引っかかるほどの天然は私初めて見たわよ!でなきゃ天然を超えた何かよ!!」
さわ子「まあいいわ。準備ができたらあなたの天然力を吸い取るから。あ、その犬も黙らせるわ」
憂「天然じゃないお姉ちゃんなんてお姉ちゃんじゃないよ…」
こそっ
律「まずい、これは非常にまずいぞ。魔女に能力を吸い取られると死んでしまう!」
紬「天然って能力なのね」
澪「で、でもどうすりゃいいんだよ…出て行ったら私たちまで」
律「まあ見てな。どうやら魔女は男に飢えている。だから…」ヒソヒソ
ピンポーン
さわ子「こんな時間にお客さん。いいこと、声を出さないでね」
ガチャ
律「こんばんは、お嬢さん」
さわ子(まあ、低身長でさわやか女顔のイケメン!)///
律「一目見てあなたに惚れました。今夜はあなたと…」ダキッ
さわ子「そ、そこまで言うなら…」うっとり
澪「…よし、魔女はもう律以外目に入っていない。今の内だ」こそっ
紬「カチューシャ外したりっちゃんはイケメンになる…さわ律もいいかも」///
澪「おいボーっとするなっ」
ガチャ
唯「助かったよ澪ちゃ」
澪「しっ」
律「さわ子先生、あなたはお美しい」
さわ子「もう、正直なんだから」
イチャイチャ
澪「よし、こっそり…」
さわ子「あぁん、もっと甘えていい?」しなっ
むにゅ
律「…?」
さわ子「」ムニムニ
さわ子「小さいけど…ある…」
律「ち、小さくて悪かったな!」
さわ子「あ、あんたこの前の案山子!」
さわ子「はっ!」
澪「やばい!」
さわ子「待てー!!」
律「逃がすもんか!」ガッチリ
さわ子「く、小癪な!」
魔女がステッキを振ると、途端に律の体が浮き上がり壁に叩きつけられた。
律「くっ!」
澪「律!律に手を出すなぁあああああああ!!」ガオオオオオオオオオオオ!
さわ子「きゃっ!な、なによ貴女」
紬「りっちゃんを守ろうとする澪ちゃん素敵」ウルウル
さわ子「ふん、逃げようったってそうはいかないわよ」
ドアがバタンとひとりでに閉じられた。
澪「な、なんだこれ身体が動かない」
さわ子「ふふふ、あとで貴方達にもいけにえになってもらうから。まず唯ちゃん貴方よ!」
唯(どうしようなんとかしなきゃ……)
唯「魔女さんは、男の人にモテたいんだよね。オズの国で一番モテてるのって誰かな?」
さわ子「……東の魔女が生前夢中になっていた
秋山澪……今行方不明だけど、絶世の美女らしいわ。ファンクラブができるくらいなんだもの、きっとすごいんでしょうねえ」
律「おいそれって」
澪「///」
さわ子「そして美貌の秘密になっているのは縞パンツというもっぱらの噂…ああ、私も縞パンツほしい!」
澪「」
律「とんでもないデマが…」
唯「フフフ—実はその縞パンツがここになるのです!」バッ
さわ子「こ、これは伝説の縞パン!よこせっ」バッ
澪「おいっ!!なんでそれ持って」
律「どうどう」
さわ子「フフフこれで私も…」ハキハキ
さわ子「んっぁあああああああああ!?」ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ
律「な、なんだ!?」
憂「引っかかりましたね…そのパンツには、ローターが仕組まれていたんですよ!多分東の魔女がお楽しみだったんでしょう」
澪「」
紬「ハアハア」///
さわ子「うぅ、だめえ…」ガクッ、プシャアアアア
律「勝負あったな」
澪「」チーン
オズの城
律「たのもー!」バンッ
梓「い、いきなりなんですか!ここは王様の部屋ですよ!」
唯「近くで見るオズにゃんは可愛いなあ」しげしげ
梓「な、何を言ってるですか!帰るです!」///
律「帰らねーよ。魔女を倒したんだから約束守ってくれないとな」
梓「嘘…そんな、本当に」
澪「いや、証拠もあるんだ。これがその写真」
梓「…なんか卑猥な格好で倒れて縛られてますね。あんたたち変態ですか?」
澪「ち、違うよ!かくかくしかじかでなぜかこうなった」
律「変態はムギだけで十分だぜ」
紬「あん?」
唯「というわけで約束通り魔法で家に帰してほしいんだ」
梓「……」
律「どうしたんだよ?」
梓「皆さん…」
梓「だましていてごめんなさい。実は私は魔法使いなんかじゃないんです。ただの人間です」
一同「えーっ!?」
律「そんな…私たちとの約束はどうなるんだよ!」
梓「安心してください。もうあなたたちはほしいものを持っています」
梓「澪先輩は唯先輩達を助け出そうと危険に立ち向かいました。律先輩は魔女を倒すために頭を使いました」
紬「私は?私は?」
梓「ムギ先輩はすでに百合を愛する心を持っています」
紬「」
律「あの、胸の方は」
梓「黙るです!そんなの私だっていろいろ試したけどうまくいかなかったです!」
梓「ていうか魔女にもまれてちょっとだけ大きくなってるじゃないですか!」
澪「本当だ」ムニムニ
律「なんでだろう、嬉しくない」
梓「それではこれで」
唯「あのっ、私たちは!?お家へ帰れないの?」
梓「…すみません。私はただの人間なんです」
梓「唯先輩たちを家には…帰せません…」
唯「そんな…じゃあ私、もう帰れないんだ…」
唯「お父さん、お母さぁん…」ウエーン
憂「お姉ちゃん…」
律「…まあ、こうなったら、ここでずっと私たちと暮らさないか?ここはいいところだよ」
紬「そうよ。おいしいお茶もお菓子も出すわ」
澪「わ、私も唯たちと、離れたくないよ…」
唯「みんな…」
梓「…もしかしたら、南の魔女が助けてくれるかも」
憂「南の魔女?」
唯「ってたしか、いい魔女だよね?…本当にいい人なのかなあ?」
梓「まあ、いい加減でウザくてKYで非常識だけど、いい奴と言えないこともないよ」
梓「別名、モップの魔女とも言われている」
唯「モップ…」
律「そんでその、南のモップはどこに住んでるんだ?」
澪「律、魔女が抜けてる」
梓「砂漠の端に住んでいますね。ここからは何日もかかります」
紬「そんな…」
唯「…」
唯「でも、私は行くよ。何としても、お父さんとお母さんの所へ帰りたい…!」
憂「お姉ちゃん、私も!」
唯「みんなはもう帰っていいよ。ここからは私一人で」
律「何言ってんだ!ずっとついてくぜ!」
澪「そうだそうだ、唯も憂ちゃんも仲間なんだ、ここまで来たら一蓮托生だ!」
紬「私、砂漠に行くのが夢だったの〜」
唯「みんな…!」
律「よーし、みんな、何としてでも南の魔女に会いに…!」
ガチャ
純「おーす梓!久しぶりー!ドーナツ持ってきたよ!」
梓「……」
唯憂律澪紬「……?」
純「あ、あれー?なんか空気が重いぞ?ていうかなんか、人いっぱいいるし…人?」
梓「この……KYモップがあーーーー!!」ゲシッ
純「痛い!何すんの梓!」
律「つまりこのモップみたいな髪型の人が南の魔女ってわけか」
純「モップ言うなあ!久しぶりに何日もかけて梓のとこに遊びに来て早々、なんでこんな痛い思いしなきゃなんないの…」ヒリヒリ
唯(…魔法で飛べたりとかしないのかな)
唯「じつはかくかくしかじかで」
純「ふむ。それなら帰せますよ。律先輩たちはどうします?」
律「私たちもやっぱ、生まれ故郷に帰してもらいたいかな」
律「唯たちを見送った後で」
澪「私も、最後の最後まで唯たちといたい!」
紬「唯ちゃん達だけじゃない、みんなと、なるべく長くいたい…」
純「わかりました。ですが、もう時間がありません。今すぐ帰さないと…」
律「…わかったよ。じゃあな、唯」
唯「…うん!」
純「では」
純「ミラクルマジカルピュアジュ〜ン!」
梓「センス無!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオ…
唯「わあぁっ」
律「唯ー憂ちゃん達者でなー」
澪「私たちのこと忘れないでくれよー」
紬「いつかまた会いましょう!」
唯「うん、みんなありがとー…あ」
ぐいっ
唯「オズにゃんもよかったら一緒に来ない?」
梓「にゃっ!?」ドキッ
憂「お姉ちゃん!?」
梓「純…」
純「まあ何かあったら私が魔法で迎えに来るから、楽しんで来たら?王様にも休暇は必要だよん」
梓「///」
唯「それじゃあさよならー!よろしくね、オズにゃん」
ゴオオオオオオオオ…
チュン、チュン…
唯「う〜ん…むにゃむにゃ」
憂「お姉ちゃん起きて、遅刻しちゃうよ」
唯「んー、おあよー憂、元の姿に戻れたんだね」
憂「元の姿?」
唯「およ?なんか堅いものが」
『オズの魔法使い』
唯「そっか…昨日、この絵本呼んで寝ちゃってたんだ…」
学校
唯「という夢を見たんだよ〜だから今日、オズにゃんの誕生日にはこの絵本上げるね、おめでとう!」ハイ
梓「意味わからないです。何で唯先輩が変な夢見たからと言って私が絵本なんか貰わなきゃいけないんですか。ていうかなんですかオズにゃんって」
唯「オーズにゃん♪」ギュッ
梓「にゃ、やめてくださいっ!」///
律「梓〜貰ったものに文句垂れるのはよくないぞ」
紬「そうよ、とっても素敵なお話だったもの!」
澪「ムギが言ってるのは唯の夢の方だろ」
梓「くっ…そこまで言うなら…ありがとうございます」///
唯「えへへ。ところで他のみんなは何をあげるの?」
律「私は頭脳を」ハイ
澪「私は勇気を」ハイ
紬「私は百合を愛する心を」ハイ
梓「な……ふ、ふざけるなです——————!!」
律「冗談だよ、冗談!」
さわ子「私の扱いが気に食わないんだけど」
終わり
ストーリーうろ覚え。
憂があんまりしゃべらないのは犬だからです。
あずにゃんおめでとう。
最終更新:2014年11月11日 21:11