澪「えっ!?」
梓「えっ?」
澪「何を当たり前のように言い出すんだお前は」
梓「だってどう見たってMじゃないですか」
澪「どこがだよ」
梓「清楚な先輩だと思ってたのに……」
澪「清楚だよ! 清純派だよ!!」
梓「でも律先輩が絶対間違いないって」
澪「りっ!? 律!? なん、何を言われたんだよ!?」
梓「やっぱりドラマーは叩くテクニックも違うものですか」
澪「何の話だよ!?」
梓「ちょっと律先輩とそういう話の流れになってですね」
澪「なっ、何を言われたか知らないけど律の言う事はデタラメだからな!?」
梓「でもみんな言ってましたよ?」
澪「みんな!? いつ!? なんで!?」
梓「まあイニシャルの話なんですけどね」
澪「お前ぶっ殺すぞ!?」
梓「澪先輩、頭をヒヤシンス」
澪「頭を冷やすのはどっちだよ!! どっちがヒヤシンスだよ!!」
梓「律先輩が澪先輩をいじりたくなる気持ちがわかりました」
澪「変なところばっかり見習うな」
梓「これが落ち着いていられますか!!」
澪「私が M なら梓は A だな」
梓「胸を見ないで下さい」
澪「名は体を表すとはよく言ったものだ」
梓「その理屈でいくと澪先輩はやっぱりMになるんですけど」
澪「………」
梓「でも実際、律先輩に連れ込まれて強引に入れられたそうじゃないですか」
澪「軽音部に入部した時の経緯がな」
梓「初めての時はビクビクしてたけど、
いざ始まったら意外といい声で絶叫してたって」
澪「初ライブの話に卑猥な含みを持たせるな」
梓「そしてライブ中に下着を見せつけたらしいじゃないですか」
澪「あれは事故だったんだよ」
梓「事後?」
澪「ライブのな」
梓「やはりM字開脚で?」
澪「Mから離れろ」
梓「そんな律先輩と澪先輩を見てムギ先輩が近づいてきたんでしたっけ?」
澪「どんなだ」
梓「でもあの人そういう絡みにつられてきそうだし……」
澪「絡みとか言うな」
梓「なんでも涙目で『挿入れて下さい』って懇願してきたとか」
澪「まあ間違ってはいないのが恐ろしいところだ」
梓「リアルにヤバい変態ですからね」
澪「最後まで絶対にスキを見せるなよ」
澪「自分のゴールは死守せねばならん」
梓「ゴリ……」
澪「誰がゴリだ」
梓「自分で言ってて恥ずかしいなら中途半端にボケないで下さい」
梓「これだからM女は……」
澪「あの素直で可愛かった後輩は一体どこに行ったんだろう」
梓「唯先輩ってああ見えてエッチなんですよね、姉妹そろって」
澪「イニシャルの話だよな?」
梓「自分から挿入れてもらいにきたくせに泣き叫んで大変だったそうじゃないですか」
澪「さっきから 入れる の文字がおかしい」
梓「澪先輩たちのプレイを見てすっかりその気になったと」
澪「プレイとか言うな」
梓「そういえば私もそんな変態たちの変態的なプレイにそそられて
ホイホイやってきたんでした」
澪「お前は私たちの身体が目当てだったの?」
梓「ええと、私の行為はホッチキス という歌に惹かれて」
澪「私たちの出会いは何もかもが間違いだったようだ」
梓「あの時の唯先輩と澪先輩の艶めかしく重なり合う声に惹かれたんですよ」
梓「そうそう、喘ぎ声といえば入部していきなり羞恥プレイを強要されてイキかけたんでした」
澪「どういう連想回路をしてるんだこいつの頭は」
梓「てっきりあのまま姦されて入部が認められるものだと……」
澪「お前こそSなのかMなのかはっきりしろ」
梓「顧問はSの変態女教師だったし」
澪「お前のイニシャルトークは何か根本的に間違っている」
澪「でもあの人はまあ、大人になりきれなかった子供みたいなもんだから」
梓「人間になれなかった妖怪人間みたいですね」
澪「入部直後で初対面の顧問にキレる新入生なんてお前か桜木花道くらいだよ」
梓「部長は新曲の歌詞をなぜかラブレターだと勘違いして
無駄に妄想を膨らませる欲求不満の塊だったし」
澪「いや、お前もロンドンで一方的に自意識過剰な勘違いをしたあげく
唯に肘打ち食らわせて押し倒そうとしたとか聞いたけど……」
梓「あの部屋にムギ先輩がカメラを仕掛けていなければHなH先輩とHな夜を
澪「もういい、やめろ」
梓「でも私、そんな軽音部に入って良かったと思ってますよ」
澪「意味不明な理由で突然エア退部したくせに?」
梓「真面目に聞いてください」 キリッ
澪「なんだよ、急に……」
梓「あの時、ステージで歌う澪先輩に逢えたから私たちの今があるんです」
澪「………」
梓「軽音部に入ってなかったら、こうして澪先輩と恋人同士になれなかったし」
澪「おいもうすぐみんな来るぞ、くっつくな」
梓「こうして唇を触れ合わせる事もできなかったですし……」
澪「梓……」
澪「いや何の話だよ離れろよ、なんだよ恋人同士って」
梓「いやあ、ついうっかり」
澪「顔、が、近いっ」
梓「まずは肉体関係からでしたね」 グググ
澪「違うところが違う」 ギギギ
紬「肉体関係がどうしたの!? 今から!? 今から!?」
梓「あっムギ先輩、いつの間に」
澪「見ろ、一番やっかいな奴にめんどくさい所を」
梓「ムギ先輩はMですよね?」
紬「Sだけど」
澪「えっ?」
梓「……っていう話で昔盛り上がってね」
直「はあ」
直「…………」
直「いや、何の話ですか」
純「昔の軽音部の学園祭の話を聞いてんのに
誰があんたの変態妄想列伝を聞かせろって言ったの」
憂「お願いだから後輩に下品な話を吹き込まないでくれる?」
梓「スミーレはSだよね?」
純「聞いてる?」
菫「Mですけど……」
純「えっ!?」
軽音部は今日も平和である
最終更新:2014年12月04日 07:32