唯「暑い夏だから、新発売の瞬間冷却剤『殴ると冷たくなる憂』を手に入れたよー」

憂「早速冷やしてあげるね!」

唯「ありがとう!じゃあ…」ピタッ

憂「…どうしたの?手を上げたまま止まっちゃって」

唯「…」ポロポロ

憂「!?」

唯「やっぱり嫌だよ…憂を殴るなんてそんなひどいこと」ポロポロ

憂「そんな、いいんだよ?だって私殴らないと冷たくならないよ。お姉ちゃんを冷やしてあげられないよ」

唯「いいもんっ。憂は冷たくならなくて」ギュッ

憂「えっ///」

唯「へへ、憂はあったかい方がいいもん。あったかあったか♪」

憂「…ふふ、そうだね。あったかあったか♪」


律「暑苦しー」

紬「灼熱ね!」ハアハア

律「殴ると冷たくなるりっちゃんだぞ!」

澪「変な冗談言うな」ボカッ

律「ってーなー…」ジトッ

澪「ご、ごめん」オロオロ

律「もういいよ、いっつも私の事殴って。もう知らないからなっ」

澪「!?」


紬「…というわけでりっちゃんが澪ちゃんと口を利いてくれないらしいの」

澪「律ぅ、悪かったよぉ、もう殴らないから…」

律「…」

唯「冷たくなるってそっちだったんだ」

梓「そりゃー年中あんだけポカポカ叩いてたら普通は冷たくもなりますよ」

律「はぁ〜。もういいよ、澪。私が悪かった。こっち来いよ」

澪「律!」パアッ

律「よしよし」ナデナデ

澪「えへへ」

梓「殴られても冷たくなれない律先輩」

唯「良かったね澪ちゃん!」

紬「うふふ」

紬「あのね…私の事叩いてほしいの」

唯「ええっ、ムギちゃんを叩くなんてできないよぉ」

紬「いいから叩いて!ほっぺを思いっ切り!さあ!」

唯(ただならぬ気迫…)

唯「…う、うんっ」

パンッ

唯「ム、ムギちゃんごめんね大丈夫?」

紬「いいのよ。ほら、私の手触って」

唯「?」サワッ

唯「!冷たい!ムギちゃんの手冷たくて気持ちいい!」ギュッ

紬「うふふ。私ね、実は殴ると冷たくなるの」

唯「へぇー凄いね」

紬「唯ちゃん前に言ってたわよね。手の冷たい人は心があったかいって。今私の心はあったかいのかしら」

唯「ムギちゃんの心は手の温度に関係なくいつでもあったかいよ!」

紬「ありがとう♪」

梓「『新発売!殴ると冷たくなるモップ』」

梓「『このモップは殴ると一瞬で冷たくなり、モップとしてだけでなく瞬間冷却剤としても使えます。まさに一挙両得』」

梓「買うか。すみませーん、これくださ」

純「待て!」ガシッ

梓「モップが喋った!?」

純「誰がモップだ!せめてスレタイ通り美少女って言ってよ!」

梓「えー、純が美少女…」プッ

純「わ、笑うな!この私のどこが美少女じゃないって言うのよ!ほら!」

梓「ま、美の基準は人それぞれ、蓼食う虫も好き好きって言うからね」

純「くっ…腹の立つ言い方だなー。私だってファンは多いんだからね…」ブツブツ

梓「ねえ、そろそろ殴っていい?」

純「私は冷却剤じゃないから、別に殴っても物理的には冷たくならないよ!?梓に対する態度はともかく!」

梓「何言ってんの。純程有能な瞬間冷却剤はないって」

純「どういう意味よ」

梓「この前純がうちの前通った時、こう呟いたじゃん」


純『ヒヤシンスでも見て頭を冷やしんす』


梓「あの時周りが一瞬で凍り付いたね!ああー思い出したらまた寒くなった!」

純「あれ聞いてたの!?」

梓「思い出して腹が立ったから殴っていい?」

純「いいわけないでしょ!それ殴ったら冷たくなるって言うより冷たくしたから殴られるんじゃん!」

唯「生徒会室にクーラーがついてる!ずるい!軽音部室にもないと、暑くて練習できないよー!」

和「あんたクーラー苦手だったじゃない」

唯「…そうでしたー」テヘ

唯「でもこのまま熱いのはやだよ〜」

和「はあ。仕方ないわね。代わりに瞬間冷却剤『殴ると冷たくなる生徒会長』をあげるわ」

恵「初めまして。殴ると冷たくなる生徒会長、曾我部恵です」


紬「会長、お茶どうぞ」コト

恵「ありがとう」

梓「どうしましょう、誰があの人を殴りますか?」ヒソヒソ

唯「わ、私やだよー」ヒソヒソ

律「ここは澪に行ってもらうか」

澪「ええっ?そんな、生徒会長を殴るなんてできないよ!」

律「あれだけいつも私の事叩いてるんだから、澪が一番殴り慣れしてるはずだ!ほら行った行った、これも軽音部のためだ!」

澪「うう、バカ律ー…」

澪「あの、すいません…」

恵「あら、秋山さん///」

唯「がんばれー」

澪(これは律これは律これは律…)

澪「えいっ」

パンッ

恵「…」

唯律紬梓「…」

澪「ひ、ひぃいっ、ご、ごめんなさいっ」ガクガクブルブル

恵「あ…」

恵「秋山さんに殴られた!夢にまで見た体験!」ボオッ!

唯律紬梓「!?」

澪「ひいっ」ジリッ

恵「もっと殴ってもっと!!」

律「なあ唯、『殴ると熱くなる』の間違いだったんじゃないか?」

唯「う、うん。でも澪ちゃんは鳥肌立ってるよ」

梓「いずれにせよ、殴る人間を考えないといけないみたいですね」

紬「これはこれで///」●REC

恵「秋山さん!!」

澪「助けてええええええっ」


終わり

さわ子「…私は?」

律「甘いなさわちゃん、『殴ると冷たくなる美少女』だぜ」

唯「なるほど、『美少女』じゃないからさわちゃんは駄目か!」

澪「美少女じゃないとしたら…美女?」

紬「美熟女」ボソッ

梓「ちょwwムギ先輩www」

唯律澪紬梓「wwwww」

さわ子「貴様ら〜…」


ポカッ! ポカッ! ポカッ! ポカッ! ポカッ!


唯律澪紬梓「」

さわ子「ずっとそこで冷たくなってろ!!」


唯「それからさわちゃんは冷たくなって、一週間は口を利いてくれませんでした」


本当に終わり



最終更新:2014年12月10日 07:55