ブ フォッ


梓「誰が一斉に紅茶を吹き出せって言ったんですか、まったく……」 フキフキ

澪「なんでお前が呆れてるんだよ!」

律「クリスマス会の話をしてんだよ!」

梓「いや、そんな息の合った二人なら当然知ってると思って……」

律「知るか!」

澪「知ってたとしても説明できるか!」

梓「あぁ そ う ですか……」 ハッ

澪「お前にそんな軽蔑した目で見下される筋合いはないんだよ」

律「その薄ら笑いをやめろ!」

梓「私も性夜に向けて予備知識を得ておかなくてはいけないので」

澪「聖夜の文字がおかしい」

梓「いえ、合ってます」

律「断言しやがった」


澪「そういう知識はムギのほうが詳しいと思うぞ」

律「そうだな、手取り足取り教えてもらってこい」 シッシッ

梓「でも初めての時は好きな人としたいじゃないですか」 チラッ

律「いやらしい目つきで唯を凝視すんな」

梓「照れてるだけなんですよあの人、ねえ唯先輩?」 チラッ

澪「見ろ、お前の薄汚い話に無反応でこれ見よがしに練習してるぞ」

梓「しらじらしい人だなぁ」

梓「恋人がクリスマスプレゼントに何を欲しがるか、私なりに真剣に考えたんですよ」

澪「恋人?」

梓「想ってるだけなら別にいいじゃないですか!露出狂!!」

澪「中野」

律「まあプレゼントの話だったら何とか相談に乗ってやれるかな、
  要は唯に渡すプレゼントの事で悩んでたって話だろ?」

梓「それでプレゼントを考えてたら 『私』 に行き着いたんですね」

律「まったく違う類の話だった」

梓「好きな人が好きなものってやっぱり私以外に無いじゃないですか」

律「お前バレンタインの時も唯の誕生日にも同じような事をわめき散らして
  憂ちゃんに殺されかけてただろ」

梓「ちょっとケーキに扮して『私がプレゼント』みたいな事をしただけなんですけどね」

梓「全裸で」

律「もうなんなんだよお前」

澪「どっちが露出狂だよ」

梓「例えばプラグとソケットがありますよね?」

澪「そういう露骨な例えをするな」

律「まだその話を掘り下げるのかよ」

梓「その掘る時の話なんですけど」

律「……」

梓「仮に、仮にですよ? ちょっと天然な先輩をムリヤリ押し倒したとして」 チラッ

澪「その目つきをやめろ」

梓「そして泣き叫ぶ先輩の服を引き裂いて局部に手を伸ばすとしますよね?」

律「なんという具体的な例え話なんだ」

梓「唯先輩が今まで誰にも触らせる事なくずっと大事にしていた場所に強引に指の
  先端を押し入れ、上質なギターを爪弾くが如く指先で大胆に責められて高級な
  パンケーキを味わうが如く舌先で執拗かつ丹念に舐め回したりしているうちに
  いやらしい蜜が本人の意思と無関係に溢れて止まらなくなっちゃって快感の中で
  おかしくなりそうになりながら、必死に抵抗していた唯先輩も自分で腰を振り始めて
  可愛い顔を屈辱に歪めながらイカせてください!とか潤んだ瞳で懇願しちゃって
  しかたないですね、って小悪魔のように笑った私が唯先輩を昇天させて世界中で
  ただ一人、初めて女の悦びを与えたという征服感を得てもそれは唯先輩を一方的に
  イかせただけに過ぎなくて、唯先輩が自分の意志で私も昇天させてくれない限り、
  真の意味で私たちが女性同士の肉体関係を持ったとはいい難いですよね?私の
  持論ですけど、女性同士の行為は男女のそれとは違って相互自慰の延長などではなく
  女の性感帯を知り尽くした者同士が互いの情欲を満たし合うものであってそれはまさに
  神の領域で 唯先輩マジ女神唯先輩唯先輩唯先輩ハァハァハァハァ

律「気が くるっとる」

梓「私は極めて冷静です」

律「どうしようこの異常者」

澪「警察と病院、どっちに押し付けよう」

梓「ねこだいすき」

律「あ?」

紬「要はソケットだけでどうやって繋がり合うのかっていう話よね?」

律「まためんどくさい奴が増えた」

澪「いつの間に沸いて出てきたんだ」

紬「ふふ、なにか楽しそうな会話が聞こえたから掃除当番そっちのけで


紬「めんどくさい女がどうしたって?」

梓「後輩が悩んでるのにこの先輩たちときたら誰一人聞く耳持たないんですよ」

澪「お前のはただの猥談なんだよ」

律「なんでもかんでも下ネタで返しやがって」

梓「思春期なんです」

澪「この発情期のドラ猫はムギに任せてとっとと帰ろう」

律「クリスマス会の話はまた今度にしような」

梓「コンドー…? なんですって?」

紬「聞き捨てならないわね」

律「めんどくさい女だなぁ」

紬「上手いこと言って二人で帰っちゃって、一体何をするつもりだったのかしら」

梓「やはりナニを?」

律「いや普通に夕飯食って風呂入って寝るよ」

梓「その寝るところを詳しく知りたいって言ってるんですよ!!」

澪「どう見てもお前のほうがそういう知識に詳しいだろ」

梓「でも私そういうのじゃないんで……」

澪「ウソつけ!」

梓「私はそういう二人の体験談を聞きたいんですよ!!」

律「私らもそういうのじゃないんだよ!」

梓「イヴの夜はどっちから誘うんですか?」

律「だから普通に寝るって言ってるんだろ!!」

紬「それは特殊な性癖のないノーマルな性交っていうこと?」

律「まだしてないっつってんだろ!」



梓「えっ?」



律「あっ」








おわれ



最終更新:2014年12月17日 23:07