梓(今日は軽音部のみんなが私の誕生日パーティを開いてくれました。ちょうど日曜だったので、私の家で)
梓(菫と直がまたケーキを作ってくれて、みんなからプレゼントももらって、今はパーティも終わってみんなでまったりしてます。そろそろ帰りかな?)
憂「……」ソワソワ
梓(憂、今日ずっと時計をチラチラと見てたけど……なんだろ?)
憂「……! 梓ちゃん、ちょっといい?」
梓「何?」
憂「えっと、隣の部屋に来てくれる?」
梓「え、いいけど」
梓(なんだろう、今になって……)ガチャ
憂「……梓ちゃん、後ろを向いてて」
梓「? う、うん」クルッ
梓(いったい何? 何されるの? ちょっと緊張してきた……)
ピロリロリン♪
梓「あ、憂、どうしよ……電話出ていい?」
憂「うん、いいよ♪」
梓(なんか妙に嬉しそうだな……てか、唯先輩からじゃん!)
梓「もしもし、唯先輩?」
唯『あずにゃーん!』
梓「どうしたんですか?」
唯『ほら、後ろ向いて?』
梓「え……?」
唯『会いに来たよー!』憂「」フリフリ
梓「唯先ぱ……じゃなくて、憂! また唯先輩のマネして……」
唯『んもー、マネじゃないよ! 本当に私だよ~』憂「」フンス!
梓「いやいや、バレバレだし……あ、一応憂も携帯持ってるんだね」
唯『そう! だって今まさに目の前で電話してるんだもん』憂「」コクコク
梓「目の前で電話する必要ないじゃないですか。切りますよ?」
唯『だ、ダメだよあずにゃん!? え、えっと私、ちょっと声枯れちゃって大きい声出せないんだ、だから電話で……』憂「」アタフタ
梓「……ふふ、わかりましたよ。それで、どうしたんですか唯先輩?」
唯『あずにゃん、誕生日おめでと~!!』憂「」ギュゥゥゥ
梓「わ!? ちょ、ちょっと憂、苦しい……」
唯『も~、憂じゃないって言ってるでしょ! あずにゃん、私のこと見てくれないの……?』憂「」ウルウル
梓(あ~、どうしよ……一応唯先輩も憂も私のためにやってくれてるんだし、あしらっちゃ失礼なのかな……)
梓「す、すいません……ありがとうございます」
唯『うん! じゃああらためてあずにゃん生誕記念のはぐはぐを~』憂「」ワキワキ
梓「おことわりします」
唯『あずにゃんしどい!?』憂「」ガーン
梓「もう……唯先輩は相変わらずですね」
唯『えへへ、それほどでも~』憂「」テレテレ
梓「褒めてないです。先輩、今こんなところにいて明日の講義は大丈夫なんですか?」
唯『大丈夫だよ、晶ちゃんが起こしてくれるから!』憂「」フンス
梓「いや、そうでなくて……早く帰らないと終電がなくなって、寮に戻れなく……あ~やっぱりいいです」
唯『あ、そうか! うーんとね、ワープして帰れるから! さっきもそうやって来たし』憂「」ピョンピョン
梓「そ、そうですか……てか、毎日その晶さんって方に起こしてもらってるんですか?」
唯『そうだよ~』憂「」コク
梓「迷惑かけちゃダメじゃないですか! そもそも、憂がいないのに家事とかはちゃんとできてるんですか? まさか、何もかもその人にやらせちゃって――」
唯『そ、そんなこと』憂「そんなことないよ! ……はっ」
梓「……今のは聞かなかったことにしてあげる、憂」
唯『な、なんのことかな~?』憂「」シレッ
梓「ふふ。で、えっと、何の話でしたっけ……」
唯『あ、そうそう! あずにゃんの誕生日を祝いにきたんだよ~。はい、プレゼント!』憂「」ゴソゴソ…サッ
梓「あ……もしかして、事前に送って……ありがとうございます!」
唯『そうだよ、えっへん! ……じゃなくて、今持ってきたんだよ~!』憂「」アセアセ
唯『あずにゃん、受験勉強がんばってね? 寂しくなったらいつでも私がぎゅーってしてあげるからね?』憂「」カモーン
梓「先輩が抱きつきたいだけでしょう……でも、お気持ちは頂いておきます。ありがとうございます」
唯『んも~、あずにゃん素直じゃないなぁ……寂しいんでしょ?』憂「」キラキラ
梓(う……てか似すぎだよ、憂……なんかいつもより気合入ってる気がする。もしかして今日のために練習してきた?)
唯『あ、ず、にゃん♪』憂「」ジリ…ジリ…
梓(なんか本当に唯先輩に見えてきた……)
唯『……ぎゅ』憂「」ギュ
梓「……」
唯『お疲れ様、あずにゃん部長』憂「……」ギュ
梓「!」
唯『憂も軽音部楽しかったって言ってたよ~』憂「……」ギュ
梓「憂……」
唯『またいつでも電話してね、あずにゃん。私じゃ勉強教えられないけど、いっぱいお話しようよ』憂「」ギュ
梓「はい! ありがとうございます、唯先輩。憂も、ありがとう」ギュ
唯『それじゃ、私はそろそろワープして戻らなければならない! さらばだあずにゃん!』憂「……」テレテレ
梓「は、はい! 今日はわざわざ本当にありがとうございました」
唯『うん! じゃぁね~!』ピッ
梓「……」ピッ
憂「……」
梓「……後ろ向こうか?」クルッ
憂「……」ゴソゴソ
憂「はい、こっち向いていいよ梓ちゃん♪」
梓「……」クルッ
梓(あ、元の憂に戻った)
憂「えーと、というわけで、お姉ちゃんでした!」
梓「ありがとう、憂」
憂「え? 私は何もしてないよ? お姉ちゃんに伝えとくね~」
梓(まったく、この姉妹は……ふふ)
おわり
最終更新:2012年11月11日 21:42