梓「えっと、サラダとスープも作ったから後は帰ってくるのを待つだけっと」ポス

梓(もう帰ってきてもいいのにちょっと遅いなあ、店が混んでるだけならいいんだけど……)

梓(まさか、男の人にナンパされたりしててそのまま無理矢理付き合わされたりなんてされてないよね……)

「ただいまー」

梓「! よかったぁ……取り越し苦労で」タタッ

「梓、食料品そっちに持って……」

梓「おかえりなさい、澪先輩!」ダキッ

澪「うわっと! 危ないじゃないか、こっちは荷物持ちなんだから」

梓「ご、ごめんなさい……食料品持ちますね」イソイソ

澪「ん、ありがと」

梓「ちょっと遅かったから心配してたんですよ?」

澪「モッスのチキンパックを買ってくるついでに食料品も買いに行ってたから、少し遅くなってたんだ」

梓「もう……それならそう連絡してくれれば心配せずにすんだんです」

澪「心配性だな、梓は」

梓「だって澪先輩、最近一段と綺麗になりましたから……男の人に言い寄られてるんじゃないかって思っちゃって」

梓「だからその、不安で……」

澪「梓」ギュッ

梓「あ……」

澪「私は必ず帰ってくるから。何があっても、梓の元に」

梓「本当ですか?」

澪「うん、私はもう死ぬまで梓と一緒にいるって決めたんだからな」

梓「み、澪先輩……///」

澪「じゃ、着替えてくるから」スッ

梓「は、はいっ」

梓(……もう、ますます好きになっちゃうじゃないですか///)

——

梓「じゃーん! どうですか?」

澪「おおっ、このクリスマスケーキ本当に梓が作ったのか?」

梓「はいっ、一日かけて頑張りました!」

澪「土台を作っていたのは見てたけど……このケーキの周りにあるサンタ、苺と生クリームで作られてるのか?」

梓「はい、苺を真ん中から横に切ってヘタのあった方を下にしてそこに生クリームを乗せて…」

澪「ふむふむ」

梓「切った苺の尖端の方を乗せた生クリームの上に置いて、あとは挟んだ生クリームにちょんちょんってチョコクリームで顔を書いたんです」

澪「ほんとすごいな、これなら梓パティシエとしてもやってけるんじゃないか?」

梓「それは言い過ぎですよ、えへへ……」

澪「じゃ、チキンも買ってきたし食べよっか?」

梓「あっ、その前に一緒にケーキカットしたいです」

澪「? ケーキ切るなら私がするけど……」

梓「もうっ、ケーキカットですよ澪先輩」

澪「え? ……あ、そっか///」イソイソ

梓「はい、では一緒にナイフ持って……」キュッ

澪「うん、じゃあ……」キュッ

澪梓「んしょっ」

ストン

澪「なんか、高校の時のお茶会の時を思い出すな」

梓「ですね、あの時はなんともいえない感じでしたけど…」

澪「今はどうなんだ?」

梓「今はすごく……嬉しい気持ちです」

澪「そっか、私も同じ気持ちだよ梓」

梓「本当のケーキカット、いつかきちんとしたいですね」

澪「そうだな、いつかきっと実現してみせるよ」

梓「はい、信じてます私」

澪「ん……じゃあいつか本当のケーキカットが出来ることを祈って、乾杯しよっか」

梓「はいっ」

——

澪「ごちそうさまでした、梓」

梓「お粗末さまでした、ケーキ結構重かったですね」

澪「そうだな……生クリームもボリュームあったし、ちょっと体重が心配になるかな」

梓「す、すいません」

澪「ううん、せっかく梓が作ったケーキだし、何より美味しかったし」

澪「だからありがとう、梓。愛してるよ」

梓「!? な、何気にさらっとそういうこと言うのは反則ですっ///」

澪「そういうことって?」キョトン

梓「い、いえ……食器洗い終わったらお風呂沸かしますね」

澪「お風呂、今日は一緒に入ろっか?」

梓「えっ、いいんですか?」

澪「せっかくのイブだし、作ってくれたケーキのお礼もしたいしさ」

梓「お、お礼……///」

澪「どうかな?」

梓「は、はいっ、ではご一緒させていただきます!」

澪「そんな固くならないで、な?」

梓「はい///」

——

澪「ふー、すっきりしたな」

梓「ちょっと今日はその、長めのお風呂になっちゃいましたね」

澪「やっぱり、一緒に入ると色々……な///」

梓「色々と……ですね///」

澪「あっ梓、窓の外」

梓「え? ……あっ、雪降ってきたんですね」

澪「イブにも関わらず今日は雪降ってなかったけど、こうして雪が降ってくるとクリスマスって感じがすごくするな」

梓「はい、それにこうしてちらちらと雪が降ってるのを見ているとなんだか……」

澪「ん?」

梓「クリスマスイブってこともあるのかもですけどすごく今、素直に澪先輩に甘えられそうな……そんな気持ちです」

澪「梓……私も今、梓をぎゅって抱きしめたい気持ちだよ」

梓「澪先輩」

澪「こっちにきて梓、抱きしめてあげる」

梓「ごくっ……や、優しくお願いします」

澪「うん、もちろん」

梓「メリークリスマスです、澪先輩」

澪「メリークリスマス、梓」

——

澪「んー……ふわぁ…ん」

梓「ん、んー……みお、せんぱい?」

澪「ああ梓、おはよう」ムクッ

梓「ふわぁ……おはようございます澪先輩……ひゃっ!?」ガバッ

澪「ど、どうした梓? 朝から大きい声出して」

梓「だ、だって私達、何も着て……///」

澪「もう、今更過ぎるよ。昨日は梓あんなに……」

梓「わーっ! 言わなくていいです!///」

澪「はいはい、じゃあそろそろ起きるか……あっ」タッタッ

梓「ど、どうかしました?」

澪「ほら、窓の外。けっこう雪積もったみたいだぞ」

梓「ほんとですか? 私も見……あっ」カクン

澪「あ、梓っ!」ギュッ

梓「す、すいません、足腰が立たなくて……」

澪「そっか、じゃあ」ヒョイッ

梓「きゃっ?」

澪「手負いのお姫様は、しばらく私がお姫様抱っこして移動といきますか」

梓「そ、そんな恥ずかしいです!///」

澪「いいから、足腰が動くようになるまで大人しくしてなさい」スタスタ

梓「う……///」

澪「あ、そうだそうだ」スッ

梓「え……んっ」

チュ

澪「ん……お目覚めのキスがまだだったから」

梓「も……もうっ、澪先輩ったらー!」バタバタ

澪「こら暴れない暴れない、足腰の動かない体に障るぞ」

梓「み、澪先輩なら別に触られても、いいですよ///」

澪「こーら、それ漢字間違ってるじゃないか」コツン

梓「えへへ…」


おしまい!



最終更新:2014年12月26日 07:58